名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

20150529今日の一手<その38>

2015-05-29 | 今日の一手
20150529今日の一手

2002年神谷さんとの対局です。懐かしいのが出てきました。形勢判断と次の一手を考えてください。












昨日の一手の回答

流行?の中飛車左穴熊だと思います。(この少しあとしか見ていないので。)形勢判断をします。
駒の損得はなし。玉は先手がかなり堅いです。後手は75桂の傷も気になります。95歩と伸ばしていないので端攻めがなく、先手は安心して攻められます。先手の攻め駒は飛角だけ。後手は34飛33桂はいいのですが、43銀22角はまだ攻撃に参加できていません。総合すれば先手指しやすい。攻め手があれば優勢になります。

先手の29桂はすぐに使えませんから、歩を入手したいところです。46歩では44銀と使われるので、ここは26歩の一手でしょう。

もちろん96歩とか77銀とかも悪手ではありませんが、後手の角銀が攻撃位置につくと先手から手が出にくくなります。

実戦は素直な応手で、26同歩同飛25歩56飛44銀。1歩手に入れたので3枚の攻めになります。36歩と突きます。

同歩は24歩でと金ができます。これをとれないのでは苦しそう。
26歩35歩同銀36歩24銀(これもつらい)に同角。

同飛35銀25飛(23のほうがよい)37桂23飛24歩13飛34銀

気持ちよく攻めが続きます。32角と受けるのでしょうが、35歩27歩成23歩成同角33銀成

同桂25桂で終わりですね。

素直ではだめ、というのは形勢が悪いためですが、抵抗を考えます。
4つ前の図、36歩に46歩は手筋ですが、同飛45銀に

35歩を入れようとすると44飛で紛れます。すぐに45同飛として同桂23銀24飛22銀成同飛に46歩

75桂の傷があるのでこれが間に合います。39飛45歩74歩35角29飛成44歩

と金を作ったり33角から馬を作ったりできます。後手は歩切れなのも痛いです。

最初の26歩に46歩は、同飛44銀25歩

これで飛車を追いきれません。

26歩同歩同飛に24歩と控えたら、いろいろ見えますがじっと27飛が好手。

44銀36歩に同歩と取れなくて(24飛がありますね)、13角は15歩で駄目。

74歩と待つくらいですが、35歩同銀36歩同銀24飛

同飛同角28飛(23飛は25歩同銀68角)23飛21歩33角成


どれもきれいに攻めが決まります。後手の陣形が74歩か44銀か13角かどれか指してあれば互角の変化もあるのですが、駒組みの方向を間違えました。

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将棋の上達法則(31)

2015-05-29 | 将棋上達法則
元に戻って、矢倉の定跡本をもとに、なぞって並べつつ、これで先手優勢とか書いてある局面から自分だけで指し継いで見る、という訓練をする話でした。

どの戦法を選ぶかはあなたの自由にしてよいのですが、自分から攻められることを基準に選んでください。なので居飛車のほうがいいです。(攻める振り飛車の定跡というのもあるのですが。)持久戦よりは急戦のほうがいいです。先手番ならどうする、後手番ならどうする、飛車を振られたらどうする、と序盤の分岐があるので、戦法の選択の組み合わせも考えます。

すべての戦法を研究する必要はありません。また、最新の戦法よりは、少し古い戦法のほうがやりやすいです。明らかな欠陥があって指されなくなる戦法もあるのですが、そうでなければ時代の流行というだけです。いつか流行は繰り返しますし、少し古いほうが対戦相手も程よく忘れていて、うまく自分が有利な方に誘導できる気がします(笑)。

また、同じ系統の戦法というと誤解を招くかもしれませんが、感覚の共通する戦法を組み合わせたほうが早く上達します。矢倉と横歩取りはまるで感覚が違います。矢倉の中でもしっかり囲ってから攻める定跡、囲う前に攻める定跡、小競り合いがあってから玉を囲ってまた攻め合うとか、受け一方攻め一方になるとか、攻め合いの定跡とかみんな違うので、知識が増えてきたら組み合わせを考えましょう。こういう戦略を練るのも将棋の楽しさです。

時々B級戦法とか必殺戦法とか、変わった戦法の定跡本が出てきます。これをやるのも楽しいのですが、はずれも多いです。やってみたけど使えないとがっかりします。それを含めて楽しむのならいいのですが、最初はやめておきましょう。必勝戦法は存在しないのです。

こういうことを考えて教科書となる定跡本を決めたら、その通り盤駒で並べてください。その途中でほかの手が浮かんだら(自分と)やってみます。これはいけそうと思ったら本にメモしておきましょう。大きめのポストイットを使うといいです。解説の終わっているところから自分と指してみて、よくわからないとか、確かに先手がよくなったとか、結論が間違っているのではないかとか、そういうことも書き込みます。

知識が増えるにしたがって、いろいろなことがひらめきませんか?このページとあのページは同じ手筋だとか、少し違うだけで結論が変わるのだとか、そういう気づきがあるでしょう。先にこの手をやってから本手順にはいればよりよくなるなあとか、別の教科書を引っ張り出したり、あっちこっち跳びながら考える、それがあなたの能力です。最初に頭の中にデータベースを作らないとこの能力は発揮されません。データベースから必要な知識を検索し、さらにはそれを結び付けて新しいものを作ります。頭の中だけだと忘れてしまいますから、教科書となる定跡本も同じ使い方をして訓練し、ひらめきを記録していきます。
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