20150516今日の一手
2002年小牧将棋大会にてHさんとの対局。形勢判断と次の一手を考えてください。
昨日の一手の回答
後手番の米長流急戦矢倉です。66銀と出てから65歩と追われたので2手損です。形勢判断をしましょう。駒の損得はありません。玉は先手(上側)が堅いです。攻撃力は先手(上側)の82飛や62銀が働いていないのに対し、後手(下側)は29飛37桂88角57銀と4枚が配置についていますから、後手(下側)のほうが強いですね。形勢は互角に近いです。けれど、ゆっくりしていて85まで歩が伸びてくれば攻撃力が向上して玉が堅い分だけ先手(上側)が指しやすくなります。
ということで、攻める手を考えます。(24歩はいつでも入るとして)45歩ですね。同歩同桂44銀に35歩と手筋の突き捨てを入れます。
なお、47銀と上がっていると、45歩同歩同桂の時に37角成で失敗するので注意です。47馬から38銀が残りますね。
35同歩は24歩同歩22歩が気持ちよく、同玉は24飛ですね。
22同金24飛55歩23歩32金55角と攻めて十分です。
なので35歩は取らずにに55歩46銀56歩47金で
これは後手(下側)が中央を制圧できるので(62銀が出遅れている)やや有利です。
こういう守りが弱くても激しい順で攻めるのが米長流急戦矢倉なのですが、45歩同歩同桂44銀に46歩とおさめるのもあります。以下は右玉にして
こうなれば作戦勝ちです。先手玉(上側)は固めにくい。菊水矢倉(33桂22銀21玉)に組めないですね。
後手(下側)は69飛から65の位を狙えます。千日手でもいいのです。
本譜はもう少し駒組みをしてから仕掛けたのでこういう図です。
85歩まで伸びたので82飛の働きがよくなり、62にいた銀を中央に使って、先手(上側)に遊び駒がありません。攻撃力が上がりました。55を抑えられたので(角筋を止めるためにつき捨てたのですが)88角の働きが弱いですね。攻撃力が下がりました。これでは先手(上側)が十分です。86歩からの反撃で優勢になりました。
最初の形勢判断の意味が分かってもらえたでしょうか。先手(上側)の攻撃力が低いうちに仕掛けたいのです。先手(上側)の私は65歩と銀を追って手得だから十分と思っていましたが、問題図では飛車も銀も立ち遅れています。
正しい受けはこういう図です。63銀で55歩に備えておきます。ゆっくりされれば73桂から65歩、さらには86歩交換から64角として優勢です。後手(下側)は66銀が早く、64歩と対抗されたら同型の相矢倉にできるように銀の動きを後回しにするのが定跡でした。
2002年小牧将棋大会にてHさんとの対局。形勢判断と次の一手を考えてください。
昨日の一手の回答
後手番の米長流急戦矢倉です。66銀と出てから65歩と追われたので2手損です。形勢判断をしましょう。駒の損得はありません。玉は先手(上側)が堅いです。攻撃力は先手(上側)の82飛や62銀が働いていないのに対し、後手(下側)は29飛37桂88角57銀と4枚が配置についていますから、後手(下側)のほうが強いですね。形勢は互角に近いです。けれど、ゆっくりしていて85まで歩が伸びてくれば攻撃力が向上して玉が堅い分だけ先手(上側)が指しやすくなります。
ということで、攻める手を考えます。(24歩はいつでも入るとして)45歩ですね。同歩同桂44銀に35歩と手筋の突き捨てを入れます。
なお、47銀と上がっていると、45歩同歩同桂の時に37角成で失敗するので注意です。47馬から38銀が残りますね。
35同歩は24歩同歩22歩が気持ちよく、同玉は24飛ですね。
22同金24飛55歩23歩32金55角と攻めて十分です。
なので35歩は取らずにに55歩46銀56歩47金で
これは後手(下側)が中央を制圧できるので(62銀が出遅れている)やや有利です。
こういう守りが弱くても激しい順で攻めるのが米長流急戦矢倉なのですが、45歩同歩同桂44銀に46歩とおさめるのもあります。以下は右玉にして
こうなれば作戦勝ちです。先手玉(上側)は固めにくい。菊水矢倉(33桂22銀21玉)に組めないですね。
後手(下側)は69飛から65の位を狙えます。千日手でもいいのです。
本譜はもう少し駒組みをしてから仕掛けたのでこういう図です。
85歩まで伸びたので82飛の働きがよくなり、62にいた銀を中央に使って、先手(上側)に遊び駒がありません。攻撃力が上がりました。55を抑えられたので(角筋を止めるためにつき捨てたのですが)88角の働きが弱いですね。攻撃力が下がりました。これでは先手(上側)が十分です。86歩からの反撃で優勢になりました。
最初の形勢判断の意味が分かってもらえたでしょうか。先手(上側)の攻撃力が低いうちに仕掛けたいのです。先手(上側)の私は65歩と銀を追って手得だから十分と思っていましたが、問題図では飛車も銀も立ち遅れています。
正しい受けはこういう図です。63銀で55歩に備えておきます。ゆっくりされれば73桂から65歩、さらには86歩交換から64角として優勢です。後手(下側)は66銀が早く、64歩と対抗されたら同型の相矢倉にできるように銀の動きを後回しにするのが定跡でした。