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「思いやり」を持たなくなった社会『空中ブランコ』

2024-12-01 07:33:14 |  社会の歪みと偏見
現代病、多くはストレスからくる精神科的な身体不調が多い。苛立ち、癇癪、鬱憤などが何かの拍子に爆発する、そんなケースを取り上げた精神科医との治療処方がコメディ的で面白い小説だ。現実、会社・人間関係から鬱を発症、重症的なストレス解消には転職が一番だと、思う。同じ環境でひと時の休息だけでは気分転換も病への処方には大きな改善は起きない。それだけ最近の身体的心の不安定は複雑化した人間関係を作り出しているからだ。自己主義、利己主義などで思いやりを持たなくなった社会になったのだ。
『空中ブランコ』奥田英朗
「概要」伊良部総合病院地下の神経科には、跳べなくなったサーカスの空中ブランコ乗り、尖端恐怖症のやくざなど、今日も悩める患者たちが訪れる。だが色白でデブの担当医・伊良部一郎には妙な性癖が…。この男、泣く子も黙るトンデモ精神科医か、はたまた病める者は癒やされる名医か!?サーカスの花形、空中ブランコでフライヤーを務める公平は最近失敗ばかり、原因は自分にあるらしい。困り果てて伊良部を訪ねたが、伊良部が自分も空中ブランコに乗ってみたいと言ってきかず…
ー空中ブランコ「体力の衰退」 
    自分の体力の衰退でフライヤーが成功しなかったのを他人の所為にしてしまう
    自分では気が付かない体力の減退を認める事は辛い
    人にはタイミングよく「引退」がるという事を悟るのが大切
ーハリネズミ「器量」
    自分がヤクザに向いていないかもしれない、と思ったりする
    世間に対する突っ張りを少なくすることでストレスフリーになっていく
    自分の器量への疑問を持つ
ー叔父のズラ
    破壊衝動が頻度に出る症状(叔父のズラをとてみたい・いたずらっぽい行為)
    窮屈な生活を強いられると何か解放を求める
    鬱とフラストレーションが混ざり合い、何か気になることをしてみたい衝動に駆られる
ーホットコーナー
    突然サードの守備が出来なくなり1塁への送球が乱れ始める
    イップス(スランプ)に陥るのは誰にでもある、原因を探す、新人への不安
    何気ない心へのプレッシャーを自分で作り上げていた
ー女流作家
    努力して対策を書き上げたと思った作品が売れなくて落ち込む、自信喪失
    ストレスを抱え何をどのように書けば読者ウケするのか迷う
    映画も、作家も自信を持って書き上げたものが期待できない場合は多い