獅子風蓮のつぶやきブログ

日記風に、日々感じたこと、思ったことを不定期につぶやいていきます。

乙骨正生『怪死―東村山女性市議転落死事件』Ⅳ章 その7

2023-03-09 01:21:02 | 東村山女性市議転落死事件

乙骨正生『怪死―東村山女性市議転落死事件』(教育史料出版会1996年5月)
より、引用しました。
できるだけ多くの人に読んでいただく価値がある本だと思いますので、本の内容を忠実に再現しています。
なお、漢数字などは読みやすいように算用数字に直しました。

なお、乙骨さんにはメールで著書を引用している件をご報告したところ、快諾していただきました。
ありがとうございます。

(目次)
□まえがき
□Ⅰ章 怪死のミステリー
□Ⅱ章 疑惑への道のり
□Ⅲ章 対立の構図
■Ⅳ章 たたかいの軌跡
□Ⅴ章 真相を明らかにすることは民主主義を守ること
□あとがき


批判の矢を放つ

◆『東村山市民新聞』での創価学会批判
東村山市議会で創価学会・公明問題を取り上げる一方で、創価学会・公明との熾烈な闘争の端緒を開いた『東村山市民新聞』でも、朝木さんは創価学会・公明党に対する厳しい批判を展開した。以下、その主な記事を時系列に並べてみる。

「物欲むきだし公明党議員ら 市議の外遊費を税金から支出へ」(92・10・21付37号)
1991年(平成3)9月の東村山市議会で、公明党の主導によって、外遊する市議会議員に対し、公費から1週間で一人110万円の「出張費」が支給されることが可決。その直後の10月1日から7日まで、公明党の5人の市議が助役らとともに中国を訪問したことを報じている。

「創価学会員らが人権侵害などの事件 写真変造や脅迫事件相次ぐ」(93・5・19付43号)
先に紹介したように、創価学会は、91年以降、日蓮正宗を「日顕宗」と呼称し、これを「撲滅」するとして、寺院、僧侶、脱会者に激しい攻撃を加えている。43号では、そうした創価学会の日蓮正宗攻撃の実態をこうレポートしている。
「昨年、創価学会は本山の日蓮正宗大石寺から破門されたが、その後、創価学会周辺で、創価学会員らによるとみられる、日蓮正宗総本山大石寺側に対する脅迫事件や偽写真を使った名誉棄損事件が発生。すでに社会問題化している。
5月1日、読売新聞夕刊は、本山・大石寺が創価学会を被告として、名誉毀損されたという理由で裁判を起こした事実を報道。創価学会が古希祝賀会の記念写真を変造し、日蓮正宗総本山・阿部日顕管長を誹謗中傷したというもの。
本紙が入手した本山側の公表した元の写真と比べると、創価学会の『創価新報』掲載の写真は、左右に並んだ左側の人物が消えてその位置に右側の人物だけが写っており、背景も別のものにすり変わっているというスターリン時代のソ連共産党顔負けの偽造写真だ。
また、東村山をうけもつ日蓮正宗・広説寺(小平市)の住職を脅迫する 「死ね」 とか 「殺すぞ」という葉書が毎日十通も届いている。が、創価学会会員らの不買運動を恐れるマスコミ各紙はこれらの事実をほとんど報道してはいない」(43号)

翌月発行の44号でも、
「創価・偽造事件 本山に破門された焦りで暴走? これが偽造の動かぬ証拠」(93・6・16付)
との見出しで、一面全面を使用し、創価学会が日蓮正宗攻撃に使用した変造写真と本物の写真を大きく掲載。写真の偽造という謀略的手段を用いてまで日蓮正宗を攻撃する創価学会の体質を批判。
「創価学会の一般会員には学会幹部がどういう種類の人達かが分かる事件となったようだ」と締めくくっている。

「ここにも族議員 騒音公害企業の顧問役は? 会社社長は公明党都議の後援会長」
との見出しを掲げた7月21日発行の45号では、公害防止条例に違反し、多年にわたり騒音と悪臭をまき散らし、地元住民の顰蹙を買っている騒音公害企業M社の社長が、地元北多摩一区選出の萩谷公明都議の後援会長である事実を報道。朝木さんが、この騒音公害問題を93年6月議会で取り上げた結果、市と業者、地元住民の3者間での協議会が設けられ、対策工事が進められることになったにもかかわらず、協議会の直前、公明党の川上市議がM社の幹部とともに、不十分な対策工事を地元住民に押しつけようとした事実が記されている。
さらに二面では、創価学会員による激しい攻撃にさらされている日蓮正宗寺院広説寺に送られてきた、脅迫状を写真で紹介。「本物の宗教団体なの?」と、創価学会の寺院攻撃の実態を次のように報じている。

「前月号で、読者から問い合わせのあった東村山地区を担当する日蓮正宗のお寺(小平・広説寺)への脅迫事件の証拠だが、上下の写真の通り。同一筆跡で4、50通書いたものなど段ボール1箱分のハガキ、『死ね』とか『死刑』とか『隣はガソリンスタンドだぞ』というものもある。
6月号で、創価学会が変造した写真と本物の写真を並べて掲載した記事には、多くの声が寄せられ、読者市民は、創価学会が『自分達を破門した本山を攻撃するためには手段を選ばない新興宗教と同じこわい人達の集団だ』という印象をもったようだ。
が、反省するどころか、狂信的な創価学会関係者らは、本紙を折り込むだけで記事には無関係の新聞販売店や広告代理店に『不買運動をする』という脅迫や嫌がらせ電話。選挙管理委員会や他の新聞販売店の名前を騙って、折り込み中止のニセ電話までかけている」(45号)

これ以後も、
「近隣住民に圧力 東村山駅東口『本荘11階ビル』問題 公明・大橋議員業者に癒着 業者社長らに同行、建築紛争に介入」(94・12・21付59号)

「市民からも苦情が出ているのに 市民相談担当は創価学会員 市長の呑気な否定声明に、職員反発 何と『尾行』していた創価学会本部」(95・3・1付62号)

等々、公明市議の業者癒着問題をはじめ、議員歳費のお手盛り値上げに積極的に賛成する公明議員の姿など、議会内外における公明党の動向を特集。また、市民の投書で構成する「納得いかないコーナー」や「インサイドレポート」などのミニコラムで、一貫して創価学会・公明問題を報じ続けた。


◆創価高校退学強要事件
そうしたさなかの1994(平成6)年5月、東京・小平市にある創価高校で、創価学会を脱会した生徒に担任教諭が退学を強要するという人権侵害事件が発生。朝木さんは、この事件に深く関わることになる。
先記のように、日蓮正宗と創価学会は、90年12月以降、激しい対立と抗争をくり返し、その過程で数十万人といわれる会員が、創価学会を脱会した。東京・清瀬市に住む創価高校1年のA君一家も、以前は熱心な創価学会員だったが、宗門の創価学会破門を契機に創価学会を脱会。小平市にある広説寺の信徒になっていた。
そのA君に対し、担任の美術教師T氏が、「創価学会を脱会し、池田先生を批判するなら学校をやめろ」と、退学を強要したのである。A君の親族から相談を受けた朝木さんは、担任の行為を重大な人権侵害と判断。自らA君の親権代理人となり、弁護士を伴って創価学園に交渉に赴き、退学を強要する創価学園の体質は、憲法で保障された信教の自由や、思想信条の自由を侵害するものだと、厳しく糾弾したのだった。
事件の概要を「創価高で人権侵害 教育現場でスパイ映画のような事件 信仰を理由に、退学迫る 学校側、発覚後あわててひた隠しに」との見出しで詳報した、『東村山市民新聞』54号(95・6・15付)には、次のようにある。

「学校法人・創価高校(小平市)で、在学途中で『創価学会』を脱会し日蓮正宗総本山の信徒団体『法華講』に家族ぐるみで移った生徒に対し、担任教師が退学を迫るなどの人権侵害事件が発生した。
事の発端は5月22日、創価高に在籍するA君が 青梅の寺で行なわれた『法華講』青年部の集会で、日蓮正宗に入信したいきさつや池田大作名誉会長の問題を体験発表したことに始まる。
が、この集会には創価学会幹部が潜入させた『偵察員』がいたため、A君の体験発表の詳報が、何と、翌23日には、担任教師にまで伝わっていた。
担任は、23日から再三、A君宅や母親の職場に電話をかけ、青梅での体験発表は問題であり、池田大作批判をするような生徒は退学となるという意向を伝えた。
さらに、担任は、5月24日のHR後に、A君を呼び、同じ話を伝えている。
担任から、再三面談を迫られ、心配したA君の母親は、予め約束をして、5月30日、弁護士らと学校に出向いたが、慌てた担任は「今日、会うことは聞いていない」などとウソまでついて身を隠し、呼び出しておきながら、1時間半以上も待たす始末。
結局、創価高側は弁護士らの抗議に対し、6月3日になって、事実をひた隠す見解を伝えたが、翌4日に当の担任は、A君に『池田大作著作勉強会に出るよう』指示する等、教育現場での人権侵害を続けている」
日本国憲法は、「法の下の平等」(第14条)、「思想及び良心の自由」(第19条)、「信教の自由」(第20条)、そして「集会・結社・表現の自由」(第21条)を保障している。A君が、創価学会を脱会し、日蓮正宗の法華講に所属して信仰を続けることは、A君の信教の自由、思想・信条の自由である。また、A君が、法華講の大会で体験発表し、池田氏を批判することも、言論・表現の自由によって認められている。にもかかわらず、T教諭は、創価学会を脱会し、池田氏を批判したことを理由に、A君に退学を迫ったのであった。

 


解説
「物欲むきだし公明党議員ら 市議の外遊費を税金から支出へ」
「創価学会員らが人権侵害などの事件 写真変造や脅迫事件相次ぐ」

「物欲むきだし」「人権侵害」など、信仰者にあるまじき恥ずかしい言葉です。
本当なら、信仰により欲望はコントロールされ、誠実な人格にならなくてはいけないはずなのに、創価学会にはそうでない人が少なくないようです。
創価学会では「末法無戒」なんていいますが、これが諸悪の根源です。
こんなの、幹部が嘘をついたり、欲望のままに生きたり、不倫したりすることの言い訳にしかなりません。
戸田先生もよく「末法無戒」を理由に会員の欲望を解放するような指導をしていました。
「がっちり信仰して、五欲をほしいままにし、功徳を受けてください。願いとして叶わざるはなし、いかなる願いも、叶うのであります」とね。
すごいですね。「五欲をほしいまま」ですからね。
その体質を、創価学会は今も引き継いでいるといえるでしょう。
創価学会は、「末法無戒」でいいかという根本のところから考え直してほしいと思います。

東京・小平市にある創価高校で、創価学会を脱会した生徒に担任教諭が退学を強要するという人権侵害事件が発生。朝木さんは、この事件に深く関わることになる。

担任の美術教師T氏とは、私も知っている美術教師のT先生のことでしょうか。私の高校1年生のときの担任です。
ここに書いてあることが事実なら、思想信条が違うことで退学を強要したことになり、ひどい話です。
一度、お会いして事実関係を伺いたいものです。

獅子風蓮