ライス・プディング rice pudding 。
日本のお米によく似た、丸くてやわらかく炊けるライスを、たっぷりの砂糖を入れて牛乳で煮たデザートです。
実は、26年前、イギリスに来たばかりの時に、ホームステイしていた家で出されて食べたことがあるんです。
その時「まずかった」のをずっと忘れられず、それ以来一度も口にしていません。
食わず嫌いではありません。一度はちゃんと食べました。
それも、よそで出されたものだから、礼儀正しく残さずに食べたはずです。
イギリスらしい食べ物紹介の、イギリスのおやつとデザートカテゴリーから 外せない重要な品目です。
今、あの時に本当にまずかったのか、疑問になってきました。
お米にお砂糖を入れて牛乳で煮る という調理法に日本人として違和感を持っただけかもしれません。
イギリスに住んで26年、ハギスもブラック・プディングも、マーマイトも、ルバーブも食べた私です、今こそもう一度試す時!
もともと、粉ミルク製造会社だった、アンブローシャ社 Ambrosia(創業100周年だそうです)製の出来合いの缶入りを買いました。
右側が、ライス・プディング。左はカスタード・クリーム。
2缶買えば割引だということで、そのうち使うカスタードと組み合わせて買いました。
ライスはクリーム色のミルクの下にどろんと沈んでいます。
イギリスのライス・プディングは、アツアツを食べます。
お鍋でかき混ぜながら温めました。煮詰めないように要注意。
2食分。
左はチョコレート・ダスト(粉ココア)を、右はシナモンをかけてみました。
もちろん、なにもかけずに食べてもいいんです。
ジャムやシロップを真ん中に落としたり、バニラエッセンスを調理中に振り入れる人もいるそうですが、あまさはすでに じゅうぶんです。
あれ、これがライス・プディング?と思ったほど、おいしかった・・・というか・・・そんなに悪くなかったんです。
お米の粒々は舌で感じましたが、なめらかで、「牛乳で甘く煮たごはん」という先入観を捨てればクリーミーで甘い乳製品デザートとして楽しめます。
缶のラベルの材料一覧を見たら、ライスはたったの9%。72パーセントは、牛乳、ホエー(乳清)など乳成分です。
この、ライスを牛乳で煮た料理、日本ではなじみがないけど、ヨーロッパ、アメリカ、中近東、東南アジアそのほか世界中で広く食べられているんだそうです。
粒がなくなるまで裏ごしして、蒸して固めた牛乳プリン状のものやスープのようにゆるゆるなのも含め、世界中にバリエーションがあります。温めたり、冷やしたり、味付けもいろいろ。
子供の頃に読んだ外国の児童文学の翻訳もの(ドリトル先生だったと思います)に出てきた「ミルクがゆ」というのは、もしかしてこのライス・プディング?
と疑問に思って調べてみました。
別のものみたいです。「ミルクがゆ」の日本語で検索しました。
甘みをつけずにミルクで煮た、お食事用の「おかゆ」のことらしいです。ライスプディング同様、日本ではなじみがないけど、世界各国で食べられているそうです。
ミルクがゆに該当する英語がわかりません。今のイギリスでは見ないから。
試しに、思いついた rice porridge は、水で煮た中国の朝食用のおかゆのことだと書いてありました。
「プディング」というのはイギリス英語で「デザート」という意味です。
だからイギリスでライス・プディングといえば、甘いものを指すはずです。
「ミルクがゆ」と「ライス・プディング」の両方とも、日本語のレシピがたくさん見つかりました。
びっくりです。
さすがインターネット時代! 世界中の珍しい食べ物を自分で作って食べてみる人がたくさんいるんですね。
(ミルクがゆはがもしかして離乳食として昔から日本にもあったのかしら・・・?)
お米を牛乳で煮るなんてキモチワルイ というイギリスに来たばかりの時の先入観に引きずられていた私より開けている!
下の息子は、小学校の給食(スクール・ディナー)で食べてみて嫌いになったそうです。二度と食べたくないということです。
うちの夫は、子供の頃はよく食べたけど、今はわざわざ食べたくもない。出されたら食べるということ・・・シナモンをかけたほうを食べてみて、「まあまあだ。また食べたいとは思わない…」との感想を漏らしていました。
数年前働いていた高齢者施設の食堂で、たまにライス・プディングが出されていました。
お年寄りは喜んで召し上がっていましたが、昼休みに注文して食べる職員はいなかったと思います。お年寄りにとって、古き良き時代の懐かしい食べ物なのかなぁと思ったものです。
缶詰のフルーツを添えて、シロップをかけて、おいしそうに盛ってありました。食べてみればよかった!
↓↓↓画像をクリックしてください。はい、ありがとう。
ワトソンは嬉々として食べていましたねぇ。
劇中では、ライスプディングはたしか、型で山型になっていたと記憶しています。
牛乳粥ですが、私が病気で物が食べられなかったとき、近所のイタリアンのお店がパンで作ってくれたことがありました。
あまり美味しいとは思えず、その後は空元気を出して無理やりスパゲティとか食べてました(^O^)
えーっと、コ汚い居酒屋でワトソンが食べたのは、(うつりませんが)「ブラックプディング」です。ワトソンの「これ、何?」質問にお給仕のおばさんがぶっきらぼうにそう答えています。付け合わせはスウィードとカブのびんぼったらしい根菜。八幡君が即死できそうなと表現した、ブタの血と脂で固めたソーセージ。ホームスが「どう?」と聞いてワトソンが「まずい」と答えています。ロンドン紳士のワトソンの口には合わない野卑なメニューだったのでしょう。
日本語吹き替え版も見てみたかったのですがどれもブロックされてました。私のコンピュータの設定のせいかも。英語のはすべて見られます。
シシリア食堂ですね!じゃあ、イタリアあるいはシシリア地方ではパンの牛乳がゆを作ってるんでしょうか。それとも、お店のご主人の、オリジナル?
日本ではおかゆといえば病中、病後の回復期に食べるものというイメージですね。のどにするっととおって消化もよさそうだからでしょう。イギリスでは、ドライトーストといって、何も塗らないトーストが病後の最初の一口の定番です。ほかの国はどうなのか気になりだしました。
お釈迦様がスジャータさんからもらったミルク粥もこんな感じかしらねえ。
ミルクがゆはどうやら、ライスプディングとは別物のようで・・・甘くないみたいです。だからデザートではない。
ライスプディングは甘いので、その名の通りデザート(プディング)です。
上の説明がややこしかったですね。ちょっとかんがえて書き直します。
スジャータさんからもらったのは、おかゆだったの?
乳清かなんかじゃなくて?あれ、私、日本の乳酸菌飲料(だっけ?)の名前と混乱してるかも。
たしか、スジャータさんがくれたのは乳粥だったと思います。
で、ミルクってことでそれにちなんで、商品名に名前をつけちゃったみたいです。
ロンドンで ライス プディングを食べたのは
40年以上前ですが 何処で食べたか 記憶になく
ただ お米にこんな事するなよ
と 思いました
でも 今食べれば 美味しいのかも
私の場合、マズかった、というかキモチわるかったのは先入観のせいだったと思います。
この記事のあともう一度よそで出されて食べる機会がありました。バニラポッドが煮出してあり、大人っぽくてまあまあイケる!と思いましたが自分で作って、あるいはまた出来合いを買ってきてまで食べたい、とは思いませんでした。
最も基本のブリティッシュレシピは、1.2リットルのミルクを弱火で温め煮立つ前にプディングライス(日本のお米でok)140gと砂糖110gを混ぜいれ、砂糖が溶けたらオーブン皿に移し140度の低温で1時間45分から2時間、ふたをしないで焼きます。これで4人分。
バニラ、ナツメグ、シナモンをふりかけたりアツアツにイチゴや缶詰のモモ、ハチミツやシロップを落として食べるのがおススメらしいです。
ためしもせずにレシピをおススメするのもなんですが。よかったら40年ぶり、お試しください。