獅子風蓮のつぶやきブログ

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乙骨正生『怪死―東村山女性市議転落死事件』Ⅳ章 その5

2023-03-07 01:34:49 | 東村山女性市議転落死事件

乙骨正生『怪死―東村山女性市議転落死事件』(教育史料出版会1996年5月)
より、引用しました。
できるだけ多くの人に読んでいただく価値がある本だと思いますので、本の内容を忠実に再現しています。
なお、漢数字などは読みやすいように算用数字に直しました。

なお、乙骨さんにはメールで著書を引用している件をご報告したところ、快諾していただきました。
ありがとうございます。

(目次)
□まえがき
□Ⅰ章 怪死のミステリー
□Ⅱ章 疑惑への道のり
□Ⅲ章 対立の構図
■Ⅳ章 たたかいの軌跡
□Ⅴ章 真相を明らかにすることは民主主義を守ること
□あとがき

 


◆金権スキャンダル体質
1988(昭和63)年、公明党は、田代富士男参議院議員の砂利船汚職、池田克也代議士のリクルート汚職、そして矢野絢也委員長の明電工疑惑と、あいついでスキャンダルを引き起こし、厳しい社会的批判を浴び、矢野委員長を更迭し、石田委員長に人事を刷新することで、ようやくこの逆風をかわしている。これらの金権スキャンダルのうち、田代砂利船汚職と池田リクルート汚職は、いずれも国会の質問を通じて業者に便宜をはかり、謝礼を受け取ったことが、賄賂にあたると認定されたもの。
そんなことはないだろうが、仮に罍氏をはじめとする公明議員が、Y興行をはじめとする東村山市の清掃事業を請け負っている業者から、謝礼を受け取っていたとすれば、汚職である。党の先輩にあたる田代冨士男、池田克也同様、有罪となることは間違いない。
公明は、その前身である公明党時代から「清潔な党・公明党」をキャッチフレーズにしてきたが、実際には数多くの汚職事件をはじめ、さまざまなスキャンダルを引き起こしている。 以下は、そのほんの一例である。
 竹入義勝(委員長)2000万円菓子折り事件
 矢野絢也(書記長・委員長)国対費麻雀事件
 大久保直彦(書記長)愛人バンク会員、売春クラブ経営事件
 大野潔(国対委員長)ラスベガス・カジノ公費出張事件
 浅井美幸(副委員長)議員宿舎ホステス連れ込み事件
 権藤恒夫(副委員長)暴力団交際事件
 秋田県小阿仁村議強盗殺人事件
 高知県西土佐村議銀行強盗
 香川県坂出市議婦女暴行事件
 千葉県流山市議公共事業汚職
 奈良県大和郡山市議会議長選汚職
 大阪府東大阪市議団幹事長浄化槽汚職
 徳島県三加茂町議会議長選汚職
 山梨県大月市議ゴルフ場汚職

ところで、公明のバックアップなどによって公共事業に参入した衛星企業は、その利益の何パーセントかを、創価学会員である役員や社員の給料を通じて創価学会に還流させている。創価学会では毎年、「財務」と称する会員からの募財を行い、推定2000億円から3000億円の金を集めるが、熱心な会員である衛星企業の役員や社員は必ず「財務」に応じるからである。また、選挙の陣中見舞いなどを通じて公明への政治献金として流用していることもまず間違いない。
小なりといえども衛星企業の一つとして公共事業に食い込んでいるY興行でも、こうした形での創価学会への金の還流は確実に行われているはずである。
東村山市では、ゴミの収集業務をY興業をはじめとする3社に委託している。年間予算380億5000万円(平成7年度)の東村山市の「ゴミ収集委託」は、3億6700万円。
この委託料を単純に3分割すると1億2233万円。Y興業には少なくとも1億円以上
の血税が支払われている計算となる。
熱心な創価学会幹部であるK・T氏をはじめとする同社の役員は100万円単位の「財務」に応じているだろうから、最終的に、血税の何パーセントかが、創価学会に還流していくことになる。こうした事実を踏まえて矢野氏は、創価学会員が多いことで生じる 弊害を、『週刊新潮』で次のように語っている。

「市職員は千余名(正確には1051名ですが、うち約1割が学会員といわれているんです。何しろ、学会員の職員数が3桁に達したのがすでに3年前。以後、その数は安定推移していると聞いていますが、部長級に2人、課長級にはっきりしているだけで6人。しかもそれぞれが、役所で要職を占めています。係長以下、一般職員にも多数の学会員がいるし、市民相談の窓口にも学会員がいるので、学会を辞めた人がいくらまわりで嫌がらせを受けても、市役所に相談に行けないんです」


◆監視・尾行・買い占め
ところで、『週刊新潮』の取材は、95年1月29日に『東村山市民新聞』が主催して開いた、創価学会問題を考えるシンポジウム終了後に行われた。シンポジウムのテーマは、「国家支配を狙う創価学会の実像に迫る」で、私も講師としてこれに参加した。
同シンポジウムには100名近くの市民が参集、創価学会による恒常的嫌がらせを受けている小平市の日蓮正宗寺院広説寺の小藪賢道住職の被害報告や私の講演に耳を傾けた。
シンポジウム終了後、朝木さん、矢野さん、そして『週刊新潮』記者や私は会場の東村山中央公民館近くのファミリーレストランに移動、懇談したが、取材はその席で行われた。
当日、私は東村山駅の隣駅久米川駅前の喫茶店で友人と会うため、一足早くファミリーレストランを後にしたが、久米川駅までの約2キロメートルの道のりを歩く私の後を、一人の男が尾行してきた。件の男は、ご苦労にも、私が喫茶店で2時間ほど友人らと談笑している間も終始階下の路上前にたたずみ、私が友人と別れて西武新宿線に乗り込むまで監視を続けていた。
『週刊新潮』2月9日号が発売された翌週の2月15日、創価学会の機関紙『創価新報』は、「学会バッシング記事のウソ八百」「全く事実無根! 東村山市長の抗議は当然」との見出しで『週刊新潮』と朝木さん、そして私を誹謗する記事を掲載したが、そこには次のように記されて いる。

「今回の『週刊新潮』の記事の背後でも実は乙骨が動き回っていたのである。
先月29日、乙骨は出身地の東村山市内で講演会を開いた。集まった人々は脱会者や法華講などわずかだったが、演題は「国家支配を狙う創価学会の実像に迫る」という大袈裟なものだった。乙骨の『国家支配』という言葉は『週刊新潮』の『市役所を占領』という表現と同じ偏見で繋がっている。はたして乙骨の講演会のわずかな参加者の中に『週刊新潮』の記者がいた。
そして、乙骨の講演に先立って、あいさつに立った「矢野」という人物と地元市議の二人が、何と今回の『週刊新潮』の記事の冒頭に長々と学会非難のコメントを寄せているのである。しかも市長と竜年光以外で実名のコメントは、わずかに、この二人だけ。
乙骨と矢野氏、前述の市議が終了後、『週刊新潮』記者と一緒にファミリーレストランに入り、 長時間取材を受けていたという。
こうしてみると、結局、今回の『週刊新潮』の記事は、講演会で乙骨が強調した“考え方”を、そのままプランとして持ち込んだものと思われても仕方あるまい」

先に、「日顕宗撲滅」を掲げる創価学会の宗門攻撃のマニュアル文書のなかに、「⑤特攻野郎Sチーム(男子部の特殊潜行活動班。別名、鉄砲玉)」という尾行等の特殊活動を行うチームの設置が指示されていることを紹介した。これとは別に創価学会では、男子部のなかに「広宣部」と称する非合法活動を実行する特殊部隊を設置しているが、私たちの行動を把握した「創価新報」の記事内容からみて、この「学会問題シンポジウム」と『週刊新潮』の取材の際にも、「広宣部」と称される男子部の特殊活動チームが私たちを監視し、その動静を探っていたことは間違いない。ちなみに東村山市内では、この『週刊新潮』2月9日号は、発売当日、何者かによって買い占められたためか、駅の売店や書店からたちまち姿を消し、新聞広告や電車の中吊り広告を見て、購入しようとした市民が買えずに困惑したという事実がある。

 

 


解説
『週刊新潮』2月9日号が発売された翌週の2月15日、創価学会の機関紙『創価新報』は、「学会バッシング記事のウソ八百」「全く事実無根! 東村山市長の抗議は当然」との見出しで『週刊新潮』と朝木さん、そして私を誹謗する記事を掲載した……

創価学会にとって、朝木議員と乙骨氏は、仏敵と認定されていたようですね。
「仏敵はどんな手段をとっても潰す」
これが創価学会の体質ですから、その後の展開はあるていど予想できるというものです。

獅子風蓮