びすた~り、びすた~り。

のんびりゆっくり歩いていこう。Kana-catの、日々のつぶやき。

ブランカへ行こう!2009 その11

2009-10-21 21:43:42 | Peru
その11 トクヤラフ登頂 

1.7月28日(月) 晴れ
<C1-トクヤラフ登頂-イシンカBC>

 夜中の0時半起床。曇ってはいないみたいだけど、風は相変わらず強く、とても寒そう。シングルの高所靴を選択したことをかなり後悔。高所では歩くペースがゆっくりなので、寒くないように中厚のダウンまで着る状態。


<出発時。寒そう・・・>

 イシンカ同様、ガイドのエロイを先頭に、ひーちゃん、私、テルイさん、ポーターさんの順でロープを繋ぎます。予定より低い標高からのスタートということもあり、かなりのスローペース。あとの2グループはあっという間に見えなくなりました。ゆっくりだと楽ですが、体が温まらないので足も手も指先の感覚がなくなってしまいます。途中で少しだけペースを上げて貰いましたがそれでも・・・。寒さが堪えたのか先のグループに居た三栗野さんが早々に引き返していきました。


<夜明けの景色。美しいのだけれど・・・>

 通常、夜があけて日が当たるとその瞬間から温もりを感じるのですが、この日は風が強すぎで全然ありがたみを感じられず、したがってモチベーションも上がらず。朝焼けの景色もいつもはとても楽しみにしているのですが全く視界に入らず。いや、入ってはいるのですが心に響かず。どんな朝焼けだったのか、思い出すことができません。このまま行ってもとても登頂できる気がせず、とうとう急斜面の手前でひーちゃんとテルイさんに登山を継続するか相談しました。エロイによるとここからまだしばらくかかるとのことで、まずひーちゃんが「下山のことも考えるとこれ以上は無理。二人(テルイさんと私)で行って」とチームから外れ、ポーターと2人で下山。その直後、急な雪壁を登り切ったところでテルイさんが調子が悪くなってしまいました。丁度待っていた平岡さんとも相談した結果、テルイさんはエロイとポーター1名とで下山。寒くて仕方がなかった私が雪壁を急にペースを上げて登ってしまったのがテルイさんには大きなダメージになってしまったようで、とても申し訳なかったなと思います。
 最初は私もテルイさんと一緒に降りようかと思ったのですが、平岡さんが私に「行きたければ、連れて行きますよ」とおっしゃってくださったのでロープに繋いで貰って先行グループを追いかけました。私はただ寒かっただけなので、本命のワスカランに向けて少しでも高い標高に体を慣らしたいと思ったのです。
 しばらく緩やかな雪原を歩いて、セラック帯の中を縫って回り込んだところが頂上へ続く雪壁でした。そこでフィックスロープを張って貰う間しばらく休憩。歩き始めてから初めてのまともな休憩でした。なぜかここは風がなく、ひーちゃんやテルイさんもここまでこれば・・・私がもう少しガマンしていればみんなで来られたかもしれません。申し訳ないことをしてしまいました。


<雪壁直下。休憩中に撮影>

 フィックスロープはガイドリーダーのマックスが張ってくれました。少しトラバースした後ダブルアックスで壁に取り付き、あっという間に見えなくなりました。ああ、恐ろしい。張り終わると続いてアグリが上がっていきます。そして我々の番。怖いだのナンだの散々騒いだ挙げ句、好奇心が負けて私がトップバッターでロープに取り付きました。前々日に練習したユマールで実践初挑戦(笑)。傾斜がそれほどきつくなかったこともあり、慣れてくるとダブルアックスで登るより随分楽ですっかり気に入ってしまいました。だって~途中でロープにぶら下がって休憩できるんですよ?おまけにマックスとアグリがしっかりステップを作ってくれたおかげで足場も問題ないし。ロープは60mだったので50mくらいは上がったでしょうか。終点でアグリに確保して貰って落ち着いたら急に怖くなりました。続いて上がってきた青空さんは相変わらず怖がる私を見てあきれ顔。ところが4番目で上がってきた栗本さんがちょうどクレバスにすっぽりはまり(足は底に届いていたそうですが)、アグリが青ざめて慌てて引っ張り上げていました。ぎゃー。この登山中で見たアグリの一番真剣な顔?かも知れません。3番手だったとうちゃんが「だから(割れ目があるから気をつけろって)言ったのに・・・」。


<雪壁に取り付く直前の私。かなり怖がってます(笑)>


<初ユマール中の私。いやだあ、快適じゃん♪>


<この高度感!>


<キノコ雪を登りきる青空さん。さあ、頂上だ!>

 壁の後はしばらくトラバースし、いよいよ最後のきのこ雪に登ります。ちょうど取り付きにクレバスがあり、ユマールに加えてマックスが上からロープで引っ張ってくれました。それに甘えて取り付いたため最初宙づりになってジタバタ。後ろから平岡さんが「力抜け~!」と叫んでいますがお構いなしで(笑)とにかくはい上がりました。姿勢が安定すればアイゼンの爪を利かせて上がれます。上がるとなだらかな斜面が空に向かって伸びていました。みんなが上がるのを待って、マックスを先頭にトレースをたどります。視界が空いっぱいになったところが頂上でした。 途中であんなに吹いていた風もやはり頂上では弱く不思議な感じです。眼下には雪を頂いたブランカ山群が輝いていました。ああ・・・がんばってよかった・・・。もともとトクヤラフは私の技量では無理かな~と思っていたので登らせてもらえて本当にうれしかったです。みんなで記念撮影し、ロアーダウンで壁の取り付きまで下ろしてもらいました(実はロアーダウンとか懸垂下降は大好きだったりします。だってらくちんですもん(笑))。
 その後はまた平岡さんに確保してもらってテントまで下山。行きに風が強かったところはやっぱり強くて、頂上直下での微風が奇跡に思えました。


<やったあ!嬉しくてうるうるの頂上でした。無理だと思っていただけに・・・>


<頂上からの眺め>

 テント場につくと、残っていたポーターさんたちが総出で迎えて祝福してくれました。それからアイゼンやハーネスを寄ってたかって外してくれ(笑)、慣れぬサービスに恐縮してしまいました。水分はハイドレーションで摂っていましたが、行動食はほとんど食べられなかったので(チャンスはあったがあまり食欲がなかった)、すぐに用意してくれたスープがとても美味しく感じられました。少し休んでからテントを撤収しBCへ下山。だいぶ雪は融けていましたが、疲労と眠気で朦朧としながら歩きました。


<モウダメダ~。青空さん、いつの間に撮ッタンデスカ!!!(笑)>


<BCからの麗しい夕焼けトクヤラフ>

 この日の夕食は久々に何も気にせず食べることが出来ました。といっても胃が小さくなっているので悲しいくらい少ししか食べられませんでした。美味しいのに残念。ああ、そして、BCは酸素が濃いなあ・・・(笑)。
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