一瞬の出来事だった。
札幌に向かう電車に乗り座席に座り、車窓を見ながら眠りについた。
それが深い眠りだったのかもしれない。
目が覚めた一瞬、どこを走っているのか分からない。
車掌のアナウンスが流れた。
「まもなく苫小牧です。次の停車駅は沼ノ端…」
そのアナウンスで、さらに頭の中はパニックになる。
「おかしい?。次は自分の次の白老駅で降りるのに…」
「沼ノ端ならどう走っているのだ?」
※ ※ ※
頭脳が崩壊し、時間と空間が分からなくなっている。
車窓の風景を見ても、すぐに分からなかった。
そんな混乱と恐怖が、数秒続いたが、
「はた!。と我に返った」。
あっ! 札幌に向かう途中で、まだ乗ったばかりなのだ…。
崩壊した頭脳は、元に戻った。