秋の健康診断の季節です。
大腸ガン検診では、まず便潜血といって便に血液が混ざっていないかが調べられます。血液が混ざっていた場合、つぎに大腸ファイバーやバリウムを浣腸してレントゲン写真を撮ることになります。
現在、大腸ポリープが見つかった場合の次の大腸ファイバーまでの間隔は1年がいいのか3年がいいのか、日本で大規模試験が行われ、2012年に完了する予定です。
大腸ポリープのその後の経過はどうなのか。私はこのブログの副題のように、外来ではできるだけ具体的な確率を患者に伝えるように心がけていますが、大腸ポリープに関して、後ろ向きの調査ではありますが、以下の日本人における大規模臨床研究の結果を参考にして患者にお伝えしています。
Five–year incidence of advanced neoplasia after initial colonoscopy in Japan: A multicenter retrospective cohort study.
Jpn J Clin Oncol 2009;39:435.
(インパクトファクター★★☆☆☆、研究対象人数★★★★★)
調査の対象は40歳以上の、初回の大腸ファイバー検査を受けた5,309人で、大腸ポリープの有無や大きさにより以下のように群分けされ、10mm以上のポリープや粘膜下まで浸潤したガンと進行ガンの発生が、後ろ向きに(過去にさかのぼって)平均5年間、最長10年間調べられました。
A群:ポリープを認めない
B群:大きさが6mm未満のガン細胞を伴わないポリープ
C群:大きさが6mm以上のガン細胞を伴わないポリープ
D群:粘膜の表面に留まっているガン細胞
結果は、上の図にあるように、A+B群では粘膜下まで浸潤したガンと進行ガンの発生は9年後までは10%に留まっているのに対して、C+D群では約50%まで上昇しています。
私は、大きさが6mm以上のポリープが発見された患者には上の図を見ていただき、その後の経過観察・治療の方針をイメージしていただくようにしています。
ただし、A+B群でも2年後ぐらいから、黒色の矢印、すなわち進行ガンも発見されています。
6mm以上のポリープが見つかったら、その後注意深く、観察・治療することが必要である根拠となっている論文ですし、A+B群でも2年以内にもう一度大腸ファイバーを施行したほうがいいのか、3年に1回でよいのか、研究が始まった基になった論文でもあります。
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大腸ガン検診では、まず便潜血といって便に血液が混ざっていないかが調べられます。血液が混ざっていた場合、つぎに大腸ファイバーやバリウムを浣腸してレントゲン写真を撮ることになります。
現在、大腸ポリープが見つかった場合の次の大腸ファイバーまでの間隔は1年がいいのか3年がいいのか、日本で大規模試験が行われ、2012年に完了する予定です。
大腸ポリープのその後の経過はどうなのか。私はこのブログの副題のように、外来ではできるだけ具体的な確率を患者に伝えるように心がけていますが、大腸ポリープに関して、後ろ向きの調査ではありますが、以下の日本人における大規模臨床研究の結果を参考にして患者にお伝えしています。
Five–year incidence of advanced neoplasia after initial colonoscopy in Japan: A multicenter retrospective cohort study.
Jpn J Clin Oncol 2009;39:435.
(インパクトファクター★★☆☆☆、研究対象人数★★★★★)
調査の対象は40歳以上の、初回の大腸ファイバー検査を受けた5,309人で、大腸ポリープの有無や大きさにより以下のように群分けされ、10mm以上のポリープや粘膜下まで浸潤したガンと進行ガンの発生が、後ろ向きに(過去にさかのぼって)平均5年間、最長10年間調べられました。
A群:ポリープを認めない
B群:大きさが6mm未満のガン細胞を伴わないポリープ
C群:大きさが6mm以上のガン細胞を伴わないポリープ
D群:粘膜の表面に留まっているガン細胞
結果は、上の図にあるように、A+B群では粘膜下まで浸潤したガンと進行ガンの発生は9年後までは10%に留まっているのに対して、C+D群では約50%まで上昇しています。
私は、大きさが6mm以上のポリープが発見された患者には上の図を見ていただき、その後の経過観察・治療の方針をイメージしていただくようにしています。
ただし、A+B群でも2年後ぐらいから、黒色の矢印、すなわち進行ガンも発見されています。
6mm以上のポリープが見つかったら、その後注意深く、観察・治療することが必要である根拠となっている論文ですし、A+B群でも2年以内にもう一度大腸ファイバーを施行したほうがいいのか、3年に1回でよいのか、研究が始まった基になった論文でもあります。
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