昼間に綺麗な桜を見れるのも今日が最後かな、とtoshiyaを連れて近くの公園へ出かけることにした。
普通はめったに私と出かけようとしないのだけど、着替えを用意して「お散歩行く?」と聞いたらすんなり着替えたからだ。
なのに、公園へ行く途中から雲行きが怪しくなって、大声を上げはじめて、しまいには道端に仰向けになったりうつ伏せになったりして泣き狂うようになった。
あーーーーあ、まただよ。
散歩などに連れてきたことを後悔した。
こういうことは珍しいことでもないのだけど、今日はいつになくお花見客がわんさかいてかなり恥ずかしい。やっぱりお花見なんて無理だったんだと、帰り道を急いでいたら、今度は私の手をいじり始めた。
これが曲者なのだ。
怒りに任せて指を捻り上げるのがコイツの得意技で、私も何度指を捻挫させられたか判りやしない。
今は仕事に必要な大事な右手は絶対に死守しなければならない。toshiyaは何がなんでも私の右手を捻り上げなきゃ気がすまないほどテンパってるわけで、私は道の真ん中で頬っぺたを引っ叩いて止めさせるしかない。
それでもしつこく攻めてきて、指は無事だったが手のひらを捻挫してしまった。
ほんとにほんとに腹が立つ。
一度家に連れて帰り玄関に押し込んで、私はそのまま買い物に出た。
私には普通のことも許されない。
無性に腹が立つしガッカリすることばかりなのに、なぜ私は逃げようとしない(しなかった)のだろう?
今までだって数え切れないほど酷い目に遭っているのになぜだろう?
親としての責任感や義務感から?
逃げるなんて世間体が悪いから?
私以外に子どもを見る人間がいないから?
子どもなんだから愛してるからに決まっている?
そのどれも正解。
9割くらいのささやかな楽しみを諦めるのも仕方ないと、とっくに達観している私だが、残り1割の自分としての人生を生きる希望は諦めたくないなと思う。
100%放り投げたくなる気持ちにならずに済んでいることは有難いことかもしれない。