行ってきました! 聖徳太子1400年遠忌記念 特別展「聖徳太子と法隆寺」
2021.6.10 奈良国立博物館
《写真はクリックで拡大します》
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聖徳太子二王子像(奈良展では原本の御物) 世界最古の木造伽藍「法隆寺」
607年、奈良・斑鳩の地に聖徳太子により創建され悠久の歴史を刻む法隆寺、令和3年は聖徳太子1400年遠忌にあたり、4月27日~6月20日まで本展覧会が開催されています。
法隆寺は博物館を除くとわが国で一番多くの国宝を有するお寺で、今回も国宝だけで30数点、重要文化財は数えきれないほどの豪華な記念特別展です。
残念なことは、廃仏毀釈時に貴重な文化財の損壊を恐れた法隆寺が、明治11年法隆寺から皇室に「法隆寺献納宝物」として献納したが、戦後国に移管され、それらが東京にとどまって法隆寺に戻ってきていないこと。今回はそれらも一時的里帰りし展示されています。
例年、秋の「正倉院展」は聖武天皇、光明皇后(どちらも700年生まれ)の御物を中心とした奈良時代8世紀以降の品々を見ることが出来ますが、今回の特別展は飛鳥時代6~7世紀、仏教の真理を深く追求し、冠位十二階、憲法十七か条などの制度を整え、この国の文化的基盤を築いた聖徳太子が追い求めたものを、1400年という時空を超えて今日を生きる我々が思い起こす機会を与えるものでしょう。
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会場で配布されている展示会解説(展示目録はホームページでご覧ください)
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なお、展示会は事前予約優先制で、密にならない工夫のもとで開催されています。
本年7月13日~9月5日には、東京国立博物館で巡回展示されます。
展示内容は、会場配布パンフを拡大して見れるよう添付しました。また、以下のサイトで主要な展示内容を見聞することが出来ます。
https://www.narahaku.go.jp/exhibition/special/202104_horyuji-2/
個人的にお気に入りの展示物を、以下に紹介します。
《聖徳太子像と侍者像》
太子45歳の摂政像 500年遠忌(平安時代1121年)時の作。木造彩色切金。像高84㎝。国宝。
侍者像は、山背大兄王像、殖栗王像、卒末呂王像、恵慈法師像。太子霊廟として建立された聖霊院の主と障害物なく30㎝の距離でFACE to FACEでじっくり見つめあうことが出来ました。
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《玉虫厨子と台座の須弥山図》
奈良展でのみ見ることのできるこの厨子は、小学生以来65年ぶりの再会。飛鳥時代7世紀の作。国宝。推古天皇愛用の厨子だそうです。
玉虫の羽の装飾も見つけるのが難しいほど、残っている部位が少ないですが、単眼鏡で熱心に探す人が多かったです。
台座の4面の図もかなり傷んでいますが、有名なのは須弥座右側面の捨身飼虎図(しゃしんしこず)。飢えた虎の母子に自らの肉体を布施するという仏の教えを描いたもの。
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玉虫厨子(奈良会場のみ) 玉虫 須弥座右側面の捨身飼虎図
《焼失前の金堂壁画阿弥陀説法図(6号壁)》
670年の火災で法隆寺の前身の斑鳩寺が焼失。その後の再建の金堂も1949年壁画模写中に火災焼失。幸い写真が残っており巨大な壁画が本会場に復元されている。白鳳時代7世紀。初唐仏画の影響がみられる。かなりインパクトのある壁画。
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《薬師如来坐像》
明治初期の奈良博覧会に寺外に出た以来のお出まし。アルカイックスマイルの釈迦三尊の釈迦如来に似た仏様ですが、背面光背の607年作の記録が釈迦三尊(623年作)より技術的進歩があることから、もう少し後では?とも。銅造鍍金。白鳳時代7世紀。国宝。像高64cm。白鳳・飛鳥時代の仏像の特徴がよく出ています。
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