終戦までは皇居を警護する近衛師団の司令部として使用されましたが、戦後近衛師団は廃止。建物は廃墟同然になり一時は取り壊しになるところでしたが、明治洋風建築の数少ない遺構として昭和47年重文指定を受け保存が決定。改修工事後の昭和52年(1977)東京国立近代美術館工芸館として再出発しました。
建物はネオ・ゴシック様式で、軍の施設ながら近衛師団ということもあり、赤煉瓦に白石を組み合わせた外観は華やかな印象です。美術館転用のための内装と展示設備が設けられましたが、中央階段とホールは竣工時の姿をとどめています。
■建物全景~赤と白のコントラストが北の丸公園の緑に映えます
■ゴシックアーチのエントランス
■換気口のグリルには陸軍の☆マークがあしらわれています
■東京国立近代美術館工芸館(旧近衛師団司令部)/千代田区北の丸公園1-1
竣工:明治43年(1910)
設計:田村鎮(陸軍技師)
施工:不詳
構造:煉瓦造2階
撮影:2017/08/11
※国指定重要文化財