ちゃぶ台は優れもの…

「古い奴ほど新しいものを欲しがるものでございいます…」
そんなセリフが流行った時代があった。
しかし、私は逆に
「古い奴ほど、古いものを欲しがるものでございます…」
と思っている。
その一つが“ちゃぶ台”

ちゃぶ台は、実に優れものだ。
先ず形が丸、丸の効用は実に幅広い。
ちゃぶ台を囲む人々が“輪”になれる。
輪は和に心の輪に通じるから凄い。

そしてちょっと距離を置いて座ると、
ちゃぶ台を中心に何人でも座れる。

次に、輪だから転がしながら楽に移動できる。
四角いテーブルでは出来ない移動方法だ。
たたんでしまうと幅が狭くなり、あまり場所を取らないのもいい。

さて、最もいいのは、ちゃぶ台におかず等の食べ物を置くと、
座った人たちに公平の距離感が合って取りやすい。
子どもが多かった時代、ハシがぶつかったりするが、
ちゃぶ台で育った人間は、譲り合ったり、競争し合ったり、
まぁ～、いろいろなことに遭遇し、
その中から微妙な人間関係を学ぶことが出来た。
ちゃぶ台の効用だ。

ちゃぶ台は、現代社会ではもう絶滅に近い。
だが、ちゃぶ台は実に素晴らしい優れものであった。

あぁ～、ちゃぶ台のあった時代は、実に心和やかだった。

　　　　　　　　　　　　　　　日本ちゃぶ台振興会会長