古文書を読もう!「水前寺古文書の会」は熊本新老人の会のサークルとして開設、『東海道中膝栗毛』など版本を読んでいます。

これから古文書に挑戦したい方のための読み合わせ会です。また独学希望の方にはメール会員制度もあります。初心者向け教室です。

迦南俳句を読む26  坂本町西福寺の句碑

2018-04-30 11:48:57 | 横井迦南

 迦南句碑は戸馳島と多良木町の2カ所よりないと思っていたのですが、ある人から坂本町鮎帰西福寺と八代春光寺にも存在すると聞いたので早速拝観に行きました。

西福寺境内の迦南句碑

  月に訪ふ寺に宿かる心ぐみ  迦 南

 彫付けてある文字はちょっと見には判読できません。建立年代は昭和29年頃ですが、彫りが浅く摩滅も進んでいるようで簡単には読み取ることができませんが、右肩部の「月に訪ふ・・」の初5が読めたので以下は句集によりました。

 句にある寺はこの西福寺と思われます。住持のお話では先代住持が坂本俳句会の中心メンバーであったらしく迦南が坂本へ来たときはこの寺に泊まっていたそうです。

 この頃迦南は多良木町に住んでいたので「坂本阿蘇句会」へ指導に来る時は肥薩線坂本駅で降りて句会場の坂本会館まで歩いたものと思われます。当時の坂本村は十条製紙の景気のよい時代で、従業員数も多く活気あふるる村でした。また荒瀬ダムが竣工し藤本発電所が発電開始したのもこの頃です。

 ここまで作句背景が判ってみると鑑賞は易しいですよね。坂本の俳人たちと迦南との温かい人間的なつながりがこの句の縦糸で、横糸は西福寺宿泊です。句会が終われば鮎帰の西福寺まで月を観ながら歩くのも楽しみであるというのです。

 春光寺の句碑は別にアップします。

 


鶴亀句会 4月例会 2018-4-21

2018-04-20 17:58:44 | 鶴亀句会

会日時   2018-4-20  10時

句会場        パレア9F 鶴屋東館

出席人数   9 

指導者    山澄陽子先生(ホトトギス同人)

出句要領  5句投句 5句選   兼 題  春惜しむ・夏近し

世話人    近田綾子 096-352-6664 出席希望の方は左

次 会   5月15日(火)10時パレア9F 兼題 五月雨

       ※ 今後の会場 6/15(金)・7/20(金)・8/17(金)・9/21(金)

山澄陽子選

夏近し昔は遠出したものよ     綾 子

夏近しプランも何もない歳に     〃

地の温み吸うて鎮もる夕牡丹    礁 舎

樹木園そゞろに歩き春惜む      〃

夏近し海女の素早く沈みけり    茂 子

夏近し遠く輝く蜃気楼        〃

器量良しから貰はれる子猫かな   武 敬

うららかや軽装まとひ旅に出る    〃

魚跳ねて湖面の綺羅や夏近し    小夜子

独り居にいつしか慣れて春の宵    〃

夏近き渡船の水尾や桜島       〃

花吹雪人みな点となりて行く     興

幸せと薄墨で書く春便り       〃

ゆく春や慣れし指輪の緩び落つ   安月子

新緑や谿音に添ふ小屋ひとつ     〃

先生の句

夕間暮れ寂として散る残花かな   陽 子

誰となく水際に降りて夏近し     〃

鞦韆の風と遊べる薄暮かな      〃

春愁や服を替へても化粧ひても    〃

鶯の正調聞かせゐる深山       〃