上の挿絵は新道さんが描かれたものです。私ははじめこれはテキストのコピーだろうと思ったのですが、そうではなく新道さんが写し取られたものでした。絵も文字もテキストと寸分違わぬ出来栄えです。しかも挿絵だけでなく、本文もテキストどおりに写し取っておられます。文字を覚えるには書くのが一番と労力を惜しまれません。やがて87歳になられる高齢者ですよ。すごい方が入ってこられたものです。
膝栗毛は5編へ進みました。4編の終わりは七里の渡しを宮から桑名まで7里の海路です。ここでは弥次郎兵衛が船中で放尿してしまうという失敗談があります。渡し賃は1人45文、所用時間は4時間、陸路を歩くより3時間も早く着きます。途中から物売りの船が追っかけてきて酒、肴、饅頭などを売りに来ます。旅人には楽しく心安まる船旅です。
今日は会に先立って役員会を開き会則を改正して会費を値下げしました。千円/月を2千円/3月としました。これは会員数が増えたからできたことです。
膝栗毛の読み合わせも4編の終わり近くまで来ました。有松絞り、鳴海絞りなどの名産が出て来る場面です。テキストとして「発端」をアップしたのが昨年の1月でしたから1年8ヶ月ばかり膝栗毛をやっていることになります。これほど長期にわたって飽きが来ないのは、やはり原作の力だと思います。弥次、喜多の滑稽な失敗談に一喜一憂しながら、ともに東海道を旅行する楽しさがあり、皆様読み合わせ会を毎回楽しみにしておられます。
今回新入会者がありました。87歳の高齢で新道さんいわれ、新老人の会で吹き矢サークルの代表をされている方です。これから変体カナを習得しようと張り切っておられます。応援してあげたいですね。
膝栗毛も今日から4篇の読み合わせに入りました。新しく入会された方もアマゾンで購入したり、図書館で借りたりして活字本を持っておられます。種本を持っているから読み合わせができるわけですが、前からの会員はさすがに種本にたよらずとも読めるようになっています。こういう人たちはすでに中級者であり崩し文字に移行してもよいのですが、組み分けを行うにはまだ条件が整っていません。しばらくはこのまま続けるしかありませんが、この人たちの中に講師を養成して会員を増やし初級、中級の組み分けを行う将来構想を持っています。会員数が20人を超えれば会場の収容人員からも、組み分けをせまられます。
さて、今日の会は冒頭に規約の打ち合わせをしました。世話人の今村さんから規約案の説明があり、検討後ほぼ原案通りに決定しました。これで規約を持った一人前の組織に発展したわけです。今村さんは世話人から代表になり、副代表は平井さん、顧問に中川さん、会計は当分の間今村さんが兼務。この4役に講師を入れて役員会を構成して会の運営に当たることになりました。また、代表と会計にはわずかながら手当を出すことになりました。講師謝礼はこれまでどおり。
人数を増やして会費の値下げを実現しその上で余裕があれば講師謝礼も上げようということになりました。会費が安くて面白く楽しい会作りに成功すれば会は必ず発展します。なぜなら古文書には根強い需要があるからです。