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小説のレビュー、家族の出来事、趣味の事、スポーツ全般など、日々の出来事をつづりながら、一日一日を心豊かに過ごせれば・・・

非現実の昭和 『昭和歌謡大全集』by村上龍

2007年07月19日 | 小説レビュー
『昭和歌謡大全』」by村上龍

原付バイクに乗ってきた女は、モップに取り付けた包丁をスギオカの喉に突き刺した。夜な夜な集まりカラオケ大会に興じる若者たちと、名前が一緒というだけで親交を深めるおばさんグループ『ミドリ会』の抗争はこの件で激化する。何のために彼らは歌うのか?殺し合うのか?現代の孤独と憂鬱を軽々と吹き飛ばす壮絶な戦いの物語。『BOOK」データベースより


こないだ「半島を出よ 上・下」を読みましたという話を書きました。

本当におもしろく、また長編だったので、もう一度読み返しました。改めて本当におもしろかったです。 是非ご一読ください。

さて、その前編?ともいえる作品が「昭和歌謡大全集」です。

題名からして、村上龍が、自分の好きだった昭和の歌謡曲に対する思いを綴った、エッセイ集のように捉えてまして、今まで全く手が伸びなかった作品です。

「半島・・」の書評を読むうちに、「昭和・・」に触れている方が何人もおられたので、読んでみようと思い、古本屋を探しました。

読み終えてみて、さすがは「龍ワールド」です。日常的でもあり非日常的でもあるアンバランスな「空間」、「人物」、「集団」、「出来事」を見事に描ききってます。

とっても起こりそうにないけど、「もしかしたら・・・隣の兄ちゃんも・・・?」と思わせるような描写・・・。大好きです。(●^o^●)

「半島を出よ」の登場人物の「イシハラ」と「ノブエ」の若かりし時代の話ということなので、やっぱり順番からいえば、「昭和・・」を読んで「半島・・」を読むとつながりますわね。

龍先生は、本当に魅力的な人物を描かれます。グイグイ作中に惹き込まれますわ。

昭和歌謡といっても、僕らの年代より少しばかり上の昭和なので、題名は知ってても、歌のメロディが浮かばない曲もあったんで、物語にドップリはまりきれなかったことに忸怩たる思いがあります。(*_*;

★★★3つです。


ちなみに、2003年に映画化されてまして、映画化されてまして



キャストが・・・

「オバサンチーム」
樋口可奈子/岸本加代子/森尾由美/細川ふみえ/鈴木砂羽/内田春菊
「ガキチーム」
松田龍平/池内博之/斉藤陽一郎/村田充/近藤公園/安藤政信

です。

松田龍平がイシハラなんでしょうか?ハマり役だと思いますよ。

舞台にもなってますが、キャストが・・・

「オバサンチーム」
島田陽子 /手塚理美 /東ちずる/片桐はいり/角田よしこ/西川峰子
「ガキチーム」
筒井道隆/勝村政信/井出らっきょ/新川將人/ボブ鈴木/村田雄浩
ですかね? 

どちらも観てみたいですねぇ・・・両作品ともオバサンチームの顔ぶれが相当いいですよ!

しかしながら、一応、原作では、オバサンチームの年代が、25~35歳ぐらいまでの設定だったように思うので、舞台の方の、西川峰子とか島田陽子には、少し無理があるのでは・・・?

熟女好きには堪えられない配役でしょうがね。(^_^;)

★★★3つです。