@若い頃は何をやっても上手くいかず、職がなく、病魔に襲われ、生死を彷徨う経験をする。だがその間妻の必死の支えで辛うじて生活する。が回復基調になった途端、妻の浮気を発見。それを断ち切るため「東京に戻ろう」と妻を説得。人生の後半、漸く編集という仕事に在り付けベストセラーにもなる売り上げを誇り、妻と過去を捨て真に労わりあう関係になった。「人生の快挙」は素晴らしい妻に巡り合い、小説家という夢を最後に実現化させたことだ。そこには人への「恩義」を忘れていなかった事、さらに夫婦とは「向かい風に立ち向かう事」を知った。山本周五郎の句碑「夫婦とは何と佳いもの向かい風」があった。
『快挙』白石一文
「概要」あの日、月島の路地裏であなたを見つけた。これこそが私の人生の快挙。しかし、それほどの相手と結婚したのに五年が過ぎると、夫婦関係はすっかり変質してしまった。共に生きるためには、不実さえも許す。それこそが夫婦。そう思っていたが、すべては私の驕りにすぎなかった……。結婚の有り様をあなたに問う傑作夫婦小説。
ー男と女の出逢い、写真家を目指した男がある日一人の女性を撮らえて写真に収める。その出会いが何となく一目惚れとなり女と付き合うようになり結婚。だが、写真の仕事は一向に先が見えず断念、そして「小説家を目指す」とその妻にも言われ燃え上がる。一作目「快挙」は日の目を見ないままボツとなり、ショックで結核病人となり長期の入院、死を彷徨う自分を見た。その間、妻の必死の仕事ぶりで何とか生活には困らず暮らせた。
ー退院後、妻の義理の妹と仲良くなると妻に男がいると言われ、目の前に絶望感が漂う。そんな時、「東京に戻ろう」という一言で妻も納得する。そして東京に戻ると小説家の卵としての編集者の力量が回復、ベストセラーになるほどの書籍を発行するまでになる。だが、逆に妻が乳がんが発見される。

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