イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

今やストックポートは国際都市!英国で自由を楽しむ難民移民が故国をしのぶ移民経営の食品店

2024年11月26日 05時00分00秒 | 英国の、生活のひとコマ

厳しい寒さの数日の後おだやかな週末を過ごせました。昨日、月曜日はまた少し気温が下がりました。

ストックポート、タウンセンターのにぎやかなショッピングエリアから少し離れた通りでみかけた南国の果実...

マンゴーと、濃いピンクの果肉が少しはぜてのぞく硬い殻の木の実 ... アーモンドかな、と店の人に聞いたらイラン産のピスタチオだそうです。地面から拾った時のギンナンのように果肉がついているのを見たのは初めてです!(ギンナンみたいに臭くありません)

中央アジアや中近東の果実ザクロに...

 

初めて目にした実物のクインス quince。

ポルトガル語由来の日本語で「マルメロ」だそうです。原産地はイラン。

スッカスカして生でたべてもまずいそうです。ジャムや果実酒用とのこと。白い果肉を煮つめると半透明の赤いゼリー状に固まり、煮崩すとジャムになるという記述を見つけました!試さなきゃ!

 

近年、英国でよく見かける、イラン系移民が経営するイランの主に食料品を販売するイレーニアン・ショップ Iranian shop の外に箱ごと並べてありました。

たびたびテナントが入れ替わるこの店舗に落ち着いてもう2~3年は経つでしょうか、入ってみたのは初めてです。

それにしても、屋号「Alan's Superstore」のアランって誰でしょうか。経営者が本当にアラン(英国人の年配男性名)なのかどうか気になるところです。

入ってすぐ右側に野菜と果物が陳列されていました。

イタリア産のブドウ、産地不明のミカン、南アフリカ産のネクタリン、キュウリ...漢字で「胡瓜」って書きますよね。「胡」はペルシャ(イランの古名)を意味するはずです...、スペイン産のプラム、ブラジル産のマンゴー、スペイン産のカキ、産地不明のレモン、イタリア産のダイコン(英語でムーリーといいます)ラディッシュ、ネギ、ハーブ各種...圧倒的にあったかい地域の産物が優勢です!

英語でパーシモン・フルート persimmon fruit というカキの箱のスペイン語のラベルに「製品名:KAKI」と書かれています。

英国でも「カキ」と言われることもあるそうですが、ほぼ例外なく通じません。

入口わきの床に箱ごとおかれていた、ターニップ turnip 。甘いカブなのですが...

見ての通りヨーロッパ、西アジアのー般的なカブは可愛らしい二色使いです。上部が深紅や抹茶色のターニップも見たことがあります。日に当たる部分に色がつくようです。

右と左の箱のなかみは違う種類です。産地も違います。左側はたしかイタリア産でした。英国のスーパーマーケットに冬になると並ぶターニップはもっと大きく、こぶし大ですがこの店にあったものの多くはゴルフボールよりちょっと大きいぐらいで小ぶりでした。

野菜果物には製品名と値段の札がー切出ていないのがドキドキひやひやものでした。

 

奥に入って「乾物」の棚も見てまわりました。

紅茶の棚がものすごーく充実していました。

中身の詳細は不明ですが、「2台の卓上扇風機ブランド」と「競売人ブランド」の紅茶、そのものズバリのイラストが秀逸です。

 

写真を撮らなかったので販売ウェッブサイトから勝手に写真を借りた...

日本でも人気があるという英国の紅茶、アーマド・ティー Ahmad Tea に力が入っています。ブラックの紅茶をよく飲むことで知られているイランで1番人気のブランドです。

アーマド・ティー愛飲者のイラン人、アゼルバイジャン人を個人的に何人も知っています。他のイラニアン・ショップでも売られています。英国人社会では浸透していないブランドなのですが、創業者がイラン系の兄弟だそうですね。

実は、英国紅茶のそれも茶葉にこだわる夫が大ファンで、何年もオンラインで購入しています。

今度、この店に連れていくしかありません。

 

ネスカフェ・ゴールド・ブレンドのパクりの...

「マムード・コーヒー Mahmood Coffee」。フォントも写真も...カクカクした瓶までそっくり!くびれたウエストだけが独創的です。

 

クルミ大に縮小された「乾燥ライム」。

左側は乾燥レモン。何に使うのでしょうか。お菓子作り?果実酒...ではなさそうですよね。イスラム教の戒律が厳しいイランでは飲酒はご法度ですから。

会計カウンター横の冷蔵ケースには甘そうなお菓子がずらりと並んでいました。

お酒を飲めない中近東の人は紅茶とお菓子が大好きな甘党が多いと聞いたことがあります。

 

2ポンドのザクロ1個とバーベリー barberry という、ききなれない名の美しいルビー色の細い小さな木の実(乾燥)の小さな袋入りを買いました。

 

会計カウンターにいた店員はハンサムなイラン系の若者でした。(まさか彼がアラン?)私の前に会計をしていた、ヨーロッパのマダム風の装いのイラン系の年配の女性とファシー(イランの言語)で会話をしていました。

地元のイラン系の常連客が主な客層のようです。商品の箱のほとんどに英語の記述なしです。

ブレクシット完了後、出稼ぎのポーランド人の数がぐっと減りました。そこら中にあったポーリッシュ・ショップ Polish shop も数が減っています。そのかわり不法移民として入国し、難民として認定されて居住権、就労兼を得たイラン人、中近東の人が増えているように思います。

「Alan's Superstore」のある、国際色豊かな短い通りです。黒い庇の出ているのが(左側)「アランの」イレーニアン・ショップです。

 

私がボランティアをしているチャリティショップ、オックスファムに英語がほとんど話せないイラン人難民の若い女性が英語の勉強をかねて手伝いに来ていました。夏中、週に2回、私と一緒に店番をしましたが現在は英語学校に通っているため会うことはありません。休みにまた手伝いに来るそうなのでイランの食材の使い方など聞いてみます。

その人は私が会った多くのイラン系女性と同じで開放的な服装をし、お酒を飲み、男性といっしょのジムにも行っていました。母国でのイスラム教の戒律がよっぽどイヤだったんでしょうね。英国での自由を満喫しているようです。

彼女のスマートフォンに搭載した翻訳アプリケーションを使って、「お父さんがアフリカ人男性たちとヨーロッパ数か国を徒歩で経由して、ボートで渡英、5年かかって難民認定され彼女とお母さん、姉、弟が呼び寄せられた」という話をしてくれました。

イランでの学校時代、お友達と公園で人目をしのんでベールを脱いで撮り合ったハラハラビデオも見せてもらいました。「そんなところを風紀警察かなんかに見つかったらひどい目に合うんじゃないの」と聞いてみました。だからこそ楽しいスリルなんですね。英国に来られてよかったね、としみじみと思いました。英語が話せるようになったら美容師養成校に行くそうです。

 

スーパーマーケットで売られているものよりー回り大きいザクロです。

硬い皮をよく切れる包丁でザクっと切って...

ほじくり出して食べたルビー色のツブツブの美味しかったこと!奥までぎっしり詰まっています!

酸っぱさは皆無で、強烈な甘さの奥にかすかな苦みがありました。手もまな板も真っ赤に染まりました。また行って買って食べるつもりです!

バーベリーも甘酸っぱくて美味しいです。ヨーグルトやシリアルに入れて食べています。

コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« やっぱり行った、恒例のマン... | トップ | 活躍の場が増えている、疑問... »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
犬と暮らす日々 (浅井)
2024-11-26 10:11:17
美味しそうですね
   輸入の規制が無い?少ない?のが
     羨ましいですね
返信する

コメントを投稿

英国の、生活のひとコマ」カテゴリの最新記事