運動の話がでたところで、もう一つ運動が疾病の予防にいいという論文です。同じくアメリカ医師会雑誌JAMAに発表されました。(JAMA. 2002;288:1994)
(インパクトファクター★★★★☆、研究対象人数★★★★★)
対象は475,755人の男性です。47万人対象の研究はなかなか日本ではできません。
自己申告されたレポートの解析の結果、1週間に1時間以上ランニングしている人は運動をしていない人に較べて心筋梗塞などの虚血性心疾患の発症が42%少なく、毎日30分以上歩いている人はその発症が42%少なく、毎日ウエイトトレーニングを30分以上している人は発症が28%少なかったそうです。そして週42Mets-hour(3Mets-hourは普通の速さ(3.2-4.6Km/時)で1時間歩く運動量に相当する)までは発症率の低下は運動量に比例していました。興味深い事に、この研究ではサイクリングとスイミングは発症率を低下させませんでしたが、この原因としてサイクリングとスイミングでは運動している時としていない時の境界があいまいで、自己申告の際、実際よりも長く申告された可能性を指摘しています。確かに自転車はペダルを漕がなくとも進む時がありますし、スイミングでも折り返しの際休憩してしまう時間は測定しにくいものです。
さて、「なんだ、スタチンを内服するより効果があるじゃないか」と気がついた皆さんは鋭いと思います。薬を内服する事が運動をするよりもかなり有益ならまだ話はわかりますが、運動の方が薬の内服より効果があり、医者がその事実を患者さんに伝えずにスタチンを処方するのには疑問をおぼえませんか。「毎日30分以上歩けば心筋梗塞の発症が42%少なくなりますよ」と伝えられれば、患者さんも、それでは歩いてみようという気になると思いませんか。
このような結果は製薬会社にとって有益でないために、一般の方の耳に届くことはまずありません。(運動器具メーカーにとっては朗報なのでしょうが)それどころか、製薬会社から宣伝されないために医者でさえこういう結果を知らない場合が多いのです。
(インパクトファクター★★★★☆、研究対象人数★★★★★)
対象は475,755人の男性です。47万人対象の研究はなかなか日本ではできません。
自己申告されたレポートの解析の結果、1週間に1時間以上ランニングしている人は運動をしていない人に較べて心筋梗塞などの虚血性心疾患の発症が42%少なく、毎日30分以上歩いている人はその発症が42%少なく、毎日ウエイトトレーニングを30分以上している人は発症が28%少なかったそうです。そして週42Mets-hour(3Mets-hourは普通の速さ(3.2-4.6Km/時)で1時間歩く運動量に相当する)までは発症率の低下は運動量に比例していました。興味深い事に、この研究ではサイクリングとスイミングは発症率を低下させませんでしたが、この原因としてサイクリングとスイミングでは運動している時としていない時の境界があいまいで、自己申告の際、実際よりも長く申告された可能性を指摘しています。確かに自転車はペダルを漕がなくとも進む時がありますし、スイミングでも折り返しの際休憩してしまう時間は測定しにくいものです。
さて、「なんだ、スタチンを内服するより効果があるじゃないか」と気がついた皆さんは鋭いと思います。薬を内服する事が運動をするよりもかなり有益ならまだ話はわかりますが、運動の方が薬の内服より効果があり、医者がその事実を患者さんに伝えずにスタチンを処方するのには疑問をおぼえませんか。「毎日30分以上歩けば心筋梗塞の発症が42%少なくなりますよ」と伝えられれば、患者さんも、それでは歩いてみようという気になると思いませんか。
このような結果は製薬会社にとって有益でないために、一般の方の耳に届くことはまずありません。(運動器具メーカーにとっては朗報なのでしょうが)それどころか、製薬会社から宣伝されないために医者でさえこういう結果を知らない場合が多いのです。