@末期の癌の母が思う息子の帰宅、娘の出産、更に編集者の出会いなど、最後の最後に意識の中で出会うことの喜びは最高の人生だったと、思いたい。「死に悼む」と「愛と生きる」が生死の人間が思う極まりではないかと感動した作品だった。
『悼む人(下)』天道荒太
ー静人はある日一人の女性と出会う。「悼む」の心情を知りたく、また自分には帰る家もなくなったことで静人の「悼む」に付き添い歩くこと4ヶ月。ある日その女性の方に出る亡霊、殺した夫、との会話を持つ機会を得て、その女性は「執着」していたことを感じ、過去の経緯を静人に話すことにする。すると亡霊はいつの間にか消え去り女性も気持ちの切り替えと静人への「愛情」が芽生えたことを悟る。
ー一方、母は末期の癌で自宅療養で娘の出産を迎えたいと願っていた。更に静人の帰りを期待しての自宅待機していた。
ー静人は旅で知り合い数ヶ月旅を共にしたことで、女性を意識し「死ぬこと」よりも「生きること」への希望を持ち、その要因が「愛」であると感じ始めた。
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