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「正直者は馬鹿を見る」の社会構造『オレたちバブル入行組』

2024-10-14 07:50:29 | ビジネス小説
@TVで馴染んだ社会構造の裏。サラリーマン世界ではよくある「上司に従う」は不都合があっても従うより他に出世も横道もないのが現実(不条理の世界)だ。また、「責任の所在」も上司次第で「良いどこどり」をされ、最悪の場合、人事での左遷、退職勧告なども言い渡される。現実、真っ当な人間が試練を被る社会にもなっており、その生き方の選択は「ささっと転職する」に限る。精神的なインパクトから病気、ストレスを抱えることは避け、日頃から人脈と才能を養っておくべきなのだ。本書の半沢直樹のようなストーリーは滅多に実現しないのが日本社会・企業組織である。さらに、企業等によっては景気の行き詰まりが見えた時点で「計画倒産」を仕掛ける経営者もあり、それによって連鎖倒産を被る中小企業が増えるのは当たり前の社会構造なのだ。「たまには正義も勝つ」(滅多に正義は勝たない)と言う本書の言葉どうりだ。
本書で見つけた気になる言葉「俺は上司の出世のために踏みつけにされる覚えはない」「銀行の出世条件は一流大学、血筋、MBAだ」金融庁の査察では「金融庁に見られたはまずい資料の隠蔽もある。やばい書類は段ボールに詰めて融資課長の自宅などに隠すのだ」査察面接等では「わざと曖昧な質問をしておいて、返ってきた答えに見当はずれだと怒ってみせる」
『オレたちバブル入行組』池井戸潤
「概要」大手銀行にバブル期に入行して、今は大阪西支店融資課長の半沢。支店長命令で無理に融資の承認を取り付けた会社が倒産した。すべての責任を押しつけようと暗躍する支店長。四面楚歌の半沢には債権回収しかない。夢多かりし新人時代は去り、気がつけば辛い中間管理職。そんな世代へエールを送る痛快エンターテインメント小説。



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