つばさよつばさ(浅田次郎 小学館文庫)
航空機の機内誌に連載された旅行エッセイ。
浅田さんの小説が好きだけれど、最初に読んだ著作はエッセイ集の「勇気凛々ルリの色」で、著者の自衛隊時代やいわゆる燻り時期の思い出話がとても面白かった。
当時はまだ大家といえるほどのステイタスはなくて、週刊誌連載だった一編一編がとても丁寧に書かれていた印象が強い。
人気作家としての地位を確立した後は、多忙になってエッセイの質がガタッと落ちる人が多いように思うが、本書は(若干その気配がないではないが)全体に一定のクオリティを維持していて楽しく時を過ごせる。
また、本書は、誰もがうらやむ「旅先作家」として、うら若い語学堪能な編集者をガイド役に引き連れて世界各地の名所を訪れてはうまいものを食うという、読者がジェラシーを感じてしまいそうな主題なのだが、適度に失敗談や著者のドメスティックぶり(?)を織り交ぜて、そういった不快感がわくのをうまく回避しているのも、読者へのサービス精神を感じさせる。
航空機の機内誌に連載された旅行エッセイ。
浅田さんの小説が好きだけれど、最初に読んだ著作はエッセイ集の「勇気凛々ルリの色」で、著者の自衛隊時代やいわゆる燻り時期の思い出話がとても面白かった。
当時はまだ大家といえるほどのステイタスはなくて、週刊誌連載だった一編一編がとても丁寧に書かれていた印象が強い。
人気作家としての地位を確立した後は、多忙になってエッセイの質がガタッと落ちる人が多いように思うが、本書は(若干その気配がないではないが)全体に一定のクオリティを維持していて楽しく時を過ごせる。
また、本書は、誰もがうらやむ「旅先作家」として、うら若い語学堪能な編集者をガイド役に引き連れて世界各地の名所を訪れてはうまいものを食うという、読者がジェラシーを感じてしまいそうな主題なのだが、適度に失敗談や著者のドメスティックぶり(?)を織り交ぜて、そういった不快感がわくのをうまく回避しているのも、読者へのサービス精神を感じさせる。
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