名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋研究(1400);角交換向い飛車(内藤国雄)

2019-11-07 | 大山将棋研究

今日の棋譜20191107

昭和45年1月、内藤国雄先生と第16期棋聖戦第1局です。これで5度目になるらしいですが、5冠王をかけての挑戦です。

内藤先生は振り飛車封じで角を交換したのですが

大山先生は54歩を突いてから22飛。のちには54歩を突かないダイレクト向い飛車の原型を(内藤先生と2局、丸田先生と1局)指しています。

53角に備えて62銀は、初期のころという感じです。今ならば美濃囲いや片銀冠から44銀~33桂~21飛~42金を考えますよね。

3筋の歩を交換して

金美濃に。内藤先生は玉頭の位を取ります。

大山先生は銀を立て直して

32飛は35歩ねらいですが、内藤先生は自陣角。52飛は25歩同歩35歩が嫌だし、53銀は45桂があります。

大山先生は1歩取らせて角を追います。

内藤先生の25歩は早かったか。25同歩に66歩は

67角を厳しくするためですが、12角に対して攻めにくいです。

角がぶつかりますが

内藤先生は角交換を避けます。

2筋を謝らなくてはいけない(25歩同桂26飛37桂成は後手有利)のではつらいですね。

35歩には38歩。これは取れなくて

36銀には27歩成同歩26歩同歩39歩成。と金を取れないので苦しいです。

桂を逃げられたのは幸いで

2筋の歩を延ばして逆襲できれば。大山先生は65桂を打って

65歩を拠点としています。内藤先生は23桂。11桂成同飛23歩成というねらいです。

大山先生は64桂から51飛。11桂成には56桂から攻めることができます。

88玉に21角。

11桂成には66歩がねらいで、65同金に65銀を見ています。

角の取り合いになり

48角~37と で

銀を取れば駒得です。内藤先生は42角から

角と銀桂を交換します。後手が歩切れなので

もうちょっと手が続けばよいのですが、76桂があまり厳しくないのでまだ悪そうです。

大山先生の75角成は歩切れを解消して好点です。内藤先生は8筋から乱し

63歩61歩も利かせて77金上。やはり攻めが厳しくないです。

大山先生は47角から馬を作っておきます。21飛から使おうとは考えない人なのです。

内藤先生はちょっと危ないですが銀を出て馬を追います。

大山先生は馬で飛を取って(78同金と取れないタイミングで)28飛

合駒を使わせても馬は死んでいるので、後手玉が安泰ではなくなってきました。

内藤先生は84歩を取って

桂は捨てますが後手玉を露出させて31成桂と使えました。

85歩(危ない手)には同銀

飛を取って勝負です。

82香は攻防(詰めろ)で、大山先生が残しているか。

84歩に65桂も危ない中での攻防手です。

内藤先生は角2枚で後手玉を追い

金取りに角を出て、逆転したかというところなのですが、ここで84香が詰めろ。

84同角に77桂成から83銀。まだ届かないようです。

84角のほうを逃げて84桂を打ち

金をはがして詰めろ。大山先生は69角から

77金をはがして85金を打てば詰めろが消えます。玉頭での戦いは大山先生が制したので

勝勢になっています。あとは銀金を打って角を取れば

先手玉は詰めろで、後手玉は安全なので勝ちです。

 

現代のダイレクト向い飛車は後手から角交換して振るのですが、先手から角交換されていると都合2手得。後手が序盤でリードしやすいわけです。

内藤先生は終盤面白くなりましたが、逆転には至らず。大山先生の玉を捕まえるのは大変です。

 

すでに並べた将棋に、この将棋の類似局、ダイレクト向い飛車の原型1局目2局目3局目があるので、興味のある方は再読してください。大山先生は相手から交換された時だけですが、角交換振り飛車の将棋も指しています。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1970/06/19
手合割:平手  
先手:内藤国雄棋聖
後手:大山名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2二角成(88)
4 同 銀(31)
5 2六歩(27)
6 3三銀(22)
7 8八銀(79)
8 5四歩(53)
9 7七銀(88)
10 2二飛(82)
11 3八銀(39)
12 6二玉(51)
13 6八玉(59)
14 7二玉(62)
15 4六歩(47)
16 6二銀(71)
17 3六歩(37)
18 4四銀(33)
19 4七銀(38)
20 3五歩(34)
21 同 歩(36)
22 同 銀(44)
23 3六歩打
24 4四銀(35)
25 7八玉(68)
26 2四歩(23)
27 9六歩(97)
28 9四歩(93)
29 6八金(69)
30 8二玉(72)
31 7五歩(76)
32 7二金(61)
33 5八金(49)
34 3三銀(44)
35 3七桂(29)
36 3四銀(33)
37 8六歩(87)
38 5一金(41)
39 8五歩(86)
40 3二飛(22)
41 7六角打
42 6四歩(63)
43 5四角(76)
44 6三銀(62)
45 7六角(54)
46 5二金(51)
47 2五歩(26)
48 同 歩(24)
49 6六歩(67)
50 2二飛(32)
51 6七角(76)
52 1二角打
53 2九飛(28)
54 4四歩(43)
55 7六銀(77)
56 4三銀(34)
57 7七桂(89)
58 2四飛(22)
59 5六歩(57)
60 3三桂(21)
61 5七金(58)
62 2一飛(24)
63 6五歩(66)
64 同 歩(64)
65 同 銀(76)
66 6四歩打
67 7六銀(65)
68 2六歩(25)
69 2八歩打
70 6二金(52)
71 3五歩(36)
72 3八歩打
73 3六銀(47)
74 2七歩成(26)
75 同 歩(28)
76 2六歩打
77 同 歩(27)
78 3九歩成(38)
79 2七飛(29)
80 3八と(39)
81 2五桂(37)
82 同 桂(33)
83 同 歩(26)
84 5四銀(43)
85 2四歩(25)
86 6五桂打
87 同 桂(77)
88 同 歩(64)
89 2三桂打
90 6四桂打
91 8七銀(76)
92 5一飛(21)
93 8八玉(78)
94 2一角(12)
95 1一桂成(23)
96 6六歩(65)
97 2一成桂(11)
98 6七歩成(66)
99 同 金(57)
100 4八角打
101 6六香打
102 3七と(38)
103 2九飛(27)
104 3六と(37)
105 4二角打
106 4一飛(51)
107 6四角成(42)
108 同 銀(63)
109 同 香(66)
110 5三金(62)
111 7六桂打
112 7五角成(48)
113 8四歩(85)
114 同 歩(83)
115 8三歩打
116 同 玉(82)
117 8五歩打
118 同 馬(75)
119 6三歩打
120 6一歩打
121 7七金(68)
122 4七角打
123 7九飛(29)
124 5八角成(47)
125 7八飛(79)
126 6九馬(58)
127 8六銀(87)
128 7八馬(69)
129 同 玉(88)
130 2八飛打
131 6八桂打
132 7四馬(85)
133 7五銀打
134 2九飛成(28)
135 7九歩打
136 1九龍(29)
137 8四銀(75)
138 同 馬(74)
139 同 桂(76)
140 同 玉(83)
141 3一成桂(21)
142 8五歩打
143 同 銀(86)
144 同 玉(84)
145 4一成桂(31)
146 7四玉(85)
147 7六金(67)
148 8二香打
149 8四歩打
150 6五桂打
151 8五角打
152 8四玉(74)
153 7五角打
154 8三玉(84)
155 8四歩打
156 9二玉(83)
157 9四角(85)
158 8四香(82)
159 同 角(75)
160 7七桂成(65)
161 同 金(76)
162 8三銀打
163 6六角(84)
164 9四銀(83)
165 8四桂打
166 8三玉(92)
167 7二桂成(84)
168 6九角打
169 8九玉(78)
170 8八銀打
171 同 玉(89)
172 8七歩打
173 同 金(77)
174 同 角成(69)
175 同 玉(88)
176 8六歩打
177 同 玉(87)
178 8五金打
179 8七玉(86)
180 8六歩打
181 7八玉(87)
182 8七銀打
183 6七玉(78)
184 7六金打
185 5八玉(67)
186 6六金(76)
187 8二飛打
188 7四玉(83)
189 投了
まで188手で後手の勝ち

 

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大山将棋問題集20191106

2019-11-06 | 大山将棋研究

先手番大山先生の手を考えます。

第1問

桂取りを受けたいのですが。

A 79飛  B 78銀  C 61角

 

第2問

 

駒損になるのですが攻めます。

A 74角  B 45桂  C 68飛

 

第3問

 

どこから攻めますか?

A 45歩  B 26桂  C 75角

 

第4問

 

王手か詰めろを続けたいのです。

A 52同と  B 42と  C 22金

 

 

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大山将棋研究(1399);三間飛車に棒銀(山田道美)

2019-11-06 | 大山将棋研究

今日の棋譜20191106

昭和45年6月、山田道美先生と第16期棋聖戦です。

大山先生の先手三間飛車です。

後手番で急戦は難しいのですが

山田先生は65歩急戦をあきらめて棒銀にしました。

これが振り飛車の一番シンプルで強い対抗策です。多分この将棋が初めてなのだと思います。大山先生は定跡を指しませんから。大山先生が考案した急戦対策の定跡もいくつかあるのですが、うまくいっているものを含めて2回は指しません。何度も指すのは誰も真似をしない玉頭の袖飛車くらいです。

山田先生は角を交換して98角ですが、これが疑問手です。初見では仕方ないでしょう。65歩75歩62飛というのが後に定跡とされています。

大山先生は61角の割打ちから金を手に入れて

88金。角は死んでいます。89角成しかないので

桂金交換で、左桂が使えた形は大きいのです。

山田先生としては6筋を攻めて何とかするしかないです。68角に期待しました。78金77角成同金79飛というような変化を期待しています。

78飛には67歩成。68飛同と が普通の形ですが

大山先生は63歩同飛74角。

角飛交換で飛を取られていますから角損の取引です。68角は死んでいるし

王手銀桂取りがあって

全部取り切ってしまえば歩切れですが銀得です。

駒得なので端を攻められても謝ります。

68竜に86角はおかしな感じで

79竜に68銀もあまり得ではないです。山田先生は竜を逃げずに84歩ですが、

竜の取り合いは79.84の位置の違いから後手が損をしているのでしょう。

77角に44角も後手を引いているのです。

大山先生は77飛などを避けて67銀。もう終盤ですが玉のほうに銀を寄せていくのが大山流です。

26桂は受けてもらえば利かしです。駒損の山田先生は持ち駒を使いたくないので

69角の攻め、大山先生は78角で欲張った受けです。

角を切られて77金~67金があります。38銀57桂、38金57金、など受けても嫌味が残ります。

大山先生は受けずに34桂~73歩成~63歩。52金には72飛62歩71飛成51桂、手は続くけれどまだ難しそうですが

山田先生は手抜いて銀角を取りました。

大山先生は52飛42銀打63と 寄せ合いです。53と は詰めろになるでしょう。

山田先生は寄せ合い負けなので銀を埋めますが

53と52銀に22金。どうやっても詰めろは続きそうです。

33玉31金も詰めろ。

山田先生は受けにくいので58竜同金17銀で王手ラッシュですが一目は詰まないです。

清算して香を打ってもかわされて

18飛75角まで決めて金を取って詰めろ。

でも後手玉は簡単に詰んでいました。

 

棒銀対策もいろいろありますが、振り飛車党ならば、特に三間飛車とか先手四間飛車とかならば本譜のような65歩が一番シンプルな対抗策です。とりあえずはこれだけ覚えておけばよいです。そのあとのさばきが難しいのですが、居飛車も攻めるだけとはいきませんから。

大山先生は駒得になり、そのまま寄せ合い勝ちにもっていきました。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1970/06/06
手合割:平手  
先手:大山名人
後手:山田道美8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 8四歩(83)
5 7八飛(28)
6 8五歩(84)
7 7七角(88)
8 6二銀(71)
9 6八銀(79)
10 4二玉(51)
11 4八玉(59)
12 3二玉(42)
13 3八玉(48)
14 7四歩(73)
15 2八玉(38)
16 5四歩(53)
17 3八銀(39)
18 5二金(61)
19 5八金(69)
20 4二銀(31)
21 5六歩(57)
22 1四歩(13)
23 1六歩(17)
24 9四歩(93)
25 4六歩(47)
26 6四歩(63)
27 3六歩(37)
28 5三銀(42)
29 4七金(58)
30 4二金(41)
31 9六歩(97)
32 7三銀(62)
33 9七香(99)
34 8四銀(73)
35 6七銀(68)
36 7二飛(82)
37 3七桂(29)
38 7五歩(74)
39 6五歩(66)
40 7七角成(22)
41 同 飛(78)
42 9八角打
43 6一角打
44 6二飛(72)
45 5二角成(61)
46 同 金(42)
47 8八金打
48 8九角成(98)
49 同 金(88)
50 6五歩(64)
51 7五歩(76)
52 6六歩(65)
53 7六銀(67)
54 6八角打
55 7八飛(77)
56 6七歩成(66)
57 6三歩打
58 同 飛(62)
59 7四角打
60 7八と(67)
61 6三角成(74)
62 同 金(52)
63 7八金(89)
64 6九飛打
65 8二飛打
66 6二金(63)
67 6八金(78)
68 同 飛成(69)
69 6三歩打
70 同 龍(68)
71 8一飛成(82)
72 6一歩打
73 8四龍(81)
74 1五歩(14)
75 8五龍(84)
76 1六歩(15)
77 1八歩打
78 6八龍(63)
79 8六角打
80 7九龍(68)
81 6八銀打
82 8四歩打
83 7九銀(68)
84 8五歩(84)
85 7七角(86)
86 4四角打
87 同 角(77)
88 同 歩(43)
89 6七銀(76)
90 9八飛打
91 7四歩(75)
92 7二歩打
93 2六桂打
94 6九角打
95 7八角打
96 4七角成(69)
97 同 銀(38)
98 7七金打
99 3四桂(26)
100 3一金打
101 7三歩成(74)
102 同 歩(72)
103 6三歩打
104 6七金(77)
105 6二歩成(63)
106 7八金(67)
107 5二飛打
108 4二銀打
109 6三と(62)
110 7九金(78)
111 5八銀(47)
112 4三銀打
113 5三と(63)
114 5二銀(43)
115 2二金打
116 3三玉(32)
117 3一金(22)
118 5八飛成(98)
119 同 金(49)
120 1七銀打
121 同 歩(18)
122 同 歩成(16)
123 同 香(19)
124 同 香成(11)
125 同 玉(28)
126 1一香打
127 1六歩打
128 同 香(11)
129 2八玉(17)
130 1八飛打
131 3九玉(28)
132 7五角打
133 5七香打
134 3一銀(42)
135 2二銀打
136 同 銀(31)
137 5一角打
138 投了
まで137手で先手の勝ち

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20191106今日の一手(その944);攻撃は最大の防御

2019-11-06 | 今日の一手

20191106今日の一手

10月12日の名南将棋大会から、SさんとSさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。

 

 

一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。

駒の損得はありません。

玉の堅さは先手のほうが堅いです。

先手の攻め駒は88角1枚。後手の攻め駒は42角1枚。

総合すれば互角か先手もちか。

 

☆ 大局観として

先手Kさんの米長玉からの銀冠は、右四間飛車の時の定番です。ここでは57銀型で桂を跳ねて45歩が有効かどうか。後手玉よりも堅い形なので、攻めが続けば有利になりやすいです。でも8,9筋を攻められたときにもろいので、終盤での単純な横からの攻め合いに持ち込めるかどうかで優劣が決まりそうです。

後手に33角を42角と引かれたところです。どこかで64角や85歩が見えるので嫌な手ですし、35歩から桂頭を攻められるのも嫌です。だけど12香を指していないので大丈夫でしょうか?

 

☆ 簡単なまとめ

一目は45歩です。

これで悪くなるなら仕方ないくらいですが、その前に24歩を突き捨てるかどうか。結論的には45歩が先ですが、24同角の変化は厄介なのです。それを避けられるのならば避けたい。24歩同角の形では、57銀左の舟囲いのほうが優ります。

 

 

× 実戦は26飛でした。

桂頭を受けた穏当な手です。35歩同歩同飛36歩34飛

後手の飛の働きが良くなりました。攻め駒になりましたし、受けにも働きます。24歩同歩45歩64角

37角成が飛取りにもなりますね。受けは48銀しかありません。85歩

後手に持ち歩があると85同歩86歩で銀が死にます。これが先手の囲いの急所です。75歩の受けも同角

銀取りになっています。これだけ利かされるとかなり苦しいです。

 

 

△ 攻めるならば24歩から考えます。

戦いは歩の突き捨てから。(そういえば私はこの歩を突き捨て忘れることが多かったのですが、この頃はありません。訓練で変わるのでしょう。)24同歩に45歩とすれば、85歩にも44歩

43銀43歩成同銀11角成86歩同銀同角87香

この図はうまくいきすぎですが、後手の11香を取れると大きいのです。

 

後手は45歩を無視できず33角

44歩同銀45歩53銀33角成同飛22角

これも11香の形をとがめています。後手玉が堅くなった(53銀が守りに働いた)のでまだ難しいですが。

 

45歩ではなく25歩

継ぎ歩攻めもあります。25同歩は同桂22飛26歩

これは2筋で飛を使えないけれど駒得になります。

 

後手は25歩が重いと53銀

軽くさばく方が良いものなのですが、33角成同桂24歩38角

23歩成が負担なので飛をいじめるのが最善です。39飛27角成23歩成42飛46歩28馬33と41飛79飛37馬

というのが進行例です。桂を取り合って飛の働きを抑え合ってという応酬ですが、33と を使える先手の攻め駒のほう指しやすいです。

 

さて24歩同歩は先手の指せる変化が多かったです。24同角は

45歩42飛44歩同銀

42角が移動したので42飛の受けも可能になりました。舟囲い57銀左からの45歩急戦を思い出して比較してください。22歩13桂21歩成46歩

47歩成を受けにくいので後手よしです。これは舟囲いのほうが良いわけです。

 

22歩ではなく45歩を打つのが普通ですが、

33銀35歩同歩25桂22銀44歩33桂

やはり4筋の薄さが目につきます。

 

43歩も常用の手筋で

43同飛24飛同歩32角

先手玉が堅いので飛を切りやすいです。角を打てば駒得になるのですが、42飛21角成41飛打

33桂で馬を助けても歩切れです。9筋で歩を手に入れる筋もないです。思い切って11馬同飛44角同飛45香

41飛同香成同飛

角歩歩と銀桂の交換ですから少し駒得です。しかし歩切れで49飛成を防ぐのに苦労しますし、長くなれば19香37桂を取られるので駒得とは言えません。後手有利なのでしょう。

 

 

○ 単に45歩だと

64角にも24歩

29飛の位置ですから37角成を恐れなくてもよいです。

 

であれば後手は33角しかなさそうですが、そこで24歩

24同角は1手パスなので44歩で先手よし。24同歩に限定できます。それならば前にやった変化で先手が有利になりやすいというわけです。

 

 

△ 49飛ならば

45歩がより厳しくなっているので35歩は怖くありません。33角には45歩同歩66歩

ちょっと複雑に攻めるのでしょう。66同歩同銀46歩同飛42飛

こんな攻防で互角です。

 

 

× 77角と待てば

85歩の筋に備えています。35歩24歩同歩45歩

1手遅れましたが4筋を攻めるしかないです。36歩44歩52銀43歩成同銀11角成37歩成

これは互角くらい。

 

後手は8筋に備えられたところですが85歩

85同歩35歩45歩

36歩44歩52銀

同じように進みますが、ここで43歩成同銀11角成では86歩を打たれます。49飛48歩同飛37歩成43歩成

48と32と53角

後手に先に桂を取られていますし、47と もあり、11角成は86歩があるという状態は後手有利です。

 

 

× 8筋を受けるだけならば97桂

これは先手玉が薄くなります。33角と戻されて作戦負けの気配です。

 

 

△か× 75歩を突けば

75同歩でしょうから、8筋は一応大丈夫です。45歩33角24歩同歩44歩同銀25歩

攻めていけば指せないことはないですが、桂を渡して76桂とか74桂~85歩とか、傷ができて先手玉が薄くなっているので悪くなりそうです。

 

☆ まとめ

この98玉型の銀冠(米長先生は序盤からの98玉は米長玉ではないと言っていましたが)は、銀冠ではあるのに手厚くないです。8,9筋を攻められるともろくて、88角もいない方がまだ耐久力があります。そういう囲いの特性を理解することが第一。

8筋と3筋は同時に守ることができない形ですから、「攻撃は最大の防御」、「攻めるは守るなり」、で45歩から攻めるのが正しく、それで悪くなっても仕方ないくらいです。左美濃(銀冠)を選ぶ場合は振り飛車の美濃囲いと同等に近い堅さですから、中盤の読みが勝敗を分けます。だから級位者には難しい戦型ですが、愛好者は多いのですよね。難しいと感じたら、急戦の定跡を勉強することを勧めます。

 

 

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大山将棋問題集20191105

2019-11-05 | 大山将棋研究

後手番大山先生の手を考えます。

第1問

 

ゆっくりしていると86歩~85歩が見えています。

A 94歩  B 74歩  C 53角

 

第2問

 

平凡ですが良い手です。

A 86歩  B 54銀  C 24歩

 

第3問

 

どう対応しても悪くはないですが、まだ大さばきは避けます。

A 24歩  B 44銀  C 35角

 

 

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大山将棋研究(1398);三間飛車に位取り(灘蓮照)

2019-11-05 | 大山将棋研究

今日の棋譜20191104

昭和45年5月、灘蓮照先生と第29期名人戦第5局です。

大山先生の後手三間飛車です。

灘先生は居玉のままで6筋の位を取りました。

大山先生は3筋の歩を切って石田流にしたいわけですが

灘先生は銀を出てけん制します。

飛を引かせて97角。ずいぶん積極的ですが

角交換はしてもらえないし、36歩に38歩と謝る形は黙って37歩よりも少し損だと思います。

6筋の歩を交換して

左銀を出る、こういう感覚は独特です。

角は66に移動して

駒組なのですが、大山先生は94歩。これは同歩同香で香交換は64歩同銀63香をねらっているのでしょう。でも取るしかないと思いますが。

灘先生は9筋を手抜いて86歩~85歩でした。

ちょうど94銀が間に合うので損をしているでしょう。飛が8筋に回ることができるのならば良いのですが。

歩切れなので5筋の歩を交換したら53角。64歩を見られて

75歩~76銀。85銀と取れるならばまあまあですが

86歩と伸ばされて嫌な形です。65歩はここからしかないところですが

まだ角を切るわけにもいかず

65歩を打たされたので、また歩切れになります。46歩は仕方ないけれど、いかにも危険です。

35角~45桂は困りました。

銀桂交換で我慢ですが、64同歩65歩は取りにくいわけで

角を引いて我慢。

先に玉をかわしておいて

87銀に85銀というのはこれしかないくらいの勝負手です。

でも普通に応対されて手が作れません。28飛が受けにも働いていないというのがひどいのです。

26角~77金の怪しげな受けも

76銀打から85桂を取られては銀損です。

形も作っていませんがここまで。

 

位取りでも飛を使えず、左から角銀桂だけでなんとかしようというのはうまくいかないです。58手目94歩は(自分で詰めた端なので)取るしかないですが。

大山先生のほうは割と平凡に指しているのですが、それでよくなるのですから、何か見えているものが違うのでしょう。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1970/05/26
手合割:平手  
先手:灘蓮照8段
後手:大山名人
先手省略名:灘
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二飛(82)
7 2五歩(26)
8 3三角(22)
9 5六歩(57)
10 4二銀(31)
11 5七銀(48)
12 6二玉(51)
13 6六歩(67)
14 4三銀(42)
15 6五歩(66)
16 3五歩(34)
17 6八玉(59)
18 4二角(33)
19 7八銀(79)
20 3六歩(35)
21 同 歩(37)
22 同 飛(32)
23 6七銀(78)
24 7二玉(62)
25 7八玉(68)
26 3四飛(36)
27 9六歩(97)
28 5四歩(53)
29 4六銀(57)
30 3二飛(34)
31 9五歩(96)
32 5二金(41)
33 6八金(69)
34 8二玉(72)
35 9七角(88)
36 5一角(42)
37 7七桂(89)
38 4五歩(44)
39 5七銀(46)
40 3六歩打
41 3八歩打
42 3四飛(32)
43 6四歩(65)
44 同 歩(63)
45 同 角(97)
46 6二角(51)
47 6六銀(67)
48 7二銀(71)
49 6五銀(66)
50 8四歩(83)
51 7五角(64)
52 8三銀(72)
53 6六角(75)
54 3三桂(21)
55 5八金(49)
56 7二金(61)
57 6七金(58)
58 9四歩(93)
59 8六歩(87)
60 9五歩(94)
61 8五歩(86)
62 同 歩(84)
63 8四歩打
64 9四銀(83)
65 5五歩(56)
66 同 歩(54)
67 同 角(66)
68 5三角(62)
69 7五歩(76)
70 6四歩打
71 7六銀(65)
72 8六歩(85)
73 6五歩打
74 6三金(52)
75 6四歩(65)
76 同 金(63)
77 6六角(55)
78 5五歩打
79 6五歩打
80 5四金(64)
81 4六歩(47)
82 3五角(53)
83 4五歩(46)
84 同 桂(33)
85 4六歩打
86 5七桂成(45)
87 同 金(67)
88 6四歩打
89 4七金(57)
90 6五歩(64)
91 3九角(66)
92 5三角(35)
93 6九玉(78)
94 4二角(53)
95 4八角(39)
96 8七銀打
97 8五銀(76)
98 同 銀(94)
99 同 桂(77)
100 6六歩(65)
101 2六角(48)
102 4四歩打
103 7四歩(75)
104 同 歩(73)
105 7七金(68)
106 7六銀打
107 6六金(77)
108 8五銀(76)
109 3五桂打
110 6五歩打
111 6七金(66)
112 5二銀(43)
113 投了
まで112手で後手の勝ち

 

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大山将棋問題集20191104

2019-11-04 | 大山将棋研究

後手番大山先生の手を考えます。

第1問

 

作戦負けにならないように、大切な手があります。

A 33角  B 35歩  C 42金

 

第2問

 

うまく46歩を利かせたいのですが、その手順です。

A 46歩  B 36歩  C 24飛

 

第3問

 

こんな手がありました。

A 67成桂  B 58と  C 24桂

 

第4問

 

勝負手が来ました。

A 73同桂  B 73同金  C 71銀

 

第5問

 

最後は実戦詰将棋、15手です。

 

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大山将棋研究(1397);中飛車に右四間飛車(桐山清澄)

2019-11-04 | 大山将棋研究

今日の棋譜20191104

昭和45年5月、桐山清澄先生と第16期棋聖戦です。

大山先生の中飛車で

桐山先生は腰掛銀から右四間飛車を目指します。でも35歩を突かれたら、25歩33角36歩同歩38飛のほうが良いと思います。

桂を使わない仕掛けでは

うまく攻められず、97角はひねった手です。

結局攻め続けられず、4筋に位を取られてしまいました。

持久戦になるのですが、桐山先生は角銀を使って、あくまで攻めようとしています。

77角~86角というのが何度か出てくるのですが、攻めるのにずいぶん苦労しています。47金を強制され

石田流に組まれてしまいました。

2筋は守れないので55銀をねらうのですが

78金が先でした。でも銀は交換してもらえず

36歩は同歩35歩同飛44銀としたかったのでしょう。でも54歩を打たれ

銀を引いて3筋が戦場になるのでは、角を使えないから戦力不足です。

2筋を謝ってしまえばまだ難しいです。

大山先生の決め所ですが、24飛28飛に36歩

46歩48歩を利かせて

34飛38飛に45銀。

35歩から銀金交換で桂をさばきます。

ちょっと重いのですが金を打って

桂を取りました。歩切れが気になりますが駒得です。

33角成には48金ではなくて歩を成り捨ててから。

47同歩としてもらえなかったので、そのあとの形が変わります。桐山先生は銀を打って

飛を取れました。

大山先生は桂を成って

飛を取りに行きます。24同馬同角同飛成は(67成桂同金)45角です。

成桂金と飛の取り合い。トータルではほぼ銀得です。玉の堅さも優り、後手優勢に近いです。

香を取られても角がさばけました。

73桂は桐山先生の勝負手。でも73香のほうだったか。73同桂は81金があり、73同金は35馬同飛成71角です。

71銀81桂成同玉という形がしっかりしているので、73香だったかと。

大山先生は駒得だし、攻める手には困らないので受けておく方が安全です。

これは詰めろではないから67と で勝ちそう(67同馬には44角)ですが

31歩同竜53角の受けでした。

52馬には31角でもよいでしょうが、44角の王手から

31竜とした方が守りが堅いです。

銀でしがみつかれましたが明らかに詰めろではないです。

67と に63馬。後手玉は詰めろですが

さすがに先手玉が詰んでいます。

 

右四間飛車は昔からある定跡で、対中飛車でも使えます。でも本譜35歩を突かれたときには何か考えねばなりません。仕掛けた後で持久戦にしてうまくいくことは少なく、手待ちをしている間に仕掛けられて悪いです。でもこういうよくわからない将棋を指せるのが桐山先生の特徴でもあります。形勢が悪いと思っていないのでしょうか。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1970/05/19
手合割:平手  
先手:桐山清澄6段
後手:大山名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 4二銀(31)
7 5八金(49)
8 5二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 9六歩(97)
14 9四歩(93)
15 4六歩(47)
16 4三銀(42)
17 4七銀(48)
18 5四歩(53)
19 5六銀(47)
20 3五歩(34)
21 4八飛(28)
22 3三角(22)
23 4五歩(46)
24 4二飛(52)
25 4四歩(45)
26 同 銀(43)
27 9七角(88)
28 4三飛(42)
29 6六歩(67)
30 4五歩打
31 8六角(97)
32 6二銀(71)
33 6八銀(79)
34 5五歩(54)
35 6七銀(56)
36 2二角(33)
37 2五歩(26)
38 1四歩(13)
39 1六歩(17)
40 8二玉(72)
41 6五歩(66)
42 7二金(61)
43 7七角(86)
44 5二金(41)
45 6六銀(67)
46 5三金(52)
47 8六角(77)
48 3三飛(43)
49 4七金(58)
50 3四飛(33)
51 6七銀(68)
52 5二金(53)
53 8八玉(78)
54 3三桂(21)
55 7七角(86)
56 2四歩(23)
57 7八金(69)
58 2五歩(24)
59 5五銀(66)
60 5三銀(44)
61 3六歩(37)
62 5四歩打
63 6六銀(55)
64 1三角(22)
65 3八飛(48)
66 4四銀(53)
67 2七歩打
68 5一金(52)
69 8六角(77)
70 2四飛(34)
71 2八飛(38)
72 3六歩(35)
73 同 金(47)
74 4六歩(45)
75 4八歩打
76 3四飛(24)
77 3八飛(28)
78 4五銀(44)
79 3五歩打
80 4四飛(34)
81 4五金(36)
82 同 桂(33)
83 7七角(86)
84 3七歩打
85 同 桂(29)
86 2六歩(25)
87 同 歩(27)
88 2七金打
89 7五銀(66)
90 4一飛(44)
91 3九飛(38)
92 3七金(27)
93 3三角成(77)
94 4七歩成(46)
95 6四歩(65)
96 同 歩(63)
97 6三歩打
98 同 銀(62)
99 3二銀打
100 4二飛(41)
101 4三銀(32)
102 同 飛(42)
103 同 馬(33)
104 7四歩(73)
105 6六銀(75)
106 4八金(37)
107 3六飛(39)
108 5七桂成(45)
109 2一飛打
110 5二金(51)
111 3四馬(43)
112 3三歩打
113 同 馬(34)
114 2四桂打
115 5七銀(66)
116 3六桂(24)
117 4八銀(57)
118 同 桂成(36)
119 1一飛成(21)
120 3五角(13)
121 3四馬(33)
122 3九飛打
123 7三桂打
124 7一銀打
125 8一桂成(73)
126 同 玉(82)
127 8五桂打
128 8二銀打
129 6一金打
130 5七と(47)
131 7三香打
132 3一歩打
133 同 龍(11)
134 5三角(35)
135 5二馬(34)
136 4四角(53)
137 6六歩打
138 3一飛成(39)
139 7一金(61)
140 同 銀(82)
141 6一銀打
142 6七と(57)
143 6三馬(52)
144 7八と(67)
145 9七玉(88)
146 8八銀打
147 8六玉(97)
148 7五金打
149 同 歩(76)
150 7六金打
151 投了
まで150手で後手の勝ち

 

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20191104今日の一手(その943);重要な攻め駒を取られても詰む形

2019-11-04 | 今日の一手

20191104今日の一手

10月12日の名南将棋大会から、KさんとSさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。

 

 

一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。

角香歩3と飛銀の交換で、竜馬を作り合っています。終盤ですし損得なしと見てよいでしょう。

玉の堅さは同程度。

先手の攻め駒は32竜73飛と持ち駒金銀で4枚。

後手の攻め駒は69金と持ち駒角金で3枚。

 

総合すれば先手もちです。

 

何手で詰めろになるかを数えると、後手玉はいろいろな詰めろがかかりそうです。(即詰みはありません。)現状は2手すき。

先手玉は79金が詰めろで2手すき。

先手番なので先手有利です。

 

☆ 大局観として

先手玉への詰めろは79金だけなので何か受けておいてもよいのですが、73飛と44銀を取られる手があります。後手の65馬を取る手もあるので構わない気もしますが、攻めれば寄せ合い勝ちになりそうです。

先手玉はゼット、77角の王手に合駒を用意しておけば、何枚渡しても絶対詰まない形です。穴熊の終盤で分かりやすいです。後手玉に王手か詰めろを続けていけばよいでしょう。一昨日のテーマと似ていますが、より勝敗が分かりやすい図です。

後手玉は1段目ですし、上から抑え込めば難しくないはず。横から迫るのもありそうです。

 

☆ 簡単なまとめ

41竜61角81銀

単に61銀

こういう飛を取られても詰む形が成立しないかと考えるのが良い詰めろのかけ方になります。

 

 

△ 桂を取って52竜は

後手に79金とされて

88銀からの詰めろだということはすぐにわかりますね。後手玉が詰むかどうかですが(金を使わせて詰めろを消せれば別です)63桂81玉51竜61金同竜

後手の61への合駒が何であっても詰みます。

 

つまり52竜は詰めろでした。後手は73銀

何か受けるとすれば飛を取るくらいです。65歩(72金同玉64桂打からの詰めろ)83角41竜61飛

61同竜同角41飛が詰めろで有利なのですが、それが読める人は正解です。(61飛以外の合駒は52角が詰めろ)

 

 

○か△ 実戦は72同飛成でした。

秒読みだと直接の手から考えるでしょう。72同玉52竜79金

この後手玉が詰みません。63銀83玉74金93玉88銀

後手玉を端に追いかけてみましたが駒が足りず、銀を打って受けることになりました。後手に飛を渡しているので89金同玉69飛79金77桂同銀99金78玉

どうやら詰みを逃れていたようですが、87馬同玉79飛成

後手玉は詰まないですから先手Oさんの負けです。63銀や74金を後回しにしていたら形勢不明でしたが。

 

さて52竜は詰めろではありませんでした。馬を取る65歩ならば

79金に73金同玉74銀72玉64桂

桂を捨てれば63角を打てます。81玉72角92玉の時に81銀を打ちたいので、角銀を残しておけば詰むのです。

 

 

○ 41竜(あるいは31竜21竜)の王手は

合駒を請求できます。61角81金同玉61竜同銀

これは詰みませんね。61金合ならば詰んでいたのですが。

 

ということは81金ではなくて81銀

「玉の腹から銀を打て」で詰めろです。81同玉61飛成は詰み。83馬も72で清算して81銀から詰みます。つまり必至です。

 

81銀ではなく72飛成から追いかけると

72同玉81銀83玉61竜

86桂の存在が大きく、72角からの詰めろはすぐにわかります。早逃げの93玉に65歩

83金からの詰めろです。もう後手に有効な受けはなさそうです。(まだ必至ではないですが。)

 

 

○か△ 61銀はやはり「玉の腹から銀を打て」です。

詰めろで飛を取られることもありません。61同玉は52竜同玉53銀成61玉52金

この詰みも(時間をかければ)見えるでしょう。

 

後手の強い受けは83馬です。

72銀成同馬同飛成同玉64桂(好手)同桂63金

これがぴったり詰みます。(詰みが読めれば正解です。)

 

 

○か△ 61金の王手は

61同玉は52竜同玉64桂打

詰まないですが上から押しつぶすだけなので簡単に寄せられます。

 

61金81玉には

72飛成同玉52竜しかなさそうです。

これが詰めろになっているかどうか。79金62竜83玉63竜

角金銀の合駒は72銀92玉81銀打以下の詰み、73飛合いは同竜同玉62銀から詰みます。

 

 

○ 63金あるいは63銀でもほぼ同じですが

飛は取れず、63同歩72飛成(52飛成も有力)同玉52竜62金61銀

後手玉がどこに逃げても62竜です。それが詰めろになるのは簡単にわかりますね。

 

後手は63金を取らずに61金と抵抗すれば

72飛成同金41竜61角52金

これもやさしい詰めろが続きそうです。

 

52金ではなく72同金同玉81銀

から角を取ってもよいです。

 

 

○か△ 74銀はちょっと変な手ですが

詰めろだというのはわかりやすいです。74同馬があるのでおかしな感じがするのですが、74同飛成79金の時に72竜同玉64桂同桂63金

この詰み筋(前にも出ましたが)が見えていれば。

 

後手が詰み筋に気が付いて63銀打など守れば75竜

79銀にひもがつくので負けが無くなります。

 

と言って飛を取る73銀同銀成

というのは先手の注文通りです。83馬には41竜61金83成銀同香73銀

上に駒を置いておけばよいです。

 

 

△ 馬を取る65歩は

79金の時に72飛成同玉73金同玉74銀72玉64桂

前にも出た詰み筋です。

 

後手は飛を取る73銀、52竜として

これは79金に72金同玉64桂打

金から捨てれば詰みます。

 

後手は79金の余裕がなく、83角43竜

後手は83角の61への利きを止めずに銀取りを受けるのが難しいので、先手の勝ち筋なのですがちょっと難しい手順です。

 

 

○ 43竜はわかりやすい詰めろでしょう。

73銀同竜72金

これは72同竜同玉65歩が詰めろ、79金に73歩

から押していけば詰みます。(ここだけ詰みを読めばよいのでわかりやすいほうです。)

 

 

× 43飛成だと

後手玉は詰めろではないです。79金88銀78銀

79銀同銀成88金78金31竜61角68金

穴熊らしい粘りがあるのでまだ難しいのですが、先手の勝ちだとは言い切れません。

 

 

△ 88銀と逃げてみます。

73銀65歩78飛41竜61金77銀打

後手からの詰めろを受けておけば悪くはないです。

 

 

△ 78金(や88銀打)と打つ方が手堅くて

73銀65歩44桂43竜

両取りで桂を取ればほぼ損得なし、先手玉のほうが堅い分だけ有利です。

 

☆ まとめ

先手の勝ち筋がいろいろありましたが、どれがわかりやすいでしょうか。詰将棋が苦手な人には

41竜61角81銀

単に61銀

これらはわかりやすいほうだと思います。「玉の腹から銀を打て」は、明らかに王手ではないですが、詰めろになっている場合も多いです。金で王手するよりも金を残しておいた方が詰みやすい「金はとどめに使え」も割と当てはまりやすい将棋格言です。(ここでは銀を残す方が正解という詰み筋がありましたが。)

それから63金あるいは63銀

上から迫り、飛を取られても詰むという手は優先して考えるべきです。63同歩以下が悩みますが。

どれも詰めろが続きやすい形でした。

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1月の予定

2019-11-03 | 名将会

1月の予定が決まりました。

第203回は
 
壱11月3日(日) R1750点以上 ;開催済み
弐11月23日(土)R1750点以下
 
第204回は
 
壱11月30日(土) R1750点以上;「こまごま」では1750点未満となっていましたが間違いです。
弐12月28日(土)R1750点以下
 
第205回は
 
壱1月12日(日) R1750点以上
弐1月25日(土)R1750点以下
 

 

ご参加お待ちしております。

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