イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

保守党が大敗、総選挙の結果、新内閣に英国の希望

2024年07月09日 07時00分00秒 | 英国の、生活のひとコマ

総選挙 General Election、続きです。

写真は「自然保護キャンペーン」No Mow May, Knee High June (芝刈りしない5月、6月には膝の高さにのびた芝) を実行した結果、だらしなく雑草が生い茂るにまかせていたうちの庭の草刈り前後です。刈ったあとの短くなった草は日光が根元ちかくまでまで届かなかったためか意外にも色がうすく庭の緑が映えません。

投票日(もう5日も前です)の夜、午前3時ごろまで開票速報を見てさすがに眠くなったので寝ました。

夫は、別の部屋でパブに行って大勢で観て盛り上がるサッカー中継のようにインターネットゲーム仲間と最後まで開票速報を楽しんでいました。

保守党は議席を実に244も失い大敗、209議席増やした労働党の圧勝です。(日本でも詳しく報道されたことでしょう)

 

ー連の総選挙に関する記事はこれでおしまいです。

以下、以前の記事に「そのうち書くつもり」と約束したいくつかの事項です。

副首相 deputy prime minister のアンジェラ・レイナー Angela Rayner は、弱冠44歳、ストックポート出身です。

赤い服を着た写真を意図的に選びました。この人は、労働党の党カラー、赤のスーツやワンピースをとてもたくさん持っています。女性の労働党議員や候補者は政権討論会や初登院など人目につく政治イベントでは赤いスーツを着る決まりがあります。男性は赤いネクタイを着用します。保守党は、青。

 

「副首相」は、国王に任命される国家の政権上2番目に重要な権限を持つ役職ですが、正式な役職ではないそうです。今回のー連のニュースではじめて知りました。「副首相」には俸給がありません!

首相次第で、任命されないこともあるそうです。と言っても、首相不在の際には首相の任務を代行する重要な権限もあるそうなのです(特に国会での首相答弁)...よくわかりません。

このレイナーの正式な役職は「大臣 Secretary of State 」です。Secretary of State for Leveling up、Housing and Communities...地域活性化、住宅、コミュニティ大臣(?)。

弁が立つレイナーは、労働者階級の圧倒的な支持をあつめる大人気閣僚です。地元の(私がよく行くスイミングプールのとなりの)公立総合学校 comprehensive school 在学中に16歳で妊娠、義務教育資格認定試験 GCSE をうけることなく退学して未婚の母として出産。数年後、資格を取り介護士として働くあいだに活動を始めた労働組合の組織に押されて政治の道に入りました。レイナー姓の組合活動家と結婚、2児をもうけて離婚。36歳でおばあちゃんになっています。30歳の時に出産後増え続けた体重を38kg(!)落とし、しぼんだ胸を整えるため5,600ポンドかけて豊胸手術をしたと公言しています。

バリバリのイングランド北部労働者階級の訛りで政見を語ります。多くの人が「ストックポート訛りがある」と指摘していますが、私には聞き取れません。

庭奥の「デッキング」の腐り始めた上板を私が独力ではがしました☟

副首相はじめ、新内閣には女性が多く登用されています。25人中、11人。ただ、非白人は2人だけ...

大蔵大臣 Chanceller に史上初めて女性が任命されました。レイチェル・リーヴス Rachel Reeves 45歳、この人は首相と同じオックスフォード大学をでて、経済学の最高峰、London School of Economics で修士号を取得しています。

レイナーのような型破りすぎる経歴の女性が政権の中核に登用される英国はまだまだ捨てたものではない...英国に永住する決意は間違っていなかったのかも...と感慨無量です。

 

外出先から帰って来たら、庭に出るドアマットの上に見つけた立派なネズミの亡骸...☟

もし、リシ・スナクの保守党が政権に居座っていたら...

日本ではあまり話題になっていないらしいルワンダ計画 Rwand Bill / Schem という悪夢の法案が実行されるところでした。

ゴムボートで政情不安な国、貧しい国からやってきて、英国に永住するために「難民申請者 asylum seeker 」になる不法入国者をまとめてアフリカのルワンダに移送するという、とんでもなく人権無視もいいところの法案です。嘘つき前首相、ボリス・ジョンソン内閣で発案され、選挙で大敗リシ・スナク内閣で実現寸前までこぎつけた国家の恥辱案。

20年ぐらい前、民族抗争で怖ろしいことになっていたルワンダ。政情は落ち着いたということですが民主国家にはなり切れていないし、インフラストラクチャーは不十分、女性に対する性的嫌がらせが横行しているという(ドキュメンタリーを見ました)ルワンダに自国を捨ててまで住みたい難民希望者は皆無、もちろんイヤガラセです。

ルワンダに連行されるために、命がけで海を渡って英国をめざす人はいなくなるだろうという狙いです。

多くの英国民は移民が増え続けることをひじょうに強く懸念しています。たしかにすべての入国希望者を永住させれば、英国の国家自体が破綻します!

本国にいれば政見や信条などのために迫害されて命があぶないと判断されたら、国連が認定する「難民」の資格を得られて希望する国に永住することが可能です。国に送還すれば危険な目にあう人を追い出すことはできません。保守党政府は、晴れて難民認定された人々を国に追い返すような非人道的なことはしない代わりにルワンダにー生住んでもらう、何なら家族もよびよせてもいい(英国へ入国はー生涯みとめない)という驚きの非人道法案をぶちあげました!...英国は近代的な民主国家ではなかったのか...!?

ルワンダ計画が実行される(かもしれない)この国に私はー生住み続けたかったのか疑問でした。

チャールズ国王も皇太子時代、この法案が通った時に憤って、激しい言葉を発したと非公式に伝えられています。

サー・キア・スターマーが首相に就任後、まっさきにした決定が、ルワンダ計画をドブに捨てることでした。(イエィ♩!)国民が「No」と言ったのです!

 

自分が所属する政党の勝利がよっぽど嬉しいらしい夫は私にも娘にもネコにも「勝った、勝ったぞ」を終日言い続けていました。

英国に住む合法的な「外国籍永住者 indefenite leave to remein」の私ももちろんうれしかったです!

フランスの国民議会の選挙結果も意外でした。フランスも右派勢力を退けてすべての人に公平な社会を作ろうとする動きがみられます。なんだかおっかないことがおこりそうだったヨーロッパに...おおげさですが...救いが見えてきた気がします。

 

夫はサッカーのヨーロッパ杯でイングランドが準決勝に勝ち進んだことにも大喜びです。

対オランダ戦の準決勝を観戦する時に飲むアルコール0%のビールを買ってきてほしいという夫に、オランダ製のビールを買ってきてやりました(イヤガラセです)

スーパーマーケットのこのはしゃぎぶり...

私も娘もネコたちも、サッカーには全く興味がありません!重要な国際戦だろうがイングランドが勝とうが負けようが全く気になりません!

 

 

 

 

 

 

 

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1 コメント

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犬と暮らす日々 (浅井洋)
2024-07-10 14:35:28
「外国籍永住者 indefenite leave to remein」
 良かった ですね
 インド系英国人の 金持ちで 無くて
 
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