鶴亀句会11月例会 平川礁舎選
句会場 コロナ蔓延のため紙上句会となる
出席人数 11 人
選 者 平川礁舎(俳誌「松」会員)
出句要領 3句投句 5句選 兼 題 小春
代 表 佐藤武敬 096-364-60612 出席希望の方は左記 へ
七五三晴れ着の下はスニーカー 純 子
鍋つつき締めは雑炊酒も締め 〃
小春日の今日はここまで庭仕事 小夜子
病む母に林檎摺りゐし父の背(せな) 〃
花ジンジャー白際やかに咲き匂う 宣 子
小春日や友のかごとの長電話 〃
逃げてゆく落葉を風の追ひ掛くる 優 子
小春日の猫とだらだら過ごしけり 〃
行く秋や小さな焚き火栗を焼く 一 九
マフラーの色いろいろや女高生 〃
ゆうゆうと阿蘇の煙よ小六月 良 一
霜月や雲に紛れて宇土半島 〃
師の遺徳日に新たなり菊日和 安月子
疲れゐる姿のままにうらがるる 〃
新米に幽かに残るうすみどり 洋 子
一羽翔ち一斉に翔ち稲雀 〃
大窓を開けて小春日和かな 興
鉢植えを玄関に寄す冬支度 和 作
焼き香りさそわれて買ふ痩さんま 〃
城内の且つ散る桜もみぢかな 礁 舎
境内を抜けて近道神の留守 〃
鶴亀句会10月例会 平川礁舎選
句会場 コロナ蔓延のため紙上句会となる
出席人数 10 人
選 者 平川礁舎(俳誌「松」会員)
出句要領 5句投句 5句選 兼 題 身に入む
代 表 佐藤武敬 096-364-60612 出席希望の方は左記 へ
千枚田境織りなす彼岸花 一 九
秋晴れや郷土の誉れ三冠王 〃
使い切る水彩絵の具秋惜しむ 優 子
霧深きより黒猫の現はるる 〃
行ってらっしゃいドア越しの風身に入みる 純 子
バス待ちは日向がいいね今日からは 〃
江津湖畔汀女恋しと赤とんぼ 洋 子
秋冷の三の岳位あるごとし 〃
山里の人住まぬ家身にぞ入む 和 作
身に入むや月影写る手水鉢 〃
真夜の玻璃開け木犀の闇を吸ふ 宣 子
身に入むや減りゆく街の書肆てふ記事 〃
身に入むや夫在りし日の登山帽 小夜子
「猫の舌」といふ菓子や秋うらら 〃
子ら帰京妻と二人のむかご飯 武 敬
菊日和遺影の恩師微笑めり 〃
秋空の雲ちよんとのせ普賢岳 良 一
身に入むやいま亡き友のメール読む 〃
身に入むや草に埋もるる開拓碑 礁 舎
補聴器のしかと捉へし鵯の声 〃
鶴亀句会9月例会 平川礁舎選
句会場 コロナ蔓延のため紙上句会となる
出席人数 10 人
選 者 平川礁舎(俳誌「松」会員)
出句要領 5句投句 5句選 兼 題 秋晴れ
前に阿蘇後ろに久住すすき原 和作
秋の日に家並みあかね染まりけり 〃
猫一匹女一人の月見かな 優子
秋晴や八十才のとある日の 〃
コンサート跳ね駐車場の虫時雨 洋子
秋水や模擬富士古今伝授の間 〃
あと少し歩いてみやう秋の晴れ 宣子
かはたれの庭に鈴虫放ちけり 〃
子が親を説教するや秋暑し 武敬
長き夜の歌謡曲こそ楽しけれ 〃
惜別の「ゴッドセブザクイーン」秋の虹 小夜子
秋晴の冨士の雄姿を機上より 〃
匂ひ立ち新米踊る土鍋かな 純子
ペン転げこくりこくりと夜長かな 〃
秋晴や長くバス待つ老夫婦 一九
病室の消灯よりの月あかり 〃
台風の去って鮮やか普賢岳 良一
秋すだれSDGs少しでも 〃
秋声や昭和の頃の黒電話 礁舎
天井の水明かりして秋の寺 〃
句会日時 2022-8-29
句会場 コロナ蔓延のため紙上句会となる
出席人数 10 人
選 者 平川礁舎(俳誌「松」会員)
出句要領 5句投句 5句選 兼 題 終戦日
佐藤武敬 096-364-60612 出席希望の方は左記 へ
礁舎選
暑に堪ふるコロナに堪ふる終戦日 洋 子
夏祭り中止回覧三年目 〃
終戦日不戦の誓ひ改めて 良 一
城照らす阿蘇より出し夏の月 〃
ゲイシャてふ珈琲淹るる終戦日 宣 子
理と知以て和をたふとばん終戦日 〃
インパールの父思ひけり終戦日 武 敬
妹の精霊船を流しけり 〃
キラ星のドドソソララソ天の川 小夜子
祈ること近頃増えて人の秋 〃
たそがれの少し止まる月見草 安月子
心まで老いてはならぬ大暑かな 〃
炎天やあの日は遠し戦没碑 和 作
芋粥に耐へる気も失せ敗戦日 〃
引き連れし親鴨ダイブつづく子等 優 子
午後三時蝉しぐれやみティータイム 〃
玉の汗拭ふ間もなく投球す 純 子
サイレンに頭を垂れし終戦日 〃
秋立てり耳を澄ませば風の音 礁 舎
盆燈篭まわる座敷や父母遠く 〃
句会日時 2022--7-29
句会場 コロナ蔓延のため紙上句会となる
出席人数 10 人
指導者 山澄陽子(ホトトキス同人)
出句要領 5句投句 5句選 兼 題 団扇
佐藤武敬 096-364-60612 出席希望の方は左記 へ
次 会 2022年8月19日(金) 兼題 終戦日
山澄陽子選 (ホトトギス同人)
梅雨明けやその短さをかこちあふ 武 敬
拾銭玉もらひ祭りへ走りけり 〃
炎天下路面電車の揺れ来る 洋 子
七夕竹担ぎゆく子は双子かな 〃
戻り梅雨予期せぬ水のあふれけり 和 作
団扇ふる手の力なく老いを知る 〃
老人の会話遮る蝉しぐれ 一 九
熱戦の野球観戦手に団扇 〃
「酒」一字掲ぐる酒肆の麻のれん 礁 舎
熊蝉の来て啼き喚く庭木かな 〃
ふるさとに団扇かざして踊りの輪 小夜子
夏の海童話のごとき帆掛船 〃
あまびえの笑ふ来民の渋団扇 宣 子
雲の峰旅客機くぐりまたくぐり 〃
ナイターや団扇が煽ぐホームラン 良 一
デパートの客をもてなす花氷 〃
グリーンカーテンひょろりとゴーヤ夏来たる 純 子
パタパタとはたく団扇の小気味良さ 〃
歌麿の浮世絵うちわセピア色 優 子
今咲くかいま揺らぐかと蓮の花 〃
句会日時 2022-6227
句会場 コロナ蔓延のため紙上句会となる
出席人数 9 人
指導者 山澄陽子(ホトトキス同人)
出句要領 5句投句 5句選 兼 題 風薫る
佐藤武敬 096-364-60612 出席希望の方は左記 へ
次 会 2022年7月721日(金) 兼題 団扇
山澄陽子選 (ホトトギス同人)
老夫婦憩いの場所に花菖蒲 一 九
薔薇園の色とりどりの薔薇の花 〃
蚊帳の中読み耽けりたる捕物帳 武 敬
窓硝子に体当たりせる蚊食鳥 〃
風薫る病やみたる肌にここちよく 和 作
風薫る今日はワクチン四度目の日 〃
大南風(みなみ)香りて進む日本丸 良 一
海風(かぜ)薫るデッキで味はふショコリキサー 〃
人見知りするてふ金魚藻の陰に 小夜子
道をしへ吾の行く眼科知ってをり 〃
犬を抱く女素足や風薫る 優 子
緑蔭より釣り人の背へ黒揚羽 〃
薫風やペット風車のよく廻り 宣 子
あじさいの七種ならびて垣根かな 〃
会えばまたコロナの話明易し 興
ベランダを我物顔の恋の猫 〃
夜明け前葉擦れの音や風薫る 純 子
風薫る縁側に読書居眠り 〃
茅刈る長袖のシヤツ長ズボン 礁 舎
遡るほどに高鳴く河鹿笛 〃
句会日時 2022-4-28 コロナ蔓延のため紙上句会となる
句会場
出席人数 9人
指導者 山澄陽子(ホトトキス同人)
出句要領 5句投句 5句選 兼 題 桜餅
佐藤武敬 096-364-60612 出席希望の方は左記 へ
次 会 5月20日(金) 兼題 更衣
山澄陽子選(ホトトギス同人)
一枚の空一点の揚雲雀 安月子
春宵や淡き翳もつシャンデリア 〃
老い二人会話なけれど桜餅 良 一
ベランダの縁の濡れ行く春の雨 〃
荷風忌や二本木付近歩きけり 武 敬
淡雪のごと蝶のごと散る桜 〃
掘り割りを埋め尽くして花の屑 小夜子
ひとつ置き空けたる座席花の冷え 〃
キラキラと陽光浴び揺れて綠立つ 純 子
桜餅葉っぱ食べる葉食べない派 〃
根子岳の麓の枝垂れ桜道 和 作
みみ
花博や観光客の足を止め 一 九
おなじ
春日傘四月の風の匂ひかな 優 子
あくびして今日が始まる仔ねこかな〃
予後の身にじゃがいもの花優しかり 礁 舎
退院のしみじみと食ぶ桜餅 〃
句会日時 2022-3-18 コロナ蔓延のため紙上句会となる
句会場
出席人数 8人
指導者 山澄陽子(ホトトキス同人)
出句要領 5句投句 5句選 兼 題 ,春宵
佐藤武敬 096-364-60612 出席希望の方は左記 へ
次 会 4月18日(金) 兼題 桜餅
山澄陽子選
春雨や戻らぬ日々の懐かしき 小夜子
枝折戸を黒猫くぐる春の宵 〃
彼の女その後思ほゆ春の宵 武 敬
人類の諍ひよそに鳥帰る 〃
春告げる野焼のけむり阿蘇五岳 一 九
コロナ去れ火渡り神事荒祈祷 〃
灯を点けず部屋にただゐる春の宵 礁 舎
石ころを投げてもみたる春の川 〃
春の海光る先には普賢岳 良 一
春宵の 東の空に 星一つ 〃
山里も価千金春の宵 和 作
春の宵久しき友にスマホする 〃
古里に祖父の墓訪ふ彼岸かな 安月子
独りとは寂しき自由宵の春 〃
三・一一見守り途中に黙祷す 宣 子
たかんなの三寸程の届く朝 〃
吾子らより贈られし辞書春の夜 純 子
黒々と拡がる山野芽吹き待つ 〃
句会日時 2022-2-28 コロナ蔓延のため紙上句会となる
句会場
出席人数 8人
指導者 山澄陽子(ホトトキス同人)
出句要領 3句投句 5句選 兼 題 ,猫の恋
佐藤武敬 096-364-60612 出席希望の方は左記 へ
次 会 3月18日(金) 兼題 春の宵
山澄陽子選
飼い主の我を無視する浮かれ猫 武 敬
降りそめし雪やがて舞ひ始めたり 〃
新刊のページの匂ひ春立つちぬ 小夜子
焼死せる友の墓石へ春の雪 〃
日溜まりに傷を舐めゐる恋の猫 安月子
気温まだ伸びし気温に従わず 〃
コロナ禍はどこの話か恋の猫 良 一
お社の老い木の梅の白一輪 〃
今宵また近くで輪唱猫の恋 純 子
根分けして嫁入り先に見守られ 〃
如月といふ言の葉の美しき 礁 舎
湧水のむすぶかたへの芹青し 〃
侘助やまた巡り来し孟宗忌 宣 子
早春の街のストリートピアノうれし 〃
我が小庭夢は大木植木市 一 九
まだ元気治地が愛した寒椿 〃
句会日時 2022-1-21 コロナ蔓延のため紙上句会となる
句会場
出席人数 8人
指導者 山澄陽子(ホトトキス同人)
出句要領 3句投句 5句選 兼 題 寒卵
佐藤武敬 096-364-60612 出席希望の方は左記 へ
次 会 2月18日(金)10時パレア9F 兼題
山澄陽子選
うぶすなの小さきやしろに太き注連 宣子
寒卵あしたもきつといい天気 〃
初日の出コロナよ去れよ今年こそ 良一
遠き友今年なぜ来ぬ年賀状 〃
寒卵走る君らへゆで玉子 純子
診察日手術告げられ冬日影 〃
あつあつのお粥に落とす寒卵 小夜子
良き便り玄関に待つ福寿草 〃
御降りの午後より雪となりにけり 礁舎
懐かしきものの一つに冬日かな 〃
初雪の天守の屋根に薄っすらと 一九
健康を願う夫婦の初詣 〃
娘婿昇進の報冬ぬくし 武敬
外にまで気合い飛び来る寒稽古 〃
寒卵今日の力と頂きぬ 安月子
冬木の芽天に向きたる力かな 〃
句会日時 2021-12-17 10時
句会場 パレア9F 鶴屋東館
出席人数 10人 (不在投句者1人)
指導者 山澄陽子(ホトトキス同人)
出句要領 3句投句 5句選 兼 題 初しぐれ
佐藤武敬 096-364-60612 出席希望の方は左記 へ
次 会 1月21日(金)10時パレア9F 兼題 寒卵
山澄陽子選
ぬる燗でちびりちびりと冬温し 純子
山眠る里は湯けむり長閑なり 〃
姉逝きて柊花をこぼしけり 小夜子
山眠る姉と唄ひし童歌 〃
冬ざれや解体されし古アパート 武敬
老友の元気な電話冬ぬくし 〃
茎漬けのすつぱくなりし老二人 和作
朝焼けの静かなりけり山眠る 〃
柿花火豊作山に捨て置きし 優子
山眠り白い草食む白馬かな 〃
山眠る途切れとぎれに渓の音 安月子
久に訪ふ子の住む町へ小六月 〃
路地裏のこぼるるばかり実南天 宣子
極月や工事現場の深夜の灯 〃
田舎道焚火の跡に霜柱 一九
大相撲まけても愛し郷土力士 〃
金峰山の深き眠りや年明く 礁舎
短日の行かねばならぬ用一つ 〃
蝕明けの冬の満月西空に 良一
山眠る面影ゆらぐ亡き親友(とも)の 〃
句会日時 2021-11-19 10時
句会場 パレア9F 鶴屋東館
出席人数 9人 (不在投句者4人)
指導者 山澄陽子(ホトトキス同人)
出句要領 3句投句 5句選 兼 題 初しぐれ
佐藤武敬 096-364-60612 出席希望の方は左記 へ
次 会 12月17日(金)10時パレア9F 兼題 山眠る
山澄陽子選
舞ひ下りし鳩舞ひ上がる落葉風 優 子
時雨るるや言葉にごしてスマホ切る 〃
滝壺へ陽をまとひつつ紅葉散る 安月子
閉ざされし丹塗り楼門神の留守 〃
掃き寄せて一つ拾ひぬ紅もみぢ 小夜子
初しぐれ狭庭過ぐるやただひそか 〃
ゴム長の泥落とす翁石蕗日和 宣 子
紙文化廃れさすまじ冬銀河 〃
干柿のすだれ越見る五岳かな 和 作
風呂上り冷えた柿むく妻の指 〃
秋夜長隣家の灯りまだ消えず 一 九
大相撲負けても愛おし郷土力士 〃
神父さま冗談を言ふ小六月 武 敬
初しぐれ病院二つ梯子する 〃
検針員に行遭ふ路地の時雨かな 礁 舎
ひとしずく頬にはらりと初しぐれ 〃
夢膨らます終の棲家の青写真 純 子
艶々と彩色ゆたか柿落葉 〃
先生の句
日の差せばいよいよ濃かり冬紅葉 陽 子
何時となく玻璃戸の曇る初時雨 〃
未知の町何故か懐し初時雨 〃