「いいかい、彼女を殺してしまわなきゃいけないんだよ」(p.9より)
衝撃的な冒頭の台詞と、
被害者の特異な性格が印象的なこの作品。
トリック自体は奇をてらったものではないのですが、
“被害者を知ることが、犯人を知ること”
というポアロの推理方法に相応しい事件ではあります。
人間心理を中心に据えたミステリというと、
サイコものが目立ちますが、わたしはちょっと苦手。
(ちなみにもっと苦手なのはメタミステリ…)
ごく一般的な知識しか持たないものですから、
一定の(本格推理小説的)ルールに則って、
作中与えられた材料だけで推理できる(はずの)
フェアな話の方が好みなのです。
そして加害者の動機が…
犯罪は決して許されないことだけども、
それに至った気持ちは理解できる、
という作品が読みやすいです。
(最近は、取ってつけたように最後に自白させる小説が多すぎ!
動機については、あらかじめ、周到に伏線をはってほしいもんだ)
クリスティーの場合は、
“どんなタイプの人間でも、犯罪を行う可能性がある”
というスタンスをとっているので、
少し怖い感じはしますが、納得できます。
それでも、陰惨なところは無いのですよ。
ラストにはカップル誕生で、未来への希望を描いている作品も多いし。
安心して読むことができます。
(わたしの求めているものはスリルではなく、娯楽…なのかも?)
ところでこの『死との約束』は、
『死海殺人事件』という映画にもなっていますが、
そちらは、むむ…という感じでした。
映画向きの素材じゃないうえに、内容をいじったので、
深みが無いトラベルもの、になっているような気が。
被害者の周囲の人々が感じているプレッシャーも、
うまく表現されてないような気がしたし。
でも、サラ役のジェニー・シーグローヴは、
確か『シャーロック・ホームズの冒険』(グラナダTV)の
「四つの署名」でメアリ・モースタンを演じたひとじゃない?
という発見だけは嬉しかったです。
『死との約束』アガサ・クリスティー 早川書房 2004
今日は、夫がお昼からお酒を飲みだして、困っちゃいました。
四時間くらい…飲んでたかな。
妻が隣にいないとつまらないようなので、
一緒に『銀英伝』を観てたのです。
(わたしはしらふ。はぁ…。)
先ほど酔っ払って眠り込んだので、
ようやくパソコンを開くことが出来ました。
結局、昨日夫が突然始めた大掃除は途中で終わってしまいましたね。
パソコン周り…みどりとかめの水槽…などなど、
綺麗にしてほしいところは手付かずのまま。
ま、想像はついてたけど…。
ランキング参加してます。
気が向いたら、ぽちっと押してください♪
一日一回有効だそうです。