ちょっと気になるいい事、言葉、最新技術

書籍、映画、旅、最新技術から選んだ心に残るもの。速読者向けは、青文字表示。内容は小学生でも理解できる表現使用

社会を読む力と起動力『ベストセラー伝説』

2019-09-30 07:55:33 | 経営・リーダーシップに必要な事

@「ベストセラー伝説」、日本の敗戦後の「紙」が主力の情報社会で活躍した創設者、経営者、編集長らの軌跡辿った本である。秋田商戦の創業者・秋田貞夫、学研創業者・古岡秀人、ポプラ社創業者・久保田忠夫氏など1雑誌で100万部を超える超ベストセラーの裏側を読み解く。様々な人々(伝説を持つ)はやはり性格もあるが、その時代では考えられない突飛な発想力からそれどれの雑誌の企画・行動は、抜群に群を抜いている。逆にいうと「一か八か」の勝負師であり、強い信念を持ち自分を信じ、勇気を持って行動した感が多い。それこそ命を賭けた起業力・闘争力は凄いものがあることを知った。学ぶ事は、社会の背景から今何を大衆は求めているのか『タイミング』、どのように表現(紙に書く・漫画にする)『コンテンツ』すれば売れるのかを細かく分析している。自分(自社)を知り競争相手(競争企業)を知り、その上で自分(商品)をどのように見せればいいのか。文集にある言葉「たった一人が支持するものをわざと選び、常識を壊せ」「人生は運と縁、これしかない」「ベストセラーを作るには目に見えちゃダメなんだよ」「タイトルが一番大事、しつこくやれ」

『ベストセラー伝説』本橋信宏

  • 『書籍データ部多くより出典』「科学」と「学習」はなぜ校内で販売されていたのか。「平凡パンチ」で素人を脱がせていたのはどんな人か。世間を震撼させた「ノストラダムスの大予言」の著者は今何を考えているの。60年代から70年代にかけて、青少年を熱中させた雑誌や書籍には、前代未聞の企画力や一発逆転の販売アイディアに溢れていた。その舞台裏を当時の関係者たちから丹念に聞き出した秘話満載のノンフィクション。
  • 第1章 「冒険王」と「少年チャンピオン」

――手作り感があった付録と漫画 縁日の夜店風の雑誌/ ブローカーが買い占めた紙で出版業に/ 泥臭く作れ/付録は社員が作っていた/ みんなが面白いと言うものはつまらない/
「ブラックジャック」で手塚治虫を再生/ 「サイボーグ009」を初コミックス化

第2章 「少年画報」と「まぼろし探偵」

――オリンピック直前に戦記物大ブーム1963年の躁状態/ 「黄金バット」と「赤胴鈴之助」/ 新社屋落成にザ・ピーナッツ/表紙のモデル江木俊夫は今/ 駆け出し時代の梶原一騎/ 撮影用の軍服はアメ横で調達
第3章 「科学」と「学習」
――みんな実験付録に夢中になった 校内で直販されていた学習雑誌/ 公職追放の元校長を販売部長に/実験機材を付録につけることで大成功/ 寝ても覚めても付録のこと/「学研のおばちゃん」の登場/ 「科学」から「大人の科学」へ
第4章 ポプラ社版「少年探偵シリーズ」
――学校図書室に「怪人二十面相」が置かれていた謎 あれは夢か幻か/ なぜ小学校に必ず置かれていたのか/なぜポプラ社版が刊行されたのか/ なぜ挿絵の少年が魅力的なのか/なぜ乱歩は洋館で創作するのか/ なぜ自作の評価に厳しかったのか
第5章 「平凡パンチ」と「週刊プレイボーイ」
――ヌードグラビアが元気だった頃 ナンパが編集者の仕事/ 日活ともめた浅丘ルリ子のヌードイラスト/編集にも口を出すデザイナー/ 人生は運と縁/ 胸は大きく、写真は〝明るく〟/ヘアヌード解禁!
第6章 「豆単」と「でる単」
――受験生なら一度は使った英単語集1700万部以上売る驚異的ロングセラー/ 愛すべきマスコット/元は日比谷高校のプリント/ 単語集にエンターテインメント性を/著者の絶大なる自信/ 「老舗」のリベンジ/ 「でる単」に感じる俳句のセンス
第7章 「新々英文解釈研究」と「古文研究法」「新釈現代文」
――復刻までされた伝説の受験参考書 未来のエリートのための参考書/ 行間からにじみ出る毒舌/復員した教え子のためにひと肌脱ぐ/ 近代文学が入試問題に出始める/名著の意外な結末
第8章 「ノストラダムスの大予言」
――子供から大人まで世紀末を予感した 空から恐怖の大魔王が降ってくる/ 格下扱いだった光文社/「日本沈没」も担当していた/ タイトルが一番大事/ 「サソリの勉」というあだ名


政治家の新しい役割は問題提起、国民が判断『欲望の民主主義』

2019-09-28 08:42:27 | 世界の動きから見えるもの

「政治家の役割は問題を提起、説明すること、国民はその提起をどのように判断するかを議論、決定する」とはこの書にある言葉。世の中、どれを選択、決定しても不満が残る時代となっている「選択不可能な選択」である。それは、最大多数を持って決定する「民主主義」にも問題が残る。民主主義・資本主義の課題は多いし、これからも数多く矛盾と不満が発生するだろう。現代はSNS,Twitterなど発信力は少数派にも有利に働き、少数派意見をシンプルに反古にできない環境にある。だから政治家にとっては「役割」(提起・説明)することで最後は国民・有権者に任す方法を考えなくてはならない。また政治も官僚体制に頼りっぱなしではなく政治家としての判断材料をもっと持つべきだと考える。

『欲望の民主主義』丸山俊一

  • 「Book Data出典」世界中で民主主義が劣化している。アメリカのトランプ現象、イギリスのEU離脱、フランス極右政党の台頭など、多数の民意を反映した選択は、目先の利益のみを優先し、自国の生き残りを賭けたものばかりだ。協調、協和といった精神からかけ離れたむき出しの欲望が民主主義と結びつき、社会の分断は加速する。今、世界の知性たちは何を考えるのか―人々の心の闇を見続けてきた老練な社会心理学者から、若き天才哲学者まで六人が考察する政治変動の深層と、民主主義の混迷。世界の現実を知る必読書。
  • 「民主主義の課題」
    • グローバル化=人・物・金が移動する、共存し合うことでの課題
      • 思想・宗教・習慣・物価格差・生活レベル差・言葉・食
      • トランプのTPP・NAFTAからの離脱
      • イギリスEU離脱
      • 移民問題・保護主義
    • 代表制民主主義=政治家の利権・権威・欲望vs 国民の問題
      • 国民=有権者vs 政治家=代表者との認識のズレ
      • 政治家は諸問題を明確に提示すべきだが政治家の意識不足
      • 有権者の政治不信、政治家不信(恩恵不足)
    • 分極化=エリート層だけの政治・経済思案発想(官僚体制・弱肉強食)
      • 競争のための試験はエリート層が作る(高学歴者囲い込み)
      • 極右ポピュリスト政治家の出現(多くの政党政治が発起)
  • 「今の民主主義は」・「失われつつある民主主義」
    • 渇望、不安から欲望が欲望を生み出した資本主義
    • 恐怖を煽ることで人間の欲望を手なずける政治が横行
    • 個人・自国の利害(欲望)関係のみの政治政策実行
    • フェイクニュースを作り出し有利に働きかける体制(メディア規制)
    • 多数決採用は弱者を無視すること・最大多数が衆愚政治を招く
    • 恩恵のない政治に対して関心度低下(市民生活との繋がりがない)
    • ポピュリスト勢力(シンプル化は反対だけで問題処理も単純)
    • 国(官僚体制)が全てを管理下に置き政治力を行使
  • 「我々は何を民主主義に期待しているのか」
    • お互いに矛盾するものの間での均衡を実現する社会を作り出す
    • 政治家の役割は問題解決ではなく、問題提起、説明すること
    • 有権者の自由・理性を持った発言(話し合いの場)と行動採用
    • 「嫌悪を生む欲望」ではなく未来「希望」に基づいた社会の構築
    • 暴力をコントルールするには大きなツールは唯一「言葉」になる
      • 「声なき声・者を尊重すること」
    • どの選択肢も無理のある時代「選択不可能な選択」を迎えている
    • 国(官僚制度)から地方(団体)への権限委譲・分散化の可能性
    • 「ポスト真実」から「ポスト構造主義」
  • 「言葉の由来」

「右翼」「左翼」の言葉の発祥はパリバスティーユ監獄での裁判、王党派が右側に、認めない側が左側に座った

「右岸」「左岸」もパリのセーヌ川を挟んだ街のあり方を記号とした。右岸はお金を使い、左岸は頭を使う所とした


「老人病」を知る意味『老人一年生』

2019-09-26 07:54:02 | 人生を「生かす」には

@誰もが歳をとれば「老人病」(下記参照)を経験する、あるいは持病持ちとなる。痛みの程度はそれぞれだが一旦病気持ちになると治療には時間がかかる。だが「老人病」は完治することはまず無いと気持ちを切り替えて悪化しない予防策を持ち構えることである。それは食事制限と体を動かすことで違ってくると、誰もが知っているが実行できない事柄である。人間はいつも怠慢で忘れがちなのである、だが老人病は気長な予防・防衛策が必要かもしれない。 その一つ、私の経験でもあらゆる「筋肉」を劣化させない方法が一番かと思う。 さらに「痛み」の程度は本人しか判らない、ましてや「老人の痛み」は取り扱い要注意だ。

『老人一年生』副島隆彦

  • 「Book Data出典」私は初期の老人、老人一年生だ。この半年、痛風で歩くことが困難だった。他に前立腺肥大症、高血圧、頸痛・腰痛、慢性気管支炎に次々襲われた。体のあちこちが痛い。痛いと訴えても同情すらされない。老人に当たり前のこのことが若い人には理解できない。これは残酷で大きな人間の真実だ――。老人病とは何か。著者は痛みにどう対処したのか。余計な手術ばかりする整形外科医と、長生き推奨医の罪も糾弾する。老化のぼやきと、骨身にしみた真実を明らかにする痛快エッセイ。
  • 「日本の自殺者」 平成27年約3万人
    • 49%が健康問題、15%家庭、17%経済生活、その他
    • 健康問題、49%には多くの老人の病気持ちも多い
  • 「老人病」(生活習慣病)
    • 高血圧・脂質異常症・糖尿病・痛風・肥満症・動脈硬化・心筋梗塞・狭心症・脳血栓・脳出血・脂肪肝・肺がん・大腸ガン・骨粗鬆症・サルコペニア・歯周病・睡眠障害・タバコ病
  • 「高齢者」=持病持ち
    • 65歳以上が老人と考える。老人病は「痛い」。体のどこかが「痛み」を感じる、病気がちな年齢だということ
    • 「腰痛と首、肩の痛みの原因」は筋肉の劣化。よって外科的手術は要注意
    • 70〜80代での外科的手術は医者の稽古台
    • 目と歯も大事=歯周病は大敵、歯磨きを必ずすること、インプラント・レーシック(ロシアからの技術)も要注意
    • 鍼灸師は口コミで選ぶ、体の痛みを和らげる仕事
  • 動物の死=自力で餌が取れなくなった時
    • 人間の死=医療の発達で延命措置が可能
    • 欧州諸国では自力で口から物が食べれない場合延命措置をしない
  • 「医師の責任」
    • 医学は進歩する=時代に合わせた処方(手術)をする
    • 医療訴訟は大変難しい

会話術は「問い」が大切『考えるとはどう言うことか』

2019-09-24 07:58:46 | 世界の動きから見えるもの

「対話」は、「問い」から始まる。多くの問い(何故)ができる人材が今必要だと感じる。それは「考える」思考を始めるきっかけなるからだ。最近は真に「考える」をしているだろうか。世間の便利さは人間の思考能力を低下させ、「考える」手間を省いている感がある。そのためには子供に戻り「何故」を言える対話がもっと必要なのかもしれない。この書にもある日本人は「質問してはいけない。考えることを教えない。周りの人の意に沿うこと」が良いことのように扱われるが諸外国では全く違う。自分の意見を持ち、堂々と意見する。それに対する議論もする。「何故」から始める会話を始めよう。(聞くのは一時の恥、聞かぬは一生の恥)

『考えるとはどう言うことか』梶谷真司

  • 「考えることは大事」と言われるが、「考える方法」は誰も教えてくれない。ひとり頭の中だけでモヤモヤしていてもダメ。人と自由に問い、語り合うことで、考えは広く深くなる。その積み重ねが、息苦しい世間の常識、思い込みや不安・恐怖から、あなたを解放する―対話を通して哲学的思考を体験する試みとして、いま注目の「哲学対話」
  • 「考える」とは、人に問い、語り、人の話を聞く事である。 そのための「哲学対話」が必要。まさに共に生きていくことこそそのものである。
  • 「よく考える」ためには、ひとり頭の中だけでモヤモヤしていてもダメ。人と問い、語り合うことで、「考え」は広く深くなる。その積み重ねが、息苦しい世間の常識、思い込みや不安・恐怖からあなたを解放し、あなたを自由にしてくれる――。「体験」する事
  • 「哲学対話」とは、欧米の社会では自分の考えや意見を持つ事が許容されているし、求められもする。考えることにも議論することにも慣れているし、自分の意見をしっかり主張する。これは単に思考力や判断力の育成だけを目指しているのではない。 自分の考えを言葉で表現し、他者の意見を聞くコミュニケーション能力、お互いに共感し、相手を尊重し、自分と他者の違いを受け止める寛容さなど様々な資質を育もうとするもの。
  • 「実際の哲学対話」とは
  • 机をなくし輪になる。なるべく椅子を詰めること。
  • 「対話は終わった後に始まる」とは
  • 対話は長すぎず、物足らないくらいが丁度いい。もやもや感が残りその後いろいろな考えができるようになる。
  • 「哲学対話ルール」
  •          何を言ってもいい・自由に考える
  •          人の言うことに対して否定的な態度を取らない
  •          発言せず、ただ聞いているだけでもいい・言わされることはしない
  •          お互いに問いかけるようにする
  •          知識ではなく、自分の経験に即して話す
  •          話がまとまらなくともいい
  •          意見が変わってもいい
  •          分からなくなってもいい
  • 知的な安心感を持つ言葉「大丈夫」である
  •          何もしなくとも、考えなくとも、言えなくともいいと考える
  • 年齢・性別・学歴などを入れないで話す
  • 「問う」ことで初めて考える
  •          問うことで思考を動かし、方向づけ、考えるための進み方が変わる
  • 「問い」の基本
  •          言葉の意味を明確にする・理由や根拠・目的を具体的に考える
  •          反対の事例を考え、関係と違いを問い、要約・懐疑する
  •          5W1H(時間軸・空間)
  • 「聞くこと」とは
  •          語られた言葉は聞かれたことで受け止めること、受け入れることではない
  • 「日本の教育」
  •          質問してはいけない。考えることを教えない、周りの人の意に沿うこと。

 


「子供は何の為に勉強するのか」才能を引き出す親の行動『全ての子供は天才になれる』

2019-09-22 07:49:23 | 人生を「生かす」には

@「子供は何の為に勉強するのか」、親の希望・選択で決めるのではなく本当は「子供の才能を見つけて人生の選択をできるようにする事」というのがこの書の内容だ。数年前の記述した私の経験だが。ベトナムでは海外からの子と母親単身赴任が盛んだ。そのゴールは「子供に最初から英語を親しみ、国際的な友を多く持ち、それを生かした能力と仕事を生かす為」という事でインターナショナルの学校に幼稚園から入学させていた。日本人も徐々に増えていたが圧倒的に韓国人家族が多かった。日本の受験戦争とは一体何を意味するものか。子供に将来いい仕事・才能を生かした良い人生を選択して欲しいのが目的にならなければ親として安心できないのではないだろうか。日本の教育は課題も多い、だが子供が社会人になる為の親の努力・行動、子供のための教育・支援・指導は何だろうか。今一度考えてみる必要がある。(井の中の蛙大海を知らず)

『全ての子供は天才になれる』Toru Funatsu

  • 「Book Data出典」教育の本質とは、「子ども自身のあり方」や「どんな学校や塾に入れるか」ではないと著者は言います。子どもの才能、能力、モチベーションなどを決めているのは、すべて親の行動。親の習慣や態度、関わり方こそが教育の最大要因なのです。 そうした親の賢い行動を体系的にまとめた1冊。教育の3つの柱である「よい習慣」、「思考力」、「アイデンティティの確立」を育てていくために、どんな行動を親が取るべきかを解説。
  • 「教育のゴール」
    • 子供が自分の才能を見つけて人生を選択できるようにする事
  • 「親の3つの行動」
    • 良い習慣(人間性=16の心の習慣・下記一覧)思考力(物事の本質を見抜く能力=親からの問い)
      • やり抜く習慣
      • 衝動をコントロールする習慣
      • 共感して聞く習慣
      • 柔軟に考える習慣
      • 思考を志向する習慣
      • 正確さを追求する習慣
      • 疑問を持ち、問題提起する習慣
      • 知識や経験を生かす習慣
      • 明晰に考え、伝える習慣
      • 五感でデータを集める習慣
      • 想像・創造・確信する習慣
      • 世界の神秘を楽しむ習慣
      • チャレンジする習慣
      • ユーモアーを身につける習慣
      • 共に考える習慣
      • 常に学び続ける習慣
    • 思考力(物事の本質を見抜く能力=親からの問い)
    • アイデンティティの確立(自分の生き方指針を決める能力)
  • 「賢い親の習慣教育」
    • 指示はせず、選択は子供に委ね、その選択後は支援する
    • 子供の興味や得意なことを重視し、生かし、選択の仕組みを作る
    • 子供の特性を見抜き励まし、伸ばす工夫をする
    • やめたいときにとことん話し合い子供に選択させる
    • 言葉できちんと説明し納得させること、イライラしてはいけない
    • やるべきこと、やりたいことの優先順位をつけさせる
    • 食事中のコミュニケーションを大切に、小言は禁物
    • 忙しくさせ、何かを夢中にさせる(非行などへのリスク回避)
  • 「才能を開花させる習い事」
    • 競争させ、本番に強くさせる
    • 全力投球、努力させ、結果は問わない
    • 今よりちょっとレベルが高い環境を与えること
    • 子供の才能を見つける
      • 一番喜ぶ時、楽しい時の顔はどんな時か
      • 一番集中できるのは何をしている時か
      • 文字・絵・数字・何に興味を持つのか
      • 話すことと、聞くこと、どちらに興味を示すか
      • どんなおもちゃ・本が好きか
      • 誰と遊ぶのが好きなのか、家の中、それとも外
      • 一人の時に何をしているのが好きなのか、一人が好きなのか
      • 友達と遊ぶ時どんな役割をしているのか
      • 子供の性格を一言で言える
      • スポーツで集団経験をさせる
      • 得意科目を一つ持たせる
  • 「思考力を伸ばす『問い』」
    • 問いを与え、問いを重ねることで思考力は洗練される
    • 親が決めるのではなく、子供が選択をする練習をさせる
  • 「聞く、話す、書く、読む力が地頭を作る」
    • 理解しようとする聞く力と共感して聞く力を養う
      • 人前で堂々と話す機会を作る
        • 3〜5歳:ごっこ、ままごと
        • 4〜5歳:創作話
        • 5〜6歳:人形劇・紙芝居
        • 小学〜高校生:ディベート・討論
        • 高校以上:落語・漫才
    • エッセイ物語を「最初」「真ん中」「最後」に分けて書かせる
    • 読書週間をつけさせる(読解力と思考力)
  • 「日本人のための英語教育」
    • 「英検1級」をゴールとする(学校の授業+1000時間)
    • 英語を始めるのは4歳〜10歳の間(英語の歌+動画アプリ)
    • 10代半ばに英語圏に最低1年留学する
  • 「AI時代のコンピューター教育」
    • 小学生から「Science/Technology/Engineering/Math」(STEM)
    • 小学生からコンピュータプログラム作成経験(ゲーム)
    • 算数は3学年先の内容を取り組む、1日15分
  • 「子供に用意すべき環境」
    • 小学校までは親が選択肢を与える(学校が与えることはない)
    • 幼稚園・小学校は親が選択(施設・先生・数・教育方針・雰囲気)
    • 中学以上は子供に選択させる(勉強・スポーツ・芸術、その他)
    • 夏休みの有効利用(国際交流・海外プログラム参加)

米中経済戦争、日本の取るべき選択『米中経済戦争』

2019-09-21 07:54:02 | 世界の動きから見えるもの

@米中経済戦争は世界に何をもたらすか。軍事専門家が読む日本の取るべき選択を予測している。結論から言えば、決して経済的には良い方向とは言えない。場合によっては軍事介入も視野に入るとはこの書の内容だ。その時日本の取るべき選択は、少ない。この経済優位戦争は危機的状況を生み出す要因も多々あり、対中・対米への冷静でバランスのとれた接触行動も必要だ。最悪軍事行動になった場合、日本が激戦地域になることは間違いなく、国の首長は十分考慮し、選択を間違えないようにしてもらいたい。(言うは易く行うは難し・柔よく剛を制す)

『米中経済戦争』福山隆

  • [著書内容Book Data出典]関税引き上げの応酬による米中貿易戦争は、ファーウェイ副会長逮捕を経て全面的な経済戦争の様相を呈している。陸上自衛隊元陸将でインテリジェンスの世界に精通する著者はこの経済戦争は、今後の世界覇権を争う米中の対立であり、雌雄を決するまで継続する国家総力戦の一断面であると指摘する。それはまた、第三次世界大戦の導火線となる危険性を孕んでいるというのだ。日本も地政学的に、米中にとって戦略的な要点に位置しており、この覇権争いに巻き込まれるのは必至。私たち日本人はまさに今、「戦時下にある」という覚悟が必要なのだ。
  • 石原莞爾の「世界最終戦論」1945年5月の講演   
    • 人類は戦争形態や武器等が進化する中、最終戦争を戦うことにより『もう戦争はできない』ということを悟り、初めて世界・人類が長く憧れ・待ち望んでいた本当の平和に到着する=「龍虎は雌雄を決するまで戦う宿命」だと言う。
  • 「フリードマンの100年予測」
    • 東アジア地域が21世紀の火薬庫になるのは間違いない
    • 「利益」と「損害」、経済危機が場合によっては政治的、軍事的圧力行使に成りかねない
      • 米国の対中貿易赤字2017年3750億ドル
        • 輸入額57兆円、輸出15兆円
        • 米国の自負は25年間で米国は中国を再建してあげた
        • 中国は今米国の血を吸って成長した「吸血鬼」となっている
        • 最先端の覇者を狙い、産業改革(知的財産含む)積極的
        • 軍拡・対米挑戦・非民主主義-宗教弾圧
          • 中国軍事予算2018年18兆4千億円(日本の3.7倍)
        • 米国での内政干渉・選挙介入・メディア利用(大学・シンクタンク等への人材)
  • 「対中経済制裁」
    • 米国産業が知識集約産業へ転換=「知的財産」4割を生み出す
      • 知的財産損失額は1年間で約2兆円から6兆円
    • 米国による報復関税2019年実行額500億ドルvs中国500億
      • 年末までに追加2千億ドルvs 中国600億ドル
    • エルサレム大使館移動=ロスチャイルド系の資金確保・ユダヤ教徒
    • ファーウエイ逮捕事件(情報窃盗)=情報網漏洩停止措置
  • 中国の「一帯一路」構想と「中国製造2025」構想
    • 世界の工場(先進技術分野)、世界の技術を盗用
    • 中国イデオロギーの要は「金」、貧困層、失業者、企業倒産
      • 経済のジリ貧=臨界点に達している
    • 軍事的投資、「一路」シーレーンの開拓(インド洋上・アジア諸国)
    • 西太平洋諸国放送局占拠(メディア・情報拡散)
    • ミャンマーとのパイプライン(砦:重慶・貴州・雲南・四川)
    • 高金利債務返済=現代型植民地方式、スリランカ・トンガ
    • 軍拡、特に宇宙空間とサイバー空間での制覇
      • 企業買収提携(世界の軍事関係企業を買収・情報開示条件)
      • 人間を使った「窃盗」極秘情報収集活動(留学生・大学含む)
      • サイバー攻撃(10万人のサイバー部隊兵士)
  • 「米国・中国の動き」
    • 2019年2月INF破棄(米国・ロシアミサイル開発)
    • 南シナ海、沖縄南西諸島への中国軍事艦船
    • 民主主義(選挙・メディア)を利用した工作、トランプ次期選挙での落選工作
  • 「日本の取るべき選択」
    • 複眼的に情勢をバランスよく観て、「取れるものは取る」強さが必須
      • 歴史問題・尖閣諸島問題
    • 日本は戦争が起きた時の激戦地になる可能性が大(米国の地には火の粉が及ばない)
    • 中国との友好バランスも一考(国体の護持・国民の生命財産が優先)

個人訴訟を考える『へこたれない人』

2019-09-19 07:51:49 | 世界の動きから見えるもの

@「お裁き」を巧みにかわす手立て、それは過去の判例をうまく利用するか、過去に判例がない場合となる。現代でも異様な事件が多発するが、裁判は過去の事例をもとにその裁量を判断する。時代と共に裁判・裁量判断に時間がかかりすぎるような気がする。 全ては落ち度のない判定をすることだが、それに関わる税金の無駄使いも考えなくてはならない。 裁判を起こすのに印紙税がまず掛かる『裁判を申し立てるときは、請求金額(「訴訟物の価格」といいます。)に応じた印紙代が必要になります。例えば1千万円を請求する場合には5万円、3千万円なら11万円の印紙を訴状に貼らなくてはなりません。』、など訴訟費用は『訴え提起手数料(印紙代),書類の送付・送達費用(郵券代)のほか,期日への出頭日当,出頭旅費,宿泊料,書類作成提出費用,官公庁等からの書類交付費用,証人の日当・旅費,鑑定料など』(他サイト出典)、結局、複雑で面倒=和解することになる・・・(悪因悪果)

『へこたれない人』佐藤雅美

  • しがない小役人の山本庄蔵は葵の御紋が付いた提灯や長持を使って、ひと儲けを画策する。お上に知られた庄蔵に下されるのは「江戸払い」か「御扶持召放」か? 差し戻された裁決は、紋蔵のもとに。紋蔵が悩まされるなか当の庄蔵はちょこまか江戸を動きまわり、聞きしに勝る図太さで、へこたれない。表題作含む8編収録の人気捕物帖第12弾。
  • 事件判決(お裁き)は全て過去の事例を参考にするため、例外は異様な結果を招く、特にお上に繋がった情報は捜査の限度もあり町方奉行では手出しできない。
  • クビになった庄蔵は、場所(元の奉行所)を借りて借金の契約仲介をする。ところが借金をした本人がフグにあたり亡くなる。 亡くなったのは借金をした男とその家族の娘。 家族はフグの肝をタイの肝と偽って売りつけた魚屋を訴える。 金を貸した金貸し屋は契約した場所での契約を仲介した庄蔵を訴えるが、契約したのは借りた方で庄蔵は、場所を提供しただけで信頼関係とは全く違うし、証文は借主だから自分ではないと訴える。 さらに借金をした金は妻が持ち去り昔の恋仲にあった男に取られる。とった金は賭博で無くなる。さてこの場合のお裁きは如何に。

多くの間違った論説『日本の老後の正体』

2019-09-16 07:56:20 | 世界の動きから見えるもの

消費税導入は税収を減らし、財務悪化、景気後退、さらに自殺者が増える(過去1997年、2014年統計)。国として税収が増えたのは「消費税」のみで「所得税」、「法人税」は軒並み減少している。過去のデータから読めるのは、消費税導入は、「財務省の悪巧み」(自分だけ得をする忖度)だということだ、というのがこの書の内容。国民の多くが一方通行の情報だけに間違った論説を信じているのが最大の問題だとの指摘である。この書で多くの疑問が解けた感があるが、安倍政権になって増税主義で得をしたのは誰だろうか考える必要がある。

『日本の老後の正体」高橋洋一

  • 「日本は借金が1000兆円もあり、財政破綻は避けられない」「少子高齢化で経済成長も望めず、将来年金はもらえないだろう」――。これらの考えはすべて誤りだと著者は言う。「財政は破綻しないし、年金は確実にもらえる。だから年金の保険料を払わないと損をする! 」そう主張する著者の根拠を数字で具体的に解説。元財務官僚で、政治・経済の表と裏に精通した数量政策学者が、官僚やマスコミの嘘八百を暴くとともに、いま国民が将来の資産防衛のために為すべきことを説く。
  • 課題と誤解事項(間違った論説)
    • 「消費増税やむなし」=財務省の危険な財政危機説・増税で景気後退(失業者増)と自殺者増を招く(過去のデータ)、1997年と2014年の消費税で財政悪化、経済停滞し、自殺者が増えた8500人増(1997年)
    • 「国の借金1兆円で危機的財政」=日銀含めた国の収支バランス(負債と資産)では2018年度の純債務・借金は40兆円(CDS統計)
    • 「年金が破綻する」=支払う人数ではなく金額で測るべき、但し人数が減ればそれだけ金額負担は増える(景気次第)・投資や年金保険等の商品を売るための口実
    • 「未納者が4割」=公的年金対象者の3%のみで4割を占める大きな数字は第3号被保険者932万人、第1号免除者380万人
    • 「格差増大」=企業収益を伸ばし給与も増え、失業者が減る
    • 「日本は成長できない」=4%成長は可能となる・消費税導入で後退する
    • 「マスコミの洗礼」=財務省と日銀のクラブで洗脳された情報しかない・癒着取材情報のみ・待遇(批判記事は非待遇)
    • 「いいデフレ説」デフレは決して経済にいいとは限らない・ハイパーインフレは起きない・中国等の安い輸入品増大はデフレを起こしていることはない。
    • 「日本の人口減」日本の低成長の原因は生産年齢人口減少ではない
  • 老後の生活防衛
    • 厚生年金として受け取る金額は月給の4割(ねんきん定期便)
    • 国民年金は10年で元が取れる(40年間納めた場合)
      • 40年間の保険料=780万円=10年間の受給額
    • 私的年金の活用
      • 税制の恩典のあるもの
      • 手数料が少ないもの
    • 個人型確定拠出年金(iDeco)
    • 国民年金基金
    • 気をつけたほうがいい投資・預金
      • 投資信託・貯蓄型保険・掛け捨て保険=手数料に注意

キャシュレス時代への対応『キャッシュレス決済 超入門』

2019-09-13 08:17:06 | 人生を「生かす」には

@キャスレス時代をいよいよ政府も増税を機に推進しようとしているが、還元は来年6月30日までの限定だ。対象は中小企業で5%、コンビニで2%だ。課題もまだまだ多い、特に個人情報漏洩、端末紛失、不正支払いなど、便利で良いことばかりではない。ただし、現金、重いコインを持ち歩かなくとも瞬時に決済できるメリットは今後大いに利用でき、発展するだろう。 が、現状端末交換での確認、返金・返品、不正利用、詐欺対策の面では問題もあると聞く、と急いでキャスレスに移行するのも考えものだ。老齢者はサービスの動きが速いもの、頻度よく変更されるものに飛びつくことは後々後悔するかもしれない。(月に叢雲、花に風)

  • キャッシュレス時代の到来とともに、企業が利用者争奪戦を繰り広げています。サービス・種類も多く、どれを利用すべきか迷う人も多いでしょう。
    本書はそうしたニーズに応えるため、よくいく店やネット通販など利用状況に合わせ、自分にとって最強のキャッシュレス決済を伝授。
    あわせて50~60代の人でもスマホ操作に迷わないように、主なアプリごとの操作方法も詳解。決済方法から、使い方までわかるキャッシュレス入門の決定版。LINE Pay、PayPay、Origami Pay、楽天ペイ×楽天カード、リクルートカード×モバイルSuica×PsyPay…世界一やさしい! スマホ1台で得するガイド。ポイントと割引で消費増税対策。
  • 最大の利点「ポイント還元」
  • 現金以外のキャシュレス5種類
    • クレジットカード=保険など付帯サービス
    • 電子マネー=チャージして先払い
    • デビットカード・
    • プリペイドカード
    • コード決済 5つ
      • LINE Pay/楽天ペイ/origami pay/d払い・PayPay
      • 還元の高さの違い
        • LINE Pay=0.5〜02%
        • 楽天ペイ=0.5%/cardで1%
        • スマホ電子マネー登録
          • Apple Pay/ Google Pay
          • サービスの組み合わせ
            • クレジットカード+交通系電子マネー+コード決済
              • リクルートカード+モバイルSuica+PayPay
              • サービス内容
                • LINE Pay 個人間送金ができる 133万店 0.5〜2%
                • 楽天ペイ 楽天ポイント支払い 120万店 0.5%
                • Origami Pay 高い安全性 145万店 なし
                • dペイ まとめて決済 4.9万店 0.5〜1%
                • 課題
                  • 災害時にはストップ
                  • 機種変更しても利用可能、変更確認必要
                  • 個人情報の流出問題ではQRコードが変わる安全対策
                  • サービスが終了する前に使い切る事
                  • 政府からのポイント還元は2020年6月30日まで
                    • 中小企業5%、コンビニ2%
      • 返金・返品は可能
      • 不正利用に対しては会社次第

短気は損気『五年の梅』

2019-09-12 08:45:45 | 人生を「生かす」には

@短気を起こし自分を窮地に追いやる、とはこの武家の「情」小説だ。 妻になる妹の兄・友を守る為、後先構わず自分を犠牲に必死に藩に対抗し、蟄居させられる。その結果、自分の人生を台無しに、またその妹も他家に嫁いだが夫の浮気、盲目障害を持つ子供に対する非情な仕打ちを受け、最後には離婚となる。だが、五年後「恋心」を復活させる事ができるのである。思い続ける事で実現させた、それは執念で、最後まで目的を達成するまで持ち続けた結果だと。(短気は損気)

『五年の梅」乙川優三郎

  • 友を助けるため、主君へ諫言をした近習の村上助之丞。蟄居を命ぜられ、ただ時の過ぎる日々を生きていたが、ある日、友の妹で妻にとも思っていた弥生が、頼れる者もない不幸な境遇にあると耳にし──「五年の梅」。表題作の他、病の夫を抱えた小間物屋の内儀、結婚を二度もしくじった末に小禄の下士に嫁いだ女など、人生に追われる市井の人々の転機を鮮やかに描く。生きる力が湧く全五篇。
  • 「後瀬の花」
  •          切羽詰まった二人が駆け落ちする。男の方は盗賊として御用が追い詰める。最後に行き場を失った二人は心中する。ところが自分が死んだのかわからないまま二人の会話はお互いを罵り合いながらも続き「やり直しをしようとする」
  • 「行き道」
  •          昔の幼馴染と偶然会う。昔の思いをついに男が告白、女も今の夫の生活苦には我慢がならず、二人が再び会うことになる。駆け落ちを心に描いた女にその日ある自殺願望の娘と会い、元の夫へと思いとどませる。それは娘に「辛いことなんていくらでもあるわ。でも一つ一つ乗り越えてゆくしかないの。人間なんてみんなそうやって生きてゆくのよ」とお節介すると同時に、自分も「やり直し」を決意する。
  • 「小田原鰹」
  •          妻は絶え間のない夫の横暴で夫婦喧嘩する。25年間一緒に住んだが夫から離れ住む。だが、どうしても夫を一人にしておく事が出来ず、その償いに初鰹を毎年長屋に届け続けた。
  • 「蟹」
  •          2度目の離婚を強いられた武家の娘が貧疎な武士の嫁になる。食べるものがないが唯一海で取れる蟹で心を癒され、貧疎な武家だが正直で心「情」を大事にする夫で、それが娘の心も豊かにした。
  • 「5年の梅」
  •          武家友を庇う為、藩内の不平不満を口にし、蟄居させられた。 その結果、その友の妹と結婚を反古にしたが、4年の間蟄居後城勤めとなる。妹はある金貸し武家に嫁入りし、一人の女の子を授かったが、夫はその子の盲目を医者にも見せず、外に妾も作り金貸しを繰り返していた。結婚できなかった償いとして女の子の目を何とか医者に診てもらう為、一人一生懸命土地を開拓し金を手にして何とか女の子の治療を実現させた。蟄居した時の梅の木に花が咲き、何とか生き直そうとしていた。

梵字のデザイン壁「深川不動堂」

2019-09-12 07:54:52 | 旅行

@「梵字」仏文字とも言うが、魔除けである。 門前仲町にある深川不動尊に見つけた壁一面の「梵字」。文字を壁のデザインにする発想が素晴らしい。祈祷の時間にちょうどあたり見学。祈祷中の大太鼓の迫力ある音、地響きは圧倒される。ここは「木場」貯木場として江戸時代の明暦の大火には活用された場所でもある。そこにもう一つ発見したのは「伊能忠敬」像。江戸時代の大日本沿海輿地全図』を作った商人・天文学者である。50歳で江戸深川に家を構えたその由来でこの像がある。元々は千葉香取市佐原出身。

 


派閥に巻き込まれたら『喜知次』

2019-09-11 07:52:57 | 人生を「生かす」には

@この小説にある、派閥争いに巻き込まれ犠牲になった家臣は最後には派閥(老中)に利用され家族もろとも悲惨な状況になる。現代で例えるならば、穏健派と改革派があるとすればどちらも派閥の長老たちだけがいい思いをするだけで他の者は「捨て駒」となるだけである。どちらにいるかで、ことの勝負が決まった時、正であろうが悪であろうが将来(人生)に繋がるのである。社内の派閥に巻き込まれたらどうすればいいのか。往往にして社内闘争で会社としていい結果が出せる会社は少ない。そう考えれば今の時代、早々に辞職、退職するのも手かもしれない。それは人生の無駄な時間を無くすことにも繋がるからである。もしその派閥が良い結果をもたらしても、時の経過とともに必ず真逆な時間(反対派の逆襲)がやってくるからだ。(毒をもって毒を制す)

『喜知次』乙川優三郎

  • 裕福な武家の嫡男・小太郎に愛らしい義妹花哉ができた。一見、平穏な日々だったが、藩内には権力を巡る派閥闘争の暗雲が渦巻き、幼なじみの父親が暗殺されてしまう。少年ながらも武士として藩政改革に目覚めた小太郎の成長に、友が心に秘める敵討ちと義妹へのほのかな恋心を絡めて、清冽に描く傑作時代小説。
  • 小太郎を含む三人の息子の内、二人の親が派閥闘争で暗殺される。それは派閥の見せしめとして利用されたに過ぎなかった。二人は共に仇討ちとして暗殺した敵討ち、兄妹を殺すことになるが、実は兄は妹の借金を返すために派閥に利用されていた。藩の沙汰は、一人は遠方・追放となり、もう一人は武士を辞め商人として生きることにし、小太郎は政局に対しての正道を貫こうと必死になる。藩の衰退は権力闘争に現を抜かした重職らの私欲に原因していた。
  • 藩は幕府から御政道不行届きで転封が決まり、東北から宮崎の小国へ引越しとなった。その時小太郎は花哉に家族だから一緒に来て欲しいと願ったが国学を教える師範に支えることを選び最後の別れとなった。数年後、小太郎の父が亡くなり、母が亡くなる寸前、小太郎に「小太郎は養子であり、花哉は父の側女の子供だと告白される」。だが既に小太郎32歳、勘定奉行の役と妻と二人の子供を儲けていた。
  • その後便りが小太郎に届き花哉が亡くなったことを知り、その宮崎の家・寺を訪れる。やはりあの時の忠告「一度離れたら、男女の仲は道ほどよりも遠くなる」と友達の一人が言っていたが、その通り後悔する事になった。
  • 花哉から学んだことは「人の心を掴み、生かしてやることを考えなければならない。過ぎた歳月を取り戻すことはできないが、何かを始めるのに遅すぎることはない」、花哉が小太郎に東北にいた時に言った言葉「おやりください」(自分の思ったことをやり遂げてください)は何より勇気つけられた。
  • 「友人」であることの意、身分を超え言った言葉
  •          「仮にお前が罪を犯して切腹すると言うのなら介錯もしてやろう。しかしそうでないなら堂々と助けてもやる、友ならばそれでいいじゃないか」
  • 「派閥」の意見
  •          「確かに家中は二分している、だが一方の全てを是とし、他方を非とするのはどうであろうか、異を唱えるのは容易い、しかし現実に目を向けた時物事にはなすべき順序がある」、「正しいことがそのまま通るほど世の中はまっすぐではない」

歳をとっての「身軽」人生とは『身軽』

2019-09-10 07:53:08 | 人生を「生かす」には

@歳をとって「身軽」になるとは、旅三昧・読書三昧・妄想三昧・昼寝三昧の生活を求めることか、とはこの書にある。西行、親鸞、芭蕉、良寛などいずれも若い時に「旅」に出、様々な出会い、経験から歌・俳句を作り、最後には「集」としての書を遺している。 現代でも通用する「旅」「読書」「妄想」「昼寝」など気ままな生活を始めるのもいいかもしれない。だが、そこには必ず目的・目標がある事が重要だ。今日から4三昧生活も悪くはない。(行雲流水)

『身軽』の哲学 山折哲雄

  • 人はなぜ、後半生になると重荷を下ろしたくなるのか。西行、親鸞、芭蕉、良寛に共通することは、人生の折返し点を過ぎ、歌や句にますます傾倒していったことだ。肩にのしかかった責務や思想、人間関係などから解き放され、旅に出て「うた」をつくった。孤独を楽しみ、軽やかな自由の世界にあそんだ。そろそろ私たちも、「ねばならない」生き方から少しずつ解放されようではないか。
  • 「重荷を降ろし軽くなるとは」
  •          古代インドの賢人たちの4つの人生階段「四住期」(しじゅうき)
  •                   「学生期」学問と修行に励み、禁欲生活を守る
  •                   「家住期」結婚し、子供を作り家の経済の責任を負う
  •                   「林住期」やりたいことを実行する、自由な時間を楽しむ
  •                   「遊行期」一切の欲望から離脱、旅から旅の日常を生きる
  •          西行(1118〜1190)=和歌・文芸の流れに(半僧半俗)
  •                   30歳から陸奥・白河、女人たちとの交流
  •          親鸞(1173〜1262)=漢学・仏教の流れに(非僧非俗)
  •                   35歳から越後、63歳で京都に帰る
  •          芭蕉(1644〜1694)=連歌・俳諧の流れ(脱僧脱俗)
  •                   41歳から奥州、松島、平泉、越後、金沢、白山、「乞食」となる
  •          良寛(1758〜1831)=歌・書の流れに
  •                   40歳から各地を遍歴
  •          仙厓義梵(1750〜1837)=禅画・遊画
  • 「四人の愛したこと=歌・書」
  •          西行・桜を愛した
  •          親鸞・自然にたどり着いた
  •          芭蕉・乞食願望に取り憑かれた
  •          良寛・123とよを過ぎていった
  • 「共通」        
  •          旅三昧・読書三昧・妄想三昧・昼寝三昧の生活を求めた

思いを形にする人の想像力『韮山反射炉』

2019-09-09 07:53:28 | 旅行

@「韮山反射炉&江川邸」見学(世界遺産・静岡韮山)

日本で本格的に大砲を開発生産した江川英龍(江戸時代・伊豆韮山代官)。世界でも現存する珍しい反射炉(日本には3箇所だけ)とその住まい代官屋敷を見学した。日本で最初に大砲を作り上げたのが佐賀藩ではあるが台場に設置した大砲はこの韮山で開発生産されたものだとのこと。代官屋敷では本物のゲベール銃、シャープス銃、大筒、佐久間象山直筆手紙など実物を見ることができた。 土間の広さと天井の高さ・骨組みなどすばらしい建築も見逃せない。