名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

20150505今日の一手<その14>

2015-05-05 | 今日の一手
20150505今日の一手

棋譜が残っている中で一番古いものです。2001年の朝日アマ東海ブロック決勝でKさんと。形勢判断から方針を決めて次の一手を考えてください。














昨日の一手の回答

形勢判断から。駒割りは互角です。玉の安定度は少し後手が上だったのですが、72から73に銀が上がったので差は縮まりました。先手は38金が遊び駒で、飛車の横ぎきを遮っているので無いほうがいいくらい。その分だけ苦しいのですが、実はチャンスでした。44角が浮き駒なのです。
そこに気が付けば85桂!次に74桂から角が抜けます。85桂65飛73桂成同玉54銀で勝勢です。


苦しそうだけれど何かある局面と思って考えたのですが、残念ながら気が付きませんでした。やりたい手は38金を動かす手なのですが、47金39金37金どれでも55桂が痛いです。仕方ないから後手の大駒に働きかけようと54金としたのですが、悪手でした。66角で勘違いに気が付きます。

この前の局面、66桂と打って73銀でしたが、すぐに66同角同金57歩成46角64歩57角54桂でまだ苦しいと思うのです。

それを73銀はありがたい、と思ったのですが、54金と悪手で返してしまったのでかなり悪くなりました。時間差で66角なので同金57歩成に46角が王手になりません。
仕方なく56金84角85桂66歩で同角に同角同金45角。両取りが見えませんでした。敗勢です。


54金は駄目だとしても、56歩は55桂を消して指したい手です。でも、58銀で困ります。

67歩や69銀があるので67金は逃げられず、68金打も67銀成同金58銀でうるさいです。あれ、68金打67銀成同玉は有望か。

でも66角同玉54桂で駄目ですね。見逃してもらって55銀とかできたら逆転ですが。

あとは68金打ですが、55桂で金をはがされます。後手の持ち駒が豊富なので受けきりはできません。


教訓としては、違和感のある手を指されたらとがめに行くこと。好手があることも多いし、悪手で返したら相手の手をいい手に変えてしまう。
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将棋の上達法則(8)

2015-05-05 | 将棋上達法則
今回から将棋を指すのに必要な能力を考えていきます。

ベイビーステップをみていて、パワーに優れた少年少女を選抜して鍛えていくという話がありました。体格がよくて筋力に優れていれば、まずは才能ありとしてよいでしょう。将棋では「読み」ですね。この局面で何が最善かを決めるのに、考えられる手をつないでいって先の局面を考えます。はっきりどちらかがよしとなるまで考えるのです。
詰将棋ならば、可能性のある手は王手だけですから、すべての王手を考慮し、相手の王手回避を考慮し、またすべての王手を考慮するというような全幅探索するイメージです。もちろん詰将棋でなければ指し手の可能性は多く、組み合わせがとんでもない数になりますが、可能性をなるべく限定せずに順番に指し手を考える能力です。論理思考の能力ともいえます。
頭の中に将棋盤がイメージできて、指し手を追いかけられなくてはいけません。パソコンでいえばメモリの多さといえばいいでしょうか。前の局面を覚えて一手進めて次の局面に移り、時々は前の局面に戻って、ということが必要ですから、そういう一時記憶の領域が広くないといけません。

残念ながら若いころの私には「読み」の才能が有りませんでした。今でも詰将棋は苦手で、手筋物はまあ解けるのですが、盲点に入ると全幅探索しているつもりでもどこかで打ち切ってしまうので何日考えても解けません。解かないからできないという悪循環かもしれません。今日の一手を読んでいただければ、私が「両取り見えない病」であることがわかると思います。あなたはそんなことありませんか?

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