南朝三帝黒木御所跡の石碑が在る春日神社
境内覆屋の中に三体の観音石仏が在ります。
吉野郡西吉野村黒淵
昭和五十二年刊の清水俊明著、大和の石仏には新発見石仏と記載されていた物です。
この地方は古石仏の見あたらない所で、地元の田村末永博士の紹介で
川勝政太郎博士の調査により知られるようになったものだそうです。
もと北側の川淵の崇福寺跡に伝えられた石仏と云われます。
凝灰岩製、二重円光背を負い蓮華座に座す合掌観音です。
三山宝冠をかぶり、条帛を左肩から右下に垂らして刻み
単調な衣文線が膝前に刻まれています。
優美な面相・体躯・蓮弁の作風から藤原時代の造立と思われています。