こまごました買物がいくつか溜まっていたので、街に出て買物をしようと川越線に乗った。ポカポカ日差しの暖かい昼間で、車内はすいていた。次の駅で薄いピンクで、襟に白い毛皮の付いたコートを着た女の子が乗ってきて私の前の座席に腰掛けた。髪はふんわり大きく結って、大きなピンクの花模様のリボンをつけていた。そのうちにコートを脱いだら下には同じ花模様のワンピース。靴も、大きなバックも同じ花模様。思わず顔を見てしまった。透き通るような白い顔にきれいなお化粧をして、20歳前後ぐらいかな。今度は大きなバックから鏡を取り出して、目の辺りを念入りにお手入れし始めた。見てはいけないものを見るような感じでそっと目をやると目と目が合ってしまった。
私はどちらかというと目立つのが嫌いで、ついつい地味な服装をしてしまう。ここまで歳をとってくるとあまり地味なのも返って年寄り臭くて、たまにはきれいな色物を着てみたいと思っても、そう簡単に好みを変えられるものでもない。あれほど大胆に自分を主張できる若いお嬢さんがうらやましい。
私はどちらかというと目立つのが嫌いで、ついつい地味な服装をしてしまう。ここまで歳をとってくるとあまり地味なのも返って年寄り臭くて、たまにはきれいな色物を着てみたいと思っても、そう簡単に好みを変えられるものでもない。あれほど大胆に自分を主張できる若いお嬢さんがうらやましい。