名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

20150513今日の一手<その22>

2015-05-13 | 今日の一手
20150513今日の一手

昨日の一手の続きです。形勢判断と次の一手を考えてください。








昨日の一手の回答

形勢判断は、駒の損得なし、玉の堅さも互角。駒の働きも互角。どちらも飛角を使うのは難しくないので、44銀と57銀の働きがどうなるかが問題で、ここからの形勢を分けそうです。
3間飛車穴熊に銀冠で対抗なのですが、86角とするより65歩と角を使うほうが良かった気がします。経験的に(私が弱いせいですが)86から角を使うほうが難しいと思うのです。まだ77桂とはねないうちに振り飛車から動かれてしまいました。

形勢は互角ですから、自然な手で構わないはずです。35同歩に51角はうまくさばかれる気がしてやめたのですが、46歩としてどうでしょうか。

53の地点をカバーして目いっぱい働いている44銀に働きかけます。73角にも対応しています。後手は35飛37歩13桂とやってくるのでしょうが、55歩か77桂と待って、飛車交換なら勝負です。73角には75歩同歩74歩が利きます。これは互角です。

44銀にすぐに働きかける46歩もありました。(53角成を回避して)46同歩同銀45歩35銀同銀同歩44角24歩

35飛37歩46歩23歩成という展開でしょうか、これも互角です。

実戦は38飛とまわり、51角35歩73角で振り飛車の技ありです。

73角の利きを防ぎにくいです。38飛もさばくのは難しく、32飛は簡単に35飛と使えますね。

ここまで簡単に進めてしまってから考えて、55歩同角46歩同歩56銀47歩成55銀同銀で今日の一手の問題です。

前の図は後手よしなのですが、38飛51角に46歩なら

46同歩同銀36歩45歩35銀同銀同飛53角成でこれもいい勝負でした。

飛車の働きは後手がよく、角の働きは先手がいいですね。

問題図は互角の局面で手が広いのですが、振り飛車の44銀の働きがよく、それを移動させる46歩に目がいけば互角で戦えるようです。居飛車の57銀は動かないで飛角がさばければ、3枚の穴熊より4枚の銀冠のほうが固いので居飛車よしになるのですが、29桂がさばけない現状から見ると欲張りな考えでした。
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将棋の上達法則(16)

2015-05-13 | 将棋上達法則
では、将棋に必要な能力について、訓練方法を考えましょう。

1パワー(読み)です。

終盤の読みと中盤の読みを区別します。例外はあるものの、

終盤は詰むか詰まないか、という直線で読んで結論を出せばいいことです。狭く深く読んで、また別の筋を狭く深く読んで、という繰り返しで成立します。
中盤は相手の手を限定できないことが多いですから、広く浅く読んで、そのいくつかの局面を比較検討することになります。(この話は明日)

終盤の読みを訓練するなら、まず詰将棋ですね。
なるべく枝葉の少ない、手筋でさっと詰ますことができる問題を選びます。紛れが多くて、相手の応手を全部検討しないといけないというものは避けておきます。手の長さはあなたの習熟度で調整すればいいのですが、手数が短いからと言って、実は手が広くてこの目的に合わない問題に注意してください。実戦型で力ずくで詰ます問題があってもいいかもしれません。

詰むか詰まないかを判断するのですから、詰まない問題(詰むかどうかわからない問題)もよさそうです。そんな問題は市販されているわけではないのですが(詰むや詰まざるやというのはありましたね)詰むや詰まざるや―将棋無双・将棋図巧 (東洋文庫 282)
これをやれなんて言いません。難しすぎます。先ほどの程よい問題の持ち駒を変えたり配置を変えたりして、詰む詰まないを考えればいいのです。やってみていいものができれば、これはいい訓練方法だと思えるなら、コピーして修正しておくとか、PCソフトで印刷しておくとかでストックすれば繰り返しが楽です。

必至問題を解くというのは、直線的に狭く深く読もうということから少しずれます。広く浅く読むことを要求されることが多いでしょう。(前にも書きましたが、私はこの直線的に狭く深く読もうというのが特に苦手で、詰将棋は解けないのですぐに飽きるのですが、必至は少しやる気が出ます。)

より実戦を意識して、上下をひっくり返して受け手の方から見て解くのもいいですね。自玉の詰みを読めるようになります。時間をおいて逆から解いてもいいですし、最初に受け手側から見て解いたら、元に戻して攻め手側から確認するのでもいいでしょう。


将棋の実戦は時間制限があります。すぐに解けないものはさっとあきらめて次の問題にかかるほうがよいような気がします。性格によるのでしょうが、解けないものをうんうん唸って考えるのは疲れます。詰将棋を楽しむというなら別なのですが。

詰将棋を解くのに、やさしい順から言えば、盤駒を使って考える、問題をにらんで考える、問題を記憶して頭の中だけで考える、という順番です。いまは直線の読みを鍛えるのが課題ですから、盤駒は使いません。(問題を選択するところで調整してください。)時々でも問題を記憶してやってみてください。

棋譜並べをしていても、これは詰みそうだなと思ったら詰ましてみる、自玉の詰みも確認する、ということを心がけるといいでしょう。実戦に近い訓練になりますね。

私は詰将棋が解けないので、棋譜を読んで頭の中で並べたら、直線の読みを鍛えることにならないかとやっています。(そのあとで面白いものは実際に並べます。)いやなことは続けられませんから、詰将棋はなかなか習慣になりません。


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