明るく正しく強いブログ

朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

侮れない「茨城豚骨」 八王子『美しょう』

2024年06月27日 | ラーメン、つけ麺など
前回、立川近隣の駅チカにある、九州・福岡スタイルの豚骨ラーメン店を紹介したとき、一応、3つ先の八王子駅周辺も探索していた。
『六角堂』ナンたらというお店に行ってみたら、なぜか営業しておらず、どうやら先日閉店した模様。
豚骨ラーメン店はもう一軒あったけど、そこは「博多じゃない、久留米でもない」と非九州をアピールしていたので除外。
そのお店は『美しょう』という屋号で、コンセプトは、個人的には初耳の「茨城豚骨」
外壁に貼ってあるポスターでは、提供商品やポリシーについて説明しているのだが、


上記部分には「茨城豚骨」の大文字のあとに、さきほど記したように、


“博多じゃない。久留米でもない。鹿児島でも、熊本でも、長崎でもない。 これが茨城の男たちがつくった「茨城豚骨」です”のコピーが躍る。
茨城が全国有数の養豚地であることを語り、業務用スープやインスタントラーメンがはびこる現勢を嘆き、
そんな世に訴えるべく、日々努力し作り上げたのが、地元茨城県産の食材で作る「感動の一杯」=こちらのラーメンのようだ。

美しょうというお店は、ここ八王子店だけのようだが、母体の会社は茨城で、別名のラーメン屋を数店舗経営している。
初の東京進出店ということで、茨城豚骨を全面に押し出す宣伝文句も理解できるが、提供しているラーメンを調べてみたところ、
麺は細麺で、具材はチャーシュー・ネギ・キクラゲ、薬味に高菜、紅生姜、ゴマなどを使い、麺を食べ終えたら替玉…と、
「博多じゃない~(略)」と言いつつ、内容はほぼ、九州・福岡の豚骨スタイルを踏襲・模倣している。
唯一、福岡系との違いを感じたのが、一番安いラーメンが900円もすること。
「替玉」は100円で、券売機には以前、「このご時勢にこの値段」と記されていたが、ラーメン自体が高いので割安感はない。 

HPを見てみると、「麺は完全自家製 スープは15時間掛けて炊き上げた~(後略)」という白文字が目に付くが、
すぐ下の説明では、「茨城産の豚頭を丸1日以上かけて炊き上げ丁寧に仕上げた」と、いきなり齟齬が生じている。
文章を書くのが不慣れな個人店のHPや、頭の悪い食べロガーの雑文ならまだしも、数店舗経営している会社で、このような食い違いは珍しい。
HPは制作会社に丸投げしたのかもしれないが、任せっきりではなく依頼者側も文面はチェックすべきだ。チェック漏れの可能性もあるが。

資本系やチェーン店、高価なラーメンを好まず、誤字誤記にうるさい(自分の文章はさておき)私には、このお店に魅力を感じなかった。
一応、愛読しているラーメンブログで、美しょうの最新情報をチェックしていたところ、  ※HPは更新が途絶え、新情報はなし
私好みの新商品を発売したことを知り、先日初訪問してきた。いつもと同様、前置きが長くてスマン。

お店の場所は、JR八王子駅北口から歩いてすぐ。繁華街ゆえ、いかがわしい呼び込みもうろついている。
まずはお店メニューを紹介。さっきのポスターでは判読不可能だろうから、券売機の画像を掲載したが、これも縮小しているので見づらいか。


こちらの主要メニューは、基本の「まる」、辛口の「かく」、味は不明の「新味」の3種のようで、


さらに具だくさんバージョンの「特製」などがあり、あとは餃子、ご飯もの、ドリンクも用意。
あとから加わったのが、「うめとんこつ」「つけ麺」「まぜそば」に「チャーハン」、そして、私の目当てである「鬼濃厚」である。
愛読ブログによると、かなり濃厚らしく、以前私も食べた、『天下一品』の「こってりMAX」をも凌ぐとか。
いきなり鬼濃厚から食べてもいいのだが、まずはベーシックのまるラーメン900円を試してみることに。

店内にはカウンター席がいくつかあり、さらに奥まったところに、個室のようなテーブル席もある。


あと、白いノレンの向こう側にも座席があるのだが、訪問時は従業員の休憩所になっていた。


厨房は綺麗で豚骨臭は皆無。働いているのも、既出の「茨城の男たち」ではなく、若い女性ふたり。
母体がある茨城の工場か店舗で炊いたスープを、八王子の店舗で再加熱していると思われる。
ラーメンが届く前に、卓上のニンニクの皮を剥き、クラッシュの用意をする。皮つきで置いてあるニンニクは珍しい。


数分後、まるラーメンが登場。福岡系よりもスープの色が濃い。


さっき、「具材はチャーシュー・ネギ・キクラゲ」と書いたが、ネギは万能ネギと長ネギの2種を使用し、さらに海苔も入っている。
まずは豚骨スープを、レンゲですくうと、ポタージュのような粘度があり、


ひと口すすってみたら、やっぱり濃い! なので細麺ともバッチリ絡む。


ここまで濃い豚骨スープはなかなかなく、しいて挙げれば、奈良発祥の濃厚豚骨ラーメン『無鉄砲』に近いか。
もっとも、無鉄砲よりは獣臭を抑えており、マイルドで食べやすいといえる。
具材は、万能ネギはいいけど、普通のネギはいらない気もする。あと、薬味の紅生姜が、妙に乾いていた。


ただし、上記画像でわかるように、茨城豚で作ったチャーシューは、分厚くてなかなかイケる。
もう一軒立ち寄るつもりだったので、替玉はしなかったが、もっと食べたいと思わせる私好みの味で、
主張どおり九州とは異なるが、じゅうぶん満足できる豚骨だった。「資本系」と侮って申しわけない!
“八王子一濃厚”と自称していた、西八王子『かなえ』は閉店したが、代わりになりうる濃厚ラーメンのお店が見つかってうれしい。

数日後、茨城豚骨の神髄である(?)、鬼濃厚ラーメン1050円を味わうために再訪問。
チャーシューごはんマニアゆえ、「叉焼丼セット」400円も注文。セットということは、麺類と一緒に頼まないとダメなのだろう。
前回と同様、ラーメンが提供される前に、ニンニクの皮を剥いておく。正直メンドくさいので、市販のおろしニンニクの方がいいな。


まずは叉焼丼が登場。細切れチャーシュー、佃煮風チャーシュー、ネギに、万能ネギと糸唐辛子を少々。


細切れチャーシューは、炙ってあるので温かいが、佃煮の方は冷蔵庫から出したばかりなのか、冷たかった。
普通のネギは辛く、できれば万能ネギだけにしてほしいが、原価の問題もあるからね。
その後、メインの鬼濃厚ラーメンが登場。さっそくニンニクを絞り、食べ始める。


見た目は、前回のまるラーメンと同じだが、レンゲですくうとスープの違いは歴然。
とにかく粘度があり、レンゲを傾けても、スープがこぼれるのが遅い。


「まる」スープは一応液体だったが、鬼濃厚のスープはほぼ固体。たとえるならば「フルーチェ」か。
濃度は確かに、テンイチのこってりMAX以上で、大阪の堺筋本町で食べた、『どろそば将』の「鬼どろ」レベル。
これまた画像では伝わらないだろうが、麺にもねっとり絡みつき、スープがどんどんなくなっていく。


あと、前回は気付かなかった(折りたたんだのかな?)が、横幅の長い海苔は、切れていないので食べづらい(苦笑)。


麺を2/3ほど食べ進めたところで、店員さんに百円玉を渡し、「替玉」をカタで注文。


上記説明によると、切り刃26番を使用とのこと。26/30=約1.15ミリだから、替玉麺は最初の麺より細いようだ。
すぐに替玉が届いたので、さっそく丼に投入したのだが、


ただでさえ麺がスープを吸うのに、叉焼丼にもレンゲ2杯分乗せて食べたりしていたら、


丼のスープがなくなってしまい、見てのとおり油そばのようなビジュアルに。


わずかに残ったスープと旧麺を、替玉と混ぜて食べていく。
左が替玉麺で右が旧麺。確かに替玉の方が細いね。なお、さっきから普通に使用しているが、「旧麺」なんて言葉はない。


水分を補給するため、ダメ元で紅生姜と一緒にラー油も加えてみる。ラーメンダレもあったが、しょっぱそうなのでやめておいた。


結局、食べ終えたときは、レンゲ1杯分の豚骨フルーチェ(?)が残ったのみ。


よくない見栄えなので、読者の皆様は、「ナニを見せられているんだ!」とご立腹だろうが、
撮影していた私も、「オレはいったい、ナニを撮っているんだ…」とウンザリしていた。
見た目はともかく、味自体は悪くなかったが、やはり濃すぎるのも困るので、鬼濃厚はしばらく遠慮しようと決意(笑)。

多摩地区屈指の濃厚豚骨ラーメン店として、美しょうさんには今後もお世話になりたいのだが、
私が訪問したのは、初回が平日19時台、2度目は日曜18時台だったが、とにかく客がいない
お陰で、券売機や麺リフトの撮影が堂々とできたし、白ノレンの向こう側を休憩場所にしているのも納得。
駅チカゆえ家賃も高いだろうし、私が訪問した日以外も、さみしい客入りが続いているとしたら、ピンチのはず。
母体があるので、即閉店とはならないだろうが、もう少しお客が増えてほしいので、
このブログの読者の皆さんにも、どうかお店に足を運んでください! とお願いしておく。
ついでに、退店直後の私をおっぱいパブに勧誘した呼び込みの男、お前もたまには美しょうでラーメンを喰え!



茨城豚骨 美(み)しょう
東京都八王子市三崎町2-7
JR八王子駅から徒歩約3分、京王線京王八王子駅からも歩ける
営業時間 11時~22時、金、土は翌1時まで営業
定休日 なし
コメント (2)
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立川近辺・駅チカの豚骨ラーメン

2024年06月22日 | ラーメン、つけ麺など
年齢とともに食べる量が減った私だが、最近なぜか、飲んだあとのラーメンが復活しつつある。
ただ、以前のような濃厚豚骨醤油の家系ラーメン+ご飯何杯もお替わり、はキツいので、普通の豚骨ラーメン+替玉程度。あまり変わらないか。
この場合の豚骨ラーメンとは、乳白色のスープに、細麺、チャーシュー・ネギ・キクラゲが入り、薬味としてゴマや紅生姜を使い、
麺を食べ終えたら替玉を頼む、博多、長浜、久留米をルーツにする、九州・福岡スタイルのラーメンだ。


上記画像は、この系統の店で私が一番気に入っている、南阿佐ヶ谷『萬福本舗』の「とんこつラーメン」。
最近は、南阿佐ヶ谷付近で飲むこともなく、閉店が21時半と早まったため、ご無沙汰しているが、「豚骨欲」が覚めないうちに食べに行くつもり。

ここから、私が最近食べた豚骨ラーメンを紹介していくが、お店は、最近飲む機会が多かった○国分寺駅と、
私の地元○立川駅にあり、飲んだあとということで、○駅からさほど歩かない距離の5軒だ。
最初の1軒を除き、このブログでは紹介したことがなく、私自身も初訪問のお店ばかりである。

1軒目は、このときにも紹介した、立川駅ビルのルミネ内にある、有名チェーン店『一風堂』。
注文はタッチパネル方式になっており、前回は基本の「白丸」を頼んだから、今回は「赤丸」を選択したつもりだったが、


帰宅後に確認したら、前回も赤丸を食べていた(驚)。食欲の復活は喜ばしいが、記憶力の低下は悲しい。
前回「ちょっと高い」と感じた920円の「赤丸新味」は、980円とさらに値上げ。
ただし、チャーシューが1枚減り、キクラゲがなくなる、「赤丸シンプル」890円という新商品があったので、そちらを注文。
タッチパネルの注文が伝わっているのか不安だったが、すぐに下記のラーメンがやってきた。


前回載せなかった横アングルも撮影し、さっそく食べ始める。


前回は、麺の画像も載せていなかったので、リフトも撮影。


価格はともかく、味に不満はないので、再びタッチパネルを操作し、替玉と無料のニンニクを追加発注。
普通の「替玉」は150円とお高い(注:私基準)ので、ハーフサイズと思われる「小玉」100円にしておいた。


ニンニクをクラッシュし、半替玉と、卓上のピリ辛もやしも一緒に丼へドボン。
よく見ると、あとから加えた麺の方が少し細い。白丸や替玉=細麺、赤丸=やや細麺と、味によって使い分けているようだ。


ラーメンの感想は、以前も書いたように、脂分が増え味も濃くなり、私好みのテイストだった。
麺1.5玉と、スープも残さずたいらげ、レジでお会計。次回こそは、基本の白丸をオーダーしよう。

次のお店も立川市から、駅北口から少し歩けば着く『長浜や』。


以前紹介した、九州・長浜とは無関係らしい『NAGAHAMA』とは別のグループである。
長浜やは、HPによると「笹塚の総本店を始め、都内を中心に19店舗」と説明しているが、笹塚本店が閉店しており、信用できない。
私が最後に利用したのは、10年ほど前の阿佐ヶ谷店だが、そこでは麺類を頼んだ客に、「チャーハン」を50円で提供していた。
しかも、半チャーハンでなく全チャーハンで、作り置きではなく、注文のたびに中華鍋で作られる。 ※半チャーハンの注文も可 
下記画像は、阿佐ヶ谷店の「ラーメン」+「チャーハン」で、価格は確か600+50円。


味は悪くなかったが、50円で売られるチャーハンを、なんだか不憫に感じたものである。
立川店はラーメン、チャーハン、餃子の他、「麻婆豆腐」や「エビチリ」などの中華料理や、酒類も揃っている。
「チャーハン」は550円で、「半チャーハン」は300円だが、麺類とのセットだと、それぞれ300円、180円になる模様。
さらに、基本の「博多ラーメン」680円と半チャーハンのセットは850円と、さらに10円安くなるので、それを選択。
入店したのは18時台だったが、ふたりいた店員の片方が、休憩だか勤務時間終了なのかは不明だが、いなくなってしまいワンオペに。
そこそこ客も入っていたが、ひとり残った店員はあわてることなく、まずは博多ラーメンを完成させた。


キクラゲはなく、チャーシュー、ネギ、海苔が乗る。麺は、一般的な福岡スタイルよりも、少し太いか。


すぐに食べ終わったが、半チャーハンがまだ来ていないので(苦笑)、やむなく「替玉」100円を追加。
遅れた理由は、私のあとに来店した、4名客の食券購入を待ち、半チャーハンの注文があるのを確認してから、私の分と一緒に作り始めたから。
ワンオペならではの合理的作業ではあるが、店員の「メンドくせえ。マジだりぃ」という心の声が、思いっきり態度や表情に出ているため、
待たされた側としては結構イラっとくる。過去に何度も書いてきたけど、立川のチェーン飲食店で働くヤツって、こんな輩ばっかりだよな(嘆)。

数分後、かったるそうに作った半チャーハンが完成し、


さらに数秒後、替玉も到着。卓上にあったおろしニンニクや紅生姜、そしてラーメンタレも使ってみることにした。


他店のラーメンタレは、もっと薄い褐色なのだが、ここのはピーナッツバターのような色をしている。
味わってみると、異様にしょっばい! ラーメンだけでなくチャーハンにもかけたのは失敗だった。


ラーメンの感想は、以前の印象と同様、「無難な豚骨ラーメン」であり、嫌いな人はそんなにいないと思う。立川店の接客はさておき(笑)

ここからは国分寺のお店を注文。まずは、南口を出てすぐの場所にある『福や』。
池袋に支店があるみたいだけど、母体は不明。メニュー構成は、一品料理や酒類が豊富で、長浜やの立川店と似ている。
驚いたことに、今回ブログの執筆にあたり、ネット検索してみたところ、
長浜やも福やも、白、黒、赤のラーメン3種を、「三種神器」と称しているポスターを掲示しており、
しかも赤ラーメンは→「多種類の唐辛子を組み合わせ、コクと旨味が増して、ほどよい辛さが楽しめる自信の一杯です」と、文面もまったく一緒。
実は同じグループ、あるいは友好関係があるのか。そうではなく、勝手にポスターを模倣しているのはマズいぞ。
まあポスターなんて、ほとんどの客が真剣に見てないから、問題ないのかな。私自身も、酩酊状態だったので、ポスターの記憶がない。
注文したのは、「博多ラーメン」730円と「餃子」300円のセット。950円と、定価より80円お得になる。
まずはラーメンが登場。チャーシュー、ネギ、海苔でキクラゲなしと、長浜やと同じ構成。やはり同系列なのか!?


こちらが横アングル。丼は長浜やと異なり、渦巻状の模様(雷紋)がある。


麺が福岡風ほど細くなく、クセがなく無難な味、というのもそっくりだが、福やは店員がふたりいて、どちらもマジメに働いていた。
しばらくすると、セットの餃子が到着。見ただけでわかる、無個性な業務用餃子だ。


ただ、こちらのお店は「替玉1回無料」だったので、ありがたく注文させていただいた。


卓上の紅生姜やおろしニンニクを投入し完食。替玉付きで730円なら、現在では安い方になるのかな。

別の日に、今度は国分寺駅の北口にある、お目当ての店舗に向かったところ、
数日後に「替玉10円セール」をやると判明したため、その日はやめておき、


駅から少し歩き、人気食堂『だるまや』さんの脇を北進したところにある、もう1軒の候補店『木村亭』へ。
この場所は一時期、ラーメン店が何度も入れ替わったが、木村亭は過去のお店と違い長続きしており、
私が愛読しているラーメンブログでは「2015年5月26日開業」、食べログや別ブログでは「2014年5月開業」と記されている。
反食べロガー主義の私としては、愛読ブログの2015年開業、今年で9周年説を支持したい。
初訪問なので、基本の「豚骨ラーメン」650円の食券を購入。愛読ブログによると、9年前からまったく値上げしていない。
お店はカウンター席のみで、メニューはラーメンの他は、ライスに酒類と少数精鋭。店主は一見コワモテ(失礼)だが、応対は丁寧だった。
数分後には豚骨ラーメンが完成。具材はチャーシュー2枚、キクラゲ、ネギ。


横アングルも含め、長浜や・福やと見た目は似ているが、スープを飲んだら全然違った!


不快にならない程度の豚骨臭を感じる、ちゃんと濃くてウマくて、早く麺が食べたくなるスープだ。
壁の貼り紙によると、麺には果汁などが含まれていると説明してあったが、バカ舌の私にはわからなかった。


けれども、スープを吸った細麺は期待どおり美味しく、なので「替玉」100円をオーダー。


いつものように、紅生姜とおろしニンニクを加え、当然のようにスープまで残さず食べ切った。
価格も手頃で味も良く、今まで未訪だったのを悔やむ、すばらしい豚骨ラーメンだった。

最後の1軒はさっき掲載した、替玉10円セールを実施していた、国分寺北口出てすぐの場所にある『一竜』。
博多中洲に同名の有名店があるようだが、国分寺店の母体は、エセ家系ラーメンや、すた丼のパクリ商品のチェーン店などを手掛けるグループ。
このグループの店には入らない方針だったのだが、替玉10円に目がくらみ、ついに利用してしまった。
グーグルの書き込みでは、「店員の態度が悪い」「遅い」「ぬるい」「店内汚い」などなど批判が多く、
中でも苦情が多かった、小太りの店員も働いていたけど、とりあえず、私の訪問時は不快なことはなかった。

ここも、「焼きめし」や「餃子」の他、「鶏から揚げ」などのつまみもあるようだが、
注文したのは、基本と思われる「とんこつラーメン」。近年はたびたび値上げしており、820円になっていた。
それほど待たされることもなく、ちゃんと温かいラーメンが到着。


具材はチャーシュー、キクラゲ、ネギ。そして、『一蘭』や一風堂の赤丸と同様、中央に赤いタレが添えられる。
中洲にあった一竜のラーメンには、赤いタレはなかったようだが…。
タレを溶かす前にスープを飲んでみたが、あまり豚骨らしさは感じられず、麺との絡みもイマイチ。


ただ、濃くないスープでも、赤いタレの辛味が加わると、そこそこ満足できてしまい、
すぐに麺を食べ切り替玉をオーダー。壁には、下記のような注意書きがあったが、


周囲の客は誰も従わず、店員に直接10円玉を渡し「硬めで」などと伝えているので、私もそうさせていただいた。
替玉も待たされることなく、横長の容器に盛られて登場。


サクッと食べ終え、2度目の替玉を注文。ついでにおろしニンニクももらう。


酔っていたとはいえ、まだまだハシは止まらず、ついに3度目の替玉。


いくら10円とはいえ、私は以前、無料で替玉が無制限にできた頃の府中『節』でも、2回しかできなかった。
母体が嫌いなので認めたくはないが、数年ぶりに3度も替玉をしたということは、私好みのテイストだったようだ。
さすがに計4玉食べたところで退散。820+10+10+10で総額は850円。普段の替玉は110円なので、たぶん3度もしないと思う。

以上、5軒の豚骨ラーメンを紹介した。どこもアクセスは良好なので、近隣の方はぜひ行ってもらいたい。
ただ個人的には、味、接客、価格も含め、木村亭が断トツ。混んでいるのも納得のお店であった。
私の「飲んだあとラーメン」及び「豚骨ラーメン」ブームが終わっても、木村亭には通う気がする。


※追伸 木村亭について、後日ブログを書きました
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替玉50円のお店にエールを 『哲麺』

2024年05月19日 | ラーメン、つけ麺など
かつてはワンコイン=500円で食べられることをウリにしていた、家系ラーメン『せい家』さん。
HPでは長年、「せい家は、500円」のキャッチコピーを掲げていたが、材料・人件費の高騰により価格維持が困難になり、
数年前に税込み550円、近年は650円になり、HPのコピーも消えた。今調べたら、もっと高額設定の支店もある。
今の時代、650円でもじゅうぶん安いのだが、いかんせん500円時代が長かったため、割高に感じてしまう、貧しい私。

同じように、ラーメン1杯500円の印象が強いのが、豚骨ラーメン店『哲麺』


基本のラーメンは塩、醤油、味噌の3種があり、すべて500円。この他にも煮干し風味、つけ麺、餃子やご飯ものなどもある。
豚骨ラーメンゆえ替玉もあるのだが、今回タイトルのとおり、50円という安価で提供していた。

哲麺は06年、八王子に1号店がオープン。その後、お好み焼きの『道とん堀』グループが母体になり、
やたらと店舗を増やしていき、私の地元立川市には、JR立川駅北口と南口、西武線の西武立川駅近くの計3軒あった。
それから数年、いろいろあって立川の全店舗がなくなると、哲麺に行く機会が減り、気付けば店舗の数自体も減少。
下記のHP家系図によると、今も哲麺の屋号で営業しているお店は、東京都内が4軒で、日本全国で13軒。


最下段の福島の店舗が六十三代目、つまり63号店に該当するということは、50店舗ほどが閉店したことになる。
最初に掲載した画像は、3年前、1号店の八王子店で食べたときのものだが、ここも昨年秋に閉店。
大ファンというわけではないが、昔お世話になったお店が、どんどん閉店していく現状は悲しいので、
僭越ながら、お店にエールを送るべく、哲麺の魅力を語らせていただく。

まずは、私が食べてきた商品を紹介。まずはさっきの「豚骨ラーメン塩」+「味玉」120円を再掲載。


乳化した豚骨スープは、臭みはなくクリーミー。妙に白濁しているので、牛乳を使っているのかも。あと、マー油由来なのか、やや苦みがある。
麺は九州風の細麺だが、加水率は九州より高そう。この日は替玉を2回し、1回目は麺に胡椒、


2回目は紅ショウガと、揚げ玉みたいな、自家製食べるラー油を乗せてみた。


絶賛するほどではないが(失敬!)、とりあえず早い安いウマい、吉野家のようなラーメンである。

最近の写真がないので、ここからは、10年以上前にガラケーで撮影した画像を紹介。画質は悪いがお許しを。
私がもっとも訪問したのは、立川北口にあった店舗。今調べたら二十九代目だった。
「餃子」と「つまみチャーシュー」と「ビール」は、全部合わせても千円以下だったと思う。


餃子は100円セールを実施したこともあり、写真はないが、200円のウーロンハイも、よく頼んだものだった。
立川北口店は、期間限定商品をたびたび販売しており、こちらは、刻んだベーコンとキャベツが乗る「ベーコンラーメン」。


のちに、ベーコンを刻まず乗せるタイプが登場したが、そっちの方がウマそうだった。
こちらは「ポテトラーメン」。当時関西で、ポテトフライを入れた立ち食いソバが話題になっており、便乗したと思われる。


ポテトと豚骨スープの相性はさておき、具材がポテトフライと小さい海苔だけ、はさすがにさみしかった。
どちらの商品も確か、普通のラーメンと同額の500円だった。

かつては高円寺の中通り(『ニューバーグ』のある通り)にも、『哲麺屋』という支店があり、ラーメンの他にもつまみや定食などを提供。
年中無休・24時間営業だったので、深夜まで飲んだあと、始発を待っている間に何度か利用した。
ここも基本のラーメンは500円だが、他店にないメニューもあり、こちらは「肉玉ラーメン」850円。


酔っていたのであまり覚えていないが、肉と卵黄が乗る、徳島ラーメンのような感じだった。
醤油味と塩豚骨味が同時に味わえる、「ダブルラーメン」なんてのもあった。


価格は確か900円くらいで、2杯頼むよりお得。この特製丼、他店でも使ってほしいな。

ガラケー写真では、哲麺の良さが伝わらないので、今年に入り、昭島店に行ってきた。最寄り駅は拝島だ。
店舗としては、八王子よりあとに開店したのに、なぜかこちらが初代を名乗り、八王子店が二代目扱いだった。
ネット情報では、「さすがは初代、他店よりウマい」という意見もあったが、真偽は不明。
愛読しているラーメンブログによると、「昭島店には以前、哲さんという愛想のいい店主がいた」そうだが、
私の訪問時にいたのは、普通の店員と、怠惰な店員のコンビであった。
あと、HPでは哲麺のあとに、丸で囲んだ縁の文字が付いている。現在は『哲麺縁』が正式名称なのかな?

ここで、今まであえて触れていなかった、残念な情報を。ラーメン各種500円だったのは数年前までで、
さっき載せた八王子店のラーメンは、580円に値上げしており、
その後、羽村店や昭島店は、600円、700円と値上げしていき、替玉も90円に。まあ、今の時勢では仕方ないよね。
HPにも、※店舗により金額や内容が一部異なりますと断りがあり、ラーメンは700円、替玉は90円と記載してある。

こちらは、現在の昭島店主要麺メニュー。他にも、野菜マシマシの「哲二郎」や辛口の「蒙哲」など、他店のパクリ風商品もある。


なお、昭島店はラーメンだけでなく、「呑てつ」と称する居酒屋メニューもあるので、食事の前に軽く飲むことにした。


店員さんに声をかけ、回数券を1000円分購入し、その券で酒やつまみを頼むシステム。
以前は1000円で1200円分注文できたようだが、現在は「ドリンク類を50円引く」のみになった模様。
私は「アサヒスーパードライ瓶ビール」定価650円に、「わたし好みの玉子サラダ」200円、「呑てつ煮込み」300円を注文。
ビールが50円引きだが、それでも1100円なので、店員さんに百円玉を追加払い。
まずはビール、そしてサラダが登場。生野菜と細切れチャーシューに味玉を添え、マヨネーズをかけたものだ。


数分後、煮込みが登場。お店で作ったものでなく、パック入りの牛スジこんにゃくを湯煎したものだった。


さっき書いたように、店員がふたりいたが、先輩らしき店員は休憩中なのかまったく働かず、後輩店員をからかったりしている。
しまいには、客席に座りお店のドリンクを飲み始めた。はっきり確認していないが、酒類かもしれない。
ちゃんと券売機で食券を買っていたが、券をわざわざ丸めて、自分の鼻の穴に突っ込んで後輩店員に渡す。小学生か(嘆)。
後輩も無視はできず苦笑い。バカな先輩の相手をさせられ気の毒だが、立川や昭島の飲食店では、ありがちな光景である。
気分を害したので、酒のお替わりはせず、締めを注文。選んだのは「豚骨ラーメン味噌」700円をこってりで。
すぐに後輩店員が作り始める。先輩の鼻の穴から食券を受け取ったあと、手を洗ってない気がするが、ドンマイだ。
麺が細麺なので、調理時間も短く、すぐに豚骨味噌ラーメン・こってりが完成。


こちらの店舗は、おろしニンニクを厨房内で保管しているので、後輩店員にお願いしたところ、
「これくらいでいいスカ?」と、こんもりと盛られた小皿を渡される。こんなには要らないよ(苦笑)。


哲麺では食べた記憶のない味噌ラーメンだったが、意外とウマい!
こってりで頼んだため、背脂がたっぷり入り、それが豚骨スープのコクを増し、苦みを押さえた印象。
バカ店員が不快なので、とっとと食って退散するつもりだったが、つい替玉をしてしまった。


ラー油を入れると、ピリ辛でさらに美味しくなった。「昭島店は初代だからウマい」説、本当かもしれない。
あと、これは他店も共通だけど、飲料水が黒烏龍茶なのも嬉しい。これで脂肪を分解だ!


蛇足だけど、初代哲麺縁昭島店は、


本社研修センターのすぐ隣に位置する。


道とん堀本社は、新入社員よりもまず、昭島店の従業員を再教育すべきではないかね。
ラーメンの味はともかく、全体的な印象は良くなかったので、退店後は気分直しのため、『三高飯店』に寄ってしまった。

「哲麺にエールを送る」と書いておきながら、むしろ悪評を広めている感があるが、ここから、ちゃんとフォローするので。
つい先日、一橋学園の『ナイトー洋菓子店』で買い物をした帰り、どこかでメシを喰おうと探索していたところ、
哲麺の支店を発見。どうやらここは、十七代目・小平店のようで、


驚いたことに、「替玉50円」のノボリが出ているではないか。


すぐにつぶれた哲麺立川南口店は、「ラーメン250円」の貼り紙を掲示しておきながら、
よ~く見ると「毎月15日は」と書いてあるという、悪質な罠を仕掛けていたので、
過信は禁物だが、とにかく入ってみることに…いかん、またまた哲麺のマイナス情報を記してしまった。
結論から先に明かすと、小平店は現在も替玉50円で、ラーメンも680円と少し安かった。
替玉が安いのが理由ではないだろうが、次から次へと客がやってくる、結構な人気店である。
私の注文は、「豚骨醤油ラーメン」680円+味玉120円。当然、替玉も予定に入れている。


八王子店の味玉は、中がトロトロで生っぽかったが、小平店のはちょうどいい半熟具合。


ある程度食べ終え、替玉とニンニクをお願いしたら、生の粒とガーリックプレスがやってきた。


5~6粒あったが、ふたつだけ使用。まあ、ふたつも潰せば、ニンニクをじゅうぶん堪能できるけどね。
店員さんは男女ふたり体制だったが、忙しくても丁寧な応対で、好感が持てた。
値段も安く、接客がいいと、ラーメンの味までウマく感じる。東京で哲麺に行くなら、小平店がおススメだ

今年4月、小麦粉価格が下がったそうだが、その割合はわずか0.6%。ラーメン店など飲食店の苦労は、解消されぬまま。
哲麺小平店も、そのうち替玉90円になるかもしれないが、私の信頼は変わることなく、通い続けるつもりだ。
無論、小平店だけでなく、他店舗も陰ながら応援しているので、なんとか生き残ってほしい。
いろいろ余計なことも綴ってしまったが、ガンバレ哲麺! と大文字で表記し、今回の締めとする。



十七代目 哲麺 小平店
東京都小平市仲町422
西武線小平駅から徒歩約6分、青梅街道駅や一橋学園駅、JR新小平駅からも徒歩圏内
営業時間 10時~24時、平日月曜は16時まで
定休日 火曜
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洗練された屋台ラーメン 高尾『しゅんやっちゃん』

2024年05月03日 | ラーメン、つけ麺など
まだ私が子供の頃は、ラーメンやおでんの屋台をよく見かけた。
国民的アニメ『サザエさん』でも、波平とマスオが屋台で仲良く飲んでいるシーンが、度々放映されていた。
ただ、近年は行政から、路上販売についての指導(というか圧力)が強化され、屋台の店舗はだいぶ減った模様。

私自身、屋台飲食の経験は少なく、新宿のおでん屋では、ふたりでビール4缶とおでん数個で5千円という不明朗会計をくらい、
ラーメン屋は過去に、中野、立川、八重洲の計3回食べたことがあるが、八重洲では些細なことで店主と揉めるなど、好印象はない。
唯一のいい思い出は、隣に座った地元のお姉さんと、楽しく飲み食いさせていただいた、福岡・長浜の屋台くらいか。
その屋台は、ラーメンだけでなく酒とおつまみも提供しており、私は餃子とビールと焼酎を注文した記憶がある。
同様の屋台が数軒並んでおり、縁日のような独特のムードがあったのだが、現在はほぼ廃業したと聞いた。さみしいなあ。

さほど思い入れはないが、屋台という文化が完全になくなってしまうのもさみしい。
そのような、無責任かつ中途半端な私の期待に応える、屋台の人気ラーメン店が高尾にあると知った。
お店の名前は『しゅんやっちゃん』で、営業時間は当然、夜間のみ。

※お店のインスタグラムから拝借

高尾にはちょうど、気になる飲食店がもう1軒あったので、そこで食事をしたあとに寄ってみた。
到着したのは、開店15分後だったが、早くも行列ができている。
私に気付いた店員さんが、列の最後尾に案内してくれたので、並ぶことにする。
店員さんは、調理担当、調理補助とお運び担当、客案内担当の3名体制。全員、若い男性だ。
客層も、同世代の男性客が大半だが、女性ふたり組や、お子さん連れの家族といった、屋台らしからぬ客もいたりする。
実は、さっき掲載した屋台前カウンターの他、パラソル付きのテーブル席も4つ隣接しているため、
昔の屋台ラーメン店のように、薄汚いおっさんと隣り合わせになることはないため、女性や子供も安心だ。
しばらくすると、薄汚いおっさんの私も、空いたテーブル席に案内された。
4人席だが、さすがに知らない者同士4人を一緒にはせず、あとから来たひとり客が、向かい側に相席となった。
こちらが、各テーブルに置いてあるメニュー。


右下には、「しゅんやっちゃんのラーメンは無添加、無化調!! 具材も全て手づくり!!!」と記されている。
こちらは、期間限定のトッピング。春菊や菜の花は、ラーメン店では珍しい。


注文したのは、もっともベーシックな「素ラーメン」600円。
だいたい2杯ずつぐらいのペースで調理をしているようで、やや待ったのち、素ラーメンが完成。

具材は玉ねぎのみとシンプルだが、麺が綺麗に揃った、美しい盛り付けである。

横アングルはこちら。丼のサイズは普通かな。


まずは、澄んだ清湯スープからすすってみると、う~む…これは今まで味わったことのないテイスト。
洋風っぽいし和風の要素もあるけど、もちろん中華風でもある、不思議なスープである。
お店インスタグラムに、仕込み段階の画像があったが↓、野菜など多彩な食材を使用する模様。


醤油、野菜、動物、魚介、いろんな旨味が混ざり合い、正直、私のバカ舌ではよくわからないが、ウマいのは間違いない!
しかも、刻んだというか、すりおろした状態に近い玉ねぎが、徐々にスープに溶け込み、さらに美味しくなった。
ネットでは「味が薄い」という感想も散見されたが、そんなことはなく、しっかり旨味が感じられる。
あと、食べログでは「八王子ラーメン」という意見が多いが、玉ねぎが入るからって、勝手に決めつけてはいけない。
とりあえず、私が食べたことのある八王子ラーメンは、醤油ベースでもっと単純なテイストである(失礼!)。
複雑かつ美味なスープに感動し、調子に乗ってすすったら、結構油も入るようで、喉と舌をヤケドした(苦笑)。

麺は加水率低めと思われる、やや硬めのストレート。後半、スープを吸って私好みの柔らかさになった。
別の飲食店からのハシゴだったが、麺はもちろん、スープも残す気にならず、全部飲んでしまった。
「屋台のラーメン」という物珍しさで訪問したのだが、味で満足できるとは、いい意味で期待を裏切られた。
会計時、厨房の店員さんたちに「美味しかったです、また来ます」と告げて退散。

数日後、初回はお客さんが多くて撮影できなかった、屋台やパラソル席を撮影するため、開店の1時間前に到着。


「コッペパン」のノボリが目立つが、同じ敷地内に、『いなこっぺ』というコッペパンを売るカフェがあり、
しゅんやっちゃんのオーナーは、いなこっぺのオーナーでもあるのだ。


夕方17時までは、パラソル席はいなこっぺのお客さん用に開放し、18時からはしゅんやっちゃん用になるようだ。
こちらがパラソル席。青い服の男性は、お店関係者かと思ったら、開店前に戻ってきたら列の最前列にいた。気合の入った客だ。


コッペパンの販売は、17時以降も続いているようで、しゅんやっちゃん営業時のテーブルにも、下記のチラシ(?)が置いてあった。


せっかくなので、私も夜食用に、ナポリタンと玉子を挟んだパンを購入(商品名は失念)し、テーブル席に置いて撮影。


イートインだと500円だが、持ち帰り価格は491円。帰宅し、封を開けた状態がこちら。


パンはバケットのような硬めの食感で、ずっしりお腹にたまるタイプ。


具材の玉子もナポリも美味しかった。


なお、しゅんやっちゃん営業中は、店舗だけでなく屋台の前でも、カゴに入ったコッペパンを数種売っていたが、
そちらはタイムサービスなのか、300円で販売していた。しまった、もう少し待てばよかった。

別の場所で時間を潰し、開店10分前に戻ってきたら、先述の青服を含め先客は6名。私の後ろにも、次々と客が並び始める。
開店時間になり、前から順に席へ案内されていく。7番目でひとり客の私は、8番目で同じくひとり客の若い男と相席に。
店員さんが注文を聞きに来ると、8番目が先にオーダーを告げる。これでは、あいつのラーメンが先に調理され、私のは後回しになってしまう…
と、心狭くムッとしていたところ、実際に先に届いたのは、私が頼んだラーメンであった。
私の方が先に並んでいたことを、店員さんがメモっていたのかもしれない。こういう気づかいって、うれしいよね。
この日の私の注文は、人気NO1らしい「チャーシューメン」950円に、「玉ねぎ」50円をさらに追加。


本当に一番人気なのかはさておき、具だくさんのチャーシューメンは、前回の素ラーメンよりだいぶ豪勢である。
4枚入った自家製チャーシューは、柔らかな仕上がりで薄口の味付け。メンマ、海苔、青菜などは特に印象ナシ。


また、前回気に入った刻み&おろし玉ねぎをダブルにしたところ、他の具材も多かったためか、
なんだかスープが冷めるのが早まった気がした。お陰でこの日は、ヤケドすることなく、スープをゴクゴクと飲み干せた。
スープの味や美しい盛り付けに感動した、初回ほどのインパクトはなかったが、高品質なラーメンであることは間違いない。

そしてつい先日、しゅんやっちゃんさんに3度目の訪問。19時台に到着したら、やはり行列。混んでない時間帯はないのかな。
少し待ってからパラソル席に案内される。調理作業を眺められる、屋台カウンター席にも座ってみたいね。
注文したのは、基本の「ラーメン」750円に「味玉」100円、さらに、他店では滅多に見かけない「春菊」100円も追加。


まずはスープをレンゲでひと口飲み、ウマさを再確認したのち、麺をすすっていく。
半熟の味玉は、外観の色合いと同様、薄口テイスト。チャーシューと同様、スープの邪魔をしないよう、過度な味付けは避けているのかな。


春菊はあまり好きではないが、身体にいいらしいので選択したところ、独特の苦みはあるけれど、ラーメンとの相性は悪くないかも。
あと、これは私だけかもしれないが、食べているのがラーメンではなく、すき焼きなどの鍋料理に感じてしまうのが面白い。
半分くらい食べたところで、前回は卓上になかった、おろしニンニク&ショウガを試してみることに。


上品なスープの味を壊さないよう、入れない方がいいのだろうが、私は上記の薬味2種が好きなのでね。
使ってみたところ、可もなく不可もなく、という印象だった。さっきのすき焼きと同様、家系ラーメンを食べてる気分になるし(苦笑)。
今回も気付けば、スープを残さず飲み切ってしまったが、健康食材・春菊の効能に期待しよう(←甘い!)。

こちらのラーメンを3回食べたが、やはりスープ自体を味わってほしいので、一番のおすすめは素ラーメンかも。
チャーシューメン愛好家であり、角煮ラーメン支持者でもある私が、具なしラーメンを推奨するのは珍しいよ。

かつての屋台ラーメンの印象を払拭するような、洗練されたラーメンを提供しているしゅんやっちゃんさん。
高尾で飲酒する機会は少ない私だが、ここのラーメンは、酔ったあとに食べるとウマいだろうねえ。
最後に、さっき掲載した屋台画像に貼ってあった、お店データを拡大して再掲載しておく。



屋台ラーメン しゅんやっちゃん
東京都八王子市初沢町1277-8
JR、京王線高尾駅から徒歩3分ちょい
営業時間 18時~23時
定休日 日、月、雨や雪など天気の悪い日
※詳細はお店のインスタグラム
※惣菜ベーカリー&カフェいなこっぺも、同じ敷地内
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私のボディの礎となった角煮ラーメン 西荻窪『ひごもんず』

2024年04月21日 | ラーメン、つけ麺など
今から約1年前のこのとき、「チャーシュー麺」を紹介した『ひごもんず』


上記商品も悪くはないが、“ひごもんずではやはり、「角煮ラーメン」の方がおススメかも”と記したように、
私がこちらに訪問した際は、角煮が入るラーメン(複数あり)を頼むことが大半である。
その角煮ラーメン及び、ひごもんずのルーツは、新宿などにある熊本ラーメンのお店『桂花』だ。

桂花が東京に初進出したのは、今から50年以上前の1968(昭和43)年。
そのとき、目玉商品として開発されたのが、角煮入りのラーメン「太肉麺」で、読みは「ターローメン」。
ターローとは中国語や熊本の方言ではなく、桂花オリジナルの造語らしい。
私が初めてターローメンを食べたのは、今から30年ほど前の1990年代初頭。
ほどよくニンニクが香る濃厚スープに、中細でコシのある麺と、とろけるような角煮がマッチし、「これはウマい!」と感動。
ニンニクなどから作られるマー油を入れるのが、熊本ラーメンの特徴であることは、当時の私はもちろん知らない。
また、信じてもらえないだろうが、かつての私は脂身の塊が苦手で、それまで角煮なんて口にしたことがなかったのだが、
このラーメンでウマさを知り、大好物となった。お陰で現在、私のボディは脂身だらけである(苦笑)。
当時はヤング(笑)で、まだ体脂肪が少なかった私を魅了した、角煮及びターローメンの画像を、桂花HPから拝借。


30年前、800円くらいだったターローメンは、10年ほど前、最後に食べたときは950円になっていた。こちらがそのときのガラケー画像。


HPによると現在は1150円らしい。この時勢ゆえ仕方ないとはいえ、さすがに高くなったなあ、という印象。
それでも、マー油のニンニクは香るが、獣臭さは感じない、濃厚だけれど食べやすい熊本ラーメンに、
さらに角煮を乗せちゃう、桂花風熊本ラーメンは、素晴らしい麺料理だと思う。

桂花のあとに誕生し、角煮入り熊本ラーメンを提供するお店もいくつかあった。
そのお店とは、一年前にも名前を出した『山水亭』『永柳』『肥後のれん』『てっぺん』のことで、現在はすべて閉店している。
このうち、肥後のれんは桂花の近所に店舗があったため、30年前は交互に利用していた。
私はどちらも好きだったが、しいていえば、雑居ビルの二階という、ちょい怪しげな立地(確か)で、
お店の雰囲気だけでなく、味付けもややワイルドだった、肥後のれん派だった。
記憶があいまいなので、さっき書いた「ターローメンを初めて食べたのは、90年代初頭」というのは間違いないが、
「初めて食べた角煮入り熊本ラーメン」は、ひょっとしたら、肥後のれんの方かもしれない。
残念ながら写真はないが、肥後のれんの角煮ラーメンは、「ぱーこーめん」という商品名だった。

東京の熊本ラーメンの始祖だった桂花も、いろいろあって一度倒産したが、別会社の支援もあり、現在でも数店舗が都内で営業中。
現在、角煮入りの熊本ラーメンを提供している都内のお店は、私が知る限りでは桂花とひごもんずだけだ。
こちらが、ひごもんずの「角煮ラーメン」。シンプルなネーミングである。価格は現在1030円。

ひごもんずHPより拝借

ターローメンに一番近い商品は、角煮が2個で味玉が半分入る、「特製ラーメン」1120円か。

※同上

茎わかめはないが、その分チャーシューが入るし、ターローメンより30円安くてお得。

ひごもんずは、桂花で長年働いていた長谷川氏が1997年、西荻窪駅至近の好立地で開業。
以前は武蔵小金井や品川などにも支店があったが、現在HPに載っているのは西荻窪店のみ。三鷹にも店舗があるが、無関係なのかな。
キャッチコピーは「コクありアッサリくさみなし」で、桂花よりも食べやすいマイルドな豚骨スープが特徴。
さっき掲載した角煮ラーメンは、角煮3個にキャベツが付くが、昨年、久々に訪問した際は、角煮2個でキャベツなしの「○角ラーメン」920円を注文。


横アングルも撮影。角煮ラーメンより110円安く、キャベツが不要な私にはちょうどいい(←野菜喰えよ)。


やや小ぶりだが、甘じょっばく煮込まれた角煮は、味も歯応えも抜群。白米と食べても絶対にウマいはず。


桂花にはない、ひごもんずさん独自のサービスとして、卓上には生ニンニクとクラッシュする道具がある。
上記の文じゃわかりづらいだろうから、Amazonサイトより画像を拝借。正式名は「ガーリックプレス」らしい。


せっかくなので、ニンニク2個をプレス。マイルドなスープがワイルドに変貌する。


久々の桂花風…イヤ、ひごもんず風角煮ラーメンは美味しかった。次回はつまみで飲んでから麺で締めようと決めて退散。

それから数ヶ月空いてしまい、その間に大半のメニューが数十円値上げ。なので、前回撮ったメニュー画像を撮り直しするハメに。
日にちを空けて、何度か通ってから投稿する、拙ブログではありがちな手間である。
こちらのお店では、メニューは壁に貼ってある。まずは麺類・ご飯もの。この他、お得なランチセットもある。


○角ラーメンは、前回食べたときは870円だった。食べたことはないが、「角煮ご飯」はいいサイドメニューだね。
あと、「細麺(さいめん)」というのはだいぶ前に食べたが、追加の「ゴマ油orオリーブ油or背脂」は知らなかった。「全部入り」はダメなのかな。

こちらはトッピング類。キャベツは60円から40円アップ、角煮も390円→420円になった。1個あたり140円の計算か。


くまモンらしきイラストが描かれた、飲み物&つまみメニュー。


角煮はトッピング420円だが、おつまみだと520円。確か、ネギか何かが加わった記憶があるけど、私は100円安い角煮だけでじゅうぶん。
それより、以前も疑問を呈した「黒豚入り焼売」の価格が、現在は5個290円に対し、3個だと170円。計算すると、3個の方が少しだけお得である。


私はこういう設定が気になるタチ(ケチ?)なので、3個180円への改定をお願いしたい。余計なお世話か。
この日はさっき書いたように、軽く飲ませていただいた。ちょうどハッピーアワーの時間帯だったので、


通常540円の「生ビール」を290円で飲ませていただく。やっぱりオレ、ケチなんだろうな。


おつまみには焼売と、トッピングの「煮玉子」130円を選択。焼売は当然3個の方だ。やっぱりオレ…以下同。
「餃子」340円も頼みたかったのだが、麺類とセットだと170円になるそうなので、あとで麺と一緒に追加することに。やっぱり…以下同。
小ぶりな焼売は、レンジでチンされての登場。煮玉子は、昔から非半熟タイプ。以前は「ルータン」と、台湾風の呼称だった記憶がある。


すぐにビールを飲み終え、やはりサービス価格290円の「レモンハイ」(通常440円)を追加。やっ…以下同。


だいぶ前、上記画像に映っている高菜を手に乗せ、それをつまみに飲んでいた客を見たけど、さすがの私もそこまでケチではない。
焼売などを食べ終えたので、麺類と餃子もオーダー。この日は「○得ラーメン」890円をチョイス。
普通のラーメンに+60円で、チャーシューは1枚減るが、角煮1個と煮玉子半分が加わる。


臭みのないベージュ色スープをすすり、加水率少なめの麺をすすっていると、餃子も到着。


見た目は業務用っぽいけど、変な甘みや油っこさがなく、ちゃんと野菜の風味がする。自家製かな?
今回もニンニクを1個だけクラッシュし、半分はラーメンに、半分は餃子に使用した。


レモンハイを飲み終え餃子を食べ切り、大事に取っておいた角煮にかぶりつく。


うっかり(?)スープも全部飲み干し、「ごちそうさまでした」。
安い商品ばかり追加注文した私に、毎回丁寧に応対しくれた女性店員(美人)さんに感謝し、お店をあとにした。

角煮入りのラーメンを出す店はいくつかあるが、もっとも相性がいいのは、熊本ラーメンだと思う。
たまに無性に食べたくなる、熊本角煮ラーメンを目当てに、ひごもんずさんは今後も利用したいし、
だいぶご無沙汰している、新宿の桂花さんにも行ってみなくてはな。一昨日買ったカップ麺には、角煮は入ってないし…。



熊本ラーメン ひごもんず
東京都杉並区西荻北3-19-13
JR西荻窪駅から徒歩約20秒
営業時間 11時~翌2時 LO1時半 
定休日 なし
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府中で食べる「赤坂ラーメン」 東府中『赤坂屋』

2024年03月20日 | ラーメン、つけ麺など
かつて、『赤坂ラーメン』というお店があった。
名前のとおり赤坂で開業し、全盛期は国内外に支店を展開。マスコミにもたびたび登場する有名店であった。
渋谷にも店舗があり、1990年代半ば、当時渋谷で働いていた私も、何度か食事をしている。
ラーメンは、豚骨ベースの白濁したスープに、歯応えのある中太麺の組み合わせ。
当時の豚骨ラーメンは、九州風の細麺や、ホープ軒やラーショ系などの中細麺が主流で、
豚骨醤油スープの家系も、都内の店舗はまだ少なく、太麺の豚骨ラーメンは希少であった。

私が食べていたのは、普通の「ラーメン」か、たまに「チャーシューメン」を頼む程度。
実は赤坂ラーメンは、奇抜なメニューが多く、制限時間内に食べ切ると賞金が出る、デカ盛りの「ジャンボラーメン」や、
牛タンで作ったチャーシューのラーメン、さらには下記画像のように「スペアリブラーメン」なんて商品も提供していた。

※2002年発行 成美堂出版「首都圏 絶対食べたいラーメン220軒」より

若い頃の私は冒険心がなく、上記のようなラーメンには手を出さずじまいであった。

その後、勤務先が変わったため、赤坂ラーメンに足を運ぶ機会はなくなり、21世紀に入ると、気付けば渋谷店はなくなっていた。
他の支店もなくなっていき、最後に残った赤坂本店も、コロナ禍の影響で2021年に閉店。
それでも、本店で15年間修業した方が独立し、東府中に『らーめん赤坂屋』を開業。
一時代を築いた、赤坂ラーメンが食べられるのは、現在ではおそらくここだけである。

そのうち行こう、と思っていた赤坂屋だったが、隣駅の多磨霊園にある『やすいみ~と』に初訪問した際、
満席で入店できず、東府中のどこかでメシを喰おうと徒歩で移動中、偶然にもお店を発見し、迷わず入店。

店内はカウンター席のみで、男性店主から「いらっしゃいませ」と挨拶される。
壁には、店主が赤坂ラーメンで15年間修業したことを証明する、「免許皆伝書」のようなものが掲示してある。
券売機で食券を購入し、セルフサービスのお水を汲んで着席。
後日、券売機を撮影。基本の「ラーメン」780円は塩豚骨味で、他にも醤油味、味噌味、辛口、つけ麺などいろいろ用意されている。


21世紀では初となる赤坂ラーメンだが、やはりベーシックな塩豚骨味を選択。
数分後、真っ赤な丼に入った、乳白色スープのラーメンが登場。


具材は、チャーシュー、メンマ、ほうれん草、海苔、ネギ。丼の大きさは普通かな。


まずはスープからすすってみる。もう25年以上前のことなので、渋谷店の記憶もだいぶ薄れているが、
臭みがなく脂っこさを感じさせない、上品な豚骨スープは、やや旨味が増したものの、懐かしい赤坂ラーメンの味である。
麺も中太の縮れタイプで、渋谷店より柔らかい気もするが、その分、スープとの絡みがよくなった。


私が食べ始めた頃、常連らしい先客が、「替玉ください」と店主に告げた。
券売機には「替玉」なんて見当たらないが、可能ならば、私ももう少し麺を食べたい。
先客が食べ終わり退店したのち、替玉があるのか店主に質問してみたところ、
「大盛にすると、麺が半玉分増えるのですが、さきほどのお客さんは、あとから麺を追加したいとおっしゃったので…」と説明してくれた。
最初から大盛にすると、途中で麺のコシが失われ、冷めやすくなるが、替玉ならばその心配もない。
無論、お店にとっては手間が増えるだけなので、あくまでピークタイム外限定の特別サービスなのだろう。
申しわけないが、私も「大盛」の食券150円を追加購入し、替玉をお願いした。


半玉とはいえ、中太麺ゆえ食べ応えがあり、食後はけっこう満腹になった。スープも飲み干したし。


この20年間で、スープ、麺、具材、ついでに値段も大幅な進化を遂げたラーメン業界において、
赤坂屋さんのラーメンは、「ひと昔前の味」扱いになってしまうのかもしれないが、
私自身も、もはや「ひと昔前の人間」なので、このテイストが舌になじむ。

食後は店主に、「20年以上前に渋谷店で食べて以来の赤坂ラーメンでしたが、相変わらず美味しかったです」と感想を述べた。
店主自身も、渋谷店で勤務したことがあったようで「懐かしいですね」と振り返ったのち、
「赤坂本店も閉店してしまいましたが、自分はまだまだ頑張りますよ」と語ってくれた。
ラーメンの味だけでなく、店主の穏やかな人柄も気に入った私は、数日後に早々と再訪。

2度目に注文したのは、券売機に(醤油)と記載してある「赤坂小町」830円。
基本のスープに醤油ダレを加えたと思われる、茶褐色のラーメンであった。


食べログでは「家系みたい」「マイルドな家系」なんて感想も散見されるが、もちろん、母体の赤坂ラーメンは無関係なので、
「家系じゃねーよバカ野郎…」などと、パソコン画面に向かって毒づいたものだが、
こうしてニンニクと豆板醤を乗せてメンマを隠せば、家系ラーメンに見えなくもない。


スープは、家系ほどしょっぱくなく、醤油由来の風味を感じたのち、ほのかな旨味が残る。
個人的には、家系ではなく、『天下一品』のこってりスープの後味に近い、妙な旨味(←ホメ言葉)を感じた。
初めて食べたが、赤坂小町ラーメンはなかなかイケる! ベーシックな塩豚骨味しか知らなかった、過去の自分が悔しい。
この日は、待ち客が出るほどの盛況ぶりゆえ、店主とは会話する間もなく、食後はとっとと退店した。

3度目の訪問は、市内の某店で食事した帰りに、締めを食べるため訪問。
以前も書いたが、府中市は魅力的な個人経営の飲食店が多数存在し、実にうらやましい。
塩と醤油を頼んだので、今回は「味噌ラーメン」880円+「味付玉子」120円をオーダー。
券売機の上に、見本の写真があり、味噌ラーメンにはモヤシとキムチが乗る模様。
厨房にいる店主の作業を眺めていると、モヤシをひと袋丸ごと茹で始めたため、次の客のための茹で置きかな、と思っていたら、
モヤシはすべて、私の味噌ラーメンに入れているではないか(苦笑)。写真見本より多いぞ。


横アングルがこちら。最近はご無沙汰している、『ラーメン二郎』のような盛り具合である。


とりあえず、モヤシを沈める「天地返し」をしたのち、スープと麺をすすっていく。
味噌スープもやはり、尖っていないまろやかな味わい。モヤシはともかく、少量のキムチがいい働きをしている。
味玉は、黄身が溶け出すソフトな仕上がり。さっきの赤坂小町に半個分入っていた、固ゆでの「ゆで玉子」は70円だ。


途中で、卓上のニンニク、豆板醤、七味を追加し、一部モヤシとスープを除き、すべてたいらげた。
ここまで触れていなかったが、赤坂屋さんは、チャーシューもなかなか美味しい。
実際、ファンも多いようで、「トッピングチャーシュー1枚」110円や、各種チャーシューメンは、毎回「売り切れ」状態。
店主曰く、「夜営業開始直後(17時)ならあるかも」とのことなので、4度目は、チャーシュー狙いで17時台に訪問。

券売機からチャーシューメニューが消えていないのを確認し、「おつまみチャーシュー」550円と、
「ビール中瓶」650円、さらに大好物の「ギョーザ5個」550円の食券を購入。
まずはキリン一番搾り、そしておつまみチャーシューが登場。


チャーシューはレンジで加熱したのちタレを少量垂らし、ネギとキムチを添えて提供される。


ビールがすぐに空いてしまったので、「ウーロンハイ」450円にチェンジ。ちょうど餃子も焼き上がった。


餃子は、一般的なものよりやや大きめで、中身は野菜多めでジューシー。


店主曰く、「修行先の餃子とは異なります」とのことだが、なかなか美味しい餃子だったので、ウーハイお替わり。


まだ早い時間帯でお客さんも少なかったので、往時の赤坂ラーメンについて、店主と語らせていただいた。
私がもっとも気になっていたのが、【赤坂ラーメンと木村健悟の関係】である。
木村健悟とは、昭和のプロレスファンなら誰でも知っているが、同世代の藤波辰爾、長州力らと比較すると、人気や実績では見劣り、
歌唱力はあるが、プロレスの実力は怪しく(?)、マニアの評価が分かれる中堅レスラーである。

※アマゾンのサイトから拝借した、木村のCD

赤坂ラーメン渋谷店の壁には、なぜか彼の写真が貼ってあり、その下には、
「プロレスラーの木村健悟です。僕は赤坂ラーメンを食べて一発で気に入り、このお店の応援団長になることを決意しました」
のような内容のメッセージも添えてあった。店内に提示しているということは、非公式ではなくお店公認なのだろう。
ただ、彼が応援しているからといって、赤坂ラーメンの評価が上がるとは思えず、ケンゴに会うため来店するファン…は少なそう(苦笑)。
私自身は、3度目くらいの訪問時に、先客としてカウンター席にいた、彼の隣席に座ったことがあった。
驚いたことに、ケンゴは客としてラーメンをすすっているかと思いきや、「今日はスープがイマイチだな」とつぶやくと、
店員さんに向かって「もっと豚骨の分量を増やせ」などと、エラそうに命令しているではないか。
応援団長といいつつ、まるで店舗管理者のような振る舞いに、「ケンゴのくせに…」(失礼)と、不愉快になったものである。

上記事件(?)について、「あれは越権行為ですよね?」と店主に不満をぶちまけたところ、
「木村さんは奥さんともども、(赤坂ラーメンの)社長と親交があったようで、渋谷以外の店舗にもよくご来店してまして、
ひょっとしたら、(店員に指示する)権限があったのかもしれません」とおっしゃるが、そんな権限、社長が与えるかなあ?
温厚な店主は、ケンゴの批判は一切せず、「やはりレスラーですから、スゴイ身体をしてましたよ」と称える。
その意見については、彼を間近で見た私も、「確かに、腕も太く立派な体格でしたね」と同意した。
最近は小柄な選手も多いけど、プロレスラーはやはり、常人離れした外観であってほしいよ。
木村健悟については、拙ブログの小好評企画「私的プロレススーパースター列伝」で、改めて語ってみたい。

お客さんも増えてきたので、会話をやめて締めの食事に。この日の注文は、初めて食べる「黒麻ラーメン」830円。


基本のラーメンに自家製「黒麻ダレ」がかかっており、おつまみチャーシューの残りを追加し、さっそく食べ始める。


自家製ダレは、黒ゴマベースらしく、独特の甘味と香ばしさが口内に広がる。マー油と違い、ニンニク臭や苦みはない。


かき混ぜると、純白のスープが漆黒に染まり、木村健悟の黒タイツを思い出させた(ウソ)。


飲んで食って、お腹パンパンになり「ごちそうさまでした」。次回は未食の「つけ麺」を食べよう。

赤坂屋さんには当初、かつて食べたラーメンを懐かしむつもりで訪問したのだが、
「赤坂小町」など個人的に未知のテイストや、真摯な店主にも魅了され、回顧どころか、現在進行形のファンになってしまった。
ケンゴのように応援団長を名乗る気はないが、応援していきたいと思わせるお店である。



らーめん赤坂屋
東京都府中市若松町1-37-26
京王線東府中駅から徒歩約4分、JRなら府中本町駅から推定約25分
営業時間 11時~15時、17時~21時
定休日 水曜、年末年始
※スープ切れによる早じまいあり
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濃厚スープで野菜を摂取 荻窪『濃菜麺 井の庄』

2023年10月22日 | ラーメン、つけ麺など
私が生涯で一番通ったラーメン店は、このときに語ったように『井の庄』立川店で、通算入店数は171回。
ただし、今から2年ほど前、私の大嫌いな某店の店主が、井の庄が入っている施設【たま館】の館長を兼任していたことが判明。
そうとも知らずに10年以上も通い、たま館にお金を落とし続けてきた己を猛省し、
その後は井の庄だけでなく、同じ施設内の『立川マシマシ』も、自主出禁している。 ※最近、館長が変わったとの噂もアリ

井の庄に恨みはないので、練馬区石神井にある本店に食べに行けばいいのだが、我が街・立川からはちょっと遠い。
もっとも近い系列店は、荻窪にある『濃菜麺 井の庄』なのだが、こちらには、大好きな豚骨魚介風味のつけめんがなく、
屋号に「菜」が入っているのも、野菜嫌いの私には抵抗があり、なかなか行く気にならなかった。
ただ、井の庄立川店も過去には、期間限定で「濃厚野菜ラーメン」のような商品を出しており、
それがなかなかウマかったので、味自体は満足できるだろうとは考えていた。

そして昨年の秋頃、荻窪で飲んだ帰り、久々に締めラーメンが食べたくなり、濃菜麺井の庄を思い出した。

※上記き画像はHPより拝借

壁は白く入口にもノレンなどはなく、外観だけを見たら、ラーメン屋ではなく喫茶店のよう。
ちなみに私は、ずっと「のうさいめん」と呼んでいたが(恥)、入口看板の表記のとおり、「こいさいめん」が正しい。
後日撮影した、グランドメニューがこちら。毎度毎度ヘタな写真でスマン。


店内はカウンター席のみで、店員さんたちがテキパキと働いている。
主要メニューは「濃菜麺」930円、「濃菜つけ麺」970円、「濃菜まぜそば」900円の3種で、辛口や肉増しが加わる。
初訪問時は、濃菜つけ麺をオーダー。数分後には、熱々のスープと麺のセットが登場。


麺の上に乗せられている肉は、荻窪店独自の低温調理チャーシューで、豚と鶏で計3枚。


つけスープの方は、提供前にじっくり再加熱したのか、あぶくが多数浮いていてる。


見ただけで濃厚なのがわかる動物系のスープに、モヤシ、キャベツ、ニンジン、ニラなどが入っている。
ただし、二郎のような野菜(ほぼモヤシだが)山盛りではないので、この量なら許容範囲だ。
太麺をどっぷりと浸し、肉や野菜と一緒に、ズルズルとすすった。


スープは結構な粘度としょっぱさがあり、野菜で薄まることもなく、麺との絡みも抜群。
感想はもちろん、「ウマい!」である。さすがは井の庄グループだ。
屋号どおり、濃厚で野菜も摂れる、素晴らしいつけ麺だったので、
数ヶ月後に2度目の訪問。このときはシラフだったかな。

前回がつけ麺だったので、今度はラーメンの濃菜麺をオーダー。
提供された丼には、初回と同じく低温チャーシュー計3枚が、全体を覆うように乗っていた。


こちらが横アングル。丼のサイズは、最近では大きい部類に入るのかな。


あと、商品名に入っている野菜も、ちゃんと乗っていることを証明するため、別アングルも掲載。


さっきは触れなかったが、麺は軽く縮れた、歯応えのある太麺。


前回もやったが、レアチャーシューが苦手な私は、スープに浸しミディアムに。せっかくの低温調理なのに申しわけないね。


店内壁には、下記のお知らせが貼ってあったので、


店員さんに願いして一味と胡椒をいただき、味を変えてみた。辛味が加わり、さらに食欲が増したため、


ここから一気に食べ終えた。つけ麺のスープは残したが、濃菜麺のスープは、全部飲み干してしまった。

濃菜麺 井の庄というお店は練馬にもあるのだが、荻窪店限定なのが低温チャーシューと、汁なしタイプの濃菜まぜそばである。
先日、3度目の訪問を果たしたので、そのまぜそばを注文してみた。
なお、最初が酩酊、2度目はシラフだった私だが、3度目は泥酔気味であったので調子に乗ってしまい、
サイドメニューの「肉ごはん」480円に、トッピングの「ニンニク」20円も追加してしまった。
肉ごはんは、レモンソルトやホット&スパイシーなどの味もあるが、私は基本のエッグ&ソイソースを選択。

まずは、その肉ごはんが登場。少し火が通った例のチャーシュー群に卵黄を乗せ、醤油ダレで味付けしている。


お肉の下には、刻みネギも少々。とろける黄身ちゃんに魅了されつつ、肉と米を絡めてパクつく。


ボリューミーで味もよく、480円でも全然高くないと思わせるクオリティだ。
しばらくすると、濃菜まぜそばと、ニンニクの小皿が登場。


さっき汁なしと記したが、そこそこタレが入っている。さっそくニンニクを全部投入し、


具材の下に潜んでいる麺を掘り出し、「まぜそば」らしく、タレが均等に絡むよう全体を混ぜる。


具材はチャーシュー、モヤシ、キャベツの他、青ネギ、岩海苔、卵黄、背脂など。
HPの画像を見たら、ニンニクチップもあったようだけど、おろしニンニクのせいで記憶なし。
いざ食べ始めてみると、ツユだくのタレが、濃厚スープをさらに凝縮したようで、実にウマしょっばい
ニンニクもがっつり溶け込み、ジャンク極まりないテイストだが、私の口にはマッチするためハシが止まらず。
まぜそばのタレは、さっきの肉ごはんにも注ぐ。食欲旺盛な頃なら、さらに「ごはん」150円を追加していたね。


無我夢中で食べまくり、肉ごはんと麺・具材は食べ切ったが、丼のタレは残した模様。


酔っていたため、上記画像を撮った記憶がない。「ツユを残した自分がエライ!」と思ったのだろうか。
主要メニュー3種はどれも美味しかったが、最後までスープが温かい、濃菜麺が一番気に入った。

最後に、濃菜麺 井の庄荻窪店を、より楽しむためのメニュー3種も補足解説。
①肉増し 例の低温調理肉を、+450円で増やせる。しかも、毎月29日=ニクの日はさらにお得。
説明し忘れたけど、お肉は豚も鶏も柔らかく、しっとりとした歯触りだ。
②野菜増し 野菜大盛は+170円、さらに野菜の小鉢も+120~150円で販売。
小鉢は「ジロベジ」「カラベジ」「トマベジ」「バジベジ」の4種。ジロベジはいわゆるラーメン二郎系の野菜で、
茹でたモヤシやキャベツに、背脂やニンニクを乗せたもの。他の3種も、ネーミングでなんとなくわかるでしょ。
③辛さ増し 井の庄本店の人気商品「辛辛魚らーめん」と同系列のメニュー。
「辛辛濃菜麺」は+70円、つけ麺とまぜそばの辛辛バージョンは+80円だ。
私はかつて、井の庄立川店で「辛辛魚つけめん」を、店員さんの「辛さ控えめもできますよ」の忠告に従い、
そのとおりに注文したところ、全然控えめでない辛さに悶絶させられたので、こちらの辛口も警戒している。
「より楽しむためのメニュー3種」と言いつつ、写真が一切ない理由は、もうおわかりだろうが、
辛口はもちろん、低温肉も野菜もすべて苦手なので、追加したことがないからである(笑)。
ただし、ここの野菜は濃厚スープを吸ってウマくなっているため、追加したこともないが、不要だと思ったこともない。
むしろ、毎回野菜が摂取できたため、普段野菜不足の私には、実にありがたかった。
野菜入りのヘルシーかつオイシーラーメンを食べられて、本当にウレシー(←書いてる本人も気持ち悪い)。

最初の方で書いたが、私はまだ、井の庄本店で食べたたことがないので、近いうちに行こうと思っている。
あと、大泉学園には、系列の豚骨ラーメン店があるそうなので、そっちも気になるな。



濃菜麺 井の庄 荻窪店
東京都杉並区上荻1-18-3
JR及び地下鉄荻窪駅西口から徒歩約2分
営業時間 10時~23時
定休日 年末年始
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神出鬼没の完全個室ラーメン 立川『虜(TORIKO)』

2023年09月29日 | ラーメン、つけ麺など
先日、酩酊して立川に戻ってきたとき、たまたま南口をさまよっていたら、下記の看板を発見。


B1Fと表記があるように、地下にあるラーメン屋のようだが、いつの間に開業したのだろうか。
そういえば、立川を紹介するサイトで、「普段はウニ屋だが、たまにラーメン屋をやる店」の記事を見た記憶があった。
あとで調べたら、この場所は会員制雲丹料理専門店『丈寿(JYOUJYU)』という店舗のはずだが、
私の訪問時はどうやら、「たまにラーメン屋をやる」時間帯だった模様。
既出したように、この日は珍しく、泥酔ではなく酩酊状態だったので、ちょっと入ってみることに。
ただ、普段は会員制のお店だけあって、下りの階段の雰囲気がいかにも高級そう…というかボラレそう(苦笑)。


階段を下り、意を決して入店しようとしたら、突然入口ドアが開き「いらっしゃいませ」と声をかけられビックリ。
なので、下記の入口ドア画像は、退店時に撮影したものである。


私の来店を、店内のモニターか何かで見張られていたのだろうか。なんだかおっかないな。
ドアの向こう側には温厚そうな男性店員がいて、「おひとり様ですね、どうぞ」と招き入れてくれる。
店内は薄明りで、ラーメン店というか、やはり部外者お断りの会員制店舗という印象。
この応対や雰囲気、以前にも経験があるな……そうだ、新宿歌舞伎町のポーカー屋だ(詳細は割愛)。
そういえば、昔ここは雀荘だった記憶がある。料理屋とは偽りで、実は非合法カジノでは!?
などと妄想が膨らみ、怖くなってきたけど、とりあえず「ご案内します」という店員さんのあとをついていく。
下記画像は後日撮ったものだが、砂利敷きの通路が、場違いな店に来たようで、これまたおっかない。


「私はラーメンを食べたいだけなのに…」と半ベソかきながら、暗い店内を進んでいくと、
とあるドアの前で立ち止まり、「こちらへどうぞ」と、5人ほど入れる個室に案内してくれた。


念のため、店員さんに「こちらは、今の時間帯はラーメン屋さんなんですよね?」と確認すると、
「ハイそうです」と返答し、ドアを閉め去っていく。半信半疑のまま着席し、置いてあるメニューを確認。


独自のネーミングが付けられているが、要するに味噌、辛味噌、鶏出汁、油そばの4種のようだ。
ここでようやく、ラーメン提供時の屋号が『虜(TORIKO)』だと知る。
心配していた価格も、上の看板と同じオール950円。外の表示と店内では、値段が違う店もあるからね。
あと、ラーメンだけでなく、ドリンクメニューもあるようだ。


しばらくすると、さっきの店員が戻ってきて、お水とおしぼりを提供しながら注文をたずねられる。


飲んだあとなのでアルコール類は頼まず、麺類4種のうちから鶏出汁の「食べて恋して」を選択。
店員さんが出ていき、広い個室内で再びひとりになった。
寝っ転がろうと思ったが、ここもやはり、モニターで見張られているかもしれないので(?)自重。
テーブルには、メニューの他、お店インスタグラムなどへの案内や、


各種調味料が設置してある。ラーメン同様、これまたネーミングが独特である。


数分後、ドアがノックされ、さっきの店員さんと鶏出汁ラーメンが登場。


横アングルはこちら。麺量は140グラムくらいかな?


まずはスープをひと口。立川市内の鶏出汁ラーメン店『チキント』『おや麺』と比較すると、
鶏のこってり加減は控えめだが、むしろ醤油の旨味が強い、しょっぱウマいスープだ。
麺はさほど個性を感じないが、スープに浮いた鶏の油ともよく絡む。個室なので、堂々とリフトができるのも嬉しい。


具材は、数枚を巻きつけて花弁に見立てた低温チャーシュー、味玉、メンマ、シメジ、ネギ、生姜、三つ葉。
シメジは、写真を見て今気付いたのだが(恥)、味玉は大きめかつ半熟で、美味しかったよ。


ネギの切り方や、生姜や三つ葉を添えるところなどに、普段は和食店であることがうかがえる。
途中でナナミちゃん(七味)を加え、スープ以外はほぼたいらげ、個室を出る。


入口付近で「お会計お願いしまーす」と声をかけると、さっきの店員さんが厨房と思われる場所から出てきた。
追加料金などを請求されることなく、お会計は950円のままであった。
鶏出汁スープの味自体も悪くなかったし、今どきのラーメンは、味玉入りで950円は珍しくない。
しかも、広々とした個室で味わえるのだから、この値段はむしろ安いと思える。
「ボラレそう」「非合法カジノでは」などと失礼なことを書いてしまったが、そんなことはなく、
味、サービス、居心地などすべてが満足できる、立川屈指のラーメン店に思えた。

支払い後、お店についていろいろ質問してみたので、その回答を以下にまとめる。
〇ラーメン店の営業は、基本は金、土の夜0時から5時まで
〇普段はウニ料理専門店だが、予約がないときに急遽ラーメンを提供することもある
〇臨時に営業する場合は、お店のラインやインスタグラムで発信している

私が訪問したのは月曜の22時台だったので、運よく開いていたのだ。

帰宅後、お店のインスタグラムを見たけれど、臨時営業の情報はどこで発信しているのか、わからなかった。
ラインはやっていないので、私の場合は、いつ営業するのか不明のまま。
なので、その後も何度かお店まで行ってみたが、残念ながら虜の看板が出ておらず。


初訪問から約1ヶ月たった先日、ダメ元でお店に向かってみたら、看板が出ている!
喜び勇んで階段を下りたが、この日はドアは閉じたままだったので、自ら開けて入店。
前回とは別の女性店員が出てきて、例のごとく5人用の個室に案内される。


この日のラーメンは、味噌味の「うちのみっちゃん」950円を選択。


横アングルにすると、中央の白髪ネギの盛り具合がよくわかる。和食の職人が刻んだのかな?


スープは、期待どおりの濃厚さだが、真っ先に感じたのが、白味噌由来の甘口。
これまでの人生で食べてきた、味噌ラーメンではもっとも甘いかもしれないが、
前回ブログで告白したように、私は甘党なので、甘いスープも甘い罠も、拒むどころかむしろ歓迎。
卓上のナナミちゃんやペッパーくんを入れると、甘さが少し和らいだ気がした。
麺は北海道ラーメンでよく使用される、プリッとした歯触りが特徴の黄色い縮れ麺。


もう少し柔らかい方が好みなので、しばらくスープに浸してみた。
具材は極厚のバラチャーシュー、味玉、青菜、ネギ、糸唐辛子、あと炒めモヤシも少々。
何度でも書くけど、チャーシューは低温レアよりも、醤油で炊くタイプの方が絶対ウマいよ。


他の店で飲み食いしたあとなのに、スープまで全部飲み干してしまった。
私はここの甘口スープが気に入ったが、苦手な方には辛味噌ラーメンを推奨する。

会計は、前回と同じ男性店員が担当してくれたのだが、
「この場所での営業は今月一杯で終了し、ラーメン虜は来月から、別の場所で新規オープン」することを教えてくれた。
私が訪問したのは26日だったが、今月一杯ということは、残りわずかではないか!
実店舗ならば営業時間が固定され、空振りの心配もなく訪問機会は多くなるはずだが、
私は、広々とした個室内で、やや後ろめたい気持ちを抱きながら啜るラーメンが好きだったので、
現在の個室店舗で食べられなくなるのは、ちょっと残念である。
個室を希望するなら、雲丹料理専門店『丈寿』に来ればいいのだが、私はウニが食べられないので…。



きまぐれラーメン虜(TORIKO)
東京都立川市錦町1-3-16 B1F
JR立川駅から徒歩約3分
営業時間 金、土の夜(つまり土、日の朝)0時~5時、4時半ラストオーダー
定休日 上記以外の曜日、ただし臨時営業あり

※文末で記したように、10月から別の場所で新規オープン
住所は東京都立川市錦町1丁目6-15です


※※10月3日追記 新店舗でのオープンは10月10日だそうです
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雄弁かつ多才な愛弟子 矢部『梅吉』(後編)

2023年09月27日 | ラーメン、つけ麺など
JR横浜線の矢部駅と淵野辺駅の間、住所だと相模原市中央区鹿沼台1-1-1という1並びの場所に、
かつては『肥後っ子 大石家』という、商売っ気のないユニークな店主が営むラーメン店があった。
その後、大石家は惜しまれつつ閉店したが、同じ場所で愛弟子が、『梅吉』というお店を開業。


師匠譲りの豚骨スープと麺、そして店主のマジメさと雄弁さに、私はすぐ梅吉さんのファンになった…
までを前編で語ったので、後編の今回は、梅吉さんが提供しているラーメンについて紹介していく。
前編執筆後、梅吉さんを改めて取材。実際は、いつものようにお店で食事とラーメン談義を楽しんだだけだが(笑)。
なお、前編で掲載したメニュー表画像は、レンズの汚れで右端が霞んでいたため、改めて撮影したのを再掲載。
表側が、現在販売しているラーメン類で、


裏がトッピングやサイドメニューだ。

※上記2枚、前編も差し替え済み

ついでに、麺類4種の写真見本もある、お店入口のメニューも掲載。


撮影したのは昨年で、現在の価格はすべて+50円。前回、唯一紹介した「梅吉らーめん」は、
※ニンニク食べても大丈夫ならオススメ※などのコピーと一緒に、「豚の頭骨から丁寧に炊き上げた豚骨スープに3種のニンニク等を使った特製タレを合わせ、他では味わえない一杯に仕上げました!」という説明文も。
梅吉らーめんは、別の日には「チーズ」100円を追加し、2枚にしたこともある。


マー油などによる独特の苦みを、ダブルチーズの濃厚な風味が包み込み、臭みのない豚骨スープの旨味が増幅。
ただし、麺やキクラゲと絡んで食べづらくなる、という欠点もあるので(苦笑)、チーズは1枚でもじゅうぶんだ。


ところで、私が食べた梅吉らーめんは真っ黒だが、他人のブログなどを見ると、最近はキャラメルっぽい色をしている。
前回書いたように、梅吉店主は研究熱心なので、作るラーメンも日々、変化&進化していると思われる。

こちらは、※ニンニク不使用、柚子胡椒入り※の「らーめん」。


見た目は梅吉らーめんと同じなのだが、画像に「らーめん」とメモをした、自分を信じたい。
柚子胡椒は控えめで、感じるのはやはり、豚骨スープの旨味とチーズのまろやかさである。
後日、ぜいたくにも「チャーシュー」400円を追加し、計6枚のチャーシューらーめんにしてみた。


横アングルはこちら。丼サイズは普通だが、麺の量は160グラムと、一般的なラーメンより多め。


大石家のチャーシューは、柔らかく薄切りだったが、梅吉さんのは分厚く締まった肉質で歯応えがよく、
さらに提供直前にフライパンで炙るため、濃厚スープに負けない香ばしい仕上がりに。
この日はライス=「松源の白御飯」200円も追加し、


いつものようにチャーシュー丼を作ってみた。


あとで調べたが、この松源の白御飯とは、滋賀県甲賀市で作られている上質品らしい。
ライスにも気を配る、梅吉店主の誠実さがうかがえるが、そんな良質なお米を、そのまま味わうことなく、
すぐにチャーシューを乗せてスープをぶっかけた、私を許してほしい(反省)。

基本の【らーめん三銃士】(←勝手に命名)のうち、個人的に苦手な黒マー油が主体の「黒らーめん」は未食だったが、
先日の訪問で、今回の後編に掲載すべく、初オーダーしてみた。


見た目は他のラーメンと似ているが、先述した店頭メニューでは、※当店で最も好みの分かれる味※という見出しのあと、
「真っ黒なマー油をソースのように使い(中略)“甘味”と“苦味”と“酸味”を感じる一杯です」と解説。
相当クセのある味なのかと、恐る恐るスープを啜ってみると、最初に感じたのが甘味で、苦味や酸味はそうでもない。
九州では甘い醬油が一般的だが、その醬油をタレに使用しているようで、なかなか面白い味だ。
以前も書いたように甘党で、甘い醤油も甘い誘惑(←最近は縁なし)も大好きな私は、この商品は意外と気に入った。

だが、関東人の中には、甘い醤油が苦手な方もいるので、黒らーめんも賛否両論があったようだ。
好き嫌いは仕方ないが、ごくたまに「なんだこの味は!?」などと怒ったり、屈辱的な暴言を吐くバカもいたらしい。
未知の味や文化に戸惑う感情はわかるが、まずは「こういう味もあるんだな」と受け入れるべきで、
固定観念から抜け出せず、「甘口のラーメンはおかしい」と決めつけ怒鳴り散らすようなバカは、
どうせクレイマーか食べロガーなどのクズだろう(あ、これも決めつけだ)と、私がいつものように罵ったところ、
店主は私の罵倒には付き合わず、淡々と、納得してもらえない状況に困惑した、と振り返っていた。
梅吉店主も、先代の大石店主と同様、かなり話し好きのようだが、汚い言葉は一切使用しない(←お前も見習え)。
人柄の良さが口調からにじみ出ており、なおさら無礼な客に対して腹が立ったね。

メニュー右側の3種は、近年は固定されているが、一番左側は何度か入れ代わっている。
現在の「文化条らーめん」700円は、数年前に閉店した、熊本の『味乃文化城』という人気店の味を再現したそう。
お店から、レシピと使用していた丼を受け継いだそうで、このラーメンだけ、丼に模様がある。

このときに載せた画像を再掲

上記画像にはチーズが入っているが、他のラーメンより200円安い分、通常はチーズ抜きである。
濃すぎずしょっぱすぎず、ベーシックな熊本ラーメンで万人受けしそうなテイストだ。
梅吉店主は、九州各地のラーメンを食べ歩いており、味乃文化城店主とも、そのとき知り合ったのだろう。
大石家と同様、「この人に味を受け継いでもらいたい」と思わせるのが、梅吉店主の人柄だ。

文化条らーめんの前は、チーズ抜き、チャーシュー1枚、スープ少なめの「はじめての熊本らーめん」を500円で提供。


当時、前記のラーメン3種が800円だったので、500円はかなりのサービス価格だが、
具やスープが減っただけで、味自体はいつもと変わらず美味しかった。
さらにその以前は、黒らーめんとは対照的な商品「白らーめん」もあった。


価格は、他の三銃士と同様800円で、マー油不使用のため、お店自慢の豚骨スープがもっともダイレクトに味わえる。
個人的には、私が一番気に入ったのがこのラーメンであり、「替え玉・1玉160g」200円も頼んでしまった。

※替え玉は当時150円

麺を2玉食べるのならば、「大盛」+100の方がお得なようだが、替玉にはチャーシューが付く。店主の優しさだな。


あ、そういえば、最新の訪問で、店内の食品衛生責任者(?)の札で、店主の名前を確認してきた。
名字が梅野さんで、名前が…〇吉さんだった。最近目が悪くなって、〇部分が見えなかった。ゴメン。
くりぃむしちゅーの有田哲平さんの愛称「アリペイ」と同様(?)、梅野〇吉さんで屋号が『梅吉』になったわけだ。

先述したように、現存のラーメンもブラッシュアップが続いており、さらに店主は新作ラーメンの構想も練っている。
以前は、「最近の東京ではあまり見ない、臭ウマなラーメンを、あえて今作ってみたい」と語っていた。
臭みのないスープを出している梅吉さんが、あえて真逆のスープを出すことに興味が沸いたが、
今のところまだ商品化はしていない模様。住宅街だし、近隣からの苦情も避けられないからね。
最近は、「暑い夏場でも食べられる、冷やし担々麺」を考案中とのこと。
ベースの豚骨スープが素晴らしいので、絶対ウマいのができると思う。たとえ冬場でも食べたいものだ。

大石家の味を引き継ぎながらも、少しずつ製法も変えているそうで、特に最近は、
「ラーメンの味は全体的に濃厚になっているので、過去のままでは物足りなく思われる」らしく、
梅吉さんは近年、スープに使用する豚骨の量を以前の倍にしたそうだが、
「豚骨の価格が2.25倍になったので、コストは実質4.5倍」とのこと。うわあ、それは大変だ。
昨今のラーメン店事情の他、以前よりは食べ歩きが減ったそうだが、九州や東京のラーメン店なども教えてくれる。
先日は、都内の某店をオススメしてくれたので、近日中に行ってこようと思う。
梅野店主とは食後、ほぼ必ず会話をさせていただくが、毎回いろいろと勉強になる。
一応、現在ある商品は全種類制覇したとはいえ、梅吉さんには今後も通い続けるしかない。

ところで、卓上メニューで「当店で最も美味しい商品はこちら」と紹介されているのが、
下記の「たまごが美味しい自家製ミニアイス」。北海道の高級玉子を使っているそうだ。


私が食べたときは300円だったが、玉子の高騰かつ品薄で、現在は500円の数量限定商品に。
味の感想は、良質な玉子が引き立てたのか、ミルク成分の濃厚さが印象に残った。
「当店で最も美味しい」は謙遜だろうが、甘さ控えめで舌の上でふわっと溶ける。濃いラーメンのデザートには最適だよ。


お店のブログによると、「当時毎日店を覗いていく小さなお客様の為に作り始めた」とのこと。
ラーメンには関係のない、お子さん向けのアイスでも、手抜きなく高級玉子を使うのが、いかにも梅野さんらしい。

もうひとつ、店主がラーメンに関係なく(?)作成しているのが、自家製のお野菜
当初は、薬味のネギなどを育てていたようだが、最近はナス、冬瓜、レタス、キュウリなどなど、
ラーメンの具材やスープには、使用しないと思われる野菜を作り、知人に配っているようだ。
私も「よかったらもらってください」と仰るので、せっかくなので、レタスとキュウリをひとつずついただいた。


野菜嫌いの私だが、梅野さんが作ったのだから…と食べてみたところ、市販の野菜とは明らかに違う!
野菜ならではの香りや青臭さが鮮烈で、いかにも身体にも良さそう。このレタスとキュウリなら、私も喜んで食べるよ。
ラーメンだけでなく、アイスクリームも野菜も美味しい、梅野店主の多才ぶりに脱帽だ。



らーめん梅吉
神奈川県相模原市中央区鹿沼台1-1-1
JR矢部駅から徒歩約6分、淵野辺駅からは約7分
営業時間 最近は月~金18時~22時、土日祝11時半~14時
定休日 不定休
※定休日や時間についてはお店のブログで確認を
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我が道を貫いた、名匠直伝の味 矢部『梅吉』(前編)

2023年09月19日 | ラーメン、つけ麺など
かつて、JR横浜線の相模原市に、『肥後っ子 大石家』というラーメン店があった。
屋号でわかるように熊本ラーメンのお店だが、新宿『桂花』のような角煮入りラーメン(ターローメン)などはなく、
メニューは「ラーメン」600円に+100円の「大盛」のみと、いたってシンプル。
それだけ聞くと、店主はストイックな頑固職人風なのか、と想像する方もいるだろうが、
店主の大石治さんは、頑固どころかむしろ気さくでユニークな方
どのくらいユニークかといえば、店頭には屋号の看板ではなく、自身の似顔絵を掲示するくらい(笑)。
 ※似顔絵の右下に、小さく屋号が記してある

営業形式も、火水木と週休3日、さらに夏休みと冬休みが1ヶ月ほどあり、飲食物の持ち込みも可能と、かなりフリーダム。
店内はカウンター6席ほど、飲料水はセルフサービスで、紙コップに注ぐ。珍しいことにお会計もセルフで、
所定の場所にお金を入れて、お釣りの小銭を取っていく。ごまかす客がいないか、心配したものである。
さらに、店内壁には多数の貼紙があったが、「私語厳禁!」といった客への注意事項はなく、
「英会話教えます」「○○ラーメンは、不評のため販売中止」など、一風変わったメッセージばかり。
「○○ラーメン」の正式名は覚えていないが、基本のラーメン以外にも、たまに限定メニューを考案していた模様。
英会話の他にも、「当店のラーメンの作り方伝授します」というのもあったが、これは後述する。

そもそも、店主は商売っ気がないようで、回転重視のラーメン店では珍しく、客との会話を楽しむ主義…というか、
常連・非常連を問わず、目の前に座った客へ一方的にマシンガントークを繰り広げる(苦笑)。
言葉遣いはやや乱暴だが、会話の内容はラーメンから世間一般のことまで、バラエティに富んでいて実に面白い。
食事中の私も何度か話し相手になり、お行儀悪く、麺やスープを噴き出したことがある。

会話に夢中になり、客に商品を出すのを忘れ、厨房内に置きっぱなしだったこともあった(笑)大石さんだが、
スープは無添加、麺は自家製で、豚骨、小麦粉、チャーシューの豚肉など、個々の原材料は厳選しており、
営業中はさておき、ラーメンの仕込みについては、いわゆる頑固職人だった。
そんな、店主の真摯なラーメン作りを称えたところ、大石さんは「ナニ言ってんだよ」という表情を浮かべながら、
「そんなのラーメン屋なら当たり前。ラーメン作るくらいでエラそうにしているヤツはダメだよ」と、
当時テレビによく出演し、「ラーメンの鬼」などと担ぎ上げられていた、『支那そばや』の佐野店主のことを小馬鹿にしていた。
地位の向上や、新たな食材の提案などで、ラーメン業界の貢献者とされる佐野氏だが、
彼の振る舞いだけを模倣・曲解し、腕を組んで睨みつけ、客を見下すような勘違い店主が増えたのは残念である。

大石店主は、1998年にアスペクトが発行したムック本「ラーメンマニアックス」で取材に応じており、
「俺、ラーメン屋って嫌いなのよ」と断言。
理由として、秘伝と称し製法を包み隠し、伝統に縛られ発展がないこと、を挙げ、
「板前には技があるけど、ラーメン屋には技やセンスはいらない。板前の包丁さばきは3日じゃできないけど、
俺が教えたとおりにやれば、誰でもウチのスープは作れる」
と語り、実際にスープや麺の仕込み方を公開している。

そんな大石さんが作った、お店の看板メニューであるラーメンがこちら。


先述のムック本に載っていた画像だが、チャーシュー、きくらげ、味玉半個、にんにくチップの他、
紅生姜、ノリ、ネギ、ゴマ、そしてとろけるチーズと、なかなか具材が多い。
チーズとラーメンの相性はよく、私もたまに、「サッポロ一番 塩らーめん」に乗せて食べる。
いずれにしても、無添加スープと自家製麺に豊富な具材、これで600円は安すぎる。
自由な営業方針に安価な値段設定、さらに取材でのコメントや普段の会話などから、
大石店主には、「ラーメンは、自由に気軽に食べるもの」という哲学があったと解釈し、私はそれを全面支持する。

こちらでは何度か食事したが、下記のような、だいぶ前に撮影したガラケー画像が数枚残っているのみ。


その中でもマシなのが、2013年に食べた、ラーメン+100円の「たこ焼きラーメン」700円の画像。


たこ焼きは、市販の冷凍食品だと思われるが、味玉が半分から1個に、チャーシューは2枚から6枚にそれぞれ増え、
さらにパプリカ、コーン、カニカマ、プチトマト(私は抜いてもらった)なども入るのだから、700円は破格だよ。
基本のラーメンも、たこ焼き以外の上記具材がすべて入るが、豚骨スープが負けておらず、美味しく食べられた。
この頃はたこ焼きラーメン以外にも、「ちゃんぽん」や「海鮮ラーメン」などのメニューも加わっていたが、
翌年の2014年に廃業するまで、ラーメンは最後まで、600円の価格を維持していた。

その後、大石店主は熊本に帰郷し、悠々自適な生活を楽しんでいたそうだが、2016年に事故で急逝なさったそうだ。
「病気などで苦しむこともなく、最期まで明るく楽しい、師匠らしい急な旅立ちだったのかもしれません」
と語ってくれたのが、大石さんの愛弟子であり、今回のテーマである『梅吉』の店主。

いつも以上に長い前置きとなったが、大石師匠に触れないままでは梅吉さんは語れないし、
大石家があまりにも個性的なお店だったので、つい文字数を費やしてしまった。どうかカンベンしてほしい。
また、このときに「近日中に紹介」と予告したのに、1年以上たってしまったこともお詫びする。

店内の貼紙で弟子を募集し、書籍で調理法を公開するくらいだから、大石さんは修行希望者も快く受け入れており、
出身者のお店は全国各地や海外にもあるそう。そのうちの1軒で、最後の弟子と思われるのが梅吉さんだ。
お店は、大石家があった場所にそのまま居抜きでオープン。


建物の右側には、大石家時代からあった「The Raumen」の文字が残っている。
梅吉店主(本名は聞いたことがない)は、元々、日本中のラーメンを食べ歩くほどのマニアだったが、
縁があり大石家で修業を積み、レシピや丼なども引き継ぎ、大石店主引退から約1年後の2015年に開業。
九州ラーメンにも精通している梅吉店主によると、こちらのラーメンは佐賀のエッセンスも含まれるらしく、
看板には「佐賀熊本らーめん」の文字が記されているが、新店主の似顔絵を提示する予定はないらしい(笑)。

私の初訪問は2018年。母校日大三で野球部の試合を観戦した帰りに、淵野辺駅から徒歩で向かったのだ。
お店はJR横浜線の淵野辺駅と矢部駅の中間地点にあり、後日歩いて計ってみたところ、
わずかに矢部の方が近かったので、日記タイトルの最寄り駅を「矢部」にしておいた。
大石家と同様、提供商品を絞っており、こちらが最近の麺類メニュー。


右側の3種は、初訪問時からある不動のレギュラーで、一番左のメニューは、度々変わっている。
裏側がトッピングやサイドメニュー。大石家と違い、持ち込みは不可だと思う。


最初の訪問で注文したのは、お店オススメの「梅吉らーめん」で当時800円。
代金は前払いだが、セルフではなく、ちゃんと店主が対応してくれる。
大石さんのように世間話や同業者の悪口(笑)などを語ることなく、梅吉店主は調理に集中し、数分後には完成。


チャーシュー、きくらげ、ノリ、チーズは先代と共通だが、マー油と焦がしネギ&ニンニクが多く、スープが真っ黒だ。
大石家時代も、玉ねぎとニンニクを細かく刻んで揚げたものや、マー油も少々入っていたが、
梅吉さんはどちらもマシマシ。ビターな風味が口内に広がり、ニンニク好きにはたまらないだろう。
豚骨スープは、臭みはないがコクがあり、しつこくないけど満足感が残る、直伝のテイスト。
店内の製麺機で作る麺は、博多風よりやや太めで、ほどよいコシがあり、スープやチーズとの相性も良好。


チャーシューは大石家時代よりも分厚く、味が浸みていて美味しい。
個人的には、スープ本来の味を楽しみたいので、マー油と焦がしネギ&ニンニクが過多に感じたが、
豚骨ラーメンとしては、かなりレベルの高い一杯であった。

食後は店主に、常連というほどは通っていなかったが、大石家さんが好きだったことと、
そんな、好きなお店を継いでくれたことへの感謝などを告げたところ、新店主も応じてくれて、
既出した、師匠が数年前に亡くなっていたことや、師匠への想いや記憶(ラーメン出し忘れなど)、
さらにはラーメンへの深い愛情などを、一気にまくし立てる。まさか、新店主も話し好きだったとは(笑)。
ただし、大石さんは新規客にも一方的に話しかけたり、私の大好きな下ネタや他人の悪口(苦笑)が多かったが、
梅吉店主は普段の口数は少なく、話す内容や口調も丁寧で、聞いてて不快に思うことはないはず。
これまた先述した、私の前では批判していた佐野店主についても、
「師匠も実際は、佐野さんを認めていたはずですよ。本当に嫌いだったら、名前すら出さないでしょう」と解説。
ついでに、こちらは名前は出さないが、町田の某有名店の女性店主について、大石さんは「あのババア」とよく罵っていたが、
それについても「あのふたりは本当は仲がいいんです。女性店主も、何度か大石家に客としてやって来て、
“なんだよババア”“うるせえジジイ”などとやり合ってました(笑)」と教えてくれた。そうだったのか!
さすがは愛弟子。師匠のことはよく知っているし、話してみたところ、九州ラーメンの造詣も深い。

その後も、ラーメンを味わうため、そして店主とのトークを楽しむため、こちらには何度か通っている。
店主は研究熱心で、メニューだけでなく麺、スープ、具材なども、たびたび変えている様子。
なので、同じラーメンでも前回とは違う印象を持つこともあるし、一期一会となった商品もある。
我が道を貫いた迷匠…ではなく、名匠から受け継いだ味を、さらに進化させるべく日々奮闘している、
梅吉店主を、私は結構尊敬している。仕事関係で尊敬している人間は皆無なのに。 ※蔑視しているのは多数
そんな店主が作ったラーメンを、もっと紹介するため…後編につづく



らーめん梅吉
神奈川県相模原市中央区鹿沼台1-1-1 ※大石家も同じ場所でしたが、ゾロ目のいい住所ですね
JR矢部駅から徒歩約6分、淵野辺駅からは約7分
営業時間 月~金18時~22時、土日祝11時半~14時
定休日 不定休
※定休日についてはお店のブログで確認を
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