明るく正しく強いブログ

朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

東京の野球強豪校とは無関係 拝島『三高飯店』

2024年04月09日 | 中華食堂
数週間ほど前、例のごとく酔って記憶をなくし、下りの中央線で寝過ごしてしまった。
豊田や高尾だったら「ああ、またやってもうた」で済むのだが、よりによって青梅行きに乗ってしまったようで、
気付いたのが終点ひとつ前、私にとって未知の駅である東青梅。時刻は0時50分、当然戻る電車はない。


いつものように、タクシーには乗らず、酔った自分に罰を与えるため、徒歩で立川市の自宅に向かう。
途中、逆方向に進んだり、えずいて立ち往生しながらも、ひたすら歩き続けていると、下記の看板を発見。


『中華料理 三高飯店』。深夜に歩き続ける日大三高出身の私を、勇気づけてくれるような看板である。
この屋号のお店は知らなかったし、自分が今、どこを歩いているのかも不明だが、改めて再訪しようと決心。
看板の激励(?)のお陰で、数時間後には帰宅できたが、翌日は下半身全体が筋肉痛になり、歩くのも苦労する状態。
悶絶しながらも、パソコンで「青梅線沿線 三高飯店」で検索したところ、看板のお店は昭島市で、最寄り駅は拝島と判明。
前回紹介した『品香園』が、日大三高野球部御用達のお店であり、今回も三高関連の飲食店かと思いきや、
残念ながら、三高の読みは「みたか」であり、どうやら無関係のようだ。

数日後、足の痛みも治まったので、青梅線に乗り拝島へ。駅自体は何度も通過しているが、下車した記憶はほとんどない。
南口に出て20分ほど歩き、国道16号線らしい大きな道路に出ると、
例の看板が見つかる。明るい時間帯だと、みたかの読み仮名がはっきりわかるね。


こちらがお店の外観。さっそく入ってみることに。


店内は、厨房前のカウンター席と、テーブル席が3つ。先客がふたり、カウンターとテーブルに分かれて座っている。
ふたりの間に会話はないが、瓶ビールを飲んでくつろいでおり、どちらも常連なのは間違いない。
私はカウンター席に座り、とりあえず「ビール(中)」550円と「餃子」400円を注文。
厨房にはベテラン風の男性店主のみ。彼がひとりで営んでいるようだ。

こちらが卓上のメニュー。この他に、日替わり定食やラーメン+半チャーハンセットなどを記したホワイトボードがある。


入口脇の棚には、多数の漫画(表紙がない状態が多い)が乱雑に積んでおり、店内も決して綺麗とはいえないのだが、
客席には調味料と一緒に植物が置かれ、目の前には熱帯魚の水槽が置いてある。


ブルーの色合いが目にやさしく、注文を待っている間、バカみたいに凝視していた。

まずはスーパードライの中瓶と、お通しらしい、小皿に盛られたキムチが登場。


数分後、餃子が焼き上がる。左端のは、やや形が崩れちゃったね。


食べてみると、具材はよく練られて、しっかり味も付いており、醤油は不要。
お酢が合いそうだが、私は苦手なので使わず、コショウとキムチを添えて食べた。


カウンター席の先客Aは、ビールを飲み終わると、メニュー表にないウーロンハイをオーダー。
テーブル席の先客Bには、あんかけの具材が乗った麺料理(広東麺?)が運ばれたが、しばらく手を付けず、お店の漫画雑誌に集中。
地元に根付いたお店らしい、ゆる~い雰囲気の中、店主はひとり黙々と働いている。

私もウーロンハイを注文し、さらに「ワンタン」550円を追加。
しばらくして、ウーハイがやってきた。自家製らしい丸っこい氷が入っている。


使っている焼酎の銘柄は不明だが、クセがなく飲みやすいタイプで、かつて私が愛した「大五郎系」(笑)ではないのは確かだ。
会計から導き出したウーハイの価格は、たぶん1杯400円で、私は2杯飲んだ。
1杯目の途中でワンタンが完成。醤油ラーメンの麺をワンタンにしたバージョンだと思う。


ワンタンは薄皮で、ちゃんと肉が詰まったものが計8個入っており、いいツマミになる。


具材はモヤシ、メンマ、ネギ、海苔、チャーシュー。小さいけれど2枚入っていたチャーシューは、自家製らしく意外と美味しい。


具材を食べ切り、2杯目のウーハイも飲み終えたので、シメのお食事に。
ホワイトボードには「ラーメンセット」があり、①は餃子3個と半ライス、②が半チャーハン、③は半カレーが、麺類に付いてくる。
価格は、醤油と塩(メニューにはない)が850円で、味噌だと900円。味噌だけなぜか、九〇〇円と漢数字表記だった。
私は味噌+②のセットを選択。さっそく店主が調理を始める。
厨房内には、餃子専用の鉄板の他、中華鍋が3つ設置してあり、ひとつはチャーハン専用、
あとのふたつは、チャーハン以外の炒め物に使用し、一番右側が、麺類やワンタンを茹でる専用。


チャーハンの調理と麺茹でを同時に進め、まずは半チャーハンが提供される。


確かに、一般的なチャーハンのハーフサイズで、油多めのしっとりタイプ。
具材は玉子とネギに、細切れチャーシュー。さっき書いたように、チャーシューがウマい!


ふた口ほど食べたところで、鍋でスープを煮込んで仕上げた、「みそラーメン」が完成。単品価格は750円。


メニューにない半チャーハンは、「チャーハン」700円の半額350円だとすると、セット価格の900円はかなりお得である。
横アングルも撮影。炒め野菜がたっぷり盛られている。


満腹になる前に食べ始める。麺は、味噌ラーメンとは好相性な縮れタイプ。


具材は、モヤシ、玉ねぎ、人参、ニラ。ひき肉などは入ってなかったと思う。
味噌スープは結構しょっぱめ。店主から「七味使いますか?」とたずねられたが遠慮しておいた。
昭和の時代によく食べた、チャーハンと味噌ラーメンに満足し、「ごちそうさまでした」。
他の客が帰ったあとだったので、会計後に少し、店主と会話させていただいた。

さっきの「七味使いますか?」の声掛けからもわかるとおり、店主は明らかに年下の私にも敬語を使う、腰の低い温厚な方である。
冒頭で記したように、「東青梅まで乗り過ごし、歩いて帰る途中でこちらの看板を発見した」と告げたところ、
「それは大変でしたねえ」と同情してくれ、「今日はわざわざ来ていただき、ありがとうございます」とお礼まで言われてしまった。

最初の方で掲載した、お店看板に「PM5:00~AM1:30」と記されていたように、こちらは夜間営業のお店なのだが、
遅い時間帯に来る、昭島市の客なんて、ガラの悪い輩も多いはず。 ※あくまで個人の感想です
そんな、荒くれ者相手の商売人ゆえ、店主も気性が激しい方かと想像していたので、いい意味で裏切られた。
「さんこう飯店」と読み間違えたことを告白すると、店主も「そう読む人が多いです」とのこと。だから看板にフリガナを振ったのかな。
「気をつけてお帰りください」という言葉に従い、昭島のチンピラに絡まれないよう、警戒しながら拝島駅に向かった。
さきほどから、昭島市民をかなり侮蔑しているが、私も同じく、民度の低い立川市民なので、許してほしい。

そして昨日、昭島市内の某店に寄り、態度の悪い店員(昭島市民なのかは不明)にウンザリしながら飲み食いしたのち、
気分直しに三高飯店さんを再訪問。結構満腹になっていたので、アルコールはなしで。
注文したのは、初回訪問時に気になっていた「オムカレー」850円。満腹なのにヘビーな選択である。
待っている間は、既述した漫画コーナーから、個人的には最近あまり見かけなかった、「週刊漫画ゴラク」を拝借。


国立『餃子王』のときにも書いたけど、私の印象では、食堂の漫画雑誌といえば、ゴラクとビッグコミックオリジナルが二強だった。
部数はだいぶ落ちているだろうけど、青年(というかおっさん向け)漫画誌の老舗として、まだまだ頑張ってもらいたい。
ゴラクを読んでいるうちに、オムカレーが完成。そこそこ大きめのお皿に、カレーソースがたっぶり注がれている。


薄焼き玉子の中身は、ケチャップライスorカレー風味のピラフかと思いきや、まさかの白米?


イヤ、厨房では確かに、玉子以外の何かを炒めていた。いざ食べてみると、予想外のバターライスであった!
カレー、オムレツ、バターライスと、中華要素が皆無のメニューだが、これはこれで面白い。
ちなみに、バターライスは具ナシで、カレーも具材は玉ねぎのみ。低カロリー(そうか?)でいいね。
店主は、私が前回そこそこ飲み食いしていたのを覚えていてくれて、「足りますか?」と心配してくれた。
「じゅ、じゅうぶん足りてます!」と返答。もちろん、一般的な感覚でも全然少なくない量である。
どこかで食べた、懐かしくもスパイシーなカレーが食欲をそそり、一気に食べ切った。

「今日は他店で飲み食いしてきたので、一品だけですみません」と謝罪しながらお会計。
無論、店主さんは、「イヤイヤ、気にしないでください」と敬語で返答してくれる。
日大三高とは無関係だろうと、私はここ三高飯店を、そして店主を気に入った!
そういえば、屋号の由来を聞いていなかったので、たずねてみたところ、
「私の名前が高○三○で、名前の三と名字の高で、三高飯店にしたんです」と教えてくれた。
プライバシーの問題もあるので、一部伏字にしたが、「なるほど!」と思わせる命名理由だった。

深夜1時半まで営業しているようなので、私も今度、遅い時間に訪問してみようかな。
帰りの青梅線がなくなったら、歩いて帰ればいいし。どうせ立川まで、ほんの80分くらいだろう…。



三高(みたか)飯店
東京都昭島市緑町3-23-11
JR青梅線拝島駅より徒歩約14分、昭島駅からは約21分
営業時間 17時~翌1時半
定休日 水曜
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