斉藤うめ子ブログ

新しいニセコの街づくりにとりくみます

女性と政治 Ⅲ

2015-01-06 23:29:06 | 政治
毎日新聞1月4日朝刊くらしナビ・ライフスタイル
ガラスの天井 3 後半を紹介します。

―実績重ねても再選されず―

●仲間をふやしたいが
 当選4回、落選4回。20年間に計8回、市議選や県議選に挑戦してきた、
現鹿児島県南さつま市議の平神純子さん(57)の選挙結果だ。
 平神さんが初めて選挙に立ったのは1995年の旧加世田市議選。看護師として
働いた後、大学で政治学を学び、女性の政治参画が必要だと考えて立候補を
決意した。当時、5歳と2歳の子育て中。さらに、立候補を決めてから半年後
には妊娠が判明した。
 「はっきり言って当選するわけがない、と誰もが思っていました」。
当時をよく知る古木健一・南さつま市議会議長は、そう振り返る。
 旧加世田市の議員は、先祖代々この地に住む者で、自治会長や公民館の役員ら
男性が、地域の推薦を受ける形で名乗りを上げる。当時、一人いた女性議員は
婦人会の代表経験者だ。地縁血縁がものをいう土地柄で、平神さんは地元出身
ではなく、地域の代表を務めた経験もなかった。
 しかし、妊婦で出馬という話題性が手伝い、マスコミの注目を浴びて461票を取り
当選した。
 議員となってからは保育園の延長保育など住民に身近な問題に取り組み、
女性議員を増やそうと、自ら「選挙にでないか」と女性たちに声を掛けて回った。
しかし4年後の選挙では落選。「活動実績は評価してもらえないのか」
と悔しさがこみ上げた。

●地域社会の壁厚く
 女性の再選が難しい状況について、地方議会への女性参画に詳しい京都女子大学
の竹安栄子教授は「女性の多くは支持基盤がなく、いろいろな団体に顔を出すが
有効な選挙戦略を立てられず、再選されにくい。政党に属している議員は組織が
あり情報も豊富だが、無所属が多い地方議会では女性議員を育てるところがない」
と説明する。
 竹安教授は、女性の立候補を阻む要因に
▽「政治は男性のもの」といった「性別分業意識」
▽夫や家族の理解が得られないなど「家族・親族の壁」
▽地域社会の壁 ― を挙げる。
「地域社会は集票基盤であり、地域の指示を得るには、自治会長などの役職経験が
重要。地域社会との関係が密な地方選挙で、男性が長を占める中、女性議員が増える
にはまだ壁は厚い」と語る。

●職住近接、主婦向き
 女性にとっては、そんな近づきがたいようにみえる地方議会だが、いざ議員に
なってみると「主婦に向いている仕事かも」という声が聞こえてくる。
 主婦から千葉県浦安市議になった岡野純子さん(36)は「地方議会は現場の声や
生活密着でものごとを決める場。介護や子育てにじかに接していて、地元をよく知る
主婦に向いている仕事だと思う」と話す。
 県議の経験がある井戸正枝・元衆院議員も「住職近接で、拘束が年100日程度の
地方議会は勉強の時間も取れ、本来は専業主婦にぴったりだ」と勧める。
 地元をより良くするために、地域密着で働くことを意気に感じる女性たちは、
これから増えていくだろうか。その時、障壁が少しは低くなっているだろうか。