名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

20150515今日の一手<その24>

2015-05-15 | 今日の一手
20150515今日の一手

2002年小牧将棋大会でD君との対局。形勢判断と次の一手を考えてください。できればこの後の方針も。








昨日の一手の回答

居飛車風車(右玉)の将棋、終盤です。
形勢判断から。駒の損得は先手の銀桂交換、かつ後手は歩切れ。終盤ですから損得の比重は小さいですが。玉の堅さは先手。駒の働きは後手のほうがいいです。後手の攻め駒は55角、45桂、47金、持ち駒の銀がありますから、受けきりは難しいですね。
ここまで見て、形勢を悲観していました。もう少しうまく受けて切らせたのではないかと悔やんでいました(多分)。けれど、先手の持ち駒は豊富で、後手玉は薄いのですから、手番を持った先手有利だったのです。

実戦は56飛58銀68金57桂成64銀といったのですが、遅すぎました。自陣にばかり目が行って、受けきれないとわかってからの反撃でした。

先手玉は58金でもまだ詰みません。55角の筋をなんとかすればもっと安全ですね。
54歩同金66桂

こうなれば楽勝です。53歩には54桂同歩55飛とすれば44角と出られますね。

もう2手進めて、56飛58銀の局面からも同飛同金54歩同金66桂とすれば

後手の持ち駒は飛車だけなのでこれも勝ちです。

56飛58銀68金57桂成となった局面からでも

55飛(先に切らないとだめ)同桂54歩68成桂87玉で

さっきよりは難しいですが銀を渡さずに詰めろをかけていけば勝ちそうです。

終盤になると形勢判断の重みが変わります。玉の堅さ、攻撃力、手番を考えて、詰みまで何手かかるか計算します。問題図では先手玉は58金、57桂成として2手で詰めろ。後手玉は54歩から金を取ったら54歩もあるし、いろいろ詰めろがかかりそう。手番があるので先手優勢でした。どちらも攻め駒が多いので受けて手を延ばすのは難しいです。










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将棋の上達法則(18)

2015-05-15 | 将棋上達法則
将棋に必要な能力
2 スピード(直感)
の訓練方法を考えます。

将棋の局面は定跡の先や、定跡を外れ、あるいは定跡を知らなければ、見たことのない局面になります。初心者を脱出すれば、それでも直感でこの手が正しそうだという手がわかるようになりますね。(わかったつもりで外れていることも頻繁ですが。)

直感とはひらめきです。ひらめきの本質は、情報を結び付けることです。目の前の局面と過去の部分的でも似た局面を探して結び付ければひらめきになります。あいまい検索をしているようなものですね。脳の中では一瞬で記憶を検索して一番近いものを探してくるのかもしれません。

上司は思いつきでものを言う (集英社新書)
なんていう本がはやったこともありますね。思い付きだけではだめで、精度を上げたり、検証したり、という作業が必要なのはもちろんですが、好手をひらめいた時の喜びは格別です。

ただの検索ではなくて、知らない人が見ると全く違うように見える2つあるいは3つのことをうまく結び付けるといいアイデアになります。天才のひらめきだ、といわれますね。

横歩取りと中原囲い、さらに85飛を結び付けると新しい戦法になりました。
振り飛車の序盤に、従来は終盤で考えていた玉頭からの戦いを結び付けて藤井システムに作り上げました。
これらは直感がさらに進化したものです。(直感を言語化すると知識になるという例でもあります。)

直感は 3 テクニック(知識) と関連が深いという話を書きましたが、直感を鍛えるためには、知識量を増やすことが必要です。でもこの部分は分けて考えますね。

直感、ひらめきを鍛えるには、ひらめきを習慣化することです。検索の能力を鍛えるのですから検索してみるのです。これに近いものは何かなかったかと記憶をたどります。

直感を強化するためには短時間で将棋を指すことです。みなさんいつも実践しているかもしれません。でも間違った習慣を積み重ねてはいけません。短時間で指しても、時間をかけて検証します。悪い手を何度も指して記憶に残り、その記憶を検索してまた悪い手を指したら、検索の能力は上がるかもしれませんが、悪い手しか指せませんね。
感想戦を大切にしてください。感想戦で教えてもらえる人に感謝しましょう。

最近はコンピュータソフトが強くなりましたから、将棋ソフト相手にやってみるのもいいでしょう。局後に好手悪手を指摘してくれるソフトを使いましょう。負けると熱くなってもう一番、と後先考えないでただ指してしまうことが多いのですが、これではだめです。(自戒)
最初から並べ直して、コンピュータと感想戦をするのです。盤面をひっくり返して相手の側で考えなおすのもいいですね。

ひらめきは一瞬でのことですが、思いもかけないタイミングでひらめくことがありますね。うんうん唸って考えても駄目なときがあります。対局中に気が付かなくても、帰り道とか、布団に入ってからとか、後から好手に気が付くことが(私は)よくあります。こういう経験を積み重ねるのも有効だと思います。後からでも思いついたらメモしておいて、盤に並べて検証しておきます。ひらめきが来たら、忘れないように記録しておくのです。

いつも同じことをしないで、新しいことをすると、思いもかけない結果が得られ、いい手が発見できることもあります。いつもこう指すのだけれど、違う手はないか、今日はこうやってみたい、と別のルートを検索することもいいですね。
私は定跡書を読んで、こういう手はないの?と考えるのが大好きです。

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