医者から詳しく聞かされない医療情報:セカンドオピニオン

誤解と批判を恐れない斜め後ろから見た医療情報

2007年米国心臓病学会ブレイキング・ニュース(CorE 64)

2007年11月06日 | 循環器
オーランドで開かれている米国心臓病学会に来ています。さて、昨年、一昨年に続き今年もブレイキング・ニュースをお伝えします。
3時間前に発表されたばかりの情報です。その時の写真を撮りました。

以前、マルチディテクターCTといって検出器が複数列(64列が普及)設置されており、一度の管球の回転に対して複数のスライスが撮影できるようになりCT検査は過去にない革命的な進歩を遂げることができたことをお伝えしました。特に最近は拍動している心臓の血管までも映し出す事ができるようになりました。
一方、これまでは心臓の血管のどこに狭いところがあるかは、心臓カテーテル検査といって足の付け根や手首や肘の血管からカテーテルを通して調べる以外にありませんでした。

ところが64列マルチディテクターCTの開発により、造影剤を点滴してCT検査の台の上に横になるだけで心臓の血管のどこに狭いところがあるかがわかるようになってきました。

今回のブレイキング・ニュースで発表された研究は「CorE 64」と名付けられ、64列マルチディテクターCTが心臓カテーテル検査と比較してどれくらい正確かを世界中の病院のデータをまとめて調べたものです。

これによりますと、陽性的中率すなわち64列マルチディテクターCTで狭いと判断されたところが心臓カテーテル検査で実際に狭いと判断される確率は91%と、正確性が高いことが示されました。

日本でも来年には、心臓の血管の検査はまず64列マルチディテクターCTを行い、狭いところがなかった患者には数ヶ月の間は心臓カテーテル検査料が保険で認められなくなるというガイドラインが学会から発表されます。テクノロジーはどんどん変わっていきます。

ブレイキング・ニュースの発表は2,000人以上収容できる会場で毎年派手に行われます。今年も相当派手でした。




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コメント (1)
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