@「僕」がさまざまな角度から語られることで少々人物認識感覚が麻痺する。が、結末まで読むとその正体がはっきりする。「恨み、仕返し」の一言がこのミステリーなのだ。現代でもこの「恨み、仕返し」で関係のない人まで巻き込んだ殺害「放火殺害事件」があった。世の中を見る視野が狭くなり、孤立化。世の中の不満として起こした事件だろうがあまりにも自己主義だ。
『去年の冬、君と別れ』中村文則
ライターの「僕」は、ある猟奇殺人事件の被告に面会に行く。彼は、二人の女性を殺した容疑で逮捕され、死刑判決を受けていた。調べを進めるほど、事件の異様さにのみ込まれていく「僕」。
ー「僕」は事件のネタで本にすることを目的に犯罪者に接近する。少々狂言的な写真家とその姉が世間を違った角度から人間を「モノ」として扱ったことに恨みを持った人物(作家と弁護士)が現れる。
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