名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

20150520今日の一手<その29>

2015-05-20 | 今日の一手
20150520今日の一手

16日の名南将棋大会から、TさんとAさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
















昨日の一手の回答

形勢判断をします。先手は1歩損です。玉の堅さは先手が堅いですね。44銀や43金が抑え込みに働いているとみれば守備力は同等なのですが、どうでしょうか。先手の攻め駒は24飛37桂66銀77角と4枚あるので、うまく働けば先手が十分です。後手の攻め駒は先手玉に直接迫っていませんから、抑え込みから37桂を取り切ったりできれば後手がよくなります。現在の局面だけ見れば、先手ややリードくらいです。

実戦は55銀と元気よくいって、同銀54飛同金41飛53角11飛成39飛79金寄37飛成。

先手玉はまだ堅いのですが、後手の金銀が中央に使えました。銀を得していることもあり、後手有利です。

感想戦では(全部聞いていなかったのですが)問題図から45桂をやっていて、同桂32歩42角22飛成65歩75銀51飛31歩成同飛同竜同角46歩

この図は64桂が残って先手優勢です。65歩75銀は入れない方がいいかもしれません、以下49飛に45歩としても先手が十分戦えそうです。先手玉が堅く、44銀43金は攻めの目標になっています。

私も感想戦に加わって79金寄と固めて、36歩とかなら45桂で調子がいいです、という話をしました。こういう固めておく手は悪手になりにくい(決戦前には好手になる)のですが、51飛と受けられるとどうでしょうか。78金寄51飛45桂同桂32歩42角22飛成に33銀があるようです。

31歩成の前に竜当たりでこれは失敗です。

どこかで歩を手に入れれば32歩と打てるので95歩もあります。95同歩同香同香32歩42角22飛成91香31歩成97歩99歩

先手玉が弱体化するのでこれもある、悪くはないという感じですか。

75銀から84歩交換を狙うのはどうでしょうか。75銀51飛84歩同歩同銀83歩75銀32歩

と渋い受けがありますが、34歩63銀(すぐに35銀は64飛がある)33歩成同金36桂35銀45桂24金同桂同銀同歩39飛79金寄19飛成23歩成同歩53銀

手数が長いのですが、飛車を取らせても先手玉が堅く、後手をもって受けきりは難しそうです。

主要な変化はこれくらいでしょうか。歩を手に入れると32歩から22飛成、さらには31歩成があります。どこで歩を入手するか。45桂は有力、95歩は過激、75銀から84歩は少しゆっくりでも有力でした。79金寄は指したい手なのですが、後手の先受けで難局でした。
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将棋の上達法則(22)

2015-05-20 | 将棋上達法則
将棋に必要な能力5番目はスタミナでした。集中力の事です。
3つの面があります。

一つは興味を持つことです。

一時期「集中力」という言葉がもてはやされたことがあって、こうやったら鍛えられるという話題がいろいろありました。話題になったのは、勉強とかの好きでも無いことに取り組む(取り組ませる)ために、「集中力」というものを鍛えれば、嫌いなことだって続けられるという幻想です。そんなことはありません。いやなことはできないのです。
単調に思えるあるいは自分には無理に思えることでいやだなあとおもうことはいっぱいありますが、自分の成長を感じたり、ゲームだと思って楽しみを見つけたり、応用したらすごいことに使えるのではないかと空想したり、考え方を変えれば方法はあるのです。
けれど今は私たちがやりたいのは楽しい将棋ですよね。
最初に目標を設定することを書いたのですが、その目標設定を間違えなければいいことです。あなたが自分の力で成し遂げられる目標を決め、取り組んでいるのです。日々自分が成長しているのを実感すればそれだけで楽しいですし、達成したときの自分の姿をイメージしたらワクワクしますね。楽しくない目標なんて変えてしまいましょう。

二つ目は意識をキープし続けることです。

対局の1時間は集中して考え続けられるように意識します。好きなことならより長く続きます。まだ初心者だったり、子供だったり、知識の蓄積がないと続かないかもしれません。ただ私自身苦手なことなのでいい訓練法がわかりません。最近少し改善している気(だけ)はしますが。いい方法はないでしょうか。コメント待っています。

私はすぐに別なことを考えてしまうので、正直3分も同じことを考えていられません。でもなるべく局面のことに集中して、いろいろ考えたいと思うようになりました。生活の隅々までこの調子ですから、一つの事だけやるように、「ながら」でいろいろやらないように心がけて(は)います。ひらめきの力はあるんですけど、順番に積み重ねて考えるのが苦手です。脳の働きの一部が欠損しているのではないかとも思ったりします。論理的に積み重ねて考えるのは苦手なのですが、論理的に組み立てられたものは大好きです。あっちこっち跳びながら抜けたところはないか考えているのですね。別の角度から考えて、同じことに行きついたらととってもうれしいです。理論的な説明になりますから。

最後は生理的なことです。

ずっと考え続けるのは疲れます。生理的にブドウ糖や酸素が不足してくるのかもしれません。少し疲れると歳のせいだからもうだめだと、悪い意味で自分に言い聞かせてしまいます。(次の6メンタルに関係してきます。)
まずはコンディションを整えましょう。健康管理といわれるとそれだけで飽き飽きする方もいらっしゃるかもしれませんが、楽しい将棋のためではありませんか。調子のいい時にいい将棋を指すと自分に自信が付きます。

私のことでいえば、深酒して(昔はウィスキー1本が空きました)次の日に変な将棋を指して負けることが嫌になって、10年以上前に酒をやめてしまいました。それで酒の飲めない女房をもらいましたから、もう飲みたくもありません。間違ってアルコールの入った食べ物を少しでも食べるとふらふらになります。飲まないので夜の時間を有効に使えるようになりました。

対局中には水分やブドウ糖を補います。けれど消化の悪いものは逆効果です。消化に血流を取られて頭に栄養が回らないので、眠くなったり思考が弱くなったりします。
定期的な運動も必要でしょう。運動が必要だといわれてするのはいやだ、将棋している方が楽しい。それはわかりますが、将棋をもっと面白くしたいから運動だってやってみるのだ、と思うほうがいいですね。心肺を鍛えたら脳にも栄養や酸素がいきわたって、素晴らしい一手が見えるかもしれないではないですか。もったいない。

スタミナが(3つの要素のどれかで)無くなると、早い勝負を選んでしまいます。無理な攻めで自滅することが多くなります。升田先生と大山先生を思い出しましょう。同じような正反対のような才能を持った2人でしたが、対戦成績は大山先生が圧倒しています。升田先生は戦争で体を壊して体力が無くなりました。
短かったけれど升田先生の黄金時代はありました。名人に香車を引いたのです。体力はなかったのですが、コンディションには気を配り、スタミナさらにはメンタルでも自分に負けませんでした。
明日はメンタルについて考えます。
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