蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

陽炎ノ辻

2013年02月07日 | 本の感想
陽炎ノ辻(佐伯泰英 双葉文庫)

佐伯さんってミステリ作家だったのに、いつのまにか時代小説を書くようになっていたのね・・・・なんて思っていたら、あれよあれよという間に大人気作家に。次々に新刊が刊行されるその生産性もすごい。

もともと、チャンバラっぽい?時代小説は、藤沢周平さんのもの以外ほとんど読んだことがなかったのだけれど、
佐伯さんの新刊が出る頃になると書店に「まだ出ないのか」と問い合わせるおじさんが続出するという噂を聞いたり、
会社の隣の席の(普段は真面目な)人が仕事中にこっそり新刊を読んでいたりするのを見たりすると、「そんなに面白いのか」なんて考えてしまった。それでいつも行く図書館にあったので読んでみた。

ストーリー展開が早くて、主人公の坂崎磐音は、悩みも迷いもなくて闘えば必ず勝つ。
リーダビリティは高いし、売りゆきがいいのも十分に納得できたが、次の一冊が読みたいかというとそれほどもない、といったところだった。

蛇足  このシリーズだけで50冊近く出版されているそうだが、本書だけでも磐音は(ちゃんと数えてないけど)10人くらいは斬り殺しているので、このペースで進展しているとすると、もう500人くらいは殺していることになる。まるっきり江戸を徘徊する殺人鬼だ(なんてことをいうのは野暮だけど)。

コメント
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