古文書を読もう!「水前寺古文書の会」は熊本新老人の会のサークルとして開設、『東海道中膝栗毛』など版本を読んでいます。

これから古文書に挑戦したい方のための読み合わせ会です。また独学希望の方にはメール会員制度もあります。初心者向け教室です。

太祇句集 翻刻1 序文

2016-12-31 21:13:53 | 炭太祇

太祇句集序                   炭 太祇

 

 交ハ易からぬ也 始めは刎頸にして半に寇讎たるの類古より少なからず。太

もと江戸の産にて中年都に上り住心やよかりけむ其ままに廿余年の春を迎

へ秋たつことさまで蓴鱸をも思はず本より山水の癖ありてみちのく、つくし

迄も杖を引弱冠より好める俳諧をもて生涯の楽しみとす。はた其好

                                 原画 早稲田大学古典籍

 

るや楽るや尋常にかはりて行住坐臥燕飲病床といへども日課の句を怠ずまい

て誰某が会など云には一の題に十余章を並べ三に五に及るにも此規矩を違ふ

事なく、もし趣を得れば上に置き下になしあるは中にもつづりて一句を五句にも

七句にも造りなし唯意をうるをもてセとす。故に其篇什佳境に入る許多也。又連

ね句をなすにもいつも沈吟する事外に倍せり。こゝをもて何れの巻にも造語連続

の率易なるを見ず。惜哉去年の秋文月の半ばより半身痿るやまふを感じて幾程

なく葉月上の九日に折からの草の露と消失ぬ。平生友とせる人あまたなる中に

わきて嵯峨の家在主人と予と三人雅筵を共にせし事亦復他に類ふべきにあら

ず、あるは雨しめやかなる春の夕はた雲、面白き冬の夜なと硯にむかひておの

がじし得たると得さるの自からなるをしらべ合い巨

                                      原画 早稲田大学古典籍

 

に椅居て櫓の上に杯をめぐらし果てハなき跡の事まで語出て吾倩かうやうに

此道に執深うそめぬれハ誰にまれながらへ残りたらん者志を一にして草稿を選

出世に残さましかハ゛生に死に改ざるの交ならんかし。実もさやしやなんと互に

契り約せしことも亦幾度にか及ばせん。されば今雅因とともに遺稿数十巻を閲し

てその中より先ず初稿を編輯して世に広うせんとす。事成の日雅因亦来会して

一ハ此功を終ハるを喜び一は多からざる心友の欠ぬるを嘆じけるに予頭を掉て

それもさる事なれど兄も我も元来二腰を横たふ身ならねば生前刎頸の交が思懸

す。されど風雅の可否を討論せしより外さらに市道の交をなさざりしがうへ契し

事のかうなん、とみに成ぬるは易からぬ交のよく終あん也祇もまた我等が相倍

さるのこころを莄壤の下に眉を開ざらまし

                                 原画 早稲田大学古典籍

 

や遂に此語をもて序とす

  明和九年壬辰夏五月

      洛                         嘯 山 書

 

 

太祇師年ころいひ捨をかれしほくの草稿なるものミな我に譲られ侍る 帋魚のた

めにむなしくせむ事本意なく選を葎亭、夜半亭の両匠へまかせ老師生涯のあら

ましまで序跋に述べ一冊となして給りぬ。さるを竹護叟の清書を乞さくら木にゑ

るとて今の不夜庵のあるじ師の俤をいたづらに書うつし反故をあながちに所望し

てここに彫刻し侍りぬ。

                                 呑 獅

                                 原画 早稲田大学古典籍

 


健軍商店街の復興支援バザー盛況!!

2016-12-28 13:57:50 | 日記

 写真のとおりの値段で売ってました。アーケードはここだけ人だかりがしていま

す。通常の値段を知りませんが、20円とは安いです。ご飯など生米より安いの

ではと思うくらいです。それぞれに賞味期限があるので、そこを考慮に入れて目

いっぱい買いました。数量に制限がないのもうれしいサービスです。

 察するにこれは震災時の支援物資の残り品だと思います。販売経費のみいた

だきますという感じでした。

     歳末や支援バザーの人だかり  礁 舎


白菜・桜紅葉

2016-12-27 23:01:14 | 植物

11月に苗を定植した白菜が巻き始めました。あと一ヶ月くらいで収穫できそうです。巻きはじめはこんな具合ですよ。

菜園の近くに20,30本の桜並木があって10月には落葉してしまって今は枯れ木同前なのですが、どうしたことか幹の下の方に生えている短い小枝の葉は今美しく紅葉しています。


シャーロック・ホームズより メリークリスマス!!!

2016-12-21 21:08:54 | 日記

 もうすぐクリスマスですね。毎年この時期になると私はホームズを観たくなりま

す。分けても「青い紅玉」という一作はクリスマスへの英国人の思いがぎっしり詰

まった作品で、メリークリスマスと挨拶を交わすシーンがふんだんに出てきます。 

日本人がお正月に「オメデトウ」と挨拶を交わすのにそっくりだし、また日本人が

雑煮を食べるように英国人はこの日にガチョウを食べるのですね。そが作

取り込まれて楽しい家庭的雰囲気を作り出しています。

 盗んだ宝石の隠し場所をガチョウの胃袋に思いつくのも面白いし、そのガチョ

ウがちょっとした手違いから売りに出され、幾変転の末ホームズのところへ落ち

着くいう筋立ても気の利いたセンスです。

警官のピーターソンがガチョウと帽子の処置に困ってホームズのところへ相談に来る。

届けられた帽子を観察しながら例によってホームズの推理が始まる。この部分のやりとりが面白いので抄録してみます。写真は帽子を掲げているワトスンと推理するホームズ。

ワトスン・・・そのくたびれた古帽子から何かわかったかね・・?

ホームズ・・持ち主はかなり知性のある人だろうな。そして3年前頃までは生

       活もかなりゆたかな暮らしをしていたが、いまは落ちぶれてい     

       る。勤勉だったが今は以前ほどではない。落ち目になるに従っ   

       て精神的にもハリを失ったんじゃないのかね・・そして悪癖を身

       につけた。恐らく酒だろう。細君との生活もうまくいってないだろう

       と思うな。

ワトスン・・・ヘッ、言い過ぎじゃないか・・

ホームズ・・しかし彼は自尊心をすべて失ったわけじゃない。しかし今の仕

       事は少なくとも肉体労働ではないと思う。歳は中年で髪は灰色

       がかっていて二三日前に散髪をしている。整髪料はライムクリー

       ムを使い、それにこの男の家には恐らくガスは引いてないんじゃ

       ないかな。

このガチョウ24羽います。

ワトスン・・・ハッハッハッそこまで云ちゃあジヨークだろうが

ホームズ・・大まじめだよ

ワトスン・・・そりゃあ君の推理は尊敬してるがね。でもどうして知的な男と分

        かるんだね・・?

ホームズ・・体積の問題だよ、ワトスン君。これほど頭が大きければ(帽子を

       被る、ブカブカ)中身も大きいだろう。

ワトスン・・じゃあ落ちぶれたというのは・・?

ホームズ・・このツバは3年前の流行だ、これは当時の最高級品だよ。バン

       ドは絹だし裏地も上等だ。3年前に買って以来これ1つ落ちぶれ

       た証拠だ。

灰色の頭を持つ1羽に宝石を吞ませる。目印にした灰色の頭のガチョウは1羽でなく2羽いたことから、思わぬ方向へ発展・・

ワトスン・・・思慮深さや精神的退化の証拠は・・?

ホームズ・・(帽子を手に持って)止め紐は買うときはついていない、帽子が

       風に飛ばないようつけさせたのは思慮深いが紐が切れたままで    

       付け替えていない。

ワトスン・・・なるほど今は投げやりだ。それでは夫婦仲がうまくいってないと

       いうのは・・?

ホームズ・・ほこりだらけの帽子にブラシもかけてない。これで送り出す細君

       では愛情はなくしているね。

ワトスン・・・家にガスを引いてないという証拠は・・?

ホームズ・・1~2滴ならともかく5滴もローソクの垂れ跡が、ガス灯は蠟を垂

       れないよ。

 


熊本新老人の会 鶴亀句会 12月例会

2016-12-16 13:24:50 | 鶴亀句会

句会日時   2016-12-16  10時

句会場        パレア9F 鶴屋東館

出席人数   6人

指導者    山澄陽子先生(ホトトギス同人)

出句要領  6句投句 6句選  短日

世話人    近田綾子 096-352-6664 句会出席希望の方は左記へ。

次 会    1月20日(金)10時パレア9F

兼 題    初景色

山澄陽子選

数へ日や人背ナ丸め急ぎ行く     安月子

混み合へる骨董市や日短        礁 舎

寄鍋の主導権持つ娘かな        武 敬

縫物のも少しなれど日短か       綾 子

百畳にひびく読経やお取越       安月子

冬ざれや幹線道路工事中       武 敬

古文書の読めぬ一字や日短      礁 舎

駅に人送りて戻る日短          綾 子

ベランダのばらと短日過ごしけり    茂 子

先生の句

漱石忌文学青年たりし父

空耳にシャンソン流る枯葉徑

銃眼の潰れて寒し地震の城

 


収穫されない大豆

2016-12-14 10:34:54 | 植物

嘉島町の大豆田です。かなり広い面積に植え付けてありますが収 

穫されないようです。手間をかけて出荷しても手間賃がでないとい

う事情があるのだとおもいますが、なにか考えさせられます。こ

れって補助金農政の弊ですよね。

鞘が弾けて実が飛び出しています。もったいないですね。


冬の蝶

2016-12-12 11:10:13 | 植物

秋の初め頃よりあちこちで見かけていた蝶にまた出会いました。江津湖畔の枇杷の花に来て蜜を吸っているのです。羽はボロボロになり哀れな姿になっていますがこの間の風雨に耐えてきた命だなあと感慨ひとしおでした。


穭田

2016-12-10 14:35:36 | 植物

正面に見える寺は専行寺です。背景の山は金望山です。

専行寺近辺の穭田。稲を刈り取った後に切り株からまた芽が伸びてきます。それが穭、穭に覆われた田が穭田です。

穭にも穂が生じ、籾のようなものが形成されますが、これに実が入ることはありません。

こぼれ穂を捧げてもゆる穭かな 泊 雲

藁塚の二つ並べる穭かな     鴻 一

穭田を犬は走るや畦を行く    虚 子


川尻専行寺鐘楼及びハウス茄

2016-12-09 18:45:41 | 植物

川尻専行寺で古文書の会をやっております。熊本近世史の第一

人者、新熊本市史近世部会責任者、松本寿三郎先生の教室で

す。熊本ではトップクラスの教室です。写真は専行寺の鐘楼です

山茶花の下に水仙が咲き出したいます

専行寺近辺のハウスでは茄がが出荷の最盛期を迎えています。ハウ

スの中を見せてもらいました。茄の品種は筑陽、ハウス内の気温は常

時13℃に保たれているそうです。交配はホルモン剤をスプレーでふり

かけるそうでこの作業は毎日午前中にやるそうです。出荷は農協が一

括して受け持ち京阪神地方、中部地方へ価格を見ながら配送している

とか。

 


忘年会

2016-12-08 09:41:33 | 日記

 今年三度目の忘年会を古文書の仲間四人でしました。場所は駕町通

りの居酒屋。わたしを除く三人はいずれも豊後大友家末葉の方々で

す。同じ飲み会でも趣味の会はいいですね。思いのたけを存分に語れ

ます。

 話題は先の大戦の評価、定義づけに及びましたが、なかなか微妙な

問題だけにこれだという結論にはいたりませんでした。、ポツダム宣言

受諾という公式の規定に異論はないのですが、戦中から戦後にかけて

の社会論的評価はまた別ですね。ここには個人のさまざまな思いがつ

まっており、終戦までの昭和前期は日本史の中でも特異の時代であっ

たことは一致しました。


家庭菜園 萵苣(ちしゃ)

2016-12-07 11:48:36 | 植物

紫がかった色をもつ野菜が萵苣です。早く植えたものは下の写真

のように花芽が着いています。

わたしはこれを長い間ムラサキレタスと呼んでいたのですが、本当

は萵苣でした。

落語に「夏の医者」というのがあり、医者と萵苣をかけて落ちとした

大変面白い噺なのですが、そこに出て来る萵苣がレタスとは知ら

なかったのです。


大慈寺の女郎蜘蛛

2016-12-06 10:54:56 | 植物

大慈寺の墓地で女郎蜘蛛を見付けました。地震以来墓苑の手入れが

行き届かないようで、蜘蛛の巣を方々に見かけました。これは女郎蜘

蛛、クモ科ジョロウグモ目ジョロウグモ属に属する蜘蛛だそうです。鮮

やかな色をしていること、交尾の時雄を食べてしまうことからこの名が

あると言われます。