獅子風蓮のつぶやきブログ

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乙骨正生『怪死―東村山女性市議転落死事件』Ⅴ章 その5

2023-03-24 01:50:21 | 東村山女性市議転落死事件

乙骨正生『怪死―東村山女性市議転落死事件』(教育史料出版会1996年5月)
より、引用しました。
できるだけ多くの人に読んでいただく価値がある本だと思いますので、本の内容を忠実に再現しています。
なお、漢数字などは読みやすいように算用数字に直しました。

なお、乙骨さんにはメールで著書を引用している件をご報告したところ、快諾していただきました。
ありがとうございます。

(目次)
□まえがき
□Ⅰ章 怪死のミステリー
□Ⅱ章 疑惑への道のり
□Ⅲ章 対立の構図
□Ⅳ章 たたかいの軌跡
■Ⅴ章 真相を明らかにすることは民主主義を守ること
□あとがき


警察と創価学会の関係

◆龍年光氏・内藤国夫氏の指摘
朝木さんの不可解な死の前日にあたる95年8月31日、東京ではこんな事件も生じている。元都議会公明党の幹事長で、現在、反創価学会の急先鋒として、創価学会ならびに池田大作氏を批判する龍年光氏の東京・西五反田の事務所に、「高野」と名乗る30歳くらいの男が、模造日本刀とバールをもって押しかけ、「俺は池田大作先生の息子だ。(池田)先生のおかげで龍年光は都議になれたのに、先生を裏切った。だから龍をブッ殺しに来た」と、女性事務員を脅したのである。幸い、龍氏は不在だったが、男は、長さ60センチくらいの模造日本刀をちらつかせ、女性事務員に対し「龍を出せ」と強要。女性事務員が、龍氏が不在である旨を告げ、110番通報すると、「(龍氏に)ここに連絡させろ」と電話番号を残して逃走した。
男の逃走後に、事務所に戻った龍氏が、さっそく警視庁大崎署に届出。事情を説明したところ、なんとこの男は、95年3月にも、龍氏を狙って事務所付近をうろつき、龍氏の事務所が入っているテナントビルに入っているホテルに「龍年光」の名前を使って無賃宿泊する事件を起こしており、大崎署では、この男の身元を把握しており、龍氏に顔写真まで見せたのである。
だが、大崎署は、9月4日になってこの男を逮捕したものの、学会員であるかどうかも含めて何も発表せず、容疑内容すら「ノーコメント」の一点張り。逆に龍氏に対し、「マスコミに情報を流さないように。新聞に載るとあなたの身の危険が増す」などと口止めする始末。
やむなく龍氏が、男が残した電話番号に架電したところ、電話に出た女性は、「高野は学会員」と認めた。この事件を取材した『赤旗』記者は、関西出身の高野が居留先にしていた家は、熱心な学会員一家であることを確認している。
事件はその後、れっきとした殺人未遂であるにもかかわらず、大崎署は、所持していた凶器が模造日本刀であることなどを理由に、わずかの罰金で男を釈放してしまったのである。

龍氏が語る。
「公明党の竹入元委員長が都議会公明党の幹事長時代に、学会・公明党は警視庁に猛接近した。当時は、自民党が警視庁を抑えるような動きをしていたが、公明党は、積極的に警察予算や警察人事を都議会で承認した。警察も公明党の協力が得られなければ、予算拡大や増員が図れない。だから、警察は、創価学会がらみの事件になると遠慮し、及び腰となった。また、創価学会は予算や人事を通す見返りとして、選挙違反などに露骨に手心を加えてもらうよう要求。両者は、持ちつ持たれつの関係となった。今回の朝木さんや私の事件の捜査、解明に本腰を入れないのも、そうした関係の現れ」

毎日新聞の都庁キャップとして東京都政や警視庁を取材した経験をもつジャーナリストの内藤国夫氏も、創価学会・公明と警視庁の関係を次のように指摘する。
「都政も都議会も学会・公明が常にキャスチングボートを握ってきた。予算や人事を楯にやりたい放題です。警視庁も予算のためには学会には遠慮する。しかも、都政担当記者をやっていてわかったのですが、学会・公明のあくどいのは、学会と距離を置いたり、学会がらみの事件をやろうとする警察幹部がいると、徹底して出世の妨害をする。署長や副署長にもさせないのです。逆に学会にとって都合のいい警察官は昇進の応援をする。役人である警察官のもっとも弱いところをつくやり方で、これをずっとやってきたものだから、警察は創価学会がらみの事件には触らないという風潮が出来上がっているのです」
それゆえ、警察は朝木事件の解明に及び腰なのだと内藤氏は指摘する。
「坂本弁護士一家事件と、今回の朝木市議事件の展開、プロセスは本当に酷似している。宗教団体の不正や犯罪を追及していた人物が拉致、死亡という形で被害者になった。しかし、警察はまるで及び腰というかやる気なしで、むしろ真相解明を妨害しているフシさえある。ことに朝木事件では、“怪しいから捜査しない”という感じが露骨にする」


◆選挙違反もみけし事件
実際、警察・警視庁と創価学会はなれ合ってきた。創価学会は、これまでに大量替え玉事件、投票所襲撃事件など数々の悪質な犯罪行為をくり広げてきたが、そうした事件の処理方法に、具体的事例をみることができる。
例えば、1965年(昭和40)夏の参議院選挙で創価学会は、大量の選挙違反事件を起こした。この参議院選挙で中部地方を選挙地盤として出馬した小平芳平候補(創価学会教学部長)の選挙運動に関連して、三重地方検察庁は、集団戸別訪問の捜査を執拗に行い、三重県創価学会の支部や地区の幹部活動家十数名を逮捕。捜査の手が創価学会の三重県本部責任者や当選者の小平芳平氏に届くのは必至の情勢となった。
これに慌てた創価学会・公明党は、東京から参議院法務委員長の和泉覚氏、都議会幹事長の竹入氏、そしてのちに公明党の国対委員長となる大野潔氏などを送り、必至に検察首脳、警察首脳に働きかけることで、上層部への捜査の波及をからくも食い止めたのである。
このときに竹入氏が、警察首脳にかけた脅しとはつぎのようなものだったという。
「このまま捜査を拡大させるようだと、警視庁の予算、とくに機動隊の予算を、大幅に削るぞ」公明党は、国政に進出以来、参議院法務委員長のポストを掌握し続けたが、法務省に睨みをきかせることができるこのポストと、都議会のキャスチングボートを握り、警視庁予算を左右することで、事件のもみ消しをはかったのである。
この事件の直後、池田氏は、次のように竹入氏、大野氏を賞賛。事件のもみ消しを評価している。
「くだらない事件であるが、将来起きてくる事件を未然に防いでいるのである。この事件に携わったT(竹入)さん、O(大野)さんは広布になくてはならない人材に成長する。今、やっているのは訓練だ」(65・11号『前進』)
ちなみに創価学会の外郭企業の社長を集めた「社長会」の席上、池田氏は次のように発言している。
「警察だって動かしているのは竹入、井上だよ。龍なんかおどすだけで味方にならない。竹入の一声だよ」(68年7月8日)
この発言からは、警察権力も意のままになるとの池田氏の自信のほどが窺える。

 

 


解説
「公明党の竹入元委員長が都議会公明党の幹事長時代に、学会・公明党は警視庁に猛接近した。当時は、自民党が警視庁を抑えるような動きをしていたが、公明党は、積極的に警察予算や警察人事を都議会で承認した。警察も公明党の協力が得られなければ、予算拡大や増員が図れない。だから、警察は、創価学会がらみの事件になると遠慮し、及び腰となった。また、創価学会は予算や人事を通す見返りとして、選挙違反などに露骨に手心を加えてもらうよう要求。両者は、持ちつ持たれつの関係となった。今回の朝木さんや私の事件の捜査、解明に本腰を入れないのも、そうした関係の現れ」
との龍氏の発言ですが、ここ重要です。
ここを十分に抑えておかないと、「東村山女性市議転落死事件」の解明はできないと思います。

獅子風蓮