名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

将棋の上達法則(29)

2015-05-27 | 将棋上達法則
今度は逆のモデルです。

詰将棋がなかなか解けなくて嫌になる人(私のことですかね)、まあ3手詰めくらいはできるほうがいいのですが、嫌なことはやめましょう。
あなたは順番に考えていくというのが苦手なのかもしれません。一つのことに集中するのが苦手かもしれません。でも苦手なことがあっても、ほかの能力でカバーできればいいのです。5手先のことがわからなくても、1手を間違えなければいいのです。そういう訓練をします。

最初にやるのは定跡を覚えることです。3 テクニック(知識)を増やします。ついでに4 コントロール(形勢判断や大局観)も学ぶことができます。
まだ始めたばかりなら初心者用の本を買うのですが、まあこのブログを見ていただいている人ならここは省略します。もう少し難しい定跡本を買います。
あなたが習得するのは居飛車戦法です。

矢倉、特に加藤流と呼ばれる37銀を習得しましょう。46銀37桂の形もいいのですが、流行して定跡が変わりつつありますから後回しです。
こういう「初段」とか書いてある本を図書館や古本屋で見つけましょう。あとからはいらなくなると思います。
初段に勝つ矢倉戦法 (将棋必勝シリーズ)

教科書にできるのはこれ。古い本ですが、アマゾンでも安く買えます。
現代矢倉の基礎知識〈上〉 (将棋の定跡)
習得できたらこっちが読みたくなります。
矢倉の急所〈2〉 (最強将棋21)

居飛車は後手番でどうするかも問題で、
藤森流急戦矢倉 (マイナビ将棋BOOKS)
これも教科書にします。

対振り飛車も考えなくてはなりませんね。
四間飛車破り【急戦編】 (最強将棋21)
四間飛車だけではないし、角交換する振り飛車がはやっているし、と参考書だけでもいっぱいになるのでとりあえずこれだけ。

居飛車を研究するとやることがいっぱいになります。でも気にしないでください。1冊だけから始めます。どれからでもいいです。
本を読んで、盤駒で並べます。これにて先手よし。とか書いてあるところから、その先は自分で両方の指し手を考えて玉を詰ますまで指してみます。

実戦は後回しです。
あなたはまずは知識を手に入れないといけません。ほかの人とどうしてもやりたい、試したいと思ったら、自分より弱い人を見つけてください。
将棋教室に通おうとかは考えないほうがいいです。先生はあなたの才能に気が付いてくれません。嫌いな詰将棋を宿題にされて、嫌になるだけでしょう。駒落ちを教えられてもあなたにはあまり役に立ちません。
平手で適当にゆるめて互角の局面にしてくれて、最後には負けてくれる先生がいるといいのですが、多分そんな先生はいません。(私に依頼があれば考えますが。)

あなたの相手は本と盤駒だけでいいです。しっかり覚えられたら力試しに弱い人と指してください。弱そうに見えても終盤でやられることがあるので、悔しくてやめたくなるかもしれないのでほどほどに。
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20150526今日の一手<その35>

2015-05-26 | 今日の一手
20150526今日の一手
17日の名南将棋大会から、OさんとSさんの対局です。

形勢判断と次の一手を考えてください。











昨日の一手の回答

形勢判断をします。駒の損得はないのですが、後手はと金を作っています。玉は先手のほうが馬がいるので堅いです。先手の攻め駒は58飛54歩で2枚。守りについている駒も使わなくてはなりません。後手の攻め駒は26飛28と33桂に持ち駒角。後手のほうが攻撃力がありそうです。ということで、現時点は互角ですが、29桂19香をとられそう、49金も狙われそうなので、先手がゆっくりできません。

19とは確実ですから攻める手を考えます。本譜は55銀でした。そのあとの進行はよくわからないのですが、55同銀同飛19と53銀29竜で

62銀成同金53歩成72金63と同金52飛成62金となると

竜はできたのですが、49の金が当たりになっています。先手の攻撃力不足でだめそうですね。

46馬は82玉をにらんでやりたい手です。しかし、19と75歩45香

で追われます。勢いで74歩46香73歩成同金46歩29飛成59金14角

これではうまくいかないようです。

最後は85桂です。84銀46馬92玉に56飛27飛成95歩と強くいきます。(46飛を防ぐ)

85銀94歩96歩86歩同銀94歩

97歩成は嫌味ですが、後手玉のほうが危険ですから先手よしだと思います。

85桂に銀を逃げなければ19と73桂成53銀

29飛成59金と利かされるのは嫌ですが、53金左同歩成同銀54歩44銀で金が入れば28金

これは千日手になりそう。
戻って53銀の打ち込みに29飛成59金53銀同歩成同金左は51銀

52金寄54歩44金53歩成51金63と52歩46馬

以下、62銀73と同銀85桂71香75歩

これは受けにくそうです。後手玉が薄すぎます。

ということで、85桂といくのが後手玉を薄くするので一番いいようです。49金が当たるのが痛いのですが、最悪千日手にはできそうです。

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将棋の上達法則(28)

2015-05-26 | 将棋上達法則
毎日詰将棋と棋譜並べをやっています。楽しいですか?
少しやり方を工夫してみましょう。

実戦で考えることは大事なのですが、まだ知識が少なく、詰む詰まないでもない局面ではどう考えたらいいかもわからない。だから最初は目につく手を指すのでだいぶ早指しだと思います。30分持ち時間があっても10分かからずに終わっていませんか?才能があるあなたの読みが速いので仕方ないかもしれませんが、それで終わると強くはなりません。
相手の手も考えてみましょう。そのため、詰将棋を上下ひっくり返して受け手側から見て解きます。詰将棋の手数だけではなくて、変化の多い問題を解くのもいいです。必至問題があればやってみましょう。
棋譜並べを一回やったら反対側からもう一回並べてみます。相手の最善手を考える訓練です。
これが苦も無くできるようになれば、実戦で2倍考えることができます。あなたは2倍の速さで強くなるのです。
実戦では自分の指した手に対して、相手が素直に応じてくれるとは限りません。また、相手からみたらこうやられるといやだろうなあ、という手がわかれば、逆転勝ちしやすくなります。



ここから後は、もっと読みの訓練を続けるか、ほかの能力を磨くかはあなたがやりたいと思う方向に進みましょう。試行錯誤も楽しいものです。少し行き詰ったら、どうしたらもっと強くなれるだろうか?と自分にたずねます。

さて、明日は別のモデル、読みが得意ではない人の場合を考えてみます。
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20150525今日の一手<その34>

2015-05-25 | 今日の一手
20150525今日の一手
17日の名南将棋大会から、AさんとSさんの対局です。

形勢判断と次の一手を考えてください。












昨日の一手の回答

形勢判断をします。この瞬間は角桂交換で後手(下側)が駒得です。先手(上側)が桂得だったのを、馬を切って両取りをかけた局面です。玉は先手(上側)がかなり堅いです。先手(上側)の攻め駒は51飛67銀と持ち駒の桂で3枚。後手(下側)の攻め駒は31馬と持ち駒角銀で3枚で飛車が働けば4枚とはいえ、すぐに攻め合いにはできないので受けを考えます。

両取りとはいえとりあえずは駒得ですから落ち着きましょう。実戦は21馬58銀成53歩51飛65馬88飛で

おとなしすぎました。51飛を抑えたとはいえ、駒損を回復されてゆっくり攻められます。56金が守りに働かないので勝ちにくいですね。

飛車を逃げると、59、57どちらでも56飛とぶつけられます。

飛車交換あるいは67飛58飛成となるのですが、先手玉(上側)が堅いです。84歩は残っていますが、後手玉(下側)が大分薄いのでだめです。

となれば53歩と止めるしかありません。51飛で馬に当たる形なのでやりにくいのですが、57飛として

67飛31飛は

先手(上側)の攻撃力は持ち駒角桂しかありません。31飛は遊んでいます。後手(下側)の攻め駒は53歩と持ち駒角銀銀で4枚ですから、落ち着いて攻めれば勝てます。

戻って56銀成同飛31飛は52歩成。

さっきより先手(上側)の持ち駒は増えましたが、と金を作って飛車がなれます。これも少しよさそうですね。

問題図の前、

ここで桂得の穴熊とはいえ56銀は荒っぽい手です。51飛22馬99馬11馬77馬

これくらいが順当で、歩切れとはいえ35桂とか67馬から49銀が残り、44馬には41香を用意していますから、先手(上側)が有利でした。

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将棋の上達法則(27)

2015-05-25 | 将棋上達法則
さて、定跡を覚えて実戦もやってみたのでしたね。
実戦は詰将棋とは違います。相手の指し手によって状況が変わります。なので毎回ああでもないこうでもないと考えるのを楽しめるわけです。その考えるという作業の訓練として毎日詰将棋に取り組んでいるのです。
実戦と詰将棋の落差を埋めるのが棋譜並べです。簡単に言えば、主にプロ棋士が指した将棋をなぞるわけですが、そのデータが必要ですね。
あなたの家で新聞をとっていれば、将棋欄を見れば詳しい解説が付いた棋譜が手に入ります。でも年に50局くらいしかないし、あなたの指す振り飛車対居飛車は10局くらいでしょうか。あれば切り抜いておきます。
専門誌(将棋世界や週刊将棋)にも載っています。
手軽なのは久保振り飛車実戦集を勧めておきます。大山先生の実戦集がバイブルのように言われるのですが、ちょっと高すぎます。
将棋年鑑は毎年発行されていて500局もあります。ただ、価格が高めですし、実は覚えたばかりの(普通の)四間飛車は今は流行っていなくて、局数が少ないのです。だから教科書の定跡書が少し古くてもよい、ということはあるのですが。ですから、古本屋などのぞいて、10年くらい前でいいです、古い将棋年鑑が安ければ1冊買ってみましょう。

教材がそろったら、定跡書を並べていたのと同じように盤駒で並べてみます。最初は四間飛車と居飛車の棋譜だけでいいです。記号を追いながら間違いのないように最後まで並べます。振り飛車が自分の側のほうがいいですね。慣れてくれば反対側から並べられるようになります。一回並べたらもう一回、なるべく本を見ないで並べます。最初は意味が分からなくてもいいです。丸暗記するつもりで。

いろいろな手筋が覚えられます。また、終盤に相手玉を詰ます前にどうやって迫るか、やり方がわかってきます。解説が付いていますね。これを理解するのはまだ難しいかもしれません。ああそうなんだ、くらいでいいです。悪い手だと書いてあればなぜか考えてみます。好手と書いてあれば何回かその手を指してみましょう。

一日一局、並べてみましょう。次の日になって忘れていたらもう一回前の日の分を並べ直します。多分最初は面倒です。でも毎日少しでもやるようになれば、いつの間にか強くなっています。

ついでに。毎日詰将棋と棋譜並べをやります。少しでも。やったらカレンダーか手帳か日記に丸を付けましょう。何回も見直すものがいいですね。丸が増えればここまでやったんだなあとおもいます。
誰かに勝った時ではなく自分が定めたものを達成できた時に満足できる
イチロー選手の言葉です。
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今日の一手<その32>の議論

2015-05-24 | 今日の一手
葛西さんからさらに問題提起がありました。

この図は49飛から79飛成が相当速いので、ゆっくり32角成の余裕がないと。
つまり、32角成49飛33馬79飛成

同玉68金88玉67金同銀57と78銀67と89金76金79桂78と同金69銀68金打78銀成同金67歩

ごちゃごちゃ長い手順ですが、後手の攻め駒が3枚だから千日手になりそうで、と思ったら67歩で4枚目の攻め駒ができて切れません。後手玉は堅いですから先手負けです。
問題図での形勢判断で、先手玉が堅いという認識が間違っていました。

蛇足ですが、32角成49飛で何か受けるのは、(77銀として)45桂がピッタリです。


であれば、攻め合いしかありません。葛西さん指摘の63歩成同金同角成同銀73桂成同桂74金は

72銀左ではなく同銀左と清算して、同歩同銀75歩83銀74銀72歩

これは先手の攻め駒が足りず、余されました。後手からは駒を渡さずに詰めろが続きます。

ほかの攻め筋を考えます。74歩同銀72角成。

同金63銀同銀同歩成同金64歩62金74歩となれば69飛でも

73歩成同桂同桂成同金74歩

ここから79飛成同玉68金88玉78金で同玉は詰み、87玉は詰まないけれど54角65桂75桂

ここからもいろいろありそうですが、一応先手の勝ちのようです。

ところが、途中のこの図で

同金63銀に手抜かれる、69飛74銀成29竜が詰めろ。89金も詰むので69銀打しかなく、

1回71桂と手を入れてから73成銀同桂74歩69と

この図が後手玉に詰めろがかからない(73歩成92玉から)し、69銀も同飛成同金同竜で飛車をもらっても詰みません。

どなたか他にアイデアはありませんか?


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20150524今日の一手<その33>

2015-05-24 | 今日の一手
20150524今日の一手

17日の名南将棋大会から、TさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。










昨日の一手の回答

55銀右とぶつけられました。形勢判断から。駒の損得は全くありません。この局面は金銀が集結しているので後手玉のほうが堅いです。先手の攻め駒は59飛77角78金89桂ということになるのですが、左側の駒が働いていません。攻めるなら56銀を使うのですが、それでも攻撃力不足です。後手の攻め駒は22角82飛73桂55銀44銀とたくさんあり、22角や44銀が働き出せば切れなくなります。ということで問題の局面は後手がリードしています。

いろいろ手の広い局面です。実戦は45銀同銀同歩57歩54歩66銀と進みました。

元気よく行ったのですが、この局面は77角が逃げにくいですし、後手陣に遊び駒がありません。順当に後手の勝ちとなりました。

自然に見えるのは55同銀同銀54歩です。66銀53銀57歩64銀成でしょうか。

本譜よりはいいものの、先手の飛角を抑えられ、難局です。

45歩56銀44歩は47銀打です。

先手玉が薄くなるのでこれも嫌です。

先手玉が堅くないので派手な戦いは避けたほうがいいようです。では47銀引で、65歩同歩同桂88銀です。

桂馬を気持ちよくつかわれているのですが、先手玉のほうが堅くなりました。22角の働きが悪いので、先手に56歩や66歩がまわると後手は忙しいです。86歩同歩66歩56歩67歩成同金86飛55角同銀同歩87飛成56金

というのが一例で、先手玉が堅くなり、22角を抑えていれば竜を作られても指せそうです。

47銀上も考えられます。56銀同銀55歩47銀63金38金65歩69飛

銀交換は67金と使いにくくなるのですが、後手も63金と離れていくことになるなら互角です。

いろいろ見えて選択に困るかもしれません。でも問題図は22角の利きを44銀55銀が遮っているのでこれをほぐさない順を選びたいのです。問題図の前は、54銀を55銀右とぶつけていったのですが、これは左銀(44銀の方)をぶつけたいところでした。54銀が浮き駒なので63金と備えてからのほうがいいかもしれません。それなら後手が十分でした。
先手玉が堅いかどうかにも注目したいです。
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将棋の上達法則(26)

2015-05-24 | 将棋上達法則
さて、詰将棋や定跡を覚えてからの実戦はどうだったでしょうか。前より強くなったと思えたら大成功です。

何局かやれば、あれ?何か違うなあと思うことがあるでしょう。

1 相手が振り飛車をやってきた。
2 いきなり角交換された。
3 定跡通り進めたはずだが知らない局面になった。
4 詰みだと思ったら逃げられた。

1 のときどう対応しましたか?覚えた定跡の逆をもって、あなたが居飛車側で進められたなら構いません。居飛車を持っても指せるように本を見直しておきます。
相手の陣形なんて気にしないで両方とも振り飛車になったら、これは相振り飛車と言う形です。指し方はあまりにも多く、教科書にしていた藤井先生も
相振り飛車を指しこなす本〈1〉 (最強将棋21)
相振り飛車を指しこなす本〈2〉 (最強将棋21)
相振り飛車を指しこなす本〈3〉 (最強将棋21)
相振り飛車を指しこなす本〈4〉 (最強将棋21)
と4冊も出しています。教科書を増やしてもいいのですが、1冊だけなら4間飛車で対応する
これからの相振り飛車 (マイナビ将棋BOOKS)
を勧めておきます。
あなたは自分で考える力を持っています。定跡をあまり気にしないで、実戦的な訓練時間を増やしましょう。

2 は見たこともない形になって困ったかもしれません。角を交換してきて歩を取られて、筋違い角というやつです。ほかにも定跡書ではみないような戦法に出会うかもしれませんが、あまり気にしないでその時に考えましょう。終わってからネットで調べてもいいし、強い人に聞いてみてもいいです。その相手に、初めて見たのですが、なんという戦法ですか?と聞けば、名前くらいは教えてくれるでしょう。

3 は先手後手の違いか、あなたか相手が間違えたか、わかっていて変化されたのかもしれません。こういうことは覚えておいて(すぐにメモしておきます)、教科書に書いておきます。何回も書き込めばあなただけの定跡書、教科書になるのです。

4 は詰将棋を中心にやっていたから王手ばかり考えてしまうためですが、これは次の訓練で対応します。棋譜並べというやつです。

詰将棋は毎日やりましょう。1問だけでも習慣にします。もっと難しい本を探すのもいいです。
並行してやっていた、4間飛車の定跡書、教科書を覚えたら、棋譜並べに移りますよ。あなたは考える力があるのですから、実戦に近い訓練をすれば強くなります。
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20150523今日の一手<その32>;修正あり

2015-05-23 | 今日の一手
20150523今日の一手

17日の名南将棋大会から、MさんとKさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。













昨日の一手の回答
後手の立石流から終盤です。少し前に戻ると

ここから、先手玉は69と が来ると詰めろですから79金。後手も63歩成より速い手がないので72銀打です。これで問題図。

形勢判断をします。終盤なのであまり気にしなくてもいいのですが、飛角交換でと金ができています。駒の損得は少し後手がいいです。玉は先手のほうが大分堅いです。上部の厚みも違いますね。後手は32金が残ってしまい、その分だけ堅くないので72銀打と入れなくてはいけませんでした。先手の攻め駒は65桂64歩55角54角で4枚。後手の攻め駒は38竜58と 持ち駒の飛車とで3枚。後手の戦力が足りません。手番も先手なので、先手優勢です。

先手優勢なので、ゆっくりと32金を取ってもいいです。32角成49飛33馬69と89金68と同金同竜79金打。

後手のと金は先手の金と交換になりましたから、桂馬を得したという計算です。桂馬を持てば、74桂から63歩成があり、これでも勝てるでしょう。遊んでいる32金を相手にしたので少し感触は悪いですが。

攻め合うなら44角です。61歩53桂成69と62成桂同歩で、62同角成が詰めろではないので69金と手が戻って、47飛。

これは慌てますね。39歩が冷静な手で、これが見えるといいのですが(実戦では見えないでしょう)。38竜が28や48に逃げると44角が当たりで逃げられます。49竜には62角成で飛車をもらえば後手玉が詰むのです。
ゆえに44飛成72角成同銀38歩。

派手な応酬から落ち着いてみれば、金銀と角桂の交換、玉は先手が堅いのでまだ指せそうです。

さて、ここまで読めば正解がわかったでしょうか。74歩同銀としてから44角です。

61歩53桂成に69と は62成桂同歩に同角成が利きます。

83銀の形では後手玉が詰まないので79と で負けそうですが、この図は簡単な詰めろ。後手も飛桂しかなくて受けが利きません。
作ったような手順がありました。ぴったりです。


おわび
坪井さんからご指摘がありました。74歩同銀44角には61金です。

74歩同銀がなければ63歩成なのですが、この図は先手から厳しい順がありません。攻め合い負けです。
ということは32角成からの順で、

ここから48竜に74桂です。

すぐに決め手がないなら、金を手に入れて受けるのが正解。後手の攻め駒が3枚なのでまだ受けが利きます。その間に桂馬を手に入れて74桂です。以下は同歩63歩成73桂打62と で優勢。73桂打で73金は清算して詰めろをかけます。先手玉が堅いので優勢です。
とんだ読み抜けです。すみませんでした。
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将棋の上達法則(25)

2015-05-23 | 将棋上達法則
今日はモデルを想定して将棋の上達方法を考えてみましょう。

あなたは将棋の初心者で、ルールは覚えました。一応実戦は何局かこなしました。さて次は?

まずは詰将棋をやります。3手詰めまではできるようにしておきます。
1・3・5手実戦型詰将棋
こういう本を書店でも、ブックオフでも、図書館でもいいですから手に入れて解きます。

習慣化するコツは、
必ずできることを毎日やる
・・・最初の1週間は1問だけ。次の週は2問だけ。ステップアップします。いつも本を持ち歩いて電車の中でやるといいですね。毎日どの時間でやるのがいいか決めておきましょう。
報酬を設定する
・・・10問できたらコーヒー一杯とか、カレンダーに○をつけるとか。小さいゴールを作ります。
やらざるを得ない状況を作る
・・・家族に宣言する。友人と将棋大会に行く約束をしてそれまでにこれをやると誓う。
記録をつける
・・・日記でもカレンダーでも手帳でもいいです。本に日付と終了日を書いてもいいです。達成感を味わいましょう。

さて、5手詰めくらいならどうにか解けたでしょうか?楽しく1冊を終えられたなら、あなたはパワー(読み)の才能があります。詰将棋は毎日続けましょう。同じ本を繰り返し解いてもいいですし、もっと難しいものをやってもいいです。

次は基本知識を身につけます。
基本定跡や手筋
形勢判断
終盤の速度計算
です。

あなたがまだ得意戦法を何にするか決めていないなら、振り飛車を指すことを勧めます。
四間飛車を指しこなす本〈1〉 (最強将棋塾)
四間飛車を指しこなす本〈2〉 (最強将棋塾)
四間飛車を指しこなす本〈3〉 (最強将棋塾)
少し古い本ですが、手に入れてみましょう。これが教科書です。
基本定跡や手筋、形勢判断まではこれでカバーできます。一度目は盤駒で局面を並べながら読みましょう。とても良い訓練になります。振り飛車ではこういうところはこう指すものだという感覚を身につけたいので、実際に並べると手が覚えてくれるのです。
内容を覚えるくらいになったらページをめくって確認するだけでもいいでしょう。
一日3ページとか決めて、詰将棋と同じように毎日やります。

振り飛車を勧めるのはいくつか理由があります。
振り飛車は定跡を間違えても、そんなに悪くなりません。あなたは読む力があります。終盤で逆転できる力があるのです。
単純に長い手数を読むだけではなく、少し先の局面を何通りも読む力を身につけたいので、その訓練に適しています。
基本知識があればあとは実戦の中で読むことで強くなれます。

ここまでできれば、実戦です。あなたが学生なら将棋クラブや将棋部はありませんか?会社に将棋部があるかもしれません。地域の同好会を探してみるのもいいですし、都市部なら将棋道場があるでしょう。
相手とのコミュニケーションは楽しいのですが、もしかすると最初は気後れするかもしれません。(たいていは歓迎されますが。)
将棋クラブ24
81道場
こういうインターネットでの対戦でもいいです。
コンピュータソフトとの対戦でも、ちゃんとやれば強くなります。

長くなったので続きはまた明日。
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