20150509今日の一手

2002年江南将棋大会でMさんと。形勢判断と次の一手を考えてください。
昨日の一手の回答

相手のAさんは矢倉の大家です。教えてもらう意味もあって、うそ矢倉のスタートも普通の定跡型にしました。当時は流行だったでしょうか、46銀に63銀で対抗する形。63銀は有力ということになっていたはずですが、組むまでに問題があり、しばらくすると見なくなりました。
形勢判断は、駒の損得は互角、玉の堅さはどちらとも言えません。31玉は22玉よりあたりが弱いともいえるし、先手玉も形を乱されているけれど88玉と入っています。駒の働きも互角のようですが、後手の63銀が働くには手間がかかり、先手の35銀はすぐに交換になるのですから、これは先手がリードしている局面です。持ち歩が3枚あり、攻めるには困りません。
ここでは有力な手がいくつか見えます。それは先手の形勢が少しいいからでもあります。
まずは67金と引くのが自然。35銀同角34歩46角64銀33歩でこれはいい勝負。

金を引いたので先手後手とも少し余裕があり、以下は33同桂同桂成同金上25桂と絡んでおきます。後手は66桂が速い手なのですが、同金同歩は桂馬を渡し、33桂成からお代わりが来ます。やや先手リードです。
手抜きでの攻め合いを考えます。24銀同歩同角。33歩が痛いので66歩と金を取る余裕はなく、33歩67金45歩で

以下、14歩44角77銀85桂13歩成77桂成同金75歩22銀くらいでしょうか。これもいい勝負。とはいえ44角の味がいいのと、後手玉が右に逃げられそうで少し不安ですか。

44角を許してはいけないので、33歩に34歩とこじ開けていくのかもしれません。

34同金には同飛同歩33歩という要領です。42銀と受けたら33歩成同桂同桂成同銀同角成同金寄34歩。やれそうですね。
本譜は24角とせずに、33歩同桂同桂成同金寄34歩同金に46角とやってしまいました。64桂で逆転です。

後手は66歩から76桂で詰みが見える状態になり、34飛の余裕がありません。以下67金引35歩でチャンスがなくなりました。
46角を利かせるなら、後手が桂馬を持たない局面です。多分64銀と替って、どっちが得かわかりません。64桂と据えられたら一手損で敗勢です。
46角とせずに34飛33歩24角なら互角でした。

34歩は33歩が痛く、先手勝ちです。なので、42銀46角64桂24桂23歩32桂成同玉か。難しいですね。
なんとも難しい将棋で、全部読んで結論を出せなんて、実戦ならプロでも間違えそうです。だから結論は出なくてもいいのですが、66金を引くか、引かずに攻め切るか、方針を決めて踏み込むことです。わからないから46角と様子を見ようとしたら一番悪いタイミングでした。
最初の局面をどれくらい有利と考えるか。大分いいと思ったら手抜きで攻め合うし、結構難しいと思ったら一回引いてスピードを緩める。そういう呼吸が必要なのです。変化が読めたとしたら、どれが63銀や53角を働かせないかを比較して選択します。かなり難しい問題ですが、やや有利ではないか、なぜなら有力な手段がいくつかあるという局面での考え方でした。

2002年江南将棋大会でMさんと。形勢判断と次の一手を考えてください。
昨日の一手の回答

相手のAさんは矢倉の大家です。教えてもらう意味もあって、うそ矢倉のスタートも普通の定跡型にしました。当時は流行だったでしょうか、46銀に63銀で対抗する形。63銀は有力ということになっていたはずですが、組むまでに問題があり、しばらくすると見なくなりました。
形勢判断は、駒の損得は互角、玉の堅さはどちらとも言えません。31玉は22玉よりあたりが弱いともいえるし、先手玉も形を乱されているけれど88玉と入っています。駒の働きも互角のようですが、後手の63銀が働くには手間がかかり、先手の35銀はすぐに交換になるのですから、これは先手がリードしている局面です。持ち歩が3枚あり、攻めるには困りません。
ここでは有力な手がいくつか見えます。それは先手の形勢が少しいいからでもあります。
まずは67金と引くのが自然。35銀同角34歩46角64銀33歩でこれはいい勝負。

金を引いたので先手後手とも少し余裕があり、以下は33同桂同桂成同金上25桂と絡んでおきます。後手は66桂が速い手なのですが、同金同歩は桂馬を渡し、33桂成からお代わりが来ます。やや先手リードです。
手抜きでの攻め合いを考えます。24銀同歩同角。33歩が痛いので66歩と金を取る余裕はなく、33歩67金45歩で

以下、14歩44角77銀85桂13歩成77桂成同金75歩22銀くらいでしょうか。これもいい勝負。とはいえ44角の味がいいのと、後手玉が右に逃げられそうで少し不安ですか。

44角を許してはいけないので、33歩に34歩とこじ開けていくのかもしれません。

34同金には同飛同歩33歩という要領です。42銀と受けたら33歩成同桂同桂成同銀同角成同金寄34歩。やれそうですね。
本譜は24角とせずに、33歩同桂同桂成同金寄34歩同金に46角とやってしまいました。64桂で逆転です。

後手は66歩から76桂で詰みが見える状態になり、34飛の余裕がありません。以下67金引35歩でチャンスがなくなりました。
46角を利かせるなら、後手が桂馬を持たない局面です。多分64銀と替って、どっちが得かわかりません。64桂と据えられたら一手損で敗勢です。
46角とせずに34飛33歩24角なら互角でした。

34歩は33歩が痛く、先手勝ちです。なので、42銀46角64桂24桂23歩32桂成同玉か。難しいですね。
なんとも難しい将棋で、全部読んで結論を出せなんて、実戦ならプロでも間違えそうです。だから結論は出なくてもいいのですが、66金を引くか、引かずに攻め切るか、方針を決めて踏み込むことです。わからないから46角と様子を見ようとしたら一番悪いタイミングでした。
最初の局面をどれくらい有利と考えるか。大分いいと思ったら手抜きで攻め合うし、結構難しいと思ったら一回引いてスピードを緩める。そういう呼吸が必要なのです。変化が読めたとしたら、どれが63銀や53角を働かせないかを比較して選択します。かなり難しい問題ですが、やや有利ではないか、なぜなら有力な手段がいくつかあるという局面での考え方でした。