@浄土思想とは、念仏である「南無阿弥陀仏」は誰でも、いつでも唱えれる言葉で「阿弥陀仏」と一体になっている事で悟りを得て仏になれると言う、こと。現代版「歎異抄」が分かり易い。現代の宗教思想とは、多くが宗教的拠り所というよりむしろ精神的な面へとシフトしている、という。本書は素人にはかなり難しく理解し難いが、人の心・悩みがもっと現実的な心理療法等へ願いを求め始めており、更に今後生成AIでの説教など精神安定法話等にも進展するかもしれない。
『浄土思想』岩田文昭
「概要」仏の国土である浄土に往生し、悟りをえて成仏を目指す浄土教。浄土宗、浄土真宗、時宗などが属し、現在信者数が最も多い。なぜこれだけ多くの信仰を集めたのか。本書は、物語の力に教えの広がりの源泉を見る。衆生を救うため誓いをたて阿弥陀仏になった法蔵菩薩の「法蔵説話」、家庭不和を主題とする「王舎城の悲劇」など経典に書かれた物語、法然や親鸞ら宗派の祖師伝を読み解きながら、その思想の本質に迫る。
ー「浄土思想」とは、清らかな仏の国土である浄土に往生し、そこにおいて悟りを得て仏になるという思想、阿弥陀仏のの浄土であり、浄土宗、浄土真宗、時宗の各派
ー釈尊・善導・(唐代の僧)・源信(平安浄土)・法然(成仏の教え)・證空(仏性)・親鸞(真如)・近角(歎異抄)・古澤・小此木(阿闍世コンプレックス理論)へと続く(伝統的な宗教から心理療法へという潮流)
ー念仏行者の看取り作法
病者の部屋の中には立像の仏を西向きに置く。仏像はその右手を挙げたもので、左手には5色の細い布を執せ、布の先には地に垂らす。病者は仏像の後ろに寝かせ、描写の左手で布の端を執せる。
ー浄土宗西山派の宗祖は法然で、その弟子證空、現在宗派は3つあり、西山浄土宗、浄土宗西山禅林寺派、浄土宗西山深草派、合計1192。これに対して浄土宗の寺院数は6863ある。
ー浄土真宗は親鸞が開祖、法然の弟子である。東西本願寺は高田派、興正派含め寺院数は2万を超える
ー念仏が優れている点は2つ。そのものが優れている点、実践するのみ易行である事。念仏の「南無阿弥陀仏」言葉は阿弥陀仏と一体となっている。
ー親鸞は貴族の藤原有範の子として生まれ、弟もいた。祖父宗業は優秀な漢学者・儒学者。親鸞の諸行理解は明治以降に多い。それは浄土は感覚に訴えるものではなく、抽象度が高く、理性思考に適合しやすい面があった。「教行信証」
ー近代浄土宗の代表的な書物は「実験の物語」近角常観(真宗大谷派)1870~1941である。有名な書物が「歎異抄」(自己側に求める方向性vs親鸞は「自分一人を救うためのもの」)
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