名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

今日の一手<その32>の議論

2015-05-24 | 今日の一手
葛西さんからさらに問題提起がありました。

この図は49飛から79飛成が相当速いので、ゆっくり32角成の余裕がないと。
つまり、32角成49飛33馬79飛成

同玉68金88玉67金同銀57と78銀67と89金76金79桂78と同金69銀68金打78銀成同金67歩

ごちゃごちゃ長い手順ですが、後手の攻め駒が3枚だから千日手になりそうで、と思ったら67歩で4枚目の攻め駒ができて切れません。後手玉は堅いですから先手負けです。
問題図での形勢判断で、先手玉が堅いという認識が間違っていました。

蛇足ですが、32角成49飛で何か受けるのは、(77銀として)45桂がピッタリです。


であれば、攻め合いしかありません。葛西さん指摘の63歩成同金同角成同銀73桂成同桂74金は

72銀左ではなく同銀左と清算して、同歩同銀75歩83銀74銀72歩

これは先手の攻め駒が足りず、余されました。後手からは駒を渡さずに詰めろが続きます。

ほかの攻め筋を考えます。74歩同銀72角成。

同金63銀同銀同歩成同金64歩62金74歩となれば69飛でも

73歩成同桂同桂成同金74歩

ここから79飛成同玉68金88玉78金で同玉は詰み、87玉は詰まないけれど54角65桂75桂

ここからもいろいろありそうですが、一応先手の勝ちのようです。

ところが、途中のこの図で

同金63銀に手抜かれる、69飛74銀成29竜が詰めろ。89金も詰むので69銀打しかなく、

1回71桂と手を入れてから73成銀同桂74歩69と

この図が後手玉に詰めろがかからない(73歩成92玉から)し、69銀も同飛成同金同竜で飛車をもらっても詰みません。

どなたか他にアイデアはありませんか?


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20150524今日の一手<その33>

2015-05-24 | 今日の一手
20150524今日の一手

17日の名南将棋大会から、TさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。










昨日の一手の回答

55銀右とぶつけられました。形勢判断から。駒の損得は全くありません。この局面は金銀が集結しているので後手玉のほうが堅いです。先手の攻め駒は59飛77角78金89桂ということになるのですが、左側の駒が働いていません。攻めるなら56銀を使うのですが、それでも攻撃力不足です。後手の攻め駒は22角82飛73桂55銀44銀とたくさんあり、22角や44銀が働き出せば切れなくなります。ということで問題の局面は後手がリードしています。

いろいろ手の広い局面です。実戦は45銀同銀同歩57歩54歩66銀と進みました。

元気よく行ったのですが、この局面は77角が逃げにくいですし、後手陣に遊び駒がありません。順当に後手の勝ちとなりました。

自然に見えるのは55同銀同銀54歩です。66銀53銀57歩64銀成でしょうか。

本譜よりはいいものの、先手の飛角を抑えられ、難局です。

45歩56銀44歩は47銀打です。

先手玉が薄くなるのでこれも嫌です。

先手玉が堅くないので派手な戦いは避けたほうがいいようです。では47銀引で、65歩同歩同桂88銀です。

桂馬を気持ちよくつかわれているのですが、先手玉のほうが堅くなりました。22角の働きが悪いので、先手に56歩や66歩がまわると後手は忙しいです。86歩同歩66歩56歩67歩成同金86飛55角同銀同歩87飛成56金

というのが一例で、先手玉が堅くなり、22角を抑えていれば竜を作られても指せそうです。

47銀上も考えられます。56銀同銀55歩47銀63金38金65歩69飛

銀交換は67金と使いにくくなるのですが、後手も63金と離れていくことになるなら互角です。

いろいろ見えて選択に困るかもしれません。でも問題図は22角の利きを44銀55銀が遮っているのでこれをほぐさない順を選びたいのです。問題図の前は、54銀を55銀右とぶつけていったのですが、これは左銀(44銀の方)をぶつけたいところでした。54銀が浮き駒なので63金と備えてからのほうがいいかもしれません。それなら後手が十分でした。
先手玉が堅いかどうかにも注目したいです。
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将棋の上達法則(26)

2015-05-24 | 将棋上達法則
さて、詰将棋や定跡を覚えてからの実戦はどうだったでしょうか。前より強くなったと思えたら大成功です。

何局かやれば、あれ?何か違うなあと思うことがあるでしょう。

1 相手が振り飛車をやってきた。
2 いきなり角交換された。
3 定跡通り進めたはずだが知らない局面になった。
4 詰みだと思ったら逃げられた。

1 のときどう対応しましたか?覚えた定跡の逆をもって、あなたが居飛車側で進められたなら構いません。居飛車を持っても指せるように本を見直しておきます。
相手の陣形なんて気にしないで両方とも振り飛車になったら、これは相振り飛車と言う形です。指し方はあまりにも多く、教科書にしていた藤井先生も
相振り飛車を指しこなす本〈1〉 (最強将棋21)
相振り飛車を指しこなす本〈2〉 (最強将棋21)
相振り飛車を指しこなす本〈3〉 (最強将棋21)
相振り飛車を指しこなす本〈4〉 (最強将棋21)
と4冊も出しています。教科書を増やしてもいいのですが、1冊だけなら4間飛車で対応する
これからの相振り飛車 (マイナビ将棋BOOKS)
を勧めておきます。
あなたは自分で考える力を持っています。定跡をあまり気にしないで、実戦的な訓練時間を増やしましょう。

2 は見たこともない形になって困ったかもしれません。角を交換してきて歩を取られて、筋違い角というやつです。ほかにも定跡書ではみないような戦法に出会うかもしれませんが、あまり気にしないでその時に考えましょう。終わってからネットで調べてもいいし、強い人に聞いてみてもいいです。その相手に、初めて見たのですが、なんという戦法ですか?と聞けば、名前くらいは教えてくれるでしょう。

3 は先手後手の違いか、あなたか相手が間違えたか、わかっていて変化されたのかもしれません。こういうことは覚えておいて(すぐにメモしておきます)、教科書に書いておきます。何回も書き込めばあなただけの定跡書、教科書になるのです。

4 は詰将棋を中心にやっていたから王手ばかり考えてしまうためですが、これは次の訓練で対応します。棋譜並べというやつです。

詰将棋は毎日やりましょう。1問だけでも習慣にします。もっと難しい本を探すのもいいです。
並行してやっていた、4間飛車の定跡書、教科書を覚えたら、棋譜並べに移りますよ。あなたは考える力があるのですから、実戦に近い訓練をすれば強くなります。
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