主にオートバイ。時々クルマ。
なんだかんだと永年のブログです。
風に向かう刻
サヤエンドウをわる作業。
残念ながらバイクの日(8/19)は平日だったので
普通に仕事として過ぎてしまいましたが。
心はいつもサラダ記念・・・じゃなかったバイク記念日なのでヽ(´ー`)ノ。
週の半ばとはうってかわり猛暑が和らぎ、
雨模様ながらも気温はすっかりオートバイ日和。即ち整備日和でもあります。
そこで、先日から気になっていた箇所をメンテする事に。
整備に付随するパーツ類は週末までにあらかた発注をかけておいたものの、
実はパーツの到着自体は来週半ばの予定になっております。
こればっかりはHONDAの輪番休業の影響ですから仕方なしです。
本来ならば”整備はパーツが揃ってから”が鉄則ですが。
先が見えていることなので使える時間があるうちに準備だけしてしまいます。
よくある整備なので、各項目は手短に参ります。
さーて取り出したりまするは本日の材料、サヤエンドウつきのCBRです♪
まずはリアをスタンドでリフトアップしまして。
センタースタンドを含むこの種の上げ方は、
サイドスタンドより不安定なので地震が少々心配でもありますが、
今回はリアタイヤを外さないので貫通シャフトを用いて少しでも安定させます。
そしてフロントスタンド・・・って蜘蛛の巣が(汗
毎度思いますが、レーサータイプのバイクの脚(フォーク)が長いとなにやらヘンです。
まるで洋画”トルク”のようです。
”トルク”で森の中のシーンでSS系のバイクスタントを見せる為、
オフ車にレーサーカウルを付けた奇天烈バイクがこんな感じでした(笑
っと、そろそろ工具屋さんが開くのでトルクスソケットを買いにいかなくては。
キャリパアッセンブリボルトの分解に必要なのです。
整備自体は割れる方が楽なのですが、モノブロックなら要らない工具です。
カブでトトトッと買って参りました。
なにゆえか2個ありますが、1度目に買ってきたもの(T30)が合わずに買い直し。
出掛け際にボルトの内径が6mmである事は計っていったのですが、
プロ仕様のお店にサイズ表なんて常備されておらず商品の寸法が不明でした。
そこで『もうちょっと小さい気がする・・・』などと1サイズ小さいものを購入orz
人間の直感ほど信じられないものはありませんね^^;
2度目はRZのエンジンに火を入れがてらにしたので、無駄ではない・・・筈。
”多量の水”は油圧ブレーキ周りの整備で必ず用意するもの。
ブレーキフルードは非常に攻撃性が高いのですぐに洗浄できる事が肝心です。
気を付けてもどうしても飛び散ることはありますので(笑
余談ですが、分解の途中にホイールがフリーになった時には
決まってベアリングの状態を確認しております。
先日自分で打ち換えたものなので念のためというのもありますが^^;
手で勢いよく回して、軽く数十秒は回り続けることは当然としても
件のシャワーホースでシャワーをかけるだけでも、
現状は【水車】のようにクルクルと回ってくれます。問題なさそうですね♪
一応動画も撮ってみたのですが、とくに面白くもないので文面だけで失礼(笑
これが通称”サヤエンドウ”ことブレーキキャリパーです。
両側にわかれるサヤ(キャリパー本体)に収まる、
豆(ピストン)がそれっぽいでしょ♪
必要性の薄さから廃れましたが6POTはもっとそれっぽかったですね^^
道具は揃っているので、車載のまま各所のボルトを緩めちゃちゃっと取り外し。
マスターシリンダとホースは今回交換しませんので、
ビニール袋で覆っておきます。フルード飛散防止が主な目的。
アッセンブリボルトを外してパカッとな。
日頃それなりに定期整備を行っている場所なので、
固着や腐食もなくすんなりと分解完了です。
2種類のリングは”ピストンシール”と”ダストシール”です。
ピストンをウエスで乾拭きしただけのもの。
状態としては、僅かな腐食が見られるものの到って良好でした。
シール類を傷つける変化というよりは、数ミクロンで凹んでいる感じだったので
今回は再利用することに致します。
1つ1,500円からしますし、8つも買ったら大変だというのもホンネです(笑
それでもと、ピカールとネバダルでピストンをひと磨き。
ぴっかりーんです。
うちのCBR1000RRも既に5年落ち故にシール類は傷んでいて当然ですが、
案の定ダストシールは変形しはじめており、丁度交換の頃合でした。
一方、ピストンシールは健全そのもの。歪みも破損も見られませんでした。
左右一対のキャリパー、そしてピストン清掃も終盤の7つ目。
これだけあると、流石に途中でピストンツールを握るのに疲れたので、
ウエスを噛ませてプライヤーでぐりっとまわしたその瞬間。
ぎゃーっ!やらかしてしまった(汗
手抜きをした結果、プライヤーでウエスを貫通してピストンを抉る始末orz
『・・・ふふん、こういう事もあるさ』と平静を装い、
とりあえず傷の下端を採寸して確認致します。『ほう、17.2mmか。』
返す刀で今度はキャリパーのピストンシールの端面を計ります。
『おー?17mm付近ね!よかった~!』
ピストンが一番奥で通常のブレーキ動作を行うことはありませんが、
仮にその位置でも、幸いシールに影響するような箇所ではありませんでした。
うーむ、我ながらお粗末すぎるミスです(苦笑
急いては事をし損じるとはまさにこのこと。
ピストンのミス以外の肝心の分解自体は問題なく完了です。
分解するそばから大まかに汚れも除去してひとまず整理。
見事に割れたサヤエンドウたちです♪
見た目は簡素な作りに見えるブレーキキャリパですが、
分解してみると御覧のようにいろいろなパーツで構成されているものです。
「ここまでするなら、社外キャリパ(brembo等)もありなんじゃ?」
という向きもおありでしょうが、
正直なところCBR1000RRに限っていえば不満はありません。
もちろん”適切に管理及びメンテナンスされた”という枕詞はつきますが、
タイヤ・サスペンション・ディスクも含めたブレーキシステムは相当に高品質であり
お山やサーキットで遊ぶ(プロは別。)ぐらいならなんの不足もないのです。
フィーリングに関しては好みの別れるところでしょうが、
こちらもまだ個人的に換えるには到らない必要充分な品質です。
でも、盆栽にしかならなくても銀のNISSINキャリパーが欲しいなぁ( ´ー`)。
ともあれ、週の半ばにはパーツが揃いそうなので今から楽しみです♪
ブレーキ周りの整備は、
直接安全に係わることなので(大昔は触ると違法でした)安易にお勧めはしませんが、
お店に頼むのでも勿論OKなわけですから、機会があれば皆さんも是非に。
常にブレーキの高熱に曝されて数年以上走ったオートバイならば劣化は必至ですよ。