うさぎは農作業する時はいつも写真のようないでたちです。ガーデニング雑誌に出てくるようなおしゃれな格好にあこがれますが、それではとてもやっていられません。
コンポストの生ごみ肥料を運べば全身に臭い匂いがつきます。豆の支柱を立てるときは強風で倒れないようにそれを支える杭を「かけや」という大きな木づちで汗だくになって打ちます。まるで土方をしているみたいです。芽が出た野菜の間引きや葉っぱの虫取りは結構時間がかかり、座り込んでやっているうちにお尻も腕も泥まみれになります。
おまけに顔のシミも増える一方です。くまから「農婦の手」と言われている手は、畑仕事をするようになってから、すっかり荒れて指が太くなり結婚指輪も入らなくなりました。
無農薬で野菜を作るのは本当にたいへんです。近くの農家は自家用の野菜でさえ薬をかけています。素人のうさぎが見よう見まねでやるのですからなおさらです。さんざん苦心してやっと収穫できた頃には、直売所にひと袋100円でそれよりずっと大きくてきれいな野菜が山のように積まれていてガックリすることもあります。
なのになんでやるのだろうかとうさぎは自分でもあきれます。毎年、夏になると菜園はもうやめようと思います。体力も落ちてきたし、ほかにやりたいこともたくさんあるからと。でも秋になるとまたせっせと苗や種を買い込んできてしまいます。
そして今日もまた、スコップ片手に畑をはいずりまわっているうさぎなのです。
《 くまーっ!それ花なんだから抜かないでね。
草取りしてくれるのは助かるけどしっかり「現場監督」してないと
何するかわかったもんじゃないわ。 うさぎ 》
《 へいへい。 くま 》
《 ママリンが剪定した木の枝や枯れた草花を焼いた灰を
ふるいでふるって袋に詰めておくのもくまさんの仕事なんだよ。
肥料にするんだって。 正 》
《 結構役に立ってるだろうが。 くま 》
《 へいへい。 うさぎ 》
・・・・・・ 明日につづく ・・・・・
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