名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

20150522今日の一手<その31>

2015-05-22 | 今日の一手
20150522今日の一手

16日の名南将棋大会からAさんとMさんの対局です。この少し前の局面しか見ていないのですが、多分こう進みました。形勢判断と次の一手を考えてください。














昨日の一手の回答

形勢判断をします。駒の損得はほぼありません。玉の堅さも同等。先手の攻め駒は45桂35馬と持ち駒銀2枚ですから4枚あります。後手の攻め駒は76飛65角と持ち駒金銀ですから4枚。どちらも攻撃力は十分です。であれば手番の先手がよさそうです。

実戦でNさんは44歩と垂らしました。Mさんは36金で

先手玉が危なくなりました。馬もあたりになって忙しいです。ここから(多分こう進みました)43銀同金右同歩成同金24馬23歩33歩同桂同桂成同金41銀同玉33馬

これくらいしかない攻め手順ですが、先手玉が37銀以下詰みで負けました。

問題図の形勢判断を間違っていたのだと思います。手番を持っているから先手よしなのですが、強く後手玉に迫らないといけません。2歩しかないので44歩と控えておくのはとてもよくわかるのですが、歩以外に攻め駒が4枚あるのですから43歩とたたくべきでした。同金左44歩42金なら歩切れですが一手速くなります。43銀と打ちこんで

同金右同歩成同金には66金という保険もあります。34銀と強気に攻めても

4枚の攻めは切れません。一例で、34同金同馬42金と控えられたら44金とおさえる要領です。

ここを43金と当てられたら23金から33金打で寄ります。
何かの時に43で清算して65角の王手飛車もあり、自玉は36桂からの頓死だけ注意して迫ればいいのです。残念な敗局でした。

後手玉への迫り方ですが、厳しい順から考えるのが基本です。すぐに王手では息切れしますね。詰めろもかからないし、23の方から攻めると後手玉は4筋に逃げられます。であれば、一番の守備駒である42金に働きかけます。拠点を作ってはがしにかかります。そのあとももう一枚の金をはがすことを心がけます。焦って攻めて馬あたりになって逃げて後手を引かないように。馬あたりになったら馬を切ってでも後手玉に迫ればいいのです。45桂が53に成って金をはがす場合は取られて自玉が詰まないか注意します。ここから先は手数はかかるかもしれませんが、しっかり寄せきれるようになれば有段者です。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

将棋の上達法則(24)

2015-05-22 | 将棋上達法則
さて、将棋に必要な能力の訓練方法について一通り書きました。どれをやりたいですか?

1 パワー 読み
2 スピード 直感
3 テクニック 知識
4 コントロール 形勢判断、大局観
5 スタミナ 集中力
6 メンタル 心理

あなたの能力をそれぞれの項目について自分なりに評価してみましょう。訓練方法を逆に読み取って、

1 読み は詰将棋が解けるかでだいたいわかるでしょう。
2 直感 は早指しが得意かどうかでわかるでしょう。手筋がすぐに見えますか?
3 知識 はあなたの将棋本の量や読んだ時間を考えましょう。
4 形勢判断 できますか?いつもやっていますか?今日の一手を読んで意味が分かりますか?
5 集中力 集中できない要因はありませんか?
6 メンタル 投げやりになって連敗していませんか?負けると熱くなっていませんか?

10段階でそれぞれ評価した後で、どれを伸ばしましょうか。まんべんなく全部6にするよう頑張るのも方法です。どれか一つ7を10に伸ばすのもいいでしょう。

これを書くとおじさんくさいと言われそうですが、巨人の星というアニメ(漫画は読んでいません)を思い出します。星飛雄馬は大リーグボール養成ギブスなんてつけているから身長が伸びなかったのか、貧乏で栄養事情が悪かったのか、ともかく小柄でパワー(というかこの場合は体格)はないのです。球質が軽いと言われ、速いボールですが、打たれるとホームランになります。大リーグボールという何種類かの魔球を考えてテクニックで勝負します。子供のころからボールがおもちゃですからコントロールはすばらしい。魔球は体力を使うのでスタミナはなかったと思います。メンタルは弱いほうが目立ちます。良く驚くし、泣くし、挫折します。
今のプロ野球でもダルビッシュのように体が大きいとボールに力がありますね。それを生かすための訓練をしているのだろうなあと思います。

私からのアドバイスです。
まずは極端に低いものがあれば、それを訓練する方法を試してください。けれどその訓練自体がどうしてもやりたくないのならそれはあなたの脳の特性に反しているのかもしれませんから、ほかの能力でカバーすることを考えます。

性差別の意図ではありません。男女の脳の構造は(全体の傾向として)違います。その中で個人差があって例外も多くあります。一般的には男性は1のパワー(読み)が得意ではないかと思うのです。理系も男性が多いですし、論理的に考える数学を得意にされることも多いでしょう。将棋を始める女性が、詰将棋をやると難しさを感じるのではないかと思うのです。
女性は2 スピード(直感)が優れているのではないかと思います。一昔前に右脳左脳の話がはやりまして、女性はそれをつなぐ脳梁が太いので論理とイメージをつなぐことができる、同時にいくつものことをやりやすい、という話でした。あなたが(女性かどうかわかりませんが)詰将棋が苦手なら、最低限のところ(3手詰めくらいまで)ができれば、無理にやらなくてもいいです。直感を磨きましょう。(逆に女性で詰将棋が得意ならば、かなり将棋が強くなる可能性があります。)
かくいう私がこれでして、数学は得意でしたが、ぱっと解法をひらめいて解くだけですから、数学科に進まなくてよかったと思っています(これは危ないところでした)。詰将棋は解けません。

話がいろいろ飛んでしまいました。明日はどういう訓練方法の組み合わせを行ったらいいかモデルケースで考えてみたいと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする