名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

20150528今日の一手<その37>

2015-05-28 | 今日の一手
20150528今日の一手
17日の名南将棋大会から、MさんとNさんの対局です。(少しあとから見たのですが多分この局面)形勢判断と次の一手を考えてください。居飛車穴熊や石田流を指す方ならぜひ細かい変化まで考えてください。(先を考えだすと難問ですが。)









昨日の一手の回答

形勢判断をします。駒の損得はなし。先手玉は堅いです。後手玉は薄いのですが、5筋を厚く構えています。先手の攻め駒は58飛56銀77角89桂で4枚。すぐには攻める手はないのですが、カウンターは強そうです。後手の攻め駒は82飛44銀22角64銀。さらに73桂とも使えるので、両者攻撃力はあります。

実戦は66歩42金直65歩75歩同歩72飛66角73桂と進み、これは互角の戦いです。

先手の理想を言えば、66歩に73桂とはねてもらいたい。すると後手の攻撃が難しくなります。本譜は42金直と溜めたのですから、68飛とまわってでも73桂を強要したいのですが、55歩をとられますね。

本譜66歩は角筋を止めるので、42金直ではなく、54歩とする手がありました。

65歩も見えますが、73桂から強く戦われるので少し後手もちかと思います。(65歩73桂64歩同銀68飛62飛54歩55歩67銀45銀のような変化)後手は飛桂銀銀角全部働くのです。

こういう変化を見ると、44銀がしっかり働くのがわかります。なので46歩が正しいと思います。72飛で千日手ねらいが嫌味なのですが、どうでしょうか。

千日手回避は66角82飛88飛が部分的な手筋ですが、飛車がそれればそれこそ54歩で困ります。なのでこれは悩んだのですが、振り飛車らしく、45歩35銀47銀引!で、75歩同歩同飛に54歩。

これはきれいなサバキです。王手飛車にまでならなくても66角から11角成が実現すれば十分。77飛成同桂54銀71飛45銀55歩が最善で

以下は85桂から71飛成を狙います。

抑えになっている44銀をそらせばサバキやすいのですね。59金とサバくための準備をしているのですから、軽くいきたいです。

もっとも、45歩に33銀と我慢されたら13角の味もあり千日手なのかなという気はします。

もう少しためて、48金とするのは、47金を見てやりたい手なのですが、13角59飛24角ともたれるのもありますし

72飛46歩75歩同歩同飛45歩35銀47金も73桂で

右側は姿がよくなるのですが、左側が薄いので難しい形勢です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

将棋の上達法則(30)

2015-05-28 | 将棋上達法則
昨日の記事を見て、詰将棋が解ける解けないで全然訓練方法が違うのだなあと理解していただけたでしょうか。
いい加減にいえば、人間の半分は詰将棋が得意で、半分は不得意。将棋がひとりでに強くなるのは詰将棋が得意な方の人たちで、指導者も当然得意な方に分類される。なのでこの傾向がさらに強化される。そんな想像をしています。男女の脳の働きの違いもあるのかもしれません。もちろんどっちが良い悪いではなくどっちも個性です。

ベテランになると、詰将棋を解く、手を読む、という力は衰えます。でもこれも一般論です。定年過ぎて昔やった将棋を再開しよう、という方などは、その時点で昔より詰将棋ができるなんてことはありませんが、毎日解いてみたら若いころより得意になるということは十分あり得ます。
反対に単なる衰えではなく、長い間違う能力を磨いていたために、読めないように変わっているかもしれません。読めないというより、ひらめきの力が強くなったといいたいのですが。

歳をとった、もう若者には勝てないと言い出すと、本当に勝てなくなります。(私も言ってしまいます。やめましょう。)成長をあきらめなければまだ強くなるのです。自分に言い訳をせわずに、毎日少しずつ訓練しましょう。

さて、回り道をしました。

定跡で矢倉を選ぶのは、局面をリードするためです。相居飛車なら先手が少し指しやすくなるはずです。後手番でも急戦を研究して、少しでもリードしたいのです。対振り飛車には急戦を選びたいです。
相手は自分より先のことを考えられる人です。ですから60手くらい、終盤の入り口までリードしておきたい。少し優勢であれば、自然な手が正解になる確率が高く、そのあとの手も選びやすいのです。
持久戦を選択すると、手数が伸びます。平均すれば自分のほうが最善手を指していない確率が高く、手数が伸びればその回数も増えますね。だから逆転されやすい。穴熊などは終盤の得意な、読む能力の高いひとが指すべき戦法です。(といいつつ、私は駒組みのセンスも楽しみたいので穴熊で無い持久戦もやるのですが。穴熊は苦手です。)

すぐわき道にそれますが、読む能力が衰えてきたら、持久戦を選択しては駄目ですよ。名南将棋大会でも下の方のクラスで穴熊の採用率が高いのが気になります。勝ちたいと思うなら穴熊ではなく序中盤の研究です。
中原先生も米長先生も、晩年になってから序中盤の研究に力を入れたではないですか。(そのために終盤の衰えが早くなったという人もいるので難しいですが。)

余計な事ばかり書いて長くなったのでまた明日。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする