shuの花日記

山や近所で見かけたお花をエピソードを添えて掲載しています。お花の説明は主にウィキペディア、花図鑑を参考にしています。

白山テント泊お花見ハイキング その⑥弥陀ヶ原とエコーライン

2022-08-05 05:04:56 | 山行・旅行
その⑤で黒ボコ岩まで登ってきた。標高は2325m、時刻は11時39分になっていた。
時間を気にせずに歩いてきたが、殿ヶ池避難小屋で休んでいた50分を除くと、別当出合からここまでを4時間29分で歩いてきたことになる。コースタイムより9分余計だった。

■1日目(7月23日、雨のち曇りのち晴れ) 1枚目の地図参照。コースタイム5時間50分。
別当出合→別当坂分岐→(観光新道)→殿ヶ池避難小屋→黒ボコ岩→エコーライン分岐(砂防新道合流点)→(エコーライン)→エコーライン分岐→(南竜道)→南竜山荘→南竜ヶ馬場野営場(泊) (赤字部分が今日ご覧いただく範囲。)


黒ボコ岩から宿泊する野営場がある南竜ヶ馬場(南竜)までは、2通りの道がある。一つは砂防新道を下り南竜道分岐を経て南竜へ向かう道。もう一つは、砂防新道を登り、エコーライン分岐(砂防新道合流点)からエコーラインを下り南竜へ向かう道だ。お花が多い後者を選んだ。

黒ボコ岩からエコーライン分岐(砂防新道合流点)までの間は、弥陀ヶ原に敷かれた木道を歩く。この間はほとんどが両側共にササで覆われていて、たいした高山植物が見られないため足速で進むが、今年はミヤマクロユリが咲いていた。また、コバイケイソウも多く見られた。
 

ウラジロナナカマド(バラ科ナナカマド属)は、弥陀ヶ原に多い樹木だ。


ミヤマクロユリ(ユリ科バイモ属)が咲いていたが、木道の上から撮るのは容易でなかった。




コバイケイソウ(シュロソウ科シュロソウ属)は、今年は当たり年なのかもしれない。


五葉坂へ入る手前を右折し、エコーラインへ進んだ。エコーラインも弥陀ヶ原では木道の上を歩く。
ちなみに弥陀ヶ原は現在は乾燥し笹原が広がっているが、かつては湿原でお花畑だったそうだ。私は50年以上前に初めて白山に登ったが、ここがお花畑だった記憶はない。
 

あらためてコバイケイソウの群落を見てみる。




イワイチョウ(ミツガシワ科イワイチョウ属)は、湿原の花だ。


チングルマ(バラ科ダイコンソウ属)は、雪解け後の雪渓の縁や砂礫地に咲いている。


アオノツガザクラ(ツツジ科ツガザクラ属)も、雪解け後の雪渓の縁や砂礫地に咲いている。
アオノツガザクラは、もともとツガザクラが変異したものと聞いたが、白山ではツガザクラはほとんど見られず、アオノツガザクラが隆盛である。




チングルマやミツバノバイカオウレン(後述)と共に、イワカガミ(イワウメ科イワカガミ属)が出てきた。


エコーラインを下っていく。
目の前を鳥が横切って、近くの木に止まった。ウソのようだった。
ややこしいが、嘘ではなくウソ(アトリ科ウソ属)だ。持参のカメラでは到底まともには撮れないが、嘘ではない証拠にトリミングした画像を残しておこう。


再びお花に戻って、ゼンテイカ(ススキノキ科キスゲ亜科ワスレグサ属)に水滴が付いていたので、それを狙って撮ってみた。






ミヤマキンバイ(バラ科キジムシロ属)。


再びアオノツガザクラ。




チングルマの群生。


ハクサンコザクラ(サクラソウ科サクラソウ属)もぽつぽつと咲いていた。


こちらはミツバノバイカオウレン(キンポウゲ科オウレン属)だ。白山にはミツバオウレンよりミツバノバイカオウレンが多い。
別名をコシジオウレン(越路黄蓮)というが、その名は日本海側の多く自生することに由来している。




こちらはタカネニガナ(キク科ニガナ属)のようだ。舌状花は9枚見られた。


斜面にゼンテイカが多く見られた。他にはカラマツソウ(モミジカラマツかもしれない)、ヨツバシオガマ、ヤマブキショウマ、セリ科の花が見られた。


ヨツバシオガマ(ハマウツボ科シオガマギク属)が、道端にたくさん咲いていた。


チングルマの群生。


13時ちょうどに南竜道との合流点に着いた。ここからテント場までは10分ほどだ。


白山テント泊お花見ハイキング その⑦ 南竜ヶ馬場周辺 に続く。

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白山テント泊お花見ハイキング その⑤ 黒ボコ岩まで

2022-08-04 05:24:26 | 山行・旅行
その④で観光新道の馬のたてがみまでをご覧いただいたので、その続きをご覧いただきたい。

■1日目(7月23日、雨のち曇りのち晴れ) 1枚目の地図参照。コースタイム5時間50分。
別当出合→別当坂分岐→(観光新道)→殿ヶ池避難小屋→黒ボコ岩→エコーライン分岐(砂防新道合流点)→(エコーライン)→エコーライン分岐→(南竜道)→南竜山荘→南竜ヶ馬場野営場(泊) (赤字部分が今日ご覧いただく範囲。)


下のYAMAPの地図では、今日ご覧いただく場所の歩跡が出ていないので、上の地図と併せて破線を追っていただけるとありがたい。


手元に2000年版の昭文社、山と高原地図 白山がある。2000年というと22年前で、その頃に白山に登った記憶がない。
何故、この地図を購入したかはミステリーだが、その中に観光新道についての記述があるので、殿ヶ池避難小屋から先について引用したい。

ここから真砂坂、馬のたてがみと急な登りが続くが、白山でも最も美しく、種類の多いお花畑でハクサンシャジンやタカネマツムシソウ、ニッコウキスゲなどが多い。途中に、白山を開いた泰澄大師が千匹の悪蛇を閉じ込めたといわれている蛇塚がある。ここを過ぎればやがて黒ボコ岩で、砂防新道に合している。

さて、ではお花を観ながらゆっくり歩いて行こう。
馬のたてがみの標柱からすぐのところにイワオウギ(マメ科イワオウギ属)が咲いていた。


続いてここでもテガタチドリ(ラン科テガタチドリ属)が見られた。


馬のたてがみで毎年見ているタカネマツムシソウ(マツムシソウ科マツムシソウ属)だ。白山ではここと加賀禅定道で見ている。


長い花柄の先端に1個の頭花をつける。頭花は径5cmで基本種(マツムシソウ)より大きく、碧紫色であるが、ときに淡紅色や白色のものもある。
総苞片は線形で2列。頭花の縁側の小花は大型で5裂し、外側に長く伸び、中心部分の小花は小型で筒状になり、同様に5裂する。
花筒の中部に4本の雄蕊がつく。
高山植物は下界のものより花が小さいものが多いが、タカネマツムシソウは大きいのが嬉しい。


タカネナデシコ(ナデシコ科ナデシコ属)は、基本種のカワラナデシコと比べて花の色が濃く,花弁が細かく裂ける。


このセリ科の植物は、ミヤマゼンコ(セリ科 エゾノシシウド属)のようだ。
ミヤマゼンコは高さが20~60cmで、花序の径は5~8cm。上面がやや盛り上がって丸みを帯びる。ハクサンボウフウより茎が太く、全体にがっしりした感じである。葉は羽状複葉で、小葉は数多く裂ける。


馬のたてがみ付近のお花畑の様子だ。左に登山道が続いている。
ゼンテイカ、ハクサンフウロ、イブキトラノオ、ハクサンタイゲキ、ヤマブキショウマ、イワオウギ、ヤマハハコ、セリ科の花(ハクサンボウフウ?)が確認できる。


ミヤマオトコヨモギ(キク科ヨモギ属)が現れた。


ミヤマオトコヨモギは、高さが15~30cm。頭花は花茎上半部の葉腋から頂にかけて下向きにつき、径約7mm。花茎は赤褐色を帯びる。葉はへら形で、先端や縁に切れ込みがある。
名は、種子が小さいため、種子がないものと思い、牡と名付けたといわれる。


こちらはミヤマダイコンソウ(バラ科ダイコンソウ属)。


ミヤマダイコンソウは、高さは10~30 cm。黄色い直径1.5~2 cmほどの5弁花を咲かせる。頂小葉は直径2~12 cmと非常に大きく、端が鋸歯で光沢がある。


こちらのアザミの種は同定できなかった。頭花の見た目はノアザミのように見えた。


たくさん咲いているゼンテイカ(ススキノキ科キスゲ亜科ワスレグサ属)の一つを選んで撮ってみた。
選んだ割にうまく撮れなかった。モデルではなく、写真の腕の問題。


ここでもテガタチドリがたくさん咲いていた。


そして、紅紫色や白色のテガタチドリに混じって緑色の花が見られた。調べるとミヤマバイケイソウ(シュロソウ科シュロソウ属)のようだった。
ミヤマバイケイソウではなく、タカネアオヤギソウ(シュロソウ科シュロソウ属)のようです。ミヤマバイケイソウは高さが50cm以上になるのに対し、この花は30cmほどしかなく、花をアップで観てもタカネアオヤギソウに近いと思われます。


花の部分をアップで撮ってみた。
ミヤマバイケイソウは、高さが50~100cm。花は緑色で、花被片は丸みを帯びる。雄しべは花被片より短い。
実際に観たものは、いずれも50cmに満たなかったようの思う。

タカネアオヤギソウは、高さ20~30cm。花径約1cm。根元にシュロのような毛があるのが特徴。花期は7~8月。


こちらはミヤマキンポウゲ(キンポウゲ科キンポウゲ属)の群落。


こちらは同じキンポウゲ科のシナノキンバイ(キンポウゲ科キンバイソウ属)。




続いてキバナノコマノツメ(スミレ科スミレ属)。


ウラジロナナカマド(バラ科ナナカマド属)に花が咲いていた。
白山には3種類のナナカマドがある。このうちウラジロナナカマドは、葉の両面は無毛で光沢がなく、裏面は粉白色で、名前のの由来となっている。
花期は6~8月で、枝先に複散房花序を直立させ、白色の花を多数つける。


こちらはマイヅルソウ(キジカクシ科スズラン亜科マイヅルソウ属)。馬のたてがみ以降あまり見られなかったが、黒ボコ岩に近づいたところで群生していた。




黒ボコ岩に到着した。
砂防新道から登ってきた若者のグループは白山が初めてのようだったので、黒ボコ岩に登っての写真を撮ってあげた。
 

近くにタンポポが咲いていた。正確に同定できないが、ミヤマタンポポ(キク科タンポポ属)であって欲しいと思った。




白山テント泊お花見ハイキング その⑥ 弥陀ヶ原とエコーライン に続く。
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白山テント泊お花見ハイキング その④ 観光新道後編

2022-08-03 05:23:21 | 山行・旅行
その③では殿ヶ池避難小屋まで登ってきた。
避難小屋に着いた頃は雨が上がっていて、霧もうっすらとかかる程度だった。
再びレインウエアを着用し、ザックを担いだ。

晴れていれば、殿ヶ池避難小屋から先で、別当谷を挟んで砂防新道の甚之助避難小屋、さらに先の南竜ヶ馬場、そして別山尾根の大屏風が見えてくるはずだが、そこまで視界は回復していなかった。
男女の話し声が聞えてきた。振り返ると今出てきたばかりの殿ヶ池避難小屋が真下に見え、2人が避難小屋に到着したところだった。

■1日目(7月23日、雨のち曇りのち晴れ) 1枚目の地図参照。コースタイム5時間50分。
別当出合→別当坂分岐→(観光新道)→殿ヶ池避難小屋→黒ボコ岩→エコーライン分岐(砂防新道合流点)→(エコーライン)→エコーライン分岐→(南竜道)→南竜山荘→南竜ヶ馬場野営場(泊) (赤字部分が今日ご覧いただく範囲。)


YAMAPの地図では、殿ヶ池避難小屋から始まり、Gマークがついて青い歩跡が消えた辺りまでが、今回ご覧いただく範囲である(何故消えたのかは不明)。


さて、お花を観ていこう。
こちらはモミジカラマツ(キンポウゲ科カラマツソウ属)だろう。水滴が面白い。これから花が開いて花糸が拡がっていく。


こちらはハクサンタイゲキ(トウダイグサ科トウダイグサ属)。この花にも水滴がたくさんついている。
基準標本が戸隠山だが、和名には白山の名がついている。別名にオゼヌマタイゲキ、オゼタイゲキと尾瀬の名があるのも面白い。


先に紹介したハクサンシャジン(キキョウ科ツリガネニンジン属)もたくさん咲いていた。


こちらのセリ科はミヤマトウキ(セリ科シシウド属)のようだ。特徴として、葉は厚くて光沢があり、小葉は細長く先が尖る。また、花序の上面がそろって平らになる。


ハクサンフウロ(フウロソウ科フウロソウ属)が見られ出した。この花はもっとたくさん咲いているはずだ。


登山道の脇はこんな感じだ。黄色い花はゼンテイカ、白いのはセリ科の花やイブキトラノオのようだ。
先ほどからカメラのレンズに水滴がついていて、見苦しくて申し訳ない。


ハクサンシャジン。背景は霧の別当谷。


カライトソウ(バラ科バラ亜科ワレモコウ属)もぽつぽつ観られた。この花には花弁がなく、花は花穂の先から根元へと咲き進んでいく。




タカネナデシコ(ナデシコ科ナデシコ属)。


エゾシオガマ(ハマウツボ科シオガマギク属)が現れた。この花は昨年中ノ岳で見ていたが、白山で見るのは初めてで嬉しかった。


ハクサンフウロの群生。


カンチコウゾリナミヤマコウゾリナ(別名タカネコウゾリナ、キク科コウゾリナ属)のように見えた。
総苞が緑色なこと、葉の先端の尖り具合からして、ミヤマコウゾリナ(キク科ヤナギタンポポ属)のようである。


こちらはマルバダケブキ(キク科メタカラコウ属)。


ミヤマダイモンジソウ(ユキノシタ科ユキノシタ属)は、これまでの白山行であまり多く見なかったが、今回は場所を変えて多く見た。


こちらはイワオウギ(マメ科イワオウギ属)。タテヤマオウギの別名がある。


テガタチドリ(ラン科テガタチドリ属)が現れた。
白山でチドリの名がつくラン科の植物には、ハクサンチドリ、ノビネチドリもあるが、この辺りで見られたのはテガタチドリばかりだった。


一緒に咲いているのは、ミヤマキンポウゲのようだ。他にカラマツソウ、マメ科の植物(イワオウギ?)などがしている。


再びミヤマダイモンジソウ。この写真では特徴のある葉も写っている。ハクサンフウロなどが混生している。


ヤマブキショウマ(バラ科ヤマブキショウマ属)。


イブキトラノオ(タデ科イブキトラノオ属)の群落。霧でよく見えないが例年この辺りで群生している。一面にイブキトラノオが見える年もある。
手前はゼンテイカのつぼみ。


再びハクサンフウロ。


イブキトラノオの群落。


カンチコウゾリナだと思う。個体数はそれほど多くなかった。


お花畑の様子。ゼンテイカ、ハクサンフウロ、イブキトラノオ、ヤマブキショウマが確認できた。ガスも幾分晴れてきた。


モミジカラマツ。まだ開いていない。


ゼンテイカ(ススキノキ科キスゲ亜科ワスレグサ属)。


クルマユリ(ユリ科ユリ属)。周辺にイワオウギが群生していた。


そろそろ馬のたてがみの標柱が現れる頃だと思ったら、案の定現れた。
観光新道はこの坂を上り、蛇塚を越えた先の黒ボコ岩で砂防新道と合流する。距離としては短いが、お花の数はまだ多い。
記事が長くなるので、続きは白山テント泊お花見ハイキング その⑤ 黒ボコ岩まで でご覧いただきたい。
 
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白山テント泊お花見ハイキング その③ 観光新道前編

2022-08-02 05:30:17 | 山行・旅行
その②で、標高1250mの別当出合から、標高1680mの別当坂分岐まで登ってきた。ここで白山禅定道(旧越前禅定道)が合流する。
白山には古来3つの禅定道(登山道)があり、そのうち越前国の白山平泉寺(福井県勝山市)を起点として御前峰を目指す道が越前禅定道だ。白山観光協会が発行する公式パンフレットによると、観光新道は別当出合を起点として室堂を終点としているが、ここからは旧越前禅定道が観光新道と名前を変えて使われている。
一方、旧越前禅定道のうち、市ノ瀬から別当坂分岐までの間は、名前を白山禅定道と変えたという訳だ。
いずれにしても、観光新道のうち景色が良くてお花も楽しめる尾根歩きはここからだ。

■1日目(7月23日、雨のち曇りのち晴れ) 1枚目の地図参照。コースタイム5時間50分。
別当出合→別当坂分岐→(観光新道)→殿ヶ池避難小屋→黒ボコ岩→エコーライン分岐(砂防新道合流点)→(エコーライン)→エコーライン分岐→(南竜道)→南竜山荘→南竜ヶ馬場野営場(泊) (赤字部分が今日ご覧いただく範囲。)




雨に濡れた尾根道だが、よく整備されていて滑りやすい岩もほとんどない。
道の両側に咲くお花を楽しみながらゆっくりと登る。


ハクサンシャジン(キキョウ科ツリガネニンジン属)は、ツリガネニンジンの高山型変種とされてきた。しかし両者の決定的違いは無く、変種として認めない説もあるようだ。
観光新道で多く観られる植物のひとつだ。


シモツケソウ(バラ科シモツケソウ属)も観光新道でたくさん見られ、木本のシモツケ(バラ科シモツケ属)と並んで見られるところもあるが、今回ツーショットは見なかった。


こちらはオンタデ(タデ科オンタデ属)の雄株のようである。御嶽山(おんたけさん)で最初に発見されたことからこの名がついた。
立山にはオンタデもウラジロタデもあるが、白山にウラジロタデはない。逆に白馬岳にはウラジロタデだけがある。


こちらの低木は、ミヤマホツツジ(ツツジ科ホツツジ属)だ。白山にはツツジ科の低木が多くある。


ノリウツギ(アジサイ科アジサイ属)が現れた。標高の低い所でも見ていたので、この樹木の垂直分布幅は大きいようだ。


ゴゼンタチバナ(ミズキ科ミズキ属)が現れた。ゴゼンタチバナの名は白山の御前峰に由来している。


ヨツバヒヨドリ(キク科ヒヨドリバナ属)はこの尾根の東側に多く群生していた。


仙人窟と呼ばれる岩の間をくぐると、室堂まで3kmの標柱があり、さらにすぐに七ツ坂の標柱が現われる。
ここまでで室堂までの距離の半分を過ぎたことになるが、今日は時間に余裕があるので数字は気にせず歩いていた。
 

この辺りから多く観られたのがミヤマダイモンジソウ(ユキノシタ科ユキノシタ属)だ。
平地のダイモンジソウより全体が小さく、葉や花茎に毛がほとんどないのが違いとされている。
白山の亜高山帯で咲いているのは、すべてミヤマダイモンジソウと考えてよい。


この辺りでもきれいなクガイソウ(オオバコ科クガイソウ属)がぽつぽつ見られた。


こちらはシナノオトギリ(オトギリソウ科 オトギリソウ属)のようである。
シナノオトギリと同属のイワオトギリとの違いは花だけを観ても分からない。
葉に黒点が多いものがイワオトギリだが、写真を拡大して観たところ黒点が目立たないので、シナノオトギリのように思えた。


こちらはハクサンオミナエシ(スイカズラ科オミナエシ属)だ。数は多くないが、毎年この辺りで観られる。


イブキトラノオ(タデ科イブキトラノオ属)も観光新道に多い花だ。
かつて観光新道で一面に咲くイブキトラノオの大群落を観たが、今回はそこまでの群落は見なかった。


最後はキヌガサソウ(シュロソウ科キヌガサソウ属)。
名前は、放射状に並ぶ葉の様子を奈良時代の高貴な人にさしかけた衣笠に見立てたことに由来する。
観光新道でこの花が咲いているのを見ると、殿ヶ池避難小屋が近い。


殿ヶ池避難小屋には9時35分に到着した。重い扉を開けて中に入ったが、誰もいなかった。
ザックを下ろし、窓を開けて換気した。雨具を脱いでハンガーに架け、湯を沸かしてコーヒーを淹れた。
すると下からの登山者が入ってきた。日帰りで周回するらしい。

この日は朝食を買い忘れていた。コンビニへ寄っておにぎりを買うつもりが、寄れなかったのだ。
そこで昼食を朝食に回し、不足する食料を山小屋で調達することにした。おにぎり2つ分の荷物が軽くなった。
最近はカップ麺やレトルトご飯だけでなく、おかずや嗜好品も山小屋で買える。
山小屋にとってもそれが経営の一助になるのなら、登山者は積極的に使っていけばいいように思う。いかがなものだろうか。

白山テント泊お花見ハイキング その④ 観光新道後編 に続く。
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白山テント泊お花見ハイキング その② 別当坂後編

2022-08-01 04:26:48 | 山行・旅行
私が歩くのもゆっくりだが、このブログもゆっくり歩調に合わせてゆっくり進めていきたい。
さて、その①からの続きだ。

■1日目(7月23日、雨のち曇りのち晴れ) 1枚目の地図参照。コースタイム5時間50分。
別当出合→別当坂分岐→(観光新道)→殿ヶ池避難小屋→黒ボコ岩→エコーライン分岐(砂防新道合流点)→(エコーライン)→エコーライン分岐→(南竜道)→南竜山荘→南竜ヶ馬場野営場(泊) (赤字部分が今日ご覧いただく範囲。)




別当出合を6時20分に出発して、高山植物が豊富な観光新道に向けて、勾配が急な喜市郎坂を登って行く。


喜市郎坂は、白山登山口の市ノ瀬にある永井旅館の創始者、永井喜市郎の名をとって付けられている。
永井喜市郎は、別当出合を起点とする観光新道を切り拓いた人であり、別山登山道(今の別山・市ノ瀬道)を拓いた人でもある。
今年この道は雪崩のため一時通行止めとなっていたが、修復され安全に通れるようになった。
道沿いにお花が次々に現れてきた。

ヨツバヒヨドリ(キク科ヒヨドリバナ属)。


アザミ(キク科アザミ属)の仲間。白山にはフジアザミ、オニアザミ、ハクサンアザミ、タテヤマアザミ、ノリクラアザミなど、多くの種類のアザミが咲いている。
このアザミは花が上を向いていることから、タテヤマアザミかノアザミの可能性が高い。白山の亜高山帯より上部で観られるアザミの多くは、タテヤマアザミだということだ。




サンカヨウ(メギ科サンカヨウ属)は実が着いていた。


シモツケソウ(バラ科シモツケソウ属)が見られだした。この先の尾根道でたくさん咲いていた。


ヤマブキショウマ(バラ科ヤマブキショウマ属)も見られだした。


7時50分に別当坂分岐に到着した。ほぼコースタイム通りであった。ザックを下ろして休憩した。


近くにササユリがまとまって咲いていた。やや見ごろを過ぎていたが、それでもササユリはいとおしい。


こちらはツバメオモト(ユリ科ツバメオモト属)の葉に似ている(花はまったく違う)。同じユリ科のミヤマバイケイソウ(ユリ科シュロソウ属)の花後かもしれないが、自信がない。
keitannさん、なつみかんさんからノギラン(キンコウカ科ノギラン属)だと教えていただきました。ありがとうございました。


オオバギボウシ(キジカクシ科リュウゼツラン亜科ギボウシ属)が咲いていた。この先でもたくさん見られた。


白山テント泊お花見ハイキング その③ 観光新道前編 に続く。
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